○東京都職員の退職管理に関する条例

平成二七年一二月二四日

条例第一二七号

東京都職員の退職管理に関する条例を公布する。

東京都職員の退職管理に関する条例

(趣旨)

第一条 この条例は、地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号。以下「法」という。)第三十八条の二第八項、第三十八条の六第一項及び第二項並びに第六十五条の規定に基づき、職員(法第三十八条の二第一項に規定する職員(警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)第五十六条の五の規定により法第四条第一項に規定する職員とみなされる警察法第五十六条の二第一項に規定する特定地方警務官(以下単に「特定地方警務官」という。)を含む。)をいう。以下同じ。)の退職管理に関し必要な事項を定めるものとする。

(令四条例六七・一部改正)

(再就職者による依頼等の規制)

第二条 法第三十八条の二第一項、第四項及び第五項の規定によるもののほか、職員であった者であって離職後に営利企業等(法第三十八条の二第一項に規定する営利企業等をいう。以下同じ。)の地位に就いている者(退職手当通算予定職員(法第三十八条の二第三項に規定する退職手当通算予定職員をいう。次条第二項及び第七条において同じ。)であった者であって引き続いて退職手当通算法人(法第三十八条の二第二項に規定する退職手当通算法人をいう。次条第二項及び第七条において同じ。)の地位に就いている者(特定地方警務官であった者にあっては、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第百六条の二第四項に規定する退職手当通算予定職員であった者であって引き続いて同条第三項に規定する退職手当通算法人の地位に就いている者)及び公益的法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律(平成十二年法律第五十号)第十条第二項に規定する退職派遣者(以下単に「退職派遣者」という。)を除く。)のうち、国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第二十一条第一項に規定する部長又は課長の職に相当する職として人事委員会規則で定めるもの(以下「部課長等の職」という。)に離職した日の五年前の日より前に就いていた者は、当該職に就いていた時に在職していた執行機関の組織等(法第三十八条の二第一項に規定する地方公共団体の執行機関の組織等をいう。以下同じ。)の職員若しくは特定地方独立行政法人の役員又はこれらに類する者として人事委員会規則で定めるものに対し、同項に規定する契約等事務であって離職した日の五年前の日より前の職務(当該職に就いていたときの職務に限る。)に属するものに関し、離職後二年間、職務上の行為をするように、又はしないように要求し、又は依頼してはならない。

(在職中の求職の規制)

第三条 職員(局長等の職(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第百五十八条第一項に規定する普通地方公共団体の長の直近下位の内部組織の長又はこれに準ずる職として人事委員会規則に定めるものをいう。以下同じ。)に就いている者及び第六条第二項の規定により任命権者により営利企業等へ情報が提供された職員を除く。)は、利害関係企業等(営利企業等のうち、職員の職務に利害関係を有するものとして人事委員会規則で定めるものをいう。以下同じ。)に対し、離職後に当該利害関係企業等若しくはその子法人(法第三十八条の二第一項に規定する子法人をいう。以下同じ。)の地位に就くことを目的として、自己に関する情報を提供し、若しくは当該地位に関する情報の提供を依頼し、又は当該地位に就くことを要求し、若しくは約束してはならない。

2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。

 退職手当通算予定職員が退職手当通算法人に対して行う場合

 退職派遣者となることが予定されている職員が、派遣される予定の団体に対して行う場合

 在職する執行機関の組織等の意思決定の権限を実質的に有しない職と認められるものに就いている職員が行う場合

 職員が、利害関係企業等に対し、当該利害関係企業等若しくはその子法人の地位に就くことを目的として、自己に関する情報を提供し、若しくは当該地位に関する情報の提供を依頼し、又は当該地位に就くことを要求し、若しくは約束することにより公務の公正性の確保に支障が生じないと認められる場合として任命権者が行う承認(以下「利害関係企業等への求職活動の承認」という。)を得た職員が当該承認に係る利害関係企業等に対して行う場合

(職員であった者に対する求職の規制)

第四条 任命権者は、職員であった者(離職日の前日において局長等の職に就いていた者を除く。以下この条において同じ。)に対し、離職後二年間、利害関係にあった企業等(営利企業等のうち職員であった者の離職時の職務に利害関係を有していたものとして人事委員会規則で定めるものをいう。)に対し、当該利害関係にあった企業等若しくはその子法人の地位に就くことを目的として、自己に関する情報を提供し、若しくは当該地位に関する情報の提供を依頼し、又は当該地位に就くことを要求し、若しくは約束しないよう求めることができる。

2 前項の規定は、離職時に在職していた執行機関の組織等の意思決定の権限を実質的に有しない職と認められるものに就いていた職員であった者が行う場合には、適用しない。

(局長等の職に就いている職員等に対する求職の規制)

第五条 局長等の職に就いている職員は、その職務の重要性に鑑み、局長等の職に就いている又は就いていたときの職務並びに部課長等の職に就いていたときの職務に関連する利害関係企業等に対し、離職後に当該利害関係企業等若しくはその子法人の地位に就くことを目的として、自己に関する情報を提供し、若しくは当該地位に関する情報の提供を依頼し、又は当該地位に就くことを要求し、若しくは約束してはならない。

