○行政財産の使用許可の取扱いについて

昭和四一年一月一二日

四〇財管一発第四三九号

局(室)長

出納長

都立大学事務局長

養育院長

中央卸売市場長

消防長

昭和四十一年一月十二日付をもつて、行政財産の使用許可の取扱いについて、次のとおり依命通達された。

行政財産の使用許可の取扱いについて

行政財産は、いうまでもなく都の行政目的遂行のための物的手段としてきわめて重要なものであり、その目的に応じて最も効率的に利用しなければならないものである。しかるに、従来使用許可をした行政財産のなかには、建物または堅固な工作物の敷地として土地の使用を許可したため、長期継続的な使用となり、当該行政財産の本来の目的遂行上支障をきたし、管理の適正化を強く要請されているものも生じている。都行政を効率的かつ円滑に運営し、都民の付託にこたえるためには、これらについて、従来の経緯にとらわれることなく、すみやかに適正化するよう最善の努力を払うとともに、今後新たに使用許可をするにあたつては、不適正の事態の発生を未然に防止するため万全の措置を講ずる必要がある。

行政財産の使用許可の取扱いについては、「公有財産関係の条例及び規則の施行について(昭和三十九年四月一日付三十九財管一発第百四十九号依命通達)」においてすでに通達したところであるが、上記のような情勢にかんがみ、今後は時に下記事項に留意し、もつてその処理に遺憾なきを期されたい。

この旨、命により通達する。

一 使用許可の範囲

(一) 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百三十八条の四第七項の規定に基く行政財産の使用の許可は、東京都公有財産規則(昭和三十九年三月東京都規則第九十三号。以下「規則」という。)第二十九条の二各号の一に該当する場合に限り行うことができるものであるが、行政財産を本来の用途又は目的以外に使用させることは、あくまでも例外的な措置であるので、規則第二十九条の二の適用は必要最少限度にとどめるものとすること。また、許可にあつては、将来当該財産を公用又は公共用に供するため許可を取り消したときに容易に原状回復ができるようにする必要があるので、原則として現状のまま使用させるべきものであること。

(二) 建物若しくは堅固な工作物の敷地として土地の使用を許可し、または独立した建物の全部若しくは大部分の使用を許可することは、たとえその許可期間が短期であつても、期間満了後または許可取消後において原状回復が困難となり、ひいては本来の用途または目的を妨げることとなるおそれがあるので、このような使用許可は原則として行うべきものではないものであること。すなわち、このような使用許可は、それが当該行政財産の本来の目的に寄与することとなる場合、使用目的の公益性等の理由により真にやむを得ない場合等であつて、当該部分の用途を廃止して普通財産としての長期貸付け、売払い等により処理することが当該行政財産の効用を著しくそこなうと認められるときに限り、例外的に行うことができるものであること。

二 使用許可の期間

行政財産の使用を許可する期間は、原則として一年以内としなければならないものであるが、電柱、電線、上下水管、地下ケーブル、電話ボツクス、防火貯水槽等その使用目的からみて使用期間がある程度長期にわたることが予想されるものについては、実情に応じて一年を超えて許可することができるものであること。この場合においても、その内容に応じ、三年、五年又は十年以内の期間を限つて許可するものであること。

三 使用許可の更新

使用許可の更新にあたつては、相手方の申請に応じて漫然と更新を認めることなく、従来の使用状況、使用許可更新の必要性等について実地に調査するとともに、当該行政財産の利用計画等を考慮して、慎重に処理すること。

四 使用料の徴収及び改定

行政財産の使用料は、原則として使用許可の全期間分をその期間の初日までに納入させるものであるが、長期間にわたる使用を許可する場合で特別の理由により分納を認めるときは、おおむね各年度ごとに使用料の改定を行うものとし、全額前納の場合との均衡を失しないように留意すること。

五 許可条件

行政財産の使用を許可するにあたつては、前記依命通達の別紙第一に示したもののほか、個々の事業ごとに使用の目的及び方法並びに将来問題が生じた場合の措置等を考慮して、必要と認められる条件を必ず付さなければならないものであること。

六 許可条件違反の場合の措置等

使用許可をした行政財産については、随時その使用状況を実地に調査し、許可条件に違反する事実を発見したときは、ただちにその是正を求め、これに従わないときには、使用許可を取り消すとともに、当該財産を原状に回復して返還させなければならないものであること。なお、これに応じないときには、すみやかに必要な法的措置を講ずるものであること。

七 継続的に使用許可をしている行政財産の適正化

従来使用許可をした行政財産のなかには、使用許可の更新によつて長期継続的な使用を認め、建物敷等として使用されているものがあるが、これらのうち、当該行政財産の本来の目的遂行上支障をきたしているものについては、使用許可の更新を認めず、当該財産を原状に回復して返還させるものとし、これに応じないときには、すみやかに必要な法的措置を講じなければならないものであること。

行政財産の使用許可の取扱いについて

昭和41年1月12日 財管一発第439号

(平成19年3月13日施行)

体系情報
第3編 務/第9章 産/第1節
沿革情報
昭和41年1月12日 財管一発第439号
平成12年3月1日 財管総第296号
平成16年4月1日 財財総第611号
平成19年3月13日 財財総第584号