○東京都原子爆弾被爆者等の援護に関する条例

昭和五〇年一〇月二二日

条例第八八号

東京都原子爆弾被爆者等の援護に関する条例を公布する。

東京都原子爆弾被爆者等の援護に関する条例

(目的)

第一条 この条例は、原子爆弾の被爆者及び被爆者の子に対し、必要な援護措置を講じ、もつて被爆者等の福祉の増進を図ることを目的とする。

(定義)

第二条 この条例において「被爆者」とは、原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(平成六年法律第百十七号。以下「原子爆弾被爆者援護法」という。)第一条に規定する被爆者であつて、東京都の区域内に住所を有する者をいう。

2 この条例において「被爆者の子」とは、原子爆弾被爆者援護法第一条に規定する被爆者の実子(被爆時以前に生まれた者及び被爆当時胎児であつた者を除く。)であつて、東京都の区域内に住所を有する者をいう。

(平七条例九五・一部改正)

(援護措置)

第三条 知事は、次の各号に掲げる援護措置を行うものとする。

 被爆者に対する介護手当の支給

 被爆者に対する健康診断受診奨励金の支給

 被爆者の子に対する健康診断の実施

 被爆者の子に対する医療費の助成

 前各号のほか、知事が必要と認める援護措置

(昭五一条例六四・一部改正)

(介護手当)

第四条 介護手当は、東京都規則(以下「規則」という。)で定める障害(原子爆弾の傷害作用の影響によるものでないことが明らかであるものを除く。)により介護を要する状態にあり、かつ、介護を受けている被爆者に対し、次の各号のいずれかを支給する。

 介護に要する費用を支出して介護を受けた場合 一般介護手当

 規則で定める家族等により介護を受けた場合 家族介護手当

2 前項の規定にかかわらず、介護手当の支給を受けようとする者が、規則の定める施設に入所している時は、介護手当は、支給しない。

3 介護手当は、月を単位として支給するものとし、その額は、次の各号の区分に従い、当該各号に掲げる額とする。ただし、原子爆弾被爆者援護法第三十一条の規定により介護手当を受けている者については、その支給された額を控除した額とする。

 一般介護手当

千円にその月において介護に要する費用を支出して介護を受けた日数を乗じて得た額(その額が二万円を超えるときは、二万円)に原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律施行令(平成七年政令第二十六号。以下「原子爆弾被爆者援護法施行令」という。)第十八条第一項又は第二項第一号の規定により算出した額を加えた額。ただし、その額が介護に要する費用として現に支出された費用の額(以下「実支出額」という。)を超える場合(同号の規定により算出した額が、実支出額を超える場合を除く。)は、実支出額とする。

 家族介護手当

一万七千五百円に原子爆弾被爆者援護法施行令第十八条第二項第二号に定める額を加えた額

(昭五一条例六四・昭五二条例七七・昭五三条例八〇・昭五四条例八三・昭五五条例九八・昭五六条例八六・平七条例九五・平一四条例一二九・一部改正)

(健康診断受診奨励金)

第五条 健康診断受診奨励金は、原子爆弾被爆者援護法第七条に規定する健康診断の受診者に対し、年二回を限度として支給する。

2 前項の健康診断受診奨励金の額は、一回につき千円とする。

(平七条例九五・一部改正)

(健康診断)

第六条 被爆者の子に対する健康診断は、規則の定めるところにより行う。

2 前項の健康診断を受けようとする者は、規則で定める健康診断受診票の交付を受けなければならない。

(医療費の助成)

第七条 被爆者の子に対する医療費の助成(以下「医療費の助成」という。)の対象となる者は、次に掲げる要件を備えている者とする。

 国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)その他規則で定める法令(以下「医療保険各法」という。)の規定により医療に関する給付が行われる者

 前条第二項に規定する健康診断受診票の交付を受けた者

 原子爆弾被爆者援護法第二十七条第一項の厚生労働省令で定める障害を伴う疾病(規則で定める疾病を除く。)により規則で定める期間の医療を必要とする者

2 前項の規定により医療費の助成を受けようとする者は、規則の定めるところにより知事の認定を受けなければならない。

(昭五一条例六四・追加、平六条例一〇五・平七条例九五・平一一条例四九・平一二条例一二三・平一二条例一八七・一部改正)

(助成の範囲)

第八条 東京都は、前条第二項の認定を受けた者(以下「被認定者」という。)の認定に係る疾病及びその続発症について医療保険各法の規定により医療に関する給付が行われた場合における医療費(健康保険の療養に要する費用の額の算定方法によつて算定された額(当該法令の規定に基づきこれと異なる算定方法によることとされている場合においては、その算定方法によつて算定された額)を超える額を除く。)のうち、当該法令の規定によつて被認定者又は被認定者に係る国民健康保険法による世帯主若しくは健康保険法(大正十一年法律第七十号)による被保険者その他これに準ずる者(以下「被保険者等」という。)が負担すべき額から当該法令の規定によつて被保険者等が負担すべき食事療養標準負担額及び生活療養標準負担額を控除した額を助成する。

2 前項の規定にかかわらず、医療保険各法以外の法令の規定により国又は地方公共団体の負担による医療に関する給付が行われたときは、同項の医療費の助成の額から当該法令の規定によつて行われた当該医療に関する給付の額を控除した額を助成する。

(平一二条例一二三・全改、平一八条例一二二・平二二条例四六・一部改正)

(助成の方法)

第九条 医療費の助成は、被認定者が、規則で定める医療機関等で医療を受けた場合、当該医療機関等に支払うことによつて行う。

2 前項の規定にかかわらず、知事が必要と認めるときは、被認定者に支払うことにより医療費の助成を行うことができる。

(昭五一条例六四・追加、平一二条例一二三・一部改正)