2 任命権者は、職員のうち離職日の前日において局長等の職に就いていた者に対し、その職務の重要性に鑑み、離職後二年間、利害関係にあった企業等(営利企業等のうち局長等の職及び部課長等の職に就いていたときの職務に利害関係を有していたものとして人事委員会規則で定めるものをいう。)に対し、当該利害関係にあった企業等若しくはその子法人の地位に就くことを目的として、自己に関する情報を提供し、若しくは当該地位に関する情報の提供を依頼し、又は当該地位に就くことを要求し、若しくは約束しないよう求めることができる。

(任命権者による職員の推薦及び人材情報の提供)

第六条 任命権者は、都政の一体的、効率的かつ効果的な運営を行うため、適切な人材として当該任命権者の職員又は職員であった者を推薦することが必要と認められる団体(以下「適材推薦団体」という。)を選定し、当該任命権者の職員又は職員であった者を推薦することができる。

2 任命権者は、営利企業等(適材推薦団体を除く。)から、職員に係る求人の申込みがあった場合は、当該営利企業等に対し求人内容と合致する職員に関する情報を提供することができる。

3 前項に定める人材情報の提供について、やむを得ない事情により当該職員の在職中に実施することができなかった場合は、当該職員の離職後に実施することができる。

(任命権者への届出)

第七条 職員(退職手当通算予定職員であって引き続いて退職手当通算法人の地位に就く予定にある者、引き続いて退職派遣者となる予定にある者、実質的に行政上の権限を行使しない職員として人事委員会規則に定めるもの及び任命権者への届出がなされないことにより公務の公正性の確保に支障が生じない者と任命権者が認めるものを除く。)は、営利企業以外の法人その他の団体の地位に就くことを約束した場合(報酬を得る場合に限る。)又は営利企業の地位に就くことを約束した場合は、日々雇い入れられる者となる場合その他人事委員会規則で定める場合を除き、人事委員会規則で定めるところにより、速やかに、任命権者に人事委員会規則で定める事項を届け出なければならない。

2 離職日の前日において管理又は監督の地位にある職員の職として人事委員会規則で定めるものに就いている職員(以下「管理又は監督の地位にある職員」という。)であった者(退職手当通算予定職員であった者であって引き続いて退職手当通算法人の地位に就いている者及び引き続いて退職派遣者となった者を除く。以下「管理又は監督の地位にある職員であった者」という。)は、離職後二年間、営利企業以外の法人その他の団体の地位に就いた場合(報酬を得る場合に限る。)又は営利企業の地位に就いた場合は、前項の規定による届出を行った場合、日々雇い入れられる者となった場合その他人事委員会規則で定める場合を除き、人事委員会規則で定めるところにより、速やかに、離職した職又はこれに相当する職の任命権者に人事委員会規則で定める事項を届け出なければならない。

3 前項に定める任命権者への届出は、職員であった者のうち離職日の前日において管理又は監督の地位にある職員であった者に該当しないもの(退職手当通算予定職員であった者であって引き続いて退職手当通算法人の地位に就いている者、引き続いて退職派遣者となった者、実質的に行政上の権限を行使しなかった職員として人事委員会規則に定めるもの及び任命権者への届出がなされないことにより公務の公正性の確保に支障が生じない者と任命権者が認めるものを除く。)に準用する。

(公表)

第八条 任命権者(次条第二項各号に掲げる任命権者に限る。)は、前条の規定により届出を受けた事項について、毎年度一回、知事に報告しなければならない。

2 知事は、前項の規定による報告を取りまとめ、前条に規定する職員又は職員であった者のうち人事委員会規則で定めるものについて、人事委員会規則で定める事項を、毎年度一回、公表する。

3 警視総監は、前条の規定により届出を受けた事項のうち、警視庁の職員の職務に支障を及ぼすおそれがないと認めるものについて、毎年度一回、公表する。

4 消防総監は、前条に規定する職員又は職員であった者のうち人事委員会規則で定めるものについて、前条の規定により届出を受けた事項のうち人事委員会規則で定めるものを、毎年度一回、公表する。

(平二九条例七六・一部改正)

(東京都職員人材バンクの設置)

第九条 職員の再就職を適正に管理するに際し、次に掲げる事項に関する事務を行うことを目的として、東京都職員人材バンク(以下「人材バンク」という。)を置く。

 利害関係企業等への求職活動の承認

 第六条第一項に規定する任命権者による適材推薦団体への推薦

 第六条第二項に規定する営利企業等からの求人の申込みの受付及び任命権者による人材情報の提供

 第七条に規定する任命権者への届出

 その他退職管理の適正確保に関する事務

2 人材バンクは、次に掲げる任命権者の職員又は職員であった者を対象とする。

 知事

 都議会議長

 選挙管理委員会

 代表監査委員

 教育委員会

 人事委員会

 海区漁業調整委員会

 公営企業管理者

3 人材バンクの運営における第一項に規定する事務に関して必要な事項については、東京都規則で定める。

(東京都退職管理委員会の設置)

