○救急業務等に関する条例

昭和四八年三月三一日

条例第五六号

救急業務等に関する条例を公布する。

救急業務等に関する条例

消防関係救急業務に関する条例(昭和二十七年東京都条例第九十四号)の全部を改正する。

目次

第一章 総則(第一条―第十二条)

第二章 患者等搬送事業者認定表示制度(第十三条―第十九条)

第三章 雑則(第二十条・第二十一条)

附則

第一章 総則

(平一九条例七九・章名追加)

(目的)

第一条 この条例は、東京都の特別区の存する区域及び地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十四の規定により消防事務を東京都に委託した地方公共団体の区域において、救急業務及びこれに関連する業務並びに救助業務を適正かつ円滑に実施することにより、都民の生命及び身体の保護に寄与することを目的とする。

(平一六条例一四四・一部改正)

(救急業務及びこれに関連する業務)

第二条 消防総監は、次に掲げる業務(以下「救急業務」という。)を行うものとする。

 災害により生じた傷病者又は屋外若しくは公衆の出入りする場所において生じた傷病者で医療機関その他の場所(以下「医療機関等」という。)へ緊急に搬送する必要があるものを救急隊(航空機又は船舶によるものを含む。以下同じ。)によつて医療機関等に搬送すること。

 屋内において生じた傷病者(前号に規定するものを除く。)で医療機関等へ緊急に搬送する必要があるもの(現に医療機関にある傷病者で当該医療機関の医師が医療上の理由により、医師の病状管理の下に緊急に他の医療機関等に移送する必要があると認めたものを含む。)を医療機関等へ迅速に搬送するための適当な手段がない場合に、救急隊によつて医療機関等に搬送すること。

 傷病者を搬送することがその生命に著しく危険を及ぼすおそれがあり、又は傷病者の救助に当たり、緊急に医療を必要とする場合に、救急隊によつて医師を当該傷病者のある場所に搬送すること。

 前三号に掲げる業務を行うに際し、緊急やむを得ない場合に必要な救急処置を行うこと。

2 消防総監は、救急業務に関連する業務として、次に掲げる業務を行うものとする。

 都民の相談に応じて、必要な情報を提供すること。

 救急業務における緊急性の判断に関し、必要な指導及び助言を行うこと。

 傷病者を応急に救護するために必要な知識及び技術を普及すること。

 救急隊の適正な利用について、知識の普及及び意識の啓発を行うこと。

 救急業務の対象となる都民生活において生ずる事故を予防するため、必要に応じて、事故の状況等についての確認、事故に関係のある者に対する当該事故の状況等の通知並びに事故の状況等の公表等による知識の普及及び意識の啓発を行うこと。

 患者等搬送用自動車(患者等を搬送するために必要な特別の構造及び設備を備えた自動車をいう。)等を用い、患者等の搬送事業を行う者(以下「患者等搬送事業者」という。)に対し、搬送に係る指導、助言等を行い、及び東京都規則(以下「規則」という。)で定める患者等搬送に関する基準(以下「認定基準」という。)に適合していることの認定を行うこと。

(平六条例七七・平一六条例一四四・平一九条例七九・平二四条例一〇五・一部改正)

(救助業務)

第三条 消防総監は、事故等により生命又は身体に危険を生じ、緊急に救助する必要がある者を救助する業務(以下「救助業務」という。)を行うものとする。

(平一六条例一四四・一部改正)

(救急業務及び救助業務の実施方針)

第四条 救急業務及び救助業務は、傷病者の生命の維持及び症状の悪化の防止に最も適するように行うものとする。

2 救急業務の実施に当たつては、当該傷病者の意思を努めて尊重するものとする。

(平一六条例一四四・一部改正)

(救急隊員)

第五条 救急隊員は、救急救命士法(平成三年法律第三十六号)第二条第二項に規定する救急救命士又は消防総監が行う救急業務についての講習の課程を修了した者若しくはこれと同等以上の知識及び技術を有すると消防総監が認定した者でなければならない。

(平六条例七七・平一六条例一四四・一部改正)

(情報処理機構の整備)

第六条 知事は、第一条に規定する目的を達成するため、必要な情報を処理する機構の整備に努めるものとする。

(消防総監の責務)

第七条 消防総監は、救急業務及び救助業務を適正かつ円滑に実施するため、次のことに努めなければならない。

 救急業務及び救助業務に関する技能の向上を図ること。

 救急業務及び救助業務に必要な設備及び資器材を開発し、整備すること。

 多数の傷病者又は特異な事故等の発生に備え、必要な計画を樹立する等の措置を講じておくこと。

 救急隊が救急業務を行うに際し、医師の指導又は助言を受けるための必要な措置を講ずること。

(平六条例七七・平一六条例一四四・一部改正)

(都民の責務)

第八条 都民は、傷病者を応急に救護するための必要な知識及び技術の習得に努めなければならない。

2 都民は、救急業務の緊急性及び公共性について理解を深め、救急隊を適正に利用するよう努めなければならない。

(平六条例七七・一部改正)

(事業者の責務)

第九条 事業者は、第二条第二項第三号から第五号までに規定する業務に協力するよう努めなければならない。

(平六条例七七・追加、平一六条例一四四・平二四条例一〇五・一部改正)

(応援出動)

第十条 知事は、第一条の区域以外の市町村の長から要請があり、かつ、必要があると認めるときは、消防総監に救急隊又は救助隊(救助業務に従事する消防隊をいう。)の応援出動の措置をとらせることができる。

(平六条例七七・旧第九条繰下、平一六条例一四四・一部改正)

(相互協力)

