○東京都風致地区条例

昭和四五年四月一日

条例第三六号

東京都風致地区条例を公布する。

東京都風致地区条例

(目的)

第一条 この条例は、都市計画において定められた風致地区(面積が十ヘクタール以上であり、かつ、二以上の特別区又は市町村(以下「区市町村」という。)の区域にわたるものに限る。以下同じ。)について都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第五十八条第一項の規定に基づき、都市の風致を維持するため必要な事項を定めることを目的とする。

(平一六条例九九・平二五条例一一九・一部改正)

(風致地区の種別)

第二条 風致地区の種別は、第一種風致地区及び第二種風致地区とし、その区域は、知事が指定する。

(許可を要する行為)

第三条 風致地区内において、次に掲げる行為をしようとする者は、あらかじめ知事(当該風致地区が特別区又は市(以下「区市」という。)の区域内に存する場合にあつては、当該区市の長。以下「知事等」という。)の許可を受けなければならない。

 宅地の造成、土地の開墾その他の土地の形質の変更(以下「宅地の造成等」という。)

 木竹の伐採

 土石の類の採取

 水面の埋立て又は干拓

 建築物その他の工作物(以下「建築物等」という。)の新築、改築、増築又は移転(以下「建築」という。)

 建築物等の色彩の変更

 屋外における土石、廃棄物(廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)第二条第一項に規定する廃棄物をいう。以下同じ。)又は再生資源(資源の有効な利用の促進に関する法律(平成三年法律第四十八号)第二条第四項に規定する再生資源をいう。以下同じ。)の堆積

2 前項の規定にかかわらず、同項各号に掲げる行為に該当する行為で次に掲げるものについては、同項の許可を受けることを要しない。

 都市計画事業の施行として行う行為

 国、都若しくは区市町村又は当該都市計画施設を管理することとなる者が当該都市施設又は市街地開発事業に関する都市計画に適合して行う行為

 非常災害のため必要な応急措置として行う行為

 面積が十平方メートル以下の宅地の造成等で高さが一・五メートルを超えるのりを生ずる切土又は盛土を伴わないもの

 次に掲げる木竹の伐採

 間伐、枝打ち、整枝等木竹の保育のため通常行われる木竹の伐採

 枯損した木竹又は危険な木竹の伐採

 自家の生活の用に充てるために必要な木竹の伐採

 仮植した木竹の伐採

 本項各号及び次条各号に掲げる行為のため必要な測量、実地調査又は施設の保守の支障となる木竹の伐採

 土石の類の採取でその採取による地形の変更が第四号の宅地の造成等と同程度のもの

 面積が十平方メートル以下の水面の埋立て又は干拓

 建築物の新築、改築又は増築で、新築、改築又は増築に係る建築物又はその部分の床面積の合計が十平方メートル以下であるもの(新築、改築又は増築後の建築物の高さが八メートルを超えることとなるものを除く。)

 建築物の移転で移転に係る建築物の床面積が十平方メートル以下であるもの

 次に掲げる工作物(建築物以外の工作物をいう。以下同じ。)の建築

 風致地区内において行う工事に必要な仮設の工作物

 水道管、下水道管、井戸その他これらに類する工作物で地下に設けるもの

 消防又は水防の用に供する望楼及び警鐘台

 その他の工作物で建築に係る部分の高さが一・五メートル以下であるもの

十一 建築物等のうち、屋根、壁面、煙突、門、塀、橋、鉄塔その他これらに類するもの以外のものの色彩の変更

十二 屋外における土石、廃棄物又は再生資源の堆積で、面積が十平方メートル以下であり、かつ、高さが一・五メートル以下であるもの

3 国、都又は区市の機関が行う行為については、第一項の許可を受けることを要しない。この場合において、当該国、都又は区市の機関がその行為をしようとするときは、あらかじめ知事等に協議しなければならない。

(平一六条例九九・平二五条例一一九・一部改正)

(適用除外)

第四条 次に掲げる行為については、前条の規定は、適用しない。この場合において、これらの行為をしようとする者は、あらかじめ知事等にその旨を通知しなければならない。

 国土保全施設、水資源開発施設、道路交通、船舶交通若しくは航空機の航行の安全のため必要な施設、気象、海象、地象、洪水等の観測若しくは通報の用に供する施設、自然公園の保護若しくは利用のための施設若しくは都市公園若しくはその施設の設置若しくは管理に係る行為、土地改良事業若しくは地方公共団体若しくは農業等を営む者が組織する団体が行う農業構造、林業構造若しくは漁業構造の改善に関する事業の施行に係る行為、重要文化財等の保存に係る行為又は鉱物の掘採に係る行為

