○東京都心身障害者扶養共済制度条例
平成一九年一二月二六日
条例第一三七号
東京都心身障害者扶養共済制度条例を公布する。
東京都心身障害者扶養共済制度条例
(目的)
第一条 この条例は、心身障害者の保護者の相互扶助の精神に基づき、保護者が死亡し、又は重度障害となった後の心身障害者に年金を支給するため、東京都心身障害者扶養共済制度(以下「都制度」という。)を設け、もって心身障害者の生活の安定と福祉の増進に資するとともに、心身障害者の将来に対し、保護者の抱く不安の軽減を図ることを目的とする。
(機構との契約)
第二条 東京都は、都制度の円滑な運営を図るため、独立行政法人福祉医療機構(以下「機構」という。)と独立行政法人福祉医療機構法(平成十四年法律第百六十六号。以下「法」という。)第十二条第三項の規定による保険約款に基づく保険契約(以下「保険契約」という。)を締結するものとする。
(用語の定義)
第三条 この条例において「心身障害者」とは、次の各号のいずれかに該当する者であって、将来独立し、自活することが困難であると認められるものをいう。
一 知的障害者福祉法(昭和三十五年法律第三十七号)にいう知的障害者
二 身体障害者福祉法施行規則(昭和二十五年厚生省令第十五号)別表第五号に規定する身体障害者障害程度等級表の一級から三級までに該当する障害を有する者
三 精神又は身体に永続的な障害を有する者で、その障害の程度が前二号に掲げる者と同程度と認められるもの
2 この条例において「保護者」とは、次の各号のいずれかに該当する者であって、現に心身障害者を扶養しているものをいう。
一 心身障害者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻と同様の事情にある者を含む。)
二 心身障害者の父母、兄弟姉妹、祖父母又はその他の親族(親族ではないが、事実上親族と同様の事情にある者を含む。)
3 この条例において「重度障害」とは、次の各号のいずれかに該当する状態をいう。ただし、東京都規則(以下「規則」という。)で定めるものに該当する場合を除く。
一 両眼の視力を永久に失ったもの
二 そしゃく又は言語の機能を全く永久に失ったもの
三 両上肢を手関節以上で失ったもの
四 両下肢を足関節以上で失ったもの
五 一上肢を手関節以上で失い、かつ、一下肢を足関節以上で失ったもの
六 両上肢の機能を全く永久に失ったもの
七 両下肢の機能を全く永久に失ったもの
八 十手指を失ったか又はその機能を全く永久に失ったもの
九 両耳の聴力を全く永久に失ったもの
4 この条例において「心身障害者扶養共済制度」とは、法第十二条第二項に規定する共済制度をいう。
(加入資格)
第四条 都制度に加入することができる者は、加入時において次に掲げる要件に該当する者とする。
一 心身障害者の保護者であること。
二 東京都の区域内に住所を有すること。
三 六十五歳未満であること(規則で定めるところにより六十五歳未満であるとみなされる場合を含む。第七条において同じ。)。
四 特別の疾病又は障害を有せず、保険契約の対象となることができること。
一 都制度の発足後に転入(新たに東京都の区域内に住所を有することとなったことをいう。以下同じ。)をしたこと。
二 転入の直前まで、他の地方公共団体の実施する心身障害者扶養共済制度(機構と保険契約を締結しているものに限る。以下「他の制度」という。)に加入していた者であって、転入後直ちに都制度に加入するものであること。
(加入)
第五条 都制度に加入しようとする者は、規則で定めるところにより、加入を申し込み、知事の承認を受けなければならない。
2 知事は、加入の申込者が前条に規定する加入資格を有する者と認めるときは、当該加入の申込者を保険契約の対象とすることについて、機構の承諾を得なければならない。
(口数による加入)
第六条 都制度への加入は口数単位によるものとし、前条第一項の加入はこれを一口として取り扱う。
2 同一の心身障害者について加入の申込者又は加入者が加入できる口数は、第八条の規定に基づき一口追加することにより二口とすることができる。
(口数追加資格)
第七条 口数の追加(以下「口数追加」という。)をすることができる者は、口数追加時において次に掲げる要件に該当する加入の申込者又は加入者とする。
一 六十五歳未満であること。
二 特別の疾病又は障害を有せず、保険契約の対象となることができること。
(口数追加)
第八条 口数追加をしようとする者は、規則で定めるところにより、口数追加を申し込み、知事の承認を受けなければならない。
2 知事は、口数追加の申込者が前条に規定する口数追加の資格を有する者と認めるときは、当該口数追加を保険契約の対象とすることについて、機構の承諾を得なければならない。
