○キユービクル式変電設備等の基準

昭和50年10月1日

消防庁告示第11号

火災予防条例(昭和37年東京都条例第65号。以下「条例」という。)第11条第4項(条例第8条の3第1項及び第3項並びに第12条第2項の規定において準用する場合を含む。)及び第13条第6項の規定に基づくキユービクル式の変電設備、発電設備及び蓄電池設備(以下「キユービクル式変電設備等」という。)について条例で定める位置、構造及び管理の基準によらなくとも火災予防上支障ないものとして、消防総監が認める基準は、次のとおりとする。

1 キユービクル式変電設備等の設置位置は、次によること。

(1) 避難上支障とならない位置に設けること。

(2) 可燃性又は腐しよく性の蒸気、ガス若しくは粉じん等が発生し、又は滞留するおそれのない位置に設けること。

(3) コンクリート等不燃性の材料で造つた堅固な床、壁、柱等又は地盤面上に設けること。

(4) 火を使用する設備(条例第57条第1項第1号から第9号まで、第11号及び第12号に掲げるものに限る。)を設けてある室内には、設けないこと。ただし、キユービクル式変電設備等の周囲に有効な空間を保持する等、火災予防上安全な措置を講じたときは、この限りでない。

2 キユービクル式変電設備等の構造は、次によること。

(1) キユービクル式の変電設備

ア キユービクル式の変電設備の種類は、次のとおりとすること。

(ア) 電力需給用計器用変成器及び主しや断装置並びにこれらの附属装置を1の箱(以下「外箱」という。)に収納したもの

(イ) 変圧器、しや断器、開閉器及びこれらの附属装置を外箱に収納したもの

(ウ) (ア)及び(イ)に掲げる装置を外箱に収納したもの

イ キユービクル式の変電設備の外箱の構造は、次によること。

(ア) 外箱(コンクリート造又はこれと同等以上の耐火性能を有する床に設置するものの床面部分を除く。)の材料は鋼板とし、その板厚は屋外用のものにあつては、2.3ミリメートル以上、屋内用のものにあつては、1.6ミリメートル以上又はこれと同等以上の防火性能を有するものであること。

(イ) 外箱の開口部((ウ)に掲げるものに係る部分を除く。)には、特定防火設備(建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第112条第1項に規定する特定防火設備をいう。)である防火戸(条例第3条第1項第12号の2に規定する防火戸をいう。以下同じ。)が設けられていること。ただし、計器用のぞき窓を有するものにあっては、当該部分を防火戸とすることができる。

(ウ) 外箱には、次に掲げるもの(屋外に設けるものにあつては、雨水等の浸入防止措置が講じられているものに限る。)以外のものが外部に露出して設けられていないこと。

a 表示灯(カバーを不燃性又は難燃性の材料としたものに限る。)

b 電線の引込み口及び引出し口

c (1)、エの換気装置

d 電圧計(ヒユーズ等で保護されたものに限る。)

e 電流計(計器用変成器に接続しているものに限る。)、周波数計その他操作に必要な計器類

f 計器用切替スイツチ(不燃性又は難燃性の材料としたものに限る。)

g 発光ダイオードを用いた表示装置又は液晶を用いた表示装置(裏面を防火措置したものに限る。)

(エ) 外箱からの電線の引出し口は、金属管又は金属製可とう電線管(2種金属製可とう電線管に限る。)を容易に接続できるものであること。

(オ) 外箱には直径10ミリメートル以上の丸棒が入るような穴又はすきまがないこと。

ウ キユービクル式の変電設備の内部の構造は、次によること。

(ア) 機器及び配線等は外箱、フレーム等に堅固に固定されていること。

(イ) 機器及び配線は、外箱の底面から10センチメートル以上の位置に収納され、かつ、充電部は底面から15センチメートル以上の位置に取り付けられていること。ただし、これと同等以上の防水措置が講じられている場合は、この限りでない。

エ キユービクル式の変電設備には、次に定めるところにより換気装置が設けられていること。

(ア) 換気装置は、外箱の内部が著しく高温にならないよう空気の流通が十分に行えるものであること。

(イ) 自然換気口の開口部の面積の合計は、外箱の1の面について、当該面の面積の3分の1以下であること。

(ウ) 自然換気口により十分な換気が行えないものにあつては、機械換気設備が設けられていること。

(エ) 換気口には、金網、金属製ガラリ、防火ダンパーを設ける等の防火措置が講じられていること。

(2) キユービクル式の発電設備

ア キユービクル式の内燃機関を原動力とする発電設備

(ア) 種類は、次のとおりとすること。

a 内燃機関、発電機及び燃料タンク並びにこれらの附属装置を外箱に収納したもの

b 制御装置及び保安装置並びにこれらの附属装置を外箱に収納したもの

c a及びbに掲げる装置を外箱に収納したもの

(イ) 外箱の構造は、(1)、イ((ウ)を除く。)に準ずるほか次によること。

a 外箱には、次に掲げるもの(屋外に設けるものにあつては、雨水等の浸入防止措置が講じられているものに限る。)以外のものが外部に露出して設けられていないこと。

(a) 表示灯(カバーを不燃性又は難燃性の材料としたものに限る。)

