○東京都予算事務規則の施行について

昭和四〇年四月一日

副知事依命通達

四〇財主調発第九号

局長、広報室長、出納長、都立大学事務局長、養育院長、教育長、警視総監、選挙管理委員会事務局長、監査事務局長、人事委員会事務局長、地方労働委員会事務局長、消防長、議会局長、中央卸売市場長

東京都予算事務規則の施行について

昭和四十年三月三十一日、東京都規則第八十三号をもつて、東京都予算事務規則が公布され、同年四月一日から施行された。

この規則は、昭和三十八年六月の地方自治法改正の趣旨に従い、予算の編成及び執行に関する手続規定の整備を行つたものである。

この規則制定の趣旨は、予算制度の発展的整備を図ることによつて、組織における情報伝達を円滑にし、政策決定機能の発揮を十全ならしめ、都政全般にわたる管理能率の向上を期するとともに、将来における予算制度改善の目標として指向される事業別予算制度の基礎を確立しようとするものである。

よつて、貴職におかれては、下記事項に留意するとともに、これを所属職員に周知徹底せしめ、その実施に遺憾なきを期せられたい。

この旨、命により通達する。

第一 通則的事項

一 適用範囲(第一条第四条第二十九条)

この規則は、地方公営企業法(昭和二十七年法律第二百九十二号)の全部が適用される事業に係る予算事務を除き、東京都における予算の編成及び執行に関する手続の基本的事項を定めたものであり、東京都の予算事務に関しては、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)、地方公営企業法その他の関係法令に定めるもののほか、この規則及び東京都会計事務規則(昭和三十九年東京都規則第八十八号)東京都事案決定規程(昭和四十七年東京都訓令甲第十号)等の規定によるべきものであること。

二 電子情報処理組織(第四条の二)

電子情報処理組織を利用した予算の編成及び執行は、第二章の規定が適用される一般会計及び公営企業会計以外の特別会計を対象とし、第三章の規定が適用される地方公営企業法の財務規定等適用事業に係る会計は対象としないものであること。なお、電子情報処理組織を利用して予算の編成又は執行を行うことができない事情が生じたときは、財務局長は、各局長に事務執行の方針を別途通知するものであること。

三 予算科目(第五条第三十条)

予算科目の設定については、いわゆる事業別予算制度を参考として定められた地方自治法第二百十六条の規定の趣旨をさらに発展的に規定したものであること。

歳入歳出予算(予定収支)の款、項、目、節の区分については、第五条(第三十条)に規定しているところであるが、歳出予算(予定支出)の科目の区分については、次の事項に留意して行うべきものであること。

(一) 歳出予算(予定支出)の款、項、目の区分については、款は機能別に、項は事業目的別に、目はできるだけ具体的な事業計画ごとに分類し、かつ、組織との関連を考慮して決定することを要するものであること。

(二) 歳出予算の節の区分は、地方自治法施行規則(昭和二十二年内務省令第二十九号)第十五条第二項の規定により定められているところによるものであるが、節の区分の明確でない経費については、その性質を分析のうえ、もつとも類似した節に区分、整理して編成、執行するものであること。

予定支出の節についても、これに準じて処理するものであること。

四 予算科目の新設及び変更(第六条第三十条)

(一) 予算科目の新設及び変更は、予算の説明内容に重大な変改を加えることとなるので、財務局長が行うものとして、特に規定したものであること。

(二) 予算科目を新設し、または変更する必要があると認められる場合は、次のとおりであること。

ア 科目名が予算成立後の事情により収入または事業の内容を的確に表現しないこととなつたとき。

イ 既存の科目に属せしめることができない新たな収入があるとき。

この場合における歳入予算(予定収入)の款、項の新設または変更は、収入受入れに関する経理手続として行うものであること。したがつて、科目設定後すみやかに第十二条第一項及び第二項(第三十四条第一項及び第二項)の規定による予算補正の手続をとることを要するものであること。