第十一条 消防総監並びに第二条に規定する救急業務及びこれに関連する業務並びに第三条に規定する救助業務に関係のある機関及び団体の長は、これらの業務が円滑に行われるよう、情報の交換を行う等密接な連携を図るものとする。

(平六条例七七・旧第十条繰下・一部改正、平一六条例一四四・一部改正)

(都民等の意見)

第十二条 消防総監は、第二条に規定する救急業務及びこれに関連する業務に関して、都民及び専門の知識又は経験を有する者の意見を聴くことに努めるものとする。

(平六条例七七・旧第十一条繰下、平一六条例一四四・一部改正)

第二章 患者等搬送事業者認定表示制度

(平一九条例七九・追加)

(患者等搬送事業者の認定表示)

第十三条 患者等搬送事業者は、認定基準に適合しているとして消防総監の認定を受けたときは、消防総監が定める認定を受けたことを証明する表示(以下「東京消防庁認定表示」という。)を規則で定めるところにより付することができる。

(平一九条例七九・追加)

(患者等搬送事業者の認定)

第十四条 前条の認定を受けようとする者は、規則で定めるところにより消防総監に申請しなければならない。

2 消防総監は、前項の規定による申請があつた場合においては、当該申請に係る患者等搬送事業者が認定基準に適合しているかどうかについて審査及び検査を行い、当該事業者が認定基準に適合していると認めるときは、当該事業者を東京消防庁認定事業者として認定することができる。

3 消防総監は、前項の規定による認定をしたとき、又は認定をしないことを決定したときは、規則で定めるところにより、その旨を申請者に通知しなければならない。

4 消防総監は、第二項の規定により認定をした場合においては、規則で定めるところにより、その旨を公表するものとする。

5 何人も、前条に規定する場合を除くほか、同条の表示を付してはならず、又は同条の表示と紛らわしい表示を付してはならない。

6 消防総監は、認定基準を公表するものとする。

(平一九条例七九・追加)

(東京消防庁認定事業者の責務)

第十五条 前条第二項の規定による認定を受けた東京消防庁認定事業者(以下「東京消防庁認定事業者」という。)は、社会的責任を自覚し、患者等の症状の悪化の防止及び安全な搬送のために必要な知識及び技術を当該業務に従事する者に習得させるよう努めなければならない。

(平一九条例七九・追加)

(認定の失効)

第十六条 東京消防庁認定事業者が、当該認定を受けてから五年が経過したときは、当該認定は、その効力を失う。

(平一九条例七九・追加)

(表示の除去・消印命令)

第十七条 消防総監は、第十三条の規定によらないで同条の表示を付している者又は同条の表示と紛らわしい表示を付している者に対して、当該表示を除去し、又はこれに消印を付するべきことを命ずることができる。

2 消防総監は、前項の規定により表示を除去し、又はこれに消印を付するべきことを命じた場合においては、規則で定めるところにより、その旨を公表しなければならない。

(平一九条例七九・追加)

(変更の申請)

第十八条 東京消防庁認定事業者は、認定基準に定める事項に係るものを変更しようとする場合は、変更しようとする日の十四日前までに規則で定めるところにより消防総監に申請しなければならない。この場合の手続等については、第十四条第一項から第四項までの規定を準用する。

(平一九条例七九・追加)

(認定の取消し)

第十九条 消防総監は、東京消防庁認定事業者について、規則で定める基準に該当するときは、当該認定を取り消すことができる。

2 消防総監は、前項の規定により取消しをしたときは、規則で定めるところにより、その旨を申請者に通知しなければならない。

3 消防総監は、第一項の規定により認定を取り消した場合においては、規則で定めるところにより、その旨を公表しなければならない。

(平一九条例七九・追加)

第三章 雑則

(平一九条例七九・章名追加)

(報告及び確認)

第二十条 消防総監は、東京消防庁認定事業者に対し、その業務の適正な履行を確保するために必要な限度において、業務内容に関し報告を求めることができる。

2 前項の場合において、消防総監が特に必要と認めるときは、消防職員をして事業所、事務所その他事業に係る場所で、業務内容を確認させることができる。

3 消防職員は、前項の規定により事務所等において業務内容の確認をするときは、消防総監の定める証票を携帯し、関係のある者の請求があるときは、これを示さなければならない。

(平一九条例七九・追加)

(委任)

第二十一条 この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。

(平六条例七七・旧第十二条繰下、平一九条例七九・旧第十三条繰下・一部改正)

この条例は、公布の日から施行する。

(平成六年条例第七七号)

この条例は、平成六年四月一日から施行する。

(平成一六年条例第一四四号)

この条例は、平成十六年十一月一日から施行する。

(平成一九年条例第七九号)

(施行期日)

1 この条例は、平成十九年十月一日から施行する。ただし、次項の規定は、公布の日から施行する。

(経過措置)

2 この条例による改正後の救急業務等に関する条例(以下「新条例」という。)第十三条に規定する東京消防庁認定表示を表示しようとする者は、平成十九年十月一日前においても、新条例第十四条第一項から第三項までの規定の例により、消防総監の認定を受けることができる。この場合において、当該認定の効力は、同日から生ずるものとする。

(平成二四年条例第一〇五号)

この条例は、公布の日から施行する。

救急業務等に関する条例

昭和48年3月31日 条例第56号

(平成24年6月27日施行)

体系情報
第17編 防/第5章 防災救急/第3節
沿革情報
昭和48年3月31日 条例第56号
平成6年3月31日 条例第77号
平成16年10月14日 条例第144号
平成19年3月16日 条例第79号
平成24年6月27日 条例第105号