○東京都公債条例
昭和三一年一〇月一日
条例第八二号
東京都公債条例を公布する。
東京都公債条例
東京都公債条例を次のように定める。
目次
第一章 総則
第二章 公債の募集
第三章 公債証券
第四章 元金償還及び利息支払
第五章 担保及び保証人
第六章 雑則
付則
第一章 総則
(通則)
第一条 証券を発行する方法による東京都公債に関する事項は、別に定めがあるもののほか、この条例の定めるところによる。
(外国債の適用除外)
第二条 外国において、公債証券を発行する場合においては、別に定める。
第二章 公債の募集
(公債募集の委託)
第三条 公債の募集は、銀行その他法令の規定により資格がある者に限り委託することができる。
(平四条例二八・平一七条例一三六・一部改正)
(受託会社のある場合の特則)
第四条 公債募集の委託を受けた会社は自己の名をもつて都のために地方財政法施行令(昭和二十三年政令第二百六十七号)第三十六条第一項に定める行為をすることができる。
(平一九条例二三・平二四条例九六・一部改正)
(受託会社の払込金引渡義務)
第五条 前条の場合において、受託会社は、払込金の全額を、すみやかに都に引渡さなければならない。
第三章 公債証券
(発行条件)
第六条 募集の方法により、公債証券を発行する場合においては、公債全額の払込があつた後でなければ証券を発行することができない。
(種類)
第七条 公債証券は無記名式利札付とする。ただし、割引発行の場合は、利札を添付しないことができる。
(利札の記載事項)
第八条 公債証券に利札を添付するときは、次に掲げる事項を利札に記載する。
一 当該利札の属する公債証券の名称、券面金額の種類及び番号
二 利率
三 利息の金額及び支払期日
(平一七条例一三六・一部改正)
(盗難・紛失・滅失)
第九条 公債証券若しくは利札を盗取された者またはこれらを紛失若しくは滅失した者は、公債証券の名称、券面金額の種類及び番号等を明示して代証券または代利札の交付を請求することができる。
2 前項の場合において、知事は、請求者が公示催告の手続により除権決定の確定したことを証明したときに限り、代証券又は代利札を交付する。ただし、償還期日又は利息支払期日の到来した公債証券又は利札については、これに相当する現金を支払うものとする。
3 前項の規定にかかわらず、知事は、請求者が相当な担保を供し、かつ、知事が適当と認めた保証人を立てたときは、当該証券または利札の償還期日または利息支払日において、元利金の支払をすることができる。
(平一七条例一三六・一部改正)
(汚染・き損)
第十条 公債証券または利札を汚染またはき損した者は、当該証券または利札を提出して、代証券または代利札との引換を請求することができる。この場合前条第二項ただし書の規定を準用する。
2 汚染またはき損甚だしく真偽を鑑別し難い場合は、前条の例によるものとする。
(信託財産の表示)
第十二条 公債証券に信託財産であることの表示を受けようとする者は、その証券を添えて請求しなければならない。その表示の抹消を受けようとするときも同様である。
2 受益者が前項に規定する表示の抹消の請求をする場合は、その理由を証明するに足る書面を請求書に添えなければならない。
3 第十条第一項の規定により、交付する代証券には、原公債証券に信託財産であることの表示がある場合は、その旨の表示をして交付する。
第四章 元金償還及び利息支払
(償還)
第十三条 公債の元金は、所定の期限内に、券面金額(社債、株式等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)の規定の適用がある東京都公債(以下「振替公債」という。)にあつては、振替公債の金額。次項において同じ。)をもつて償還する。ただし、買入消却をすることを妨げない。
2 買入消却による場合の買入価格は、計算上利益があると認められる場合に限り、券面金額を超過することができる。
(平一七条例一三六・平二四条例九六・一部改正)
(利息の計算)
第十四条 公債の利息は、発行の日の翌日から元金償還期日まで付するものとする。ただし、売出の方法により発行する公債は、売出期間満了の翌日から起算するものとし、交付の方法により発行する公債は、知事が別に定めることができる。
(平一一条例一一二・旧第十五条繰上)
(元金の支払方法)