(b) 電線の引込み口及び引出し口

(c) (2)、ア、(エ)の換気装置

(d) 電圧計(ヒユーズ等で保護されたものに限る。)

(e) 電流計(計器用変成器に接続しているものに限る。)、周波数計その他操作に必要な計器類

(f) スイツチ(不燃性又は難燃性の材料としたものに限る。)

(g) 排気筒

(h) 燃料配管(潤滑油配管を含む。)

(i) 始動用空気管の出し入れ口

(j) 内燃機関の息抜き管

(k) 冷却水の出し入れ口及び水抜き管

(l) 発光ダイオードを用いた表示装置又は液晶を用いた表示装置(裏面を防火措置したものに限る。)

b 外箱は、消音器及び屋外に通じる排気筒を容易に取り付けられるものであること。

(ウ) 内部の構造は、(1)、ウに準ずるほか次によること。

a 内燃機関及び発電機を収納する部分は、不燃材料(建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第9号に規定する不燃材料をいう。以下同じ。)で区画され、遮音措置が講じられていること。

b 内燃機関及び発電機は、防振ゴム等振動吸収装置の上に設けたものであること。ただし、内燃機関にガスタービンを用いるものにあつては、この限りでない。

c 給油口は、給油の際の漏油により電気系統又は内燃機関の機能に異常を及ぼさない位置に設けられていること。

d 外箱内の配線類は、内燃機関から発生する熱の影響を受けないように断熱処理され、かつ、堅固に固定されていること。

(エ) キユービクル式の内燃機関を原動力とする発電設備には、(1)、エに準ずる換気装置が設けられていること。

イ キユービクル式の燃料電池発電設備

(ア) 種類は、次のとおりとすること。

a 燃料電池及び改質器並びにこれらの附属装置を外箱に収納したもの

b 逆変換装置、制御装置及び保安装置並びにこれらの附属装置を外箱に収納したもの

c a及びbに掲げる装置を外箱に収納したもの

(イ) 外箱の構造は、(1)、イ((ウ)を除く。)に準ずるほか次によること。

a 外箱には、次に掲げるもの(屋外に設けるものにあつては、雨水等の浸入防止措置が講じられているものに限る。)以外のものが外部に露出して設けられていないこと。

(a) 表示灯(カバーを不燃性又は難燃性の材料としたものに限る。)

(b) 電線の引込み口及び引出し口

(c) (2)、イ、(エ)の換気装置

(d) 電圧計(ヒユーズ等で保護されたものに限る。)

(e) 電流計(計器用変成器に接続しているものに限る。)、周波数計その他操作に必要な計器類

(f) スイツチ(不燃性又は難燃性の材料としたものに限る。)

(g) 排気筒

(h) 燃料配管(空気引込み管を含む。)

(i) 窒素ガス配管(ガス抜き管を含む。)

(j) 水蒸気配管(温水管を含む。)

(k) 冷却水の出し入れ口及び水抜き管(凝縮水配管を含む。)

(l) 発光ダイオードを用いた表示装置又は液晶を用いた表示装置(裏面を防火措置したものに限る。)

b 外箱は、屋外に通じる排気筒を容易に取り付けられるものであること。

(ウ) 内部の構造は、(1)、ウに準ずるほか次によること。

a 逆変換装置は、他の部分と防火上有効に区画されていること。

b 可燃性ガスが漏れた場合に自動的に発電を停止する装置及び燃料の供給をしや断する装置が設けられていること。

c 未燃ガスが滞留するおそれのあるものには、運転開始前及び運転停止後に当該滞留未燃ガスを有効に排出できる装置が設けられていること。

d 外箱内の配線類は、燃料電池等から発生する熱の影響を受けないように断熱処理され、かつ、堅固に固定されていること。

(エ) (1)、エに準ずる換気装置が設けられていること。

(3) キユービクル式の蓄電池設備

ア キユービクル式の蓄電池設備の種類は、次のとおりとすること。

(ア) 蓄電池を外箱に収納したもの

(イ) 充電装置、逆変換装置、出力用過電流しや断器等及びこれらの附属装置を外箱に収納したもの

(ウ) (ア)及び(イ)に掲げる装置を外箱に収納したもの

イ キユービクル式の蓄電池設備の外箱の構造は、(1)、イ((ウ)を除く。)に準ずるほか、外箱には次に掲げるもの(屋外に設けるものにあつては、雨水等の浸入防止措置が講じられているものに限る。)以外のものが外部に露出して設けられていないこと。

(ア) 表示灯(カバーを不燃性又は難燃性の材料としたものに限る。)