ウ 新たな事業計画を設定することとなつたとき。

この場合においては、歳出予算(予定支出)の款、項において表示された予算の内容を逸脱しない範囲においてのみ許されるものであること。

(三) 科目の新設に伴う経費の金額の流用または予備費の充当については、別途、第二十条(第四十二条)または第二十一条(第四十三条)に定める手続によるものであるが、第六条第二項(第三十条)の規定による手続をとる際に、流用または予備費の充当を予定する各節の金額を明記するものであること。

五 は数整理(第七条第三十条)

千円未満のは数を整理するに当つて、当該経費に充当すべき財源が全額特定財源である場合等この規定によりがたいものについては、この原則によらないことができるものであること。

第二 予算の編成に関する事項

一 予算見積書の提出(第八条第三十一条)

(一) 予算編成方針

知事は、毎年度、予算の編成にさきだち、予算編成方針を定め、これを各局長に示すものであること。

各局長は、その予算編成方針において示された政策及び予算規模の概略を考慮したうえ、その都度示される事務処理方針に従つて、予算見積書を作成するものであること。この場合、各局長は、合理的な基礎に立つた見積額を算定しうるよう、事務事業の分析、精査を行うことに努めるとともに、局内はもとより、関係各局との充分な調整を行うべきものであること。

(二) 長期的計画とは、東京都長期計画及び庁議または首脳部会議において決定された二年度以上にわたる計画をいうものであること。なお、第八条第二項(第三十一条)に規定する「長期的計画との関連を明らかにする」とは、上記長期的計画との関連のみならず、各局または関係各局においてこれらに基き作成した事業の計画との関連を明らかにすることをいうものであること。

(三) 事業効果とは、当該事業の施行に係るいわゆる行政効果をいうものであるが、現状において直ちに測定しがたいものについては、事業施行の直接的効果をいうものであること。

二 予算及び予算説明書の作成(第十条)

財務局長は、知事の査定の結果に基づき、議会に提出すべき予算及び予算説明書を作成するものであること。

予算及び予算説明書の作成に当たつては、予算の内容を明らかにすることにより、議会の審議と住民の理解に便ならしめるとともに、管理能率の向上に資するよう、特に留意すべきものであること。

三 予算説明書作成資料の提出(第十一条第三十三条)

(一) 各局長は、第九条第二項(第三十一条)の規定により通知された査定の結果に基づき、第十一条(第三十三条)各号に列記する資料を所定の様式に従い作成しなければならないものであるが、特に歳入歳出予算事項別明細調書(予算の実施計画に関する資料)の作成に当たつては、事業目的及び内容を明らかにするよう、特に留意すべきものであること。

(二) 繰越明許費に関する説明書の作成は、法令の義務付けているところではないが、予算内容を明らかにするため必要であるので、この説明書の作成に要する資料として繰越明許費調書を財務局長に提出させることとしたものであること。

なお、繰越明許費調書の作成に当たつては、その内容を明らかにするよう、翌年度に経費を繰り越して使用することを必要とする理由、その費目及び金額を記載する必要があるものであること。

(三) 「その(財務局長の)指定する期日」及び「財務局長が指定する資料」については、第九条第二項(第三十一条)の規定による査定の結果の通知の際に定めるものであること。

(四) 電子情報処理組織を利用して予算の編成を行う場合においては、第十一条第一号に規定する歳入歳出予算事項別明細調書及び同条第五号に規定する債務負担行為調書の提出を、電子情報処理組織の端末機からの入力によつて代えるものとするものであること。

四 補正予算等の手続(第十二条第三十四条)

(一) 「予算の補正を必要とする理由が生じたとき」とは、第二十条(第四十二条)の規定による流用または第二十一条(第四十三条)の規定による予備費の充当の手続によるべき場合を除き、次の各号の一に該当する場合をいうものであること。

ア 歳入歳出予算(予定収支)の総額、継続費の経費の総額若しくは年割額、繰越明許費の経費の金額、債務負担行為の事項、期間若しくは限度額、地方債の起債の目的、限度額等、一時借入金の借入れの最高額または歳出予算の各項の経費の金額の流用の限度(予定支出の各項の経費の金額の流用の限度及び議会の議決を経なければ流用することのできない経費)を変更する必要が生じたとき。