第十五条 公債証券を発行する場合における公債元金は、当該証券と引換えに支払う。ただし、社債等登録法(昭和十七年法律第十一号)により登録された公債並びに第九条第二項ただし書及び第三項の場合には領収証書と引換えに支払う。
(平一一条例一一二・旧第十六条繰上、平一七条例一三六・一部改正)
(利息の支払方法)
第十六条 公債利息の支払は、特に必要があると認められる場合のほか年二回とし、利札記載の日(振替公債にあつては、利息の支払期日)においてその日を含む前六ケ月間に属する分を支払う。ただし、元金償還の場合における利息は、元金と同時に支払う。
(平一一条例一一二・旧第十七条繰上、平一七条例一三六・一部改正)
(元利金支払事務の取扱い)
第十七条 公債元利金の支払に関する事務は、銀行その他法令の規定により資格がある者に限り、取り扱わせることができる。
(平四条例二八・一部改正、平一一条例一一二・旧第十八条繰上、平一七条例一三六・一部改正)
(公債証券整理簿)
第十八条 知事は、募集の委託を受けた会社に対し、公債証券整理簿(振替公債にあつては、公債整理簿。次項において同じ。)を交付する。
2 公債証券整理簿の交付を受けた者は、これに元金償還及び利息の支払に関する事項を整理記入しなければならない。
(平一一条例一一二・旧第十九条繰上、平一七条例一三六・一部改正)
第五章 担保及び保証人
(担保の制限)
第十九条 第九条第三項に規定する担保は、現金、国債、東京都公債及び東京証券取引所における上場公社債中、知事が適当と認めるものに限る。
(平一一条例一一二・旧第二十条繰上)
(担保の還付)
第二十条 担保は、元金若しくは利息の消滅時効の完成したとき、又は原証券若しくは原利札の除権決定が確定したときに限り、還付する。
(平一一条例一一二・旧第二十一条繰上、平一七条例一三六・一部改正)
(担保物の変更)
第二十一条 担保を提供した者は、知事の承認を受けて、担保物を変更することができる。
(平一一条例一一二・旧第二十二条繰上)
(担保原因の消滅)
第二十二条 担保を提供した者は、担保原因の全部または一部が消滅したときは、その限度に応じて、担保の解除を請求することができる。
(平一一条例一一二・旧第二十三条繰上)
(連帯保証)
第二十三条 第九条第三項に規定する保証人の債務は、主たる債務者と連帯するものとする。
(平一一条例一一二・旧第二十四条繰上)
(保証人の欠格理由)
第二十四条 未成年者、成年被後見人、被保佐人及び被補助人は、保証人となることができない。
(平一一条例一一二・旧第二十五条繰上、平一七条例一三六・一部改正)
(保証人の死亡等)
第二十五条 保証人が死亡したとき、または保証人が前条の欠格理由に該当するときは、債務者は、すみやかに新たな保証人を立て、知事の承認を受けなければならない。
2 債務者が保証人を変更しようとするときは、知事の承認を受けなければならない。
3 保証人の資産が甚だしく減損したと認められるときは、知事は、債務者に対し、担保の提供を請求することができる。ただし、債務者は、知事の承認を得て、代保証人を立てることができる。
(平一一条例一一二・旧第二十六条繰上)
第六章 雑則
(公債に関する契約)
第二十六条 公債の発行及び償還に関する契約については、知事に限り処理することができる。
(平一一条例一一二・旧第二十七条繰上、平一七条例一三六・一部改正)
(委任)
第二十七条 第十四条に規定するもののほか、この条例の施行について必要な事項は、知事が定める。
(平一一条例一一二・旧第二十八条繰上、平一七条例一三六・一部改正)
付則
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。
(旧公債条例の廃止)
2 東京都公債条例(昭和二十一年十一月東京都条例第五十号)は、廃止する。
(経過措置)
3 この条例の施行前に発行した公債については、なお、従前の例による。
附則(平成四年条例第二八号)
この条例は、平成四年四月一日から施行する。
附則(平成一一年条例第一一二号)
この条例は、平成十二年四月一日から施行する。
附則(平成一七年条例第一三六号)
この条例は、平成十八年一月十日から施行する。
附則(平成一九年条例第二三号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(平成二四年条例第九六号)
この条例は、公布の日から施行する。