○東京都住宅建設資金貸付条例
昭和四一年三月三一日
条例第四三号
東京都住宅建設資金貸付条例を公布する。
東京都住宅建設資金貸付条例
東京都住宅建設資金貸付条例(昭和二十八年一月東京都条例第十二号)の全部を改正する。
(目的)
第一条 この条例は、住宅の建設(住宅の用に供する土地の取得を含む。)をしようとする者で、自己の資金だけで建設することが困難なものに対し建設に必要な資金の貸付を行い、住宅建設の促進を図ることを目的とする。
(昭四六条例四七・一部改正)
一 住宅 人の居住の用に供する家屋(その一部を事務所、店舗、工場その他人の居住の用以外の用に併用する部分(以下「併用部分」という。)を有するものを含む。)または家屋の部分をいう。
三 公営住宅転出者用住宅 公営住宅法(昭和二十六年法律第百九十三号)第二条第二号に定める公営住宅その他これに準ずる住宅で東京都規則で定めるものの入居者が、当該住宅を明け渡すために都内又は東京都規則で定める区域に新築する自己の居住の用に供する住宅をいう。
四 公共事業立退者用住宅 知事が都市計画法(昭和四十三年法律第百号)の規定に基づき施行する都市計画事業その他これに準ずる事業で東京都規則で定めるものの執行により住宅を除却される者が、当該住宅を立ちのくために都内又は東京都規則で定める区域に新築する自己の居住の用に供する住宅をいう。
五 中小企業従業員用住宅 中小企業者(東京都中小企業施設改善資金貸付条例(昭和三十一年四月東京都条例第三十四号)第二条に規定する中小企業者をいう。)が、もつぱらその事業に常時使用する従業員の居住の用に供するために都内に新築する住宅(東京都規則で定める区域にあつては、木造のものを除く。次号において同じ。)で、各戸ごとに玄関、台所及び便所を有するものをいう。
六 賃貸用住宅 賃貸用共同住宅及び建替賃貸用共同住宅以外の賃貸を目的とし、都内に新築する住宅で、各戸ごとに玄関、台所及び便所を有するものをいう。
七 賃貸用共同住宅 賃貸を目的とし、都内に新築する共同住宅(木造及び簡易耐火構造のものを除く。次号において同じ。)で、各戸ごとに玄関、台所及び便所を有するものをいう。
八 建替賃貸用共同住宅 都内にある東京都規則で定める木造の共同住宅を建て替えて新築する三以上の階数を有し、賃貸を目的とする共同住宅で、各戸ごとに玄関、台所及び便所を有するものをいう。
九 増築部分 都内にある自己の所有に係る住宅に自己の居住の用に供するために増築する居室の部分をいう。
(昭四六条例四七・一部改正)
一 自己用住宅、公営住宅転出者用住宅及び公共事業立退者用住宅 一戸当たりの居住の用に供する部分の面積が二十八平方メートルから百二十平方メートルまでのものであること。
二 中小企業従業員用住宅及び賃貸用住宅 一戸当たりの居住の用に供する部分の面積が二十八平方メートルから百二十平方メートルまでのものであること。
三 賃貸用共同住宅 一戸当たりの居住の用に供する部分の面積(廊下及び階段部分を東京都規則で定める基準により各戸に割りふつた面積を含む。次号において同じ。)が二十六平方メートルから六十平方メートルまでのものであること。
四 建替賃貸用共同住宅 一戸当たりの居住の用に供する部分の面積が二十一平方メートルから六十平方メートルまでのものであること。ただし、併用部分を有するものにあつては、当該併用部分の面積が居住の用に供する部分の面積以下であること。
五 増築部分 増築部分を含めた面積(併用部分の面積を除く。)が二十八平方メートルから百二十平方メートルまでのものであつて、増築部分の面積が七平方メートル以上のものであること。
(昭四六条例四七・全改)
(貸付対象となる土地)
第四条 前条の住宅を建設するために新たに取得する土地(資金の貸付けの申込みの日の属する年度の前年度の四月一日以降に取得したものを含む。)に対して、資金の貸付を行うことができる。ただし、賃貸用住宅、賃貸用共同住宅及び建替賃貸用共同住宅に係る土地については、この限りでない。
(昭四三条例三三・昭四六条例四七・一部改正)