イ 歳入歳出予算(予定収支)の款、項を新設し、または款、項の経費の金額若しくは名称を変更する必要が生じたとき。

ウ その他歳出予算(予定支出)の款、項において表示された経費の内容に重大な影響を与えることとなる事業計画の設定または変更があつたとき。

(二) 局長から予算の補正を必要とする理由が生じた旨の報告があつたときは、財務局長は、総合的な財政運営の見地から、知事にこれについての意見を具申するものであること。

(三) いわゆる弾力条項を適用することは、事実上予算を増額することとなるので、みだりにこれを適用すべきものではないものであること。したがつて、この運用に当つては、業務量の増加による収入増を過大に見積ることのないよう注意することはもとより、業務に直接必要な経費をこえて使用することのないよう、特に留意しなければならないものであること。

五 予算成立の通知(第十三条第三十五条)

予算成立の通知は、予算及び予算説明書の送付をもつてこれに代えることができるものであること。

第三 予算の執行に関する事項

一 執行計画(第十四条第三十六条)

(一) 年間執行計画

ア 作成及び提出

各局長は、予算の成立後すみやかに、その所掌する事業に係る歳出予算(予定支出)について、四半期ごとに区分した執行計画(以下「年間執行計画」という。)を定め、財務局長を経て知事に提出しなければならないものであること。なお、予算成立後に生じた理由に基き、予算の内容とは別に、新たに事業計画を設定した場合においても同様とするものであること。

各局長から年間執行計画が提出されたときは、財務局長は、その内容を審査し、意見があるときは、これを知事に具申するものであること。

イ 内容

年間執行計画の内容については、支出負担行為、支出、収入調定、収入の予定額並びに事業計画及び収入に関する進行過程を明らかにするとともに、当該事業計画と長期的計画との関連及び事業執行上の問題点(局間調整を要するものを含む。)を明らかにするものであること。

執行計画に係る事業の名称については、予算の区分上、目が事業別に区分されている場合には目ごとに、また、目に係る経費の内容が二つ以上の事業を含む場合には、原則としてその事業ごとに細分して表示するものであること。なお、事業計画未設定の執行計画にあつては、その旨を明記するものであること。

ウ 改定

(ア) 事業計画に変更があつたときは、すみやかに既定の年間執行計画を改定し、これを財務局長を経て知事に提出するものであること。

(イ) 事業計画に変更がない場合においても、配当の保留、取消等または事業の進画像状況等により、既定の執行計画による予算の執行が困難となつたときは、現実に即して、当該執行計画を改定しうるものであること。この場合、第十四条第二項(第三十六条)に規定する各四半期の歳出予算(予定支出)の執行計画(以下「四半期執行計画」という。)の提出をもつて、当該四半期以降の年間執行計画に代えうるものであること。

(二) 四半期執行計画

ア 四半期執行計画とは、予算の計画的執行を確保するための一・四半期に係る月別に区分された具体的日程計画であり、各局長は、上記年間執行計画に基き、第十七条第一項または第二項(第三十九条)に規定する歳出予算(予定支出)所要額見積書の提出の時期にあわせて作成しておくものであること。

イ 年間執行計画、四半期執行計画、実績報告書の統合

四半期執行計画において、年間執行計画及び歳出予算(予定支出)の執行の実績(見込)が明らかにされている場合においては、当分の間、四半期執行計画をもつて、当該年間執行計画及び第二十二条(第四十三条)に規定する実績報告書に代えることができるものであること。

したがつて、四半期執行計画は、歳出予算(予定支出)所要額見積書すなわち予算配当の基礎資料となるにとどまらず、当該四半期前の四半期の実績報告書及び当該四半期以降の年間執行計画たる性格を有するものとなるのであるから、その作成に当つては、事業の進画像状況、収入の確定状況等現実的要素にも充分配意すべきものであること。ただし、第四・四半期に係る実績報告書については、所定の様式によるものであること。なお、年間執行計画を改定したときは、当該四半期執行計画にその理由を明らかにするものであること。

二 資金収支計画(第十五条第三十七条)