三 口数追加の対象となる心身障害者について、既に口数が追加されているとき。
(掛金の納付)
第九条 加入者(第二十一条第一項第二号ただし書の規定に該当するため、重度障害となったが加入者としての地位を失わない者を除く。以下この項において同じ。)は、加入の承認を受けた日の属する月から、規則で定めるところにより、加入者となったとき(第四条第二項の規定の適用を受けて加入者となった者については、他の制度に加入したとき)の年齢に応じ別表に定める掛金を東京都に納付しなければならない。ただし、六十五歳に達した日以後最初に到来する都制度の加入の承認を受けた日の年単位の応当日に達している加入者で、都制度に加入した期間(以下「加入期間」という。)が二十年以上継続しているものは、掛金の納付を要しない。
(掛金の減額)
第十条 知事は、規則で定めるところにより、前条第一項に規定する掛金の額を減額することができる。ただし、加入者が東京都の区域内に住所を有しなくなったときは、当該住所を有しなくなった日の属する月の翌月以降は、減額しない。
(年金の給付)
第十一条 加入者が死亡し、又は重度障害となったときは、その死亡し、又は重度障害となった日の属する月から、規則で定めるところにより、その者が扶養していた心身障害者に対し、年金を支給する。
2 年金の額は、月額二万円とする。
3 口数追加した加入者については、前項の額に二万円を加算する。ただし、年金の給付が重度障害による場合であって、その重度障害が規則で定めるものに該当するときは、この限りでない。
(年金管理者)
第十二条 加入者は、その扶養する心身障害者が年金を受領し、管理することが困難であると認めるときは、規則で定めるところにより、その心身障害者に代わって年金を受領し、これを管理する者(以下「年金管理者」という。)を、あらかじめ、その者の同意を得て指定しておかなければならない。
2 前条第一項の規定により年金を支給される心身障害者(以下「年金受給権者」という。)は、加入者が死亡した後であって、年金管理者が指定されていない場合において、自らを年金を受領し、管理することが困難であると認めるときは、規則で定めるところにより、年金管理者を、その者の同意を得て指定することができる。
3 次の各号のいずれかに該当する者は、年金管理者となることができない。
一 精神の機能の障害により年金の受領及び管理を適正に行うに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者
二 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
4 加入者(加入者が死亡した後である場合にあっては、年金受給権者又は年金管理者)は、規則で定めるところにより、年金管理者を、変更後に年金管理者となる者の同意を得て変更することができる。
5 年金管理者が次の各号のいずれかに該当するに至った場合には、加入者は、速やかに年金管理者を変更しなければならない。
一 死亡したとき。
二 所在が不明になったとき。
三 第三項各号のいずれかに該当する者となったとき。
四 辞退の申出をしたとき。
6 知事は、次の各号のいずれかに該当する場合には、年金管理者を変更することができる。
一 年金管理者が前項各号のいずれかに該当するに至った場合において、加入者がその年金管理者の変更をしないとき又は加入者が死亡その他の理由により年金管理者を変更できないとき。
二 年金管理者が第十五条第一項の規定に違反したとき。
7 知事は、年金管理者が指定されていない場合において、心身障害者が年金を受領し、管理することが困難であると認めるときは、規則で定めるところにより、年金管理者を、その者の同意を得て指定することができる。
8 年金管理者が指定されている場合においては、年金の支払は、当該年金管理者に対して行うものとする。
(令元条例八八・一部改正)
(年金の支給停止)
第十三条 年金受給権者が、次の各号のいずれかに該当するときは、その該当する期間、年金の支給を停止する。
一 所在が一月以上不明のとき。
二 懲役又は禁錮の刑に処せられ、刑の執行を受けているとき。
三 日本国内に住所を有しないとき。
(支払の一時差止め)
第十四条 知事は、年金受給権者又は年金管理者が、正当な理由なく第二十二条第五項に規定する届出をしないときは、年金の支払を差し止めることができる。
(年金の使途の制限)
第十五条 年金は、年金受給権者の生活の安定と福祉の増進のために使用されなければならない。
2 年金を受ける権利(以下「年金受給権」という。)は、譲り渡し、又は担保に供することができない。