 道路、鉄道若しくは軌道、国若しくは地方公共団体が行う通信業務、認定電気通信事業(電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)第百二十条第一項に規定する認定電気通信事業をいう。)若しくは基幹放送(放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第二条第二号に規定する基幹放送をいう。)の用に供する線路若しくは空中線系(その支持物を含む。)、水道若しくは下水道又は電気工作物若しくはガス工作物の設置又は管理に係る行為(自動車専用道路以外の道路、駅、操車場、車庫及び発電の用に供する電気工作物の新設に係るものを除く。)

(昭六〇条例五四・平一六条例九九・平二三条例九八・平二五条例一一九・一部改正)

(許可の基準)

第五条 知事等は、第三条第一項各号に掲げる行為で次に定める基準に適合しないものについては、同項の許可をしてはならない。

 宅地の造成等については、次に該当するものであること。

 植栽その他必要な措置を行うこと等により変更後の地貌が当該土地及びその周辺の土地の区域における風致と著しく不調和とならないこと。

 変更を行う土地及びその周辺の土地の区域における木竹の生育に支障を及ぼすおそれが少ないこと。

 木竹が保全され、又は適切な植栽が行われる土地の面積の宅地の造成等に係る土地の面積に対する割合が、十パーセント以上であること。

 面積が一ヘクタールを超える宅地の造成等にあつては、高さが三メートルを超えるのりを生ずる切土若しくは盛土又は都市の風致の維持に特に必要な森林で知事等があらかじめ指定したものの伐採を伴わないこと。

 木竹の伐採のうち森林の皆伐については、伐採後の成林が確実であると認められるものであり、かつ、伐採区域の面積が一ヘクタールを超えないこと。

 土石の類の採取については、採取の方法が採取を行う土地及びその周辺の土地の区域における風致の維持に支障を及ぼすおそれが少ないこと。

 水面の埋立て又は干拓については、埋立て又は干拓後の地貌が当該土地及びその周辺の土地の区域における風致と著しく不調和とならないこと。

 建築物(仮設の建築物及び地下に設ける建築物を除く。)の建築については、次に該当するものであること。ただし、又はについては、当該建築物の敷地について風致の維持に有効な措置が行われることが確実と認められる場合であつて、当該建築物の位置、規模、形態、意匠、建ぺい率及び容積率が、当該建築物の敷地の規模及び形態並びに当該建築物の敷地及びその周辺の土地の区域における風致と著しく不調和でないと認められる場合は、この限りでない。

 当該建築物の建ぺい率が、第一種風致地区にあつては十分の二以下、第二種風致地区にあつては十分の四以下であること。

 当該建築物の外壁又はこれに代わる柱の面から敷地境界線までの距離が、道路に接する部分では第一種風致地区にあつては三メートル以上、第二種風致地区にあつては二メートル以上であり、その他の部分では一・五メートル以上であること。

 当該建築物の高さが、第一種風致地区にあつては十メートル以下、第二種風致地区にあつては十五メートル以下であること。

 当該建築物の位置、形態及び意匠が当該建築物の敷地及びその周辺の土地の区域における風致と著しく不調和でないこと。

 工作物の建築については、当該工作物の位置、規模、形態及び意匠が当該建築の行われる敷地及びその周辺の土地の区域における風致と著しく不調和でないこと。ただし、仮設の工作物及び地下に設ける工作物については、この限りでない。

 建築物等の色彩の変更については、変更後の色彩が当該変更に係る建築物等の敷地及びその周辺の土地の区域における風致と調和すること。

 屋外における土石、廃棄物又は再生資源の堆積については、堆積を行う土地及びその周辺の土地の区域における風致の維持に支障を及ぼすおそれが少ないこと。

2 第三条第一項の許可には、風致の維持に必要な条件を付することができる。この場合において、この条件は、当該許可を受けた者に不当な義務を課するものであつてはならない。

(平一六条例九九・平二五条例一一九・一部改正)

(調査のための立入り等)

第六条 知事等は、風致の維持に必要なため他人の占有する土地に立ち入つて測量又は調査を行う必要があるときは、その必要な限度において、他人の占有する土地に、自ら立ち入り、又はその命じた者若しくは委任した者に立ち入らせることができる。

2 前項の規定により他人の占有する土地に立ち入ろうとする者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつた場合は、これを提示しなければならない。

(平二五条例一一九・一部改正)

(監督処分)

第七条 知事等は、次の各号のいずれかに該当する者に対して、風致の維持に必要な限度において、この条例の規定によつてした許可を取り消し、変更し、その効力を停止し、その条件を変更し、若しくは新たに条件を付し、又は工事その他の行為の停止を命じ、若しくは相当の期限を定めて建築物等の改築、移転若しくは除却その他違反を是正するため必要な措置をとることを命ずることができる。

