○東京都公文書等の管理に関する条例

平成二九年六月一四日

条例第三九号

〔東京都公文書の管理に関する条例〕を公布する。

東京都公文書等の管理に関する条例

(令元条例二三・改称)

目次

第一章 総則(第一条―第五条)

第二章 公文書の管理

第一節 文書の作成(第六条)

第二節 公文書の整理等(第七条―第十七条)

第三章 特定歴史公文書等の保存、利用等(第十八条―第三十七条)

第四章 東京都公文書管理委員会(第三十八条・第三十九条)

第五章 雑則(第四十条―第四十二条)

附則

第一章 総則

(目的)

第一条 この条例は、東京都(以下「都」という。)の諸活動や歴史的事実の記録である公文書等が、都民による都政への参加を進めるために不可欠な都民共有の財産であることを明らかにするとともに、公文書等の適正な管理が情報公開の基盤であるとの認識の下、都民が主体的に公文書等を利用し得ることに鑑み、公文書等の管理に関する基本的な事項を定めることにより、公文書の適正な管理、歴史公文書等の適切な保存及び利用等を図り、もって都政の透明化を推進し、現在及び将来の都民に対する説明責任を果たすことを目的とする。

(令元条例二三・一部改正)

(定義)

第二条 この条例において「実施機関」とは、知事、教育委員会、選挙管理委員会、人事委員会、監査委員、公安委員会、労働委員会、収用委員会、海区漁業調整委員会、内水面漁場管理委員会、固定資産評価審査委員会、公営企業管理者、警視総監及び消防総監並びに都が設立した地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立行政法人をいう。次項において同じ。)をいう。

2 この条例において「公文書」とは、実施機関の職員(都が設立した地方独立行政法人の役員を含む。以下同じ。)が職務上作成し、又は取得した文書、図画、写真、フィルム及び電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。)であって、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして、当該実施機関が保有しているものをいう。ただし、次に掲げるものを除く。

 官報、公報、白書、新聞、雑誌、書籍その他不特定多数の者に販売することを目的として発行されるもの

 特定歴史公文書等

 東京都規則で定める都の機関等において、歴史的若しくは文化的な資料又は学術研究用の資料として特別の管理がされているもの

3 この条例において「歴史公文書等」とは、歴史資料として重要な公文書その他の文書をいう。

4 この条例において「特定歴史公文書等」とは、歴史公文書等のうち、次に掲げるものをいう。

 第十条第一項又は第十一条第一項の規定により東京都公文書館(以下「公文書館」という。)に移管されたもの

 法人その他の団体(実施機関を除く。以下「法人等」という。)又は個人から公文書館に寄贈され、又は寄託されたもの

5 この条例において「公文書等」とは、次に掲げるものをいう。

 公文書

 特定歴史公文書等

(令元条例二三・一部改正)

(実施機関の責務)

第三条 実施機関は、政策の形成過程及びその実施について、この条例に定めるところに従い、公文書を適正に作成し、及び管理しなければならない。

第四条 実施機関は、当該実施機関の職員に対し、公文書の管理を適正かつ効果的に行うために必要な知識及び技能を習得させ、及び向上させるために必要な研修を行わなければならない。

2 知事は、実施機関の職員に対し、歴史公文書等の適切な保存及び移管を確保するために必要な知識及び技