(年金受給権の消滅)
第十六条 年金受給権は、年金受給権者が死亡したときは、その死亡の日の属する月の翌月から消滅する。
2 知事は、加入者又は年金受給権者が偽りその他不正の手段により年金の支給を受け、又は受けようとしたときは、その年金受給権者の年金受給権を消滅させることができる。
(弔慰金の給付)
第十七条 加入者の生存中にその扶養する心身障害者が死亡したときは当該加入者であった者に、加入者とその扶養する心身障害者が同時に死亡したときは当該加入者の遺族に対し、規則で定めるところにより、弔慰金を支給する。ただし、加入期間が一年に満たないときは、弔慰金を支給しない。
一 一年以上五年未満 五万円
二 五年以上二十年未満 十二万五千円
三 二十年以上 二十五万円
一 一年以上五年未満 五万円
二 五年以上二十年未満 十二万五千円
三 二十年以上 二十五万円
4 前二項の規定にかかわらず、その扶養する心身障害者の死亡時において、第二十一条第一項第二号ただし書の規定に該当するため、重度障害となったが加入者としての地位を失っていない者に係る弔慰金の額は、次の各号に掲げる口数追加期間に応じそれぞれ当該各号に定める額とする。ただし、口数追加期間が一年に満たないときは、この限りでない。
一 一年以上五年未満 五万円
二 五年以上二十年未満 十二万五千円
三 二十年以上 二十五万円
(脱退一時金の給付)
第十八条 加入者が、次の各号のいずれかに該当するときは、規則で定めるところにより、当該加入者に脱退一時金を支給する。ただし、第五条第一項の加入に係る一口の加入期間又は第八条第一項の口数追加に係る一口の口数追加期間が五年に満たない場合にあっては当該満たない一口について、加入者が転出(新たに東京都の区域外に住所を有することになったことをいう。以下同じ。)したことに伴い、他の制度に加入した場合又は第二十一条第一項第五号の規定により加入者としての地位を失った場合にあっては加入及び口数追加しているすべての口数について脱退一時金を支給しない。
一 加入者が脱退の申出をしたとき。
二 口数追加した加入者が口数追加した一口の口数の減少の申出をしたとき。
一 五年以上十年未満 七万五千円
二 十年以上二十年未満 十二万五千円
三 二十年以上 二十五万円
一 五年以上十年未満 七万五千円
二 十年以上二十年未満 十二万五千円
三 二十年以上 二十五万円
(年金等の支給制限)
第十九条 加入者又はその扶養する心身障害者の故意又は重大な過失により、東京都が機構から当該加入者に係る年金給付保険金の全部又は一部の支給を受けられなかったときは、第十一条第一項の規定にかかわらず、当該加入者の扶養していた心身障害者に対して、当該支給を受けられなかった年金給付保険金に相当する年金の全部又は一部を支給しない。
2 加入者又はその扶養する心身障害者の故意又は重大な過失により、東京都が機構から当該加入者に係る弔慰金給付保険金の支給を受けられなかったときは、第十七条第一項の規定にかかわらず、当該加入者に対して、当該支給を受けられなかった弔慰金給付保険金に相当する弔慰金を支給しない。
(年金等の返還)
第二十条 知事は、偽りその他不正の手段により年金又は弔慰金の給付を受けていた者があるときは、その者に既に支給された年金又は弔慰金の額の全部又は一部を返還させることができる。
(加入者としての地位の喪失等)
第二十一条 加入者は、次の各号のいずれかに該当する事由が生じたときは、その事由の生じた日の属する月の翌月から、加入者としての地位を失うものとする。
一 加入者が死亡したとき。
二 加入者が重度障害となったとき。ただし、口数追加した加入者が重度障害となった場合において、その重度障害が規則で定めるものに該当するときは、この限りでない。
三 加入者の扶養する心身障害者が死亡したとき。
四 加入者が脱退の申出をしたとき。
五 加入者が、規則で定める期間、掛金を滞納したとき。
六 加入者が転出したことに伴い、他の制度に加入したとき。
2 口数追加した加入者が、口数追加した一口の口数の減少の申出をしたときは、申出をした日の属する月の翌月から、口数追加した一口についての加入者としての地位を失うものとする。
3 知事は、偽りその他不正の手段による加入若しくは口数追加の承認があったとき又は加入若しくは口数追加の承認後において偽りその他不正があったときは、加入者に対し、加入者又は口数追加した一口についての加入者としての地位を失わせることができる。
4 前三項の規定により加入者又は口数追加した一口についての加入者としての地位を失った者に対しては、既に納付された掛金は返還しない。
(届出義務等)
第二十二条 加入者は、次の各号のいずれかに該当する場合には、規則で定めるところにより、速やかにその旨を知事に届け出なければならない。
一 加入者、加入者の扶養する心身障害者又は年金管理者が氏名又は住所を変更したとき。
二 加入者の扶養する心身障害者又は年金管理者が死亡したとき。
三 第十二条第一項の規定により年金管理者を指定したとき。
五 前各号に掲げるもののほか、掛金の納付又は年金若しくは弔慰金の給付に影響を及ぼす事実が生じたとき。
2 年金受給権者又は年金管理者は、次の各号のいずれかに該当する場合には、規則で定めるところにより、速やかにその旨を知事に届け出なければならない。
一 加入者が死亡し、又は重度障害となったとき。
二 年金受給権者が氏名又は住所を変更したとき。
三 第十二条第四項の規定により年金管理者を変更したとき。
3 年金受給権者は、第十二条第二項の規定により年金管理者を指定したときは、規則で定めるところにより、速やかにその旨を知事に届け出なければならない。
4 年金管理者は、次の各号のいずれかに該当する場合には、規則で定めるところにより、速やかにその旨を知事に届け出なければならない。
一 年金の支給開始後において、年金管理者が氏名又は住所を変更したとき。
二 年金受給権者が死亡したとき。
三 年金受給権者に第十三条各号のいずれかに該当する事実が発生し、又は消滅したとき。
5 年金受給権者又は年金受給権者に代わって現に年金を受領している年金管理者は、規則で定めるところにより、毎年年金受給権者の現況に関する事項を知事に届け出なければならない。
6 加入者、加入者の扶養する心身障害者、年金受給権者及び年金管理者は、都制度の適正な運営を図るため、知事の行う調査に協力しなければならない。
(加入者の年齢)
第二十三条 この条例において、加入者の年齢は、四月一日から翌年の三月三十一日までの間を年度とし、毎年度の初日における年齢を、当該年度中の年齢として取り扱う。
(委任)
第二十五条 この条例に規定するもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
1 この条例は、平成二十年四月一日から施行する。
4 第九条第一項の規定にかかわらず、施行日の前日において、他の制度に加入している者であって、施行日後に第四条第二項の規定の適用を受けて加入者となったもの(以下「施行前加入者」といい、この項において第二十一条第一項第二号ただし書の規定に該当するため、重度障害となったが加入者としての地位を失わない者を除く。)は、都制度の加入の承認を受けた日の属する月から、次の各号に掲げる区分に応じそれぞれ当該各号に定める掛金を東京都に納付しなければならない。ただし、六十五歳に達した日以後最初に到来する他の制度の加入の承認を受けた日の年単位の応当日に達している施行前加入者で、加入期間が二十年(第三号に掲げる者については、二十五年)以上継続しているものは、掛金の納付を要しない。
一 昭和五十四年十月一日以後に他の制度に加入した者であって、他の制度に加入したときの年齢が四十五歳以上であったもの 他の制度に加入したときの年齢に応じ附則別表第一に定める掛金
二 昭和六十一年四月一日以後に他の制度に加入した者であって、他の制度に加入したときの年齢が四十五歳未満であったもの 他の制度に加入したときの年齢に応じ附則別表第一に定める掛金
附則別表第一
他の制度に加入又は口数追加したときにおける年齢 | 掛金月額 |
三十五歳未満の者 | 五千六百円 |
三十五歳以上四十歳未満の者 | 六千九百円 |
四十歳以上四十五歳未満の者 | 八千七百円 |
四十五歳以上五十歳未満の者 | 一万六百円 |
五十歳以上五十五歳未満の者 | 一万一千六百円 |
五十五歳以上六十歳未満の者 | 一万二千八百円 |
六十歳以上六十五歳未満の者 | 一万四千五百円 |
附則別表第二
昭和六十一年四月一日における年齢 | 掛金月額 |
三十五歳未満の者 | 五千六百円 |
三十五歳以上四十歳未満の者 | 六千九百円 |
四十歳以上四十五歳未満の者 | 八千七百円 |
四十五歳以上の者 | 一万六百円 |
附則別表第三
附則別表第四
附則(令和元年条例第八八号)
この条例は、公布の日から施行する。
別表(第九条関係)
加入者となったとき又は口数追加したときの年齢 | 掛金月額 |
三十五歳未満の者 | 九千三百円 |
三十五歳以上四十歳未満の者 | 一万一千四百円 |
四十歳以上四十五歳未満の者 | 一万四千三百円 |
四十五歳以上五十歳未満の者 | 一万七千三百円 |
五十歳以上五十五歳未満の者 | 一万八千八百円 |
五十五歳以上六十歳未満の者 | 二万七百円 |
六十歳以上六十五歳未満の者 | 二万三千三百円 |