財務局長は、第十五条の規定による報告の後にあつても、財政運営の状況を考慮しつつ、常時、現実に即した資金収支計画を作成しておくものであること。この場合、四半期執行計画(第十七条第三項)、歳出予算の執行の実績報告(第二十二条)、資金収支に関する報告(第二十三条)、財務局長への報告(第四十九条)等、この規則の定める諸制度を充分に活用することにより、資金の収支に関する情報を的確に把握し、計画の作成に遺漏のないよう努めるべきものであること。なお、財務規定等一部適用事業を所掌する局の長にあつては、財務局長の場合に準じ、当該事業に係る資金収支計画を作成しておくものであること。

細節による経理は、予算執行上の内部統制手段としてこれを行うものであること。その事務手続については、節と同様に取り扱うものであるが、特に次の点に留意して取り扱うこととするものであること。

(一) 設定されるべき細節については、予算編成の段階において、その細節名を明らかにし、予算額を算定、把握しておかなければならないものであること。

(二) 細節を設定したときは、第十三条(第三十五条)に規定する予算成立の通知の際に、各局長及び会計管理者に通知することを適当とするものであること。

(三) 財務局長は、細節を設定したときは、予算現額及び予算流用に関する帳簿にこれを記載するものであること。

(四) 配当、配付及び執行委任に際しては、細節に係る金額を明記し、会計管理者に通知するものであること。

(五) 局長及び所長は、帳簿に細節を記載し、その配当額、配付額または執行委任額をこえて支出負担行為を行つてはならないものであること。

(六) 局長は、決算調書を作成するときは、細節ごとにその支出額を明らかにするものであること。ただし、決算書には表示されないものであること。

(一) 歳出予算所要額見積書の提出

諸支出金等いわゆる統合科目に表現されている歳出予算については、事業を実際に執行する局において、歳出予算所要額見積書を提出するものであること。

(二) 四半期執行計画の提出

四半期執行計画は、これを財務局長に提出するとともに、あわせてその写を会計管理者に送付すべきものであること。なお、第十七条第三項の「その他参考となる資料」とは、事業執行上の問題点、国庫支出金の決定状況等について、その内容を明らかにしたものをいうものであること。

(三) 定期配当、臨時配当

予算の配当は、原則として四半期ごとに行うものであること。ただし、当該四半期に係る歳出予算(予定支出)所要額見積書を提出する際においては捕捉しえなかつた支出負担行為を、当該四半期に行う必要があると認められるときは、臨時に配当することがあるものであること。

(四) 歳出予算(予定支出)所要額見積書の審査

歳出予算(予定支出)所要額見積書の審査とは、

ア 四半期執行計画と年間執行計画とは統一されているか、統一されていないものについては、その理由が四半期執行計画に明らかにされているか、

イ 四半期執行計画において、予算執行の月別配分は、合理的、現実的であるか、などについて審査し、これらに適合しないものについては、当該局と協議のうえ、修正、補完することをいうものであること。

上記の審査を経て、適正と認められたときは、配当保留の場合を除き、すみやかに配当するものであること。

(五) 配当の保留は、次の場合に限つて行うものであること。

ア 全般の資金収支との関連で配当が困難なとき。

イ 当該経費に充てるべき主要な財源が確保されていないとき。

ウ 事業の取りやめ、中断等を必要とする事情が生じたとき。なお、第十七条第四項ただし書(第三十九条)に規定する「知事の承認」については、予算配当方針の設定により、一括して知事の承認を受けることをさまたげるものではないものであること。

(六) 配当の変更、取消

ア すでに配当した歳出予算(予定支出)の額を変更し、またはその配当を取り消すことができる場合については、第十七条第五項(第三十九条)に規定するところであるが、同項の「その他」とは、事業の完了、落札差金の発生等をいうものであること。

イ 事業の完了に伴う不用額及び落札差金等については、歳出予算(予定支出)の執行の実績報告(第二十二条第四十三条)、財務局長の調査等(第五十条)などの制度により、財務局長は、常時、その状況を把握しておくべきものであること。

(七) 集中処理を必要とする事務に関する予算の配当

集中処理を必要とする事務に関する予算の配当については、その予算に係る事業を所掌する局にかかわりなく、その事務の性質に応じ、集中処理する局の長に対し配当することができるものであること。この場合において、歳出予算(予定支出)所要額見積書は、当該予算に係る事業を所掌する局の長が提出するものであること。

