○東京都文化振興条例

昭和五八年一〇月七日

条例第四六号

東京都文化振興条例を公布する。

東京都文化振興条例

目次

第一章 総則(第一条―第五条)

第二章 文化振興のための施策

第一節 文化活動の促進(第六条―第十三条)

第二節 文化環境の整備(第十四条・第十五条)

第三節 国際文化交流の推進(第十六条)

第四節 東京芸術文化評議会(第十七条)

附則

第一章 総則

(目的)

第一条 この条例は、民主的で文化的な国家を建設して世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする日本国憲法の精神にのつとり、文化の振興に関する東京都(以下「都」という。)の施策の基本を明らかにすることによつて、都民が東京の自然及び歴史的風土に培われた、国際都市にふさわしい個性豊かな文化を創造することに寄与し、もつて都民生活の向上に資することを目的とする。

(基本原則)

第二条 都は、都民が文化の担い手であることを認識し、その自主性と創造性を最大限に尊重する。

2 都は、この条例の運用に当たつては、文化の内容に介入し、又は干渉することのないよう十分留意しなければならない。

(都の責務)

第三条 都は、文化の振興を図るための施策(以下「文化振興のための施策」という。)の体系を明らかにするとともに、必要な組織を整備し、文化振興のための施策を総合的かつ効果的に推進するものとする。

2 都は、都が行う施策に文化の視点を取り入れるよう努めるものとする。

3 都は、文化振興のための施策に広く都民の創意を反映させるよう努めるものとする。

(区市町村との関係)

第四条 都は、文化の振興に関して特別区及び市町村(以下「区市町村」という。)が果たす役割の重要性にかんがみ、区市町村との協力及び連携に努めるものとする。

2 都は、文化振興のための施策について、区市町村が行う文化の振興に関する施策と相互に調整を図り、その効果的推進に努めるものとする。

3 都は、区市町村が行う文化の振興に関する施策について、必要な援助、助成及び助言を行うことができる。

(民間団体等との関係)

第五条 都は、文化振興のための施策を進めるに当たつては、国又は地方公共団体以外のもの(以下「民間団体等」という。)が行う文化活動に支障を及ぼさないよう十分留意するとともに、民間団体等の協力を求め、又はその有する人材、情報その他の能力を活用するよう努めるものとする。

第二章 文化振興のための施策

第一節 文化活動の促進

(芸術文化の振興)

第六条 都は、芸術文化活動を行う個人又は団体に対する援助、助成その他の芸術文化の振興を図るために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

(伝統的文化の保存、継承及び活用)

第七条 都は、東京に伝わる文化財その他の伝統的文化が、将来にわたり適切に保存、継承され、文化創造のために活用されるように、援助、助成その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

(自主的文化活動の促進)

第八条 都は、都民の自主的な文化活動を促進するため、これに取り組む個人又は団体に対して、活動の場及び情報の提供その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

(生涯学習の機会及び場の提供)

第九条 都は、生涯学習が文化を支える重要な活動であることにかんがみ、都民がその生涯の各時期を通じて自主的に学習するための機会及び場の提供その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

(青少年のための施策)

第十条 都は、青少年が豊かな人間性を形成し、創造的文化活動の担い手となることに資するため、青少年に対し広く文化に接するための機会及び場を提供する等必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

(行事の実施)

第十一条 都は、都民が文化に親しみ、広く文化についての理解と関心を深め、文化創造の意欲を高める契機となるような行事を行うものとする。

(文化情報の収集及び提供)

第十二条 都は、広く文化に関する情報の収集に努め、都民が必要に応じてこれらの情報を利用できるよう必要な措置を講ずるものとする。

(顕彰)

第十三条 都は、文化の振興に寄与し、その業績が顕著であると認められるものの顕彰その他の文化に関する顕彰の制度を設けるものとする。

第二節 文化環境の整備

(文化の視点にたつたまちづくり)

第十四条 都は、都市空間そのものが文化の表現であり、文化創造の場であるという視点にたつて、まちづくりに関する施策を推進するよう努めるものとする。

2 都は、自然景観及び歴史的景観の保存と創出並びに調和のとれた都市景観の形成に努めるものとする。

3 都は、その設置する公共施設が文化性を備えるよう設計、意匠等に配慮するものとする。

(文化施設の整備等)

第十五条 都は、必要な文化施設を体系的に整備するとともに、既存の公共施設を文化活動の場として活用するよう努めるものとする。

第三節 国際文化交流の推進

(国際文化交流の推進)

第十六条 都は、我が国の首都及び国際都市として、都民と世界の諸都市の市民との相互理解を深めるため、国際的な文化交流の推進に努めるものとする。

第四節 東京芸術文化評議会

(平一八条例一五六・追加)

(東京芸術文化評議会)

第十七条 文化振興のための施策を総合的かつ効果的に推進することを目的に、専門的な見地から調査審議するため、知事の附属機関として、東京芸術文化評議会(以下「評議会」という。)を置く。

2 評議会は、文化振興のための施策について、知事の諮問に応じて意見を述べるものとする。

3 評議会は、文化振興のための施策について、必要があると認めるときは、知事に意見を述べることができる。

4 知事は、文化振興のための施策を進めるに当たり、前二項の意見を尊重するものとする。

5 評議会は、文化振興に関し識見を有する者のうちから、知事が任命する評議員十五人以内をもつて組織する。

6 評議員の任期は、二年とし、補欠の評議員の任期は、前任者の残任期間とする。ただし、再任を妨げない。

7 評議会は、特定の事項を調査審議するため必要があると認めるときは、専門委員又は部会を置くとともに、関係者から意見を聴くことができる。

8 評議員及び専門委員は、非常勤とする。

9 第五項から前項までに定めるもののほか、評議会の組織及び運営に関し必要な事項は、知事が定める。

(平一八条例一五六・追加)

この条例は、公布の日から施行する。

(平成一八年条例第一五六号)

この条例は、公布の日から施行する。

東京都文化振興条例

昭和58年10月7日 条例第46号

(平成18年12月22日施行)