第十条 職員の再就職の公正性の確保のため、知事の附属機関として、東京都退職管理委員会(以下「委員会」という。)を置く。

2 委員会は、この条例の規定によりその権限に属させられた事項を処理する。

3 任命権者は、次に掲げる事項を行う場合には、あらかじめ委員会に諮問しなければならない。

 法第三十八条の二第六項第一号に規定する地方公共団体又は国の事務又は事業と密接な関連を有する業務として人事委員会規則に定めるものに係る人事委員会に対する申請

 利害関係企業等への求職活動の承認

 第六条第一項に規定する適材推薦団体の選定

 第六条第二項に規定する人材情報の提供

4 前条第二項第二号から第八号までに掲げる任命権者は、前項の規定による委員会への諮問について知事に委任することができる。

5 委員会は、第三項に掲げる事項の審議のほか、職員の退職管理の適正確保に関する事項について、任命権者から報告を受けることができる。

6 委員会は、前条第二項各号に掲げる任命権者の職員又は職員であった者を審議の対象とする。

(委員会の組織)

第十一条 委員会は、委員三人以上七人以内をもって組織する。

2 委員は、非常勤とする。

3 委員会に委員長を置き、委員の互選によって定める。

4 委員長は、会務を総理し、委員会を代表する。

5 委員長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理する。

(委員の委嘱)

第十二条 委員は、人格が高潔であり、職員の退職管理に関する事項に関し公正な判断をすることができる者であって、法令及び人事管理に関する優れた知識及び経験を有するもののうちから、知事が委嘱する。

2 委員の任期は、二年とし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。ただし、再任を妨げない。

3 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。

(委員の解職)

第十三条 知事は、委員が次の各号のいずれかに該当する場合は、委員を解職することができる。

 破産手続開始の決定を受けたとき。

 禁錮以上の刑に処せられたとき。

 心身の故障により職務を執行することができないと認められるとき。

 前条第三項前段の規定に違反したとき。

 前各号に掲げるもののほか、委員による職務上の義務違反その他引き続き委員として職務を執行することが著しく不適当であると知事が認めるとき。

(委員会の組織及び運営の細目)

第十四条 この条例に定めるもののほか、委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、東京都規則で定める。

(警視庁の職員等に関する特例)

第十五条 警視総監及び警視庁の職員又は職員であった者には、第九条から前条までの規定は、適用しない。

2 特定地方警務官又は特定地方警務官であった者には、第三条から第五条まで、第七条第八条及び第十七条の規定は、適用しない。

3 特定地方警務官又は特定地方警務官であった者に対する第六条の規定の適用については、「任命権者は」とあるのは「警視総監は」と、「当該任命権者の」とあるのは「警視総監の」とする。

4 警視総監は、警視庁の職員の退職管理を行うために必要と認められる措置を講ずることができる。

(東京消防庁の職員に関する読替え等)

第十六条 第十条第一項から第三項まで及び同条第五項並びに第十一条から第十四条までの規定は、東京消防庁の職員の退職管理について準用する。この場合において、第十条第一項中「職員」とあるのは「東京消防庁の職員」と、「知事の附属機関として、東京都退職管理委員会」とあるのは「東京消防庁退職管理委員会」と、同条第三項中「任命権者」とあるのは「消防総監」と、第十二条及び第十三条中「知事」とあるのは「消防総監」と、第十四条中「東京都規則で定める」とあるのは「消防総監が別に定める」と読み替えるものとする。

2 消防総監は、東京消防庁の職員の退職管理を行うために必要と認められる措置を講ずることができる。

(罰則)

第十七条 第七条第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、十万円以下の過料に処する。

(その他)

第十八条 法律に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

(施行期日)

1 この条例は、平成二十八年四月一日(以下「施行日」という。)から施行する。ただし、第十条第一項第二項第三項第一号及び第三号並びに第四項第十一条から第十四条まで並びに第十五条第一項の規定は、公布の日から施行する。

(経過措置)

2 第四条第五条第二項並びに第七条第二項及び第三項の規定は、平成二十八年三月三十一日以後に離職した職員について適用する。この場合において、同日に離職した職員については、第七条第二項(同条第三項において準用する場合を含む。)中「前項の規定による届出を行った場合」とあるのは、「従前の例により任命権者が当該者の再就職情報を把握している場合」とする。

3 第十七条の規定は、施行日前に離職した職員には、適用しない。

(平成二九年条例第七六号)

(施行期日)

1 この条例は、平成三十年四月一日から施行する。

(経過措置)

2 この条例による改正後の東京都職員の退職管理に関する条例第八条の規定は、平成三十年二月一日以後にこの条例による改正前の東京都職員の退職管理に関する条例第七条の規定による届出を行った職員について適用し、同日前に届出を行った職員については、なお従前の例による。

(令和四年条例第六七号)

この条例は、令和五年四月一日から施行する。

東京都職員の退職管理に関する条例

平成27年12月24日 条例第127号

(令和5年4月1日施行)

体系情報
第2編 事/第5章
沿革情報
平成27年12月24日 条例第127号
平成29年12月22日 条例第76号
令和4年6月22日 条例第67号