五 配付及び執行委任(第十八条第四十条)

(一) 第十八条第三項(第四十条第四項)の「費途」とは、歳出予算(予定支出)の経費及びその事業計画について、その内容を明らかにする要件をいうものであること。

(二) 財務規定等一部適用事業に係る予算の執行委任の範囲については、第四十条第三項に規定するとおり、支出負担行為に係る履行の確認を行う時期(たとえば、物品購入または工事請負の契約における検査完了の時期)までの事務であり、それ以降の経理事務(金銭支払等)については、委任局長が行うものであること。

(三) 執行委任に係る執行計画及び歳出予算(予定支出)の執行の実績報告書には、その旨を明記して、委任局長がこれを提出するものであること。この場合、受任局長は、委任局長の求めに応じて、執行計画または実績報告書の作成に必要な資料を提供するものであること。

六 支出負担行為の制限(第十九条第四十一条)

(一) 歳出予算(予定支出)に係る支出負担行為

支出負担行為は、歳出予算(予定支出)の配当または配付があつた後でなければ、これを行つてはならないものであること。

第十八条第二項(第四十条第二項)の規定による執行委任に係る支出負担行為は、当該予算の執行の委任を受けた後でなければ、これを行つてはならないものであること。

(二) 支出負担行為の整理区分

支出負担行為として整理する時期及び支出負担行為の範囲は、別表一に定めるところによるものであること。ただし、別表一に定める経費に係る支出負担行為であつても、別表二に定める経費に係る支出負担行為に該当するものについては、別表二に定めるところによるものであること。

流用とは、第六条(第三十条)の規定による科目の新設を伴うと伴わないとにかかわらず、目相互間及び節相互間の経費の金額の流用をいうものであつて、第二十条第二項(第四十二条第二項)に規定するとおり、必要やむをえない場合に限つてのみこれを行いうるものであるが、この場合においても、人件費、事業費間の流用は厳に慎しむべきものであること。

八 予備費の充当(第二十一条第四十三条)

(一) 予備費は、予見しがたい予算外または予算超過の支出に充てるためのものであり、真に緊急やむをえない場合にのみこれを充当しうるものであること。

(二) 予備費充当請求書の審査とは、

ア 予備費充当に係る事業計画の新設または変更が所定の手続に従つてなされているか、

イ 予備費充当請求書に記載された計数の算出基礎が正確であるか、

などについて審査し、所要の措置を講じたうえ、充当額を確定するものであること。

九 歳出予算(予定支出)の執行の実績報告(第二十二条第四十三条)

(一) 実績報告制度の目的

実績報告制度は、トツプマネジメントに対し、予算執行の実績に関する情報を提供させて、合理的な管理を行い、予算の編成及び執行の指針とするため、これを設けたものであること。

(二) 実績報告書の調査

実績報告書の調査とは、支出負担行為、支出、事業の進画像及び財源確保の状況等について、これを執行計画と比較検討し、計画と実績との間に差異が生じたものについては、その原因を明らかにすることをいうものであること。

その結果に基き、財務局長は、問題点を明らかにして、実績の概要を知事に報告するものであること。この場合、改善策等に関する意見をあわせて報告することを適当とするものであること。

十 一時借入金(第二十四条第四十三条)

第二十四条第一項(第四十三条)の協議に際しては、会計管理者(財務規定等一部適用事業を所掌する局の長)は、借入れ所要額、時期、期間、借入先等を明らかにするものであること。

十一 繰越明許費(第二十五条)、建設改良費の繰越(第四十五条)

(一) 繰越見積書の提出及び繰越の決定

繰越明許費に係る歳出予算の経費または建設改良費に係る予定支出の経費を翌年度に繰り越して使用しようとする場合には、その概算額について、その見積書を財務局長を経て知事に提出し、三月三十一日までに知事の決定を受けることを要するものであること。

(二) 翌年度に繰り越した経費に係る予算の執行については、翌年度の予算と同様、この規則の第二章第三節または第三章第三節の規定の適用があるものであること。

第四 その他

一 財務局長合議事項(第四十八条)