(貸付額)
第五条 資金の貸付額は、次に掲げる表の上欄に定める区分に応じて東京都規則で定める標準建築費(土地については、標準価額とする。)に、それぞれ中欄に定める面積の数値及び下欄に定める率を乗じて得た額とする。
区分 | 貸付面積 | 貸付率 |
自己用住宅公共事業立退者用住宅 | 居住の用に供する部分の面積。ただし、その面積が六十七平方メートルをこえるものは、六十七平方メートルとみなす。 | 百分の七十五 |
公営住宅転出者用住宅 | 右に同じ。 | 百分の百 |
中小企業従業員用住宅賃貸用住宅 | 居住の用に供する部分の面積。ただし、次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める算定方法により算定した居住の用に供する部分の面積が三百平方メートルをこえるときは、当該居住の用に供する部分の面積は三百平方メートルとみなす。 一 各戸の面積のうち六十七平方メートルをこえるものが一以上あるとき。 各戸の面積のうち六十七平方メートルをこえるものは六十七平方メートルとみなして各戸の面積を合計した面積 二 各戸の面積が六十七平方メートル以下であるとき。 各戸の面積を合計した面積 | 百分の七十五 |
賃貸用共同住宅 | 居住の用に供する部分の面積(廊下及び階段部分の面積を含む。)。ただし、次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める算定方法により算定した居住の用に供する部分の面積が千平方メートルをこえるときは、当該居住の用に供する部分の面積は千平方メートルとみなす。 一 各戸の面積のうち四十平方メートルをこえるものが一以上あるとき。 各戸の面積のうち四十平方メートルをこえるものは四十平方メートルとみなして各戸の面積を合計した面積 二 各戸の面積が四十平方メートル以下であるとき。 各戸の面積を合計した面積 | 右に同じ。 |
建替賃貸用共同住宅 | 右に同じ。 | 百分の百 |
増築部分 | 増築する面積。ただし、その面積が三十三平方メートルをこえるものは、三十三平方メートルとみなす。 | 百分の七十五 |
自己用住宅及び公共事業立退者用住宅を新築するために新たに取得する土地 | 取得する土地の面積。ただし、その面積が百三十三平方メートルをこえるものは、百三十三平方メートルとみなす。 | 右に同じ。 |
公営住宅転出者用住宅を新築するために新たに取得する土地 | 右に同じ。 | 百分の百 |
中小企業従業員用住宅を新築するために新たに取得する土地 | 右に同じ。 | 百分の七十五 |
増築部分を建設するために新たに取得する土地 | 取得する土地の面積。ただし、その面積が六十七平方メートルをこえるものは、六十七平方メートルとみなす。 | 右に同じ。 |
2 前項の規定にかかわらず、増築部分を建設する場合において、既存の住宅が住宅金融公庫法(昭和二十五年法律第百五十六号)またはこの条例による住宅建設資金の貸付を受けて建設した住宅で現に貸付金を償還中のものであるときは、当該貸付の対象となつた部分のうち既貸付金の未返還額に相当する部分の面積と新たに資金の貸付を受ける対象となる部分の面積との合計が、六十七平方メートルの範囲内でなければならない。
3 資金の貸付は、予算の範囲内で行うものとする。
(昭四三条例三三・昭四六条例四七・一部改正)
(申込者の資格)
第六条 資金の貸付を申し込むことのできる者は、次に掲げる条件を備えた者でなければならない。
一 都内に引き続き三年以上住所又は居所を有していること。ただし、公営住宅転出者用住宅又は公共事業立退者用住宅に係る資金の貸付けを申し込む者については、都内に住所又は居所を有していること。
二 都税又は市町村民税(特別区民税を含む。)を完納していること。
三 確実な保証人があること。
四 貸付を受けた資金の返還及び貸付金の利子の支払について、十分な支払能力を有すること。
