○東京都育英資金条例
平成一七年三月三一日
条例第三一号
東京都育英資金条例を公布する。
東京都育英資金条例
東京都育英資金貸付条例(平成十二年東京都条例第十八号)の全部を改正する。
(目的)
第一条 この条例は、東京都の区域内(以下「都内」という。)に住所を有し、高等学校、高等専門学校又は専修学校に在学する者のうち、勉学意欲がありながら、経済的事由により修学困難な者に対し、修学上必要な学資金の一部(以下「奨学金」という。)を貸し付ける事業(以下「育英資金貸付事業」という。)を行う者を支援することにより、教育を受ける機会の拡充に寄与し、もって社会に貢献し得る人材の育成に資することを目的とする。
(事業の支援)
第二条 東京都は、この条例及びこの条例に基づく東京都規則(以下「規則」という。)で定めるところにより、育英資金貸付事業を行う者として規則で定めるもの(一団体に限る。以下「指定団体」という。)に対し、その事業の実施に必要な支援を行うものとする。
一 高等学校 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号。以下「法」という。)第一条に規定する高等学校(中等教育学校の後期課程及び特別支援学校の高等部を含む。)をいう。
二 高等専門学校 法第一条に規定する高等専門学校をいう。
三 専修学校 法第百二十四条に基づき設置された専修学校の高等課程及び専門課程をいう。
四 奨学生 次条第二項に規定する育英資金貸付事業により奨学金の貸付けを受ける者をいう。
(平一九条例三四・平一九条例一三〇・一部改正)
(補助の実施)
第四条 第一条の目的を達成するため、知事は、指定団体に対し、育英資金貸付事業に必要な経費について、予算で定めるところにより補助金を交付することができる。
(奨学金の借受け資格)
第五条 奨学金の貸付けを受けることができる者は、次に掲げる要件を備えていなければならない。
一 貸付けを開始する月(貸付けの対象となる期間の最初の月をいう。以下同じ。)の初日に、都内に住所を有すること。
二 貸付けを受ける者を所得税法(昭和四十年法律第三十三号)第二条第一項第三十三号に規定する同一生計配偶者若しくは同項第三十四号に規定する扶養親族とする者又はこれらに準ずる者として知事が定めるものがある場合は、これらの者が、貸付けを開始する月の初日に、都内に住所を有すること。
三 同種の資金を他から借り受けていないこと。
五 勉学意欲がありながら、経済的事由により修学が困難であること。
六 前各号に掲げるもののほか、規則で定める要件を備えていること。
2 前項各号に定めるもののほか、日本国籍を有しない者は、規則で定める要件を備えていなければならない。
3 第一項各号の規定にかかわらず、知事が特別の理由があると認めるときは、規則で定めるところにより、その一部を適用しないことができる。
(平三〇条例七九・一部改正)
(奨学金の貸付額等)
第六条 奨学金の貸付額は、別表に掲げる額とする。
2 奨学金を貸し付けることができる期間は、貸付けを開始する月から奨学生が在学する学校の修業年限の終わる月までとする。
(奨学金の打切り)
第七条 指定団体は、奨学生が次の各号のいずれかに該当するときは、奨学金の貸付けを打ち切ることができる。
二 東京都の区域外に転出したとき。
三 死亡したとき。
四 奨学金の貸付けを辞退したとき。
五 不正な手続により奨学金の貸付けを受けたとき。
六 修学する上で必要な学資以外の用途に奨学金を使用したとき。
七 前各号に掲げるもののほか、奨学金を貸し付けることが適当でないと知事が認めるとき。
2 指定団体は、規則で定めるところにより、奨学金の貸付けを休止することができる。
(返還方法)
第八条 奨学金の貸付けを受けた者(以下「借受者」という。)は、当該奨学金の貸付けの対象となる期間が満了する月の翌月から起算し六月を経過した後、規則で定めるところにより、指定団体に返還しなければならない。
2 指定団体は、奨学金の借受者が次の各号のいずれかに該当するときは、奨学金の貸付総額の全部又は一部について繰上返還を命ずることができる。
一 修学する上で必要な学資以外の用途に奨学金を使用していたとき。
二 不正な手続により奨学金の貸付けを受けていたとき。
三 住所又は氏名の変更その他規則で定める事項の届出を怠ったとき。
四 前項に規定する奨学金の返還を怠ったとき。
(奨学金の利子)
第九条 奨学金は、無利子とする。
(返還金の減免及び猶予)
第十条 指定団体は、借受者が次の各号のいずれかに該当するときは、返還金の全部又は一部を免除することができる。