(一) 継続費及び債務負担行為に係る支出負担行為

継続費の翌年度以降の年割額及び債務負担行為に係る支出負担行為については、予算の効力の発生後直ちにこれを行いうるものであるが、これらは当然、将来における支出を伴い、全体としての財政運営に影響を与えるものであるので、事前に財務局長に対する合議を要することとしたものであること。なお、当該年度の歳出予算(予定支出)に計上されている分に係るものについては、当然に第十九条(第四十一条)の規定の適用があるものであること。

(二) 不納欠損処分

歳入に関する不納欠損処分を行うに当つては、事前に財務局長に合議することとしたが、都税及び都税に係る税外収入に係るものについては、これによることが必ずしも適当でないと認められるので、これを除いたものであること。ただし、これについては、第二十三条第一項の規定による報告の中に含めて報告すべきものであること。

二 財務局長への報告(第四十九条)

(一) 用語の意義

ア 第四十九条の「……に重大な影響を及ぼす事情が生ずる」とは、当該経費を予算計上する際に、その計上について重要な基礎となつた特定財源に不足を生ずることにより、目的の達成が不可能となること、またはそこなわれることとなることをいい、当該目的の達成のために予定された一般財源の充当額をこえて、当該経費に一般財源を充当する必要が生ずることをいうものであること。また、そのことが「明らかになつたとき」とは、収入が未確定または不確定であつたものが、収入されないことが確実となつた場合をいうものであること。

イ 同条の「重大な事情の変更があつたとき」とは、上記アの場合を除き、予算の編成、執行計画の作成または予算配当に際し、その前提となつた事情に重大な変更があつた場合をいうものであること。

(二) 財務局長の措置

財務局長は、第四十九条に規定する報告に基き、予算の補正、予備費の充当、流用または配当の保留、取消等に関し、必要な措置をとるものであること。

三 帳簿(第五十一条)

第五十一条各号に列記したものは、帳簿の内容に関する要件であつて、この要件を満たすものであれば、必ずしも列記したものごとに帳簿を設けることを要しないものであること。

四 経過措置(付則第二項)

(一) 東京都予算事務要綱(昭和三十九年三月三十日三九財主調発第八号知事決裁)第二条第三号の規定による所及び付則第三項の規定による所は、この規則の規定による所とみなされたものであること。

(二) 局長は、局所属の事業所等について、新たに所の指定を受けようとするときは、次に掲げる事項に関する資料を添えて、財務局長を経て知事に申請するものであること。この場合において、局長は、当該申請書類の写を会計管理者に送付して、その旨を通知するものであること。

ア 当該事業所の位置及び名称

イ 事業規模(所属職員数、予算規模等)

ウ その他必要と認められる事項

別表一

区分

説明概略

支出負担行為として整理する時期

支出負担行為の範囲

備考

報酬及び給与等

議員報酬

委員報酬

非常勤職員報酬

特別職給

一般職給

職員手当等(退職手当を除く。)

支出決定のとき

当該期間分の報酬または給与等の額

 

その他手当

退職手当

支出決定のとき

支出しようとする額

 

共済費

東京都職員共済組合に対する負担金

報酬及び給料に係る社会保険料

支出決定のとき

支出しようとする額

 

災害補償費

療養補償費

休業補償費

葬祭料

その他補償費

支出決定のとき

支出しようとする額

 

恩給及び退職年金

恩給法、東京都恩給条例並びに雇傭員の退職年金及び退職一時金等に関する条例に基く給付

支出決定のとき

支出しようとする額

 

報償費

報償金

謝礼金

賞賜金

買上金

支出決定のとき

支出しようとする額

 

旅費

費用弁償

普通旅費

特別旅費

支出決定のとき

支出しようとする額

 

交際費

 

支出決定のとき

支出しようとする額

 

物品購入費

消耗品費

燃料費

工事用・加工用原材料費

飼料費

庁用器具費

機械器具費

動物費

購入契約を締結するとき

(請求のあつたとき)

購入契約金額

(請求のあつた額)

単価契約によるものは( )による。

食糧費及び賄費

 