(申請)

第十条 この条例による援護を受けようとする者は、規則の定めるところにより知事に申請しなければならない。

(昭五一条例六四・旧第七条繰下)

(届出)

第十一条 この条例による援護を受けている者は、次の各号のいずれかに該当するときは、速やかにその旨を知事に届け出なければならない。

 氏名を変更したとき。

 住所を変更したとき。

 前各号のほか、規則で定める事項に該当するとき。

(昭五一条例六四・旧第八条繰下)

(状況調査)

第十二条 知事は、必要があると認めるときは、この条例による援護を受けている者に対し、生活状況等について報告を求め、又は調査を行うことができる。

(昭五一条例六四・旧第九条繰下)

(譲渡等の禁止)

第十三条 この条例による援護を受ける権利は、譲渡し、又は担保に供してはならない。

(昭五一条例六四・旧第十条繰下)

(手当等の返還)

第十四条 偽りその他不正の手段により、この条例による援護を受けた者があるときは、知事は、その者から当該援護を受けた額又はその相当額の全部又は一部を返還させることができる。

(昭五一条例六四・旧第十一条繰下)

(委任)

第十五条 この条例に規定するもののほか、この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。

(昭五一条例六四・旧第十二条繰下)

1 この条例は、昭和五十年十一月一日から施行する。ただし、第五条に規定する健康診断受診奨励金に係る第七条の規定は、昭和五十一年四月一日から適用する。

2 この条例の施行の際、現に原子爆弾被爆者の子供の健康診断実施要綱(昭和四十九年衛医対第六十二号)に基づき交付されている健康診断受診票は、この条例の規定により交付された健康診断受診票とみなす。

(昭和五一年条例第六四号)

この条例は、昭和五十一年十月一日から施行する。

(昭和五二年条例第七七号)

1 この条例は、公布の日から施行し、この条例による改正後の東京都原子爆弾被爆者等の援護に関する条例の規定は、昭和五十二年八月一日から適用する。

2 昭和五十二年七月以前の月分の介護手当の額については、なお従前の例による。

(昭和五三年条例第八〇号)

1 この条例は、公布の日から施行し、この条例による改正後の東京都原子爆弾被爆者等の援護に関する条例の規定は、昭和五十三年八月一日から適用する。

2 昭和五十三年七月以前の月分の介護手当の額については、なお従前の例による。

(昭和五四年条例第八三号)

1 この条例は、公布の日から施行し、この条例による改正後の東京都原子爆弾被爆者等の援護に関する条例の規定は、昭和五十四年八月一日から適用する。

2 昭和五十四年七月以前の月分の介護手当の額については、なお従前の例による。

(昭和五五年条例第九八号)

1 この条例は、公布の日から施行し、この条例による改正後の東京都原子爆弾被爆者等の援護に関する条例の規定は、昭和五十五年八月一日から適用する。

2 昭和五十五年七月以前の月分の介護手当の額については、なお従前の例による。

(昭和五六年条例第八六号)

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行し、この条例による改正後の東京都原子爆弾被爆者等の援護に関する条例(以下「新条例」という。)の規定は、昭和五十六年八月一日から適用する。

(一般介護手当に関する経過措置)

2 昭和五十六年八月からこの条例の公布の日の属する月までの間(以下「支給期間」という。)の分として、この条例による改正前の東京都原子爆弾被爆者等の援護に関する条例第四条の規定により被爆者に支給される一般介護手当の額が新条例第四条の規定により支給されることとなる一般介護手当の額を超えるときは、支給期間の分としてその者に支給されるべき一般介護手当の額は、同条の規定にかかわらず、その差額を同条の規定により支給されることとなる一般介護手当の額に加算した額とする。

3 昭和五十六年七月以前の月分の介護手当の額については、なお従前の例による。

(平成六年条例第八四号)

この条例は、公布の日から施行する。

(平成六年条例第一〇五号)

この条例は、平成六年十月一日から施行する。

(平成七年条例第九五号)

この条例は、公布の日から施行する。

(平成一一年条例第四九号)

この条例は、平成十一年四月一日から施行する。

(平成一二年条例第一二三号)

1 この条例は、平成十二年九月一日(以下「施行日」という。)から施行する。

2 この条例による改正後の東京都原子爆弾被爆者等の援護に関する条例の規定は、施行日以後に行われる療養に係る医療費の助成について適用し、施行日前に行われた療養に係る医療費の助成については、なお従前の例による。

(平成一二年条例第一八七号)

この条例の規定は、平成十三年一月六日から施行する。

(平成一四年条例第一二九号)

この条例は、公布の日から施行する。

(平成一八年条例第一二二号)

この条例は、平成十八年十月一日から施行する。

(平成二二年条例第四六号)

この条例は、平成二十二年四月一日から施行する。

東京都原子爆弾被爆者等の援護に関する条例

昭和50年10月22日 条例第88号

(平成22年4月1日施行)

体系情報
第6編 生/第4章 務/第1節
沿革情報
昭和50年10月22日 条例第88号
昭和51年7月15日 条例第64号
昭和52年10月21日 条例第77号
昭和53年10月25日 条例第80号
昭和54年10月27日 条例第83号
昭和55年10月20日 条例第98号
昭和56年10月15日 条例第86号
平成6年4月1日 条例第84号
平成6年9月30日 条例第105号
平成7年7月12日 条例第95号
平成11年3月19日 条例第49号
平成12年3月31日 条例第123号
平成12年10月13日 条例第187号
平成14年7月3日 条例第129号
平成18年9月29日 条例第122号
平成22年3月31日 条例第46号