一 死亡したとき。
二 精神又は身体の障害により、労働能力を喪失し、又は労働能力に高度の制限を受けることとなったとき。
三 前二号に掲げる場合のほか規則で定める事由に該当するとき。
2 指定団体は、災害その他の特別の事由により借受者の奨学金の返還が困難になったと認められるときは、規則で定めるところにより返還を猶予することができる。
(補助の条件)
第十一条 知事は、第四条第一項の補助金(以下「補助金」という。)を交付する際に、次の条件を付するものとする。
一 奨学金の貸付けを受けようとする者に対して、連帯保証人を立てさせること、又はこれに準ずる措置をとらせること。
二 奨学生の選考に当たっては、その公正を期すため、関係機関からの推薦者をもって構成する選考委員会を設置し、奨学生の選考に関する事項について諮ること。
三 借受者が奨学金の返還を遅滞した場合は、督促の上、規則で定めるところにより違約金を徴収すること。
四 返還金の不納欠損処理は、規則で定めるところにより実施すること。
五 育英資金貸付事業について経理を明確に区分すること。
六 前各号に掲げるもののほか、知事が必要と認めること。
(報告及び検査)
第十二条 指定団体は、補助金の交付を受けた事業について、規則で定めるところにより知事に実施状況を報告しなければならない。
2 知事は、必要があると認めるときは、その職員に指定団体における東京都の補助に係る育英資金貸付事業の業務の状況を検査させることができる。
(委任)
第十三条 この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。
附則
1 この条例は、平成十七年四月一日から施行する。
3 この条例の施行の際、旧条例の規定により現に奨学金の貸付けを受けている者又は奨学金の貸付けを受けた者で奨学金の返還を終了していない者については、旧条例は、この条例施行後も、なおその効力を有する。
附則(平成一九年条例第三四号)
この条例は、平成十九年四月一日から施行する。
附則(平成一九年条例第一三〇号)
この条例は、学校教育法等の一部を改正する法律(平成十九年法律第九十六号)の施行の日から施行する。
(施行の日=平成一九年一二月二六日)
附則(平成二一年条例第二一号)
1 この条例は、平成二十一年四月一日から施行する。
2 この条例による改正後の東京都育英資金条例(以下「改正後の条例」という。)別表の規定は、平成二十一年四月一日以後に改正後の条例第三条第一号から第三号までに規定する学校(以下「学校」という。)に入学する者で新たに奨学金の貸付けを受けようとするものについて適用し、同年三月三十一日現在学校に在学する者で、既に奨学金の貸付けを受けているもの又は新たに奨学金の貸付けを受けようとするものについては、なお従前の例による。
附則(平成三〇年条例第七九号)
この条例は、公布の日から施行する。
別表(第六条関係)
(平一九条例三四・平一九条例一三〇・平二一条例二一・一部改正)
区分 | 奨学生の種類 | 貸付額(月額) |
高等専門学校又は高等学校 | 国、地方公共団体、独立行政法人国立高等専門学校機構若しくは公立大学法人(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第六十八条第一項に規定する公立大学法人をいう。以下同じ。)が設置する高等専門学校又は国、地方公共団体若しくは国立大学法人(国立大学法人法(平成十五年法律第百十二号)第二条第一項に規定する国立大学法人をいう。以下同じ。)が設置する高等学校の生徒 | 一八、〇〇〇円 |
私立の高等専門学校又は高等学校の生徒 | 三五、〇〇〇円 | |
専修学校の専門課程 | 国、地方公共団体又は国立大学法人が設置する専修学校の専門課程の生徒 | 四五、〇〇〇円 |
私立の専修学校の専門課程の生徒 | 五三、〇〇〇円 | |
専修学校の高等課程 | 国、地方公共団体又は国立大学法人が設置する専修学校の高等課程の生徒 | 一八、〇〇〇円 |
私立の専修学校の高等課程の生徒 | 三五、〇〇〇円 |
備考 指定団体は特別の理由があると認めるときは、知事の承認を得て国、地方公共団体、独立行政法人国立高等専門学校機構若しくは公立大学法人が設置する高等専門学校又は国、地方公共団体若しくは国立大学法人が設置する高等学校若しくは専修学校の高等課程の生徒にあっては月額三五、〇〇〇円以内、私立の高等学校、高等専門学校又は専修学校の高等課程の生徒にあっては月額四〇、〇〇〇円以内で奨学金の貸付額を定めることができる。