契約を締結するとき

(請求のあつたとき)

契約金額

(請求のあつた額)

単価契約によるものは( )による。

印刷製本費及び修繕料

印刷費

製本費

修繕料

契約を締結するとき

(請求のあつたとき)

契約金額

(請求のあつた額)

単価契約によるものは( )による。

光熱水費及び電話加入料

電気・ガス・水道使用料

冷暖房使用料

請求のあつたとき

請求のあつた額

 

電話加入・設備料

電話の加入申込を承認する旨の通知があつたとき

請求のあつた額

役務費

電信・電話料

郵便料

広告料

手数料

筆耕・ほん訳・速記料

契約を締結するとき

(請求のあつたとき)

契約金額

(請求のあつた額)

後納または単価契約によるものは( )による。

運搬及び保管料

 

契約を締結するとき

(請求のあつたとき)

契約金額

(請求のあつた額)

運賃先払による運搬料、到着荷物の保管料、後納または単価契約によるものは( )による。

借料及び損料

自動車借上料

会場借上料

物件借上料

使用料

契約を締結するとき

(請求のあつたとき)

契約金額

(請求のあつた額)

後納または単価契約によるものは( )による。

損害保険料

火災保険料

自動車損害保険料

契約を締結するとき

契約金額

 

捜査費

 

請求のあつたとき

請求のあつた額

 

委託料

試験、調査、研究、製作、加工及び工事の委託料

契約を締結するとき

(請求のあつたとき)

契約金額

(請求のあつた額)

概算払に係る委託契約または単価契約によるものは( )による。

工事請負費

 

契約を締結するとき

(請求のあつたとき)

契約金額

(請求のあつた額)

単価契約によるものは( )による。

公有財産購入費

不動産購入費

権利購入費

船舶、航空機等購入費

契約を締結するとき

契約金額

 

負担金、補助及び交付金

負担金

補助金

交付金

交付決定をするとき

(交付額の確定をするとき)

交付決定金額

(交付確定金額)

交付決定の際に額の特定されていないもの(概算払に係るものを除く。)( )による。

扶助費

生活扶助費

生業扶助費

その他扶助費

支出決定のとき

支出しようとする額

 

貸付金

 

貸付決定のとき

貸付を要する額

 

補償、補画像、賠償及び償還金

賠償金

償還金

諸払戻金

補償金

小切手支払未済償還金

支出決定のとき

(契約を締結するとき)

支出しようとする額

(契約金額)

補償金で、契約によるものは( )による。

利子及び割引料

地方債利子

借入金利子

還付加算金

支出決定のとき

支出を要する額

 

投資及び出資金

出資金

払込金

出捐金

支出決定のとき

支出を要する額

 

積立金

基金積立金

保証金

支出または納付決定のとき

支出または納付しようとする額

 

寄附金

 

寄附決定のとき

寄附を要する額

 

公課費

 

申告または納付決定のとき

納付を要する額

 

他会計繰出金及び支出金

他会計繰出金

他会計支出金

繰出または支出決定のとき

繰出または支出を要する額

 

別表二

区分

支出負担行為として整理する時期

支出負担行為の範囲

備考

資金前渡

資金の前渡をするとき

資金の前渡を要する額

 

繰替払

繰替払金額の補画像をするとき

繰替払をした額

 

過年度支出

過年度支出を行うとき

過年度支出を要する額

 

繰越

繰越をした経費のうち、前年度において支出負担行為が行われたものについては、当該繰越分に係る歳出予算の配当のあつたとき

繰越をした経費のうち、前年度において行われた支出負担行為に相当する額

前年度において支出負担行為が行われていないものについては、別表一による。

返納金の戻入

現金の戻入の通知をするとき

戻入を要する額

 

債務負担行為

債務負担行為を行うとき

債務負担行為を要する額

 

東京都予算事務規則の施行について

昭和40年4月1日 財主調発第9号

(令和2年3月31日施行)

体系情報
第3編 務/第2章
沿革情報
昭和40年4月1日 財主調発第9号
平成4年4月1日 財主財第134号
平成19年3月27日 財主財第158号
令和2年3月31日 財主財第230号