五 この条例により住宅建設資金の貸付を受けて建設する住宅及び土地について住宅金融公庫法による住宅建設資金の貸付を受けていないこと。
2 前項に定めるもののほか、この条例によつて増築に要する資金の貸付を受ける者が既存の住宅の建設について住宅金融公庫法またはこの条例による住宅建設資金の貸付を受けていた場合は、当該貸付に係る債務弁済に関する契約締結の日から一年以上経過していなければならない。
(昭四六条例四七・一部改正)
(公告及び受付)
第七条 知事は、資金の貸付けの申込みの期日、場所その他資金の貸付けの申込みに必要な事項を公告し、受付を行なうものとする。ただし、公営住宅転出者用住宅又は公共事業立退者用住宅に係る資金の貸付けを申し込む者については、常時受付を行なうことができる。
(昭四六条例四七・全改)
(貸付の申込)
第八条 資金の貸付を申し込もうとする者は、申込書に必要な書類をそえて、知事に申し込まなければならない。
(貸付予定者及び通知)
第九条 前条により資金の貸付の申込をした者を貸付予定者とする。ただし、資金の貸付の申込をした者が貸付予定者数をこえる場合は、抽せんにより資金の貸付予定者を決定する。
3 知事は、前二項の貸付予定者に対しては、直ちにその旨通知しなければならない。
(昭四六条例四七・一部改正)
(貸付の決定及び通知)
第十条 前条第三項の規定により通知を受けた者は、必要な書類を知事の指定する期日までに提出しなければならない。
2 知事は、書類を審査のうえ資金の貸付決定を行うものとする。
3 知事は、前項の規定により資金の貸付決定を受けた者(以下「貸付決定者」という。)に対しては、直ちにその旨通知しなければならない。
(貸付契約)
第十一条 前条第三項の規定により通知を受けた貸付決定者は、当該決定通知を受けた日から起算して一月以内に資金の貸付に関する契約を締結しなければならない。
2 前項の契約締結の際には、東京都規則で定める資格を有する連帯保証人一人をたてなければならない。ただし、知事は、特に必要があると認める場合は、連帯保証人を二人とすることができる。
(貸付金の交付)
第十二条 貸付金の交付は、次の各号に掲げるところにより行う。
一 住宅の新築に要する資金にあつては、住宅の構造区分に従い、それぞれ次の工程に達したときに貸付金の二分の一に相当する金額を交付し、建物が完成した後、第十七条の規定による抵当権設定の手続が完了したときに、当該貸付金の残額を交付する。
イ 木造住宅 建物の荒壁及び屋根ふきが完了したとき。
ロ 簡易耐火構造住宅(組積式構造) 壁体の組立及び屋根工事が完了したとき。
ハ 簡易耐火構造住宅(鉄骨構造) 主要構造体の鉄骨の組立、外壁下地の取付及び屋根工事が完了したとき。
ニ 耐火構造住宅 屋根スラブ打上が完了したとき。
二 住宅の増築に要する資金にあつては、増築の工事が完了した後、第十七条の規定による抵当権設定の手続が完了したときに、その全額を交付する。
三 土地の取得に要する資金にあつては、土地に対する第十七条の規定による抵当権設定の手続が完了したときに、その全額を交付する。
(昭四三条例三三・一部改正)
(建築基準及び工事着手の期限)
第十三条 資金の貸付を受けて建設する住宅は、東京都規則で定める住宅建築基準に従つて建設しなければならない。ただし、併用部分については、この限りでない。
2 第十条第三項の規定により通知を受けた貸付決定者は、当該決定通知を受けた日から起算して二月以内に工事に着手しなければならない。
3 前項の期間内に工事に着手できない場合は、直ちにその理由を届け出て知事の承認を受けなければならない。
(貸付金の利率)
第十四条 貸付金の利率は、年五・五パーセントとする。ただし、公営住宅転出者用住宅に係る貸付金の利率は、年四パーセントとする。
(昭四三条例三三・昭四五条例九一・一部改正)
(貸付金の償還方法)