 この条例の規定又はこれに基づく処分に違反した者

 この条例の規定又はこれに基づく処分に違反した工事の注文主若しくは請負人(請負工事の下請人を含む。)又は請負契約によらないで自らその工事をした者

 第三条第一項の許可に付した条件に違反した者

 詐欺その他不正な手段により第三条第一項の許可を受けた者

(平七条例五九・平二五条例一一九・一部改正)

(罰則)

第八条 前条の規定による知事等の命令に違反した者は、五十万円以下の罰金に処する。

(平四条例一〇四・平二五条例一一九・一部改正)

第九条 次の各号の一に該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。

 第三条第一項の規定に違反した者

 第五条第二項の規定により許可に付せられた条件に違反した者

(平四条例一〇四・一部改正)

第十条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業員がその法人又は人の業務又は財産に関して前二条に規定する違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。

(施行期日)

1 この条例は、昭和四十五年六月十四日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行前旧東京都風致地区規程(昭和二十二年都令第五十一号)第二条の規定によりなされた許可(この条例第三条第二項若しくは第三項又は第四条に規定する行為に該当するものに係る許可を除く。)は、この条例第三条第一項の規定によりなされた許可とみなす。

(昭和六〇年条例第五四号)

この条例は、公布の日から施行する。

(平成四年条例第一〇四号)

1 この条例は、平成四年五月一日から施行する。

2 この条例の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(平成七年条例第五九号)

この条例は、東京都行政手続条例(平成六年東京都条例第百四十二号)の施行の日から施行する。

(施行の日=平成七年四月一日)

(平成一六年条例第九九号)

1 この条例は、平成十六年五月一日から施行する。ただし、第四条第二号の改正規定は、電気通信事業法及び日本電信電話株式会社等に関する法律の一部を改正する法律(平成十五年法律第百二十五号)附則第一条第三号に規定する日から施行する。

(規定する日=平成一六年四月一日)

2 この条例の施行前に、この条例による改正前の東京都風致地区条例(以下「旧条例」という。)第三条第一項の規定によりなされた許可は、この条例による改正後の東京都風致地区条例(以下「新条例」という。)第三条第一項の規定によりなされた許可とみなす。

3 この条例の施行の際、現に旧条例第三条第一項の規定により同項各号に掲げる行為の許可を申請している者に対する許可の基準については、新条例第五条第一項の規定にかかわらず、なお従前の例による。

(平成二三年条例第九八号)

1 この条例は、公布の日から施行する。

2 放送法等の一部を改正する法律(平成二十二年法律第六十五号。以下「放送法等改正法」という。)附則第七条の規定により放送法等改正法附則第二条の規定による廃止前の有線放送電話に関する法律(昭和三十二年法律第百五十二号。以下「旧有線放送電話法」という。)の規定の適用についてなお従前の例によることとされる旧有線放送電話法第三条の許可を受けている者が行う有線放送電話業務の用に供する線路の設置又は管理に係る行為については、この条例による改正後の東京都風致地区条例第四条第二号の規定にかかわらず、なお従前の例による。

(平成二五年条例第一一九号)

(施行期日)

1 この条例は、平成二十六年四月一日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の日前に、この条例による改正前の東京都風致地区条例(以下「旧条例」という。)の規定により知事が行った処分その他の行為又は旧条例の規定により知事になされている申請その他の行為で、この条例の施行の日以後においては特別区又は市(以下「区市」という。)の長(以下「区市長」という。)が行うこととなる事務に係るもの(この条例による改正後の東京都風致地区条例第一条に規定する風致地区に係るものに限る。)は、当該区市長が行った処分その他の行為又は当該区市長になされている申請その他の行為とみなす。

3 次の各号に掲げる場合のいずれかに該当することにより、地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律の一部の施行に伴う国土交通省関係政令等の整備等に関する政令(平成二十三年政令第三百六十三号。以下「整備政令」という。)附則第二条本文の規定の適用がなくなることとなる場合における当該各号に定める日前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 この条例の施行による場合 この条例の施行の日

 整備政令第十四条の規定による改正後の風致地区内における建築等の規制に係る条例の制定に関する基準を定める政令(昭和四十四年政令第三百十七号)で定める基準に従って区市が定める条例(以下「区市条例」という。)の施行による場合 当該区市条例の施行の日

 区市条例が平成二十七年四月一日において施行されていない場合 同日

東京都風致地区条例

昭和45年4月1日 条例第36号

(平成26年4月1日施行)

体系情報
第8編 都市計画/第2章 都市計画及び都市計画事業/第1節 一般都市計画
沿革情報
昭和45年4月1日 条例第36号
昭和60年6月18日 条例第54号
平成4年3月31日 条例第104号
平成7年3月16日 条例第59号
平成16年3月31日 条例第99号
平成23年12月22日 条例第98号
平成25年10月18日 条例第119号