(イ) 電線の引込み口及び引出し口

(ウ) (3)、オの換気装置

(エ) 電流計、電圧計(ヒユーズ等で保護されたものに限る。)、周波数計その他操作に必要な計器類

(オ) 配線用しや断器(金属製カバーを取り付けたものに限る。)

(カ) スイツチ(不燃性又は難燃性の材料としたものに限る。)

(キ) 発光ダイオードを用いた表示装置又は液晶を用いた表示装置(裏面を防火措置したものに限る。)

ウ キユービクル式の蓄電池設備の内部の構造は、(1)、ウに準ずるほか次によること。

(ア) 蓄電池を収納する部分は、他の部分と防火上有効に区画されていること。ただし、シール形蓄電池(陰極吸収式のものに限る。以下同じ。)を収納するものにあつては、この限りでない。

(イ) 鉛蓄電池を収納するものにあつては、キユービクル式の蓄電池設備内の当該鉛蓄電池の存する部分の内部に耐酸性能を有する塗装が施されていること。ただし、シール形蓄電池を収納するものにあつては、この限りでない。

(ウ) 直送回路に変圧器(100キロワツト未満のものを除く。)を用いる場合は、他の部分と防火上有効に区画されていること。

エ キユービクル式の蓄電池設備に設ける区分しや断器、点検スイツチ及び変圧器は、次によること。

(ア) 区分しや断器には、配線用しや断器が設けられていること。

(イ) 蓄電池の充電状況を点検できる自動復帰形又は切替形の点検スイツチが設けられていること。

(ウ) 直送回路及び逆変換装置等に変圧器を用いる場合は、油入機器以外のものとすること。

オ キユービクル式の蓄電池設備には、(1)、エ((イ)を除く。)に準ずる換気装置が設けられているほか、自然換気口の開口部の面積の合計は、外箱の1の面について、蓄電池及び(3)、ウ、(ウ)の変圧器を収納する部分にあつては当該面の面積の3分の1以下、充電装置等を収納する部分にあつては、当該面の面積の3分の2以下であること。ただし、換気装置を設けなくても温度上昇及び爆発性ガスの滞留のおそれのないものにあっては、この限りでない。

3 キユービクル式変電設備等の管理は、次によること。

(1) キユービクル式変電設備等の保安のための距離(以下「保有距離」という。)は、次表に掲げる数値とすること。

保有距離を確保すべき部分

保有距離

屋内に設ける場合

屋外に設ける場合

周囲

操作を行う面

1.0メートル以上

1.0メートル以上。ただし、隣接する建築物又は工作物の部分を不燃材料で造り、当該建築物の開口部に防火設備(建築基準法第2条第9号の2ロに規定する防火設備をいう。)を設けてある場合は屋内に設ける場合の保有距離に準ずることができる。

点検を行う面

0.6メートル以上

換気口を有する面

0.2メートル以上

キユービクル式以外の変電設備、発電設備及び蓄電池設備との間

1.0メートル以上

(2) 外箱正面とびらの見やすい位置に変電設備、発電設備又は蓄電池設備である旨を表示した標識(火災予防条例施行規則(昭和37年東京都規則第100号)第5条に定める標識を準用する。)を設けること。ただし、キュービクル式の蓄電池設備に、日本産業規格Z8304(銘板の設計基準)の表3に掲げる数値のうち、aを短辺とし、bを長辺とした比を1対5とした標識であって、地は白色、文字は黒色としたもの(短辺aが31.5ミリメートル以上のものに限る。)が設けられている場合は、この限りでない。

(3) 必要に応じ熟練者に設備の各部分の点検及び絶縁抵抗等の測定試験を行わせ、不良箇所を発見したときは、直ちに補修させるとともに、その結果を記録し、かつ、保存すること。

(平成12年消防庁告示第7号)

この告示は、平成12年11月1日から施行する。

(平成21年消防庁告示第5号)

この告示は、平成21年4月1日から施行する。

(令和元年消防庁告示第8号)

1 この告示は、令和元年7月1日から施行する。

2 この告示の施行の際、この告示による改正前のキュービクル式変電設備等の基準の様式(この告示により改正されるものに限る。)による用紙で、現に残存するものは、所要の修正を加え、なお使用することができる。

(令和5年消防庁告示第6号)

この告示は、令和5年10月1日から施行する。

(令和5年消防庁告示第7号)

この告示は、令和6年1月1日から施行する。

キユービクル式変電設備等の基準

昭和50年10月1日 消防庁告示第11号

(令和6年1月1日施行)

体系情報
第17編 防/第4章 防/第1節 火災予防
沿革情報
昭和50年10月1日 消防庁告示第11号
平成5年12月22日 消防庁告示第10号
平成12年10月24日 消防庁告示第7号
平成21年3月31日 消防庁告示第5号
令和元年6月28日 消防庁告示第8号
令和5年9月26日 消防庁告示第6号
令和5年11月27日 消防庁告示第7号