第十五条 貸付金の償還方法は、貸付を終えた日の属する月の翌月から起算して木造住宅に係るものにあつては十年間の、簡易耐火構造住宅及び耐火構造住宅に係るものにあつては二十年間の、元利均等半年賦償還とする。ただし、住宅の増築に係る貸付金の償還方法は、貸付を終えた日の属する月の翌月から起算して十年以内で、貸付金の額に応じて東京都規則で定める期間の元利均等半年賦償還とする。
2 前項の規定にかかわらず、貸付金は、期限前でも繰上償還することができる。
3 資金の貸付を受けた者が、災害その他の理由により、償還が困難となつたときは、知事は、償還方法の変更を承認し、または残存債務を減免することができる。
(延滞利子)
第十六条 前条の割賦金の償還を怠つた者は、償還すべき金額について、延滞日数に応じ、年十四・六パーセントの割合で計算した延滞利子を支払わなければならない。ただし、延滞利子の金額が十円未満のときまたは知事が特に必要があると認めたときは、これを減免することができる。
(昭四五条例九一・一部改正)
(抵当権の設定)
第十七条 貸付金に係る住宅を建設し、または土地を取得した者は、当該住宅または土地について、知事が指示するところにより、都に対して抵当権を設定しなければならない。
2 前項の抵当権の順位は、資金の貸付を受けて新築した住宅または取得した土地については、第一順位でなければならない。ただし、増築部分を建設する場合において、既存の住宅を建設するに当たり住宅金融公庫法による住宅建設資金の貸付けを受けて現に当該住宅について第一順位の抵当権を設定しているときは、この限りでない。
3 第一項の抵当権設定の手続に要する費用は、資金の貸付を受けた者が負担しなければならない。
(昭四三条例三三・一部改正)
(火災保険契約及び質権の設定)
第十八条 資金の貸付を受けた者は、貸付金により建設した住宅について、貸付金の償還完了に至るまでの期間中、貸付金相当額の火災保険をつけなければならない。
2 資金の貸付を受けた者は、前項による火災保険の保証金請求権について、都に対して質権を設定しなければならない。
3 保険事故が発生したことにより火災保険金の交付を受けたときは、知事は、当該交付を受けた保険金額から貸付金残債務額を控除した残額を、資金の貸付を受けた者に返還するものとする。
(譲渡の禁止等)
第十九条 資金の貸付を受けた者は、貸付金によつて建設した住宅または取得した土地を、貸付金完済前に他人に譲渡し、または目的以外の用途に供してはならない。ただし、特に知事の承認を受けたときは、この限りでない。
(契約の解除等)
第二十条 資金の貸付決定を受けまたは資金の貸付契約を締結した者が、次の各号の一に該当するときは、知事は、すでに行つた貸付決定を取り消しまたは貸付契約を解除し、すでに交付した貸付金の返還を命じ若しくは償還すべき元利金を一時に返還させることができる。
一 いつわりの申込によつて、貸付決定を受けたとき。
二 正当な理由がなくて、第十一条第一項に定める期間内に契約を締結しなかつたとき。
三 正当な理由がなくて、工事が著しく遅延しているとき。
四 正当な理由がなくて、割賦金の償還または延滞利子の支払を怠つたとき。
五 自己の責に帰すべき理由により、建物が滅失し、または著しくき損したとき。
(昭四三条例三三・追加)
(昭四三条例三三・旧第二十一条繰下、昭四六条例四七・一部改正)
付則
この条例は、公布の日から施行する。ただし、この条例施行の際、この条例の規定による改正前の東京都住宅建設資金貸付条例第九条の規定により現に貸付契約を締結している住宅建設資金については、なお従前の例による。
附則(昭和四三年条例第三三号)
この条例は、公布の日から施行し、この条例による改正後の東京都住宅建設資金貸付条例第二十一条の規定を除き、昭和四十三年度以降に貸し付ける資金について適用する。
附則(昭和四五年条例第九一号)抄
1 この条例は、公布の日から施行する。
附則(昭和四六年条例第四七号)
1 この条例は、昭和四十六年四月一日から施行する。
2 この条例施行の際、この条例による改正前の東京都住宅建設資金貸付条例により現に貸付け又は貸付手続中の住宅建設資金については、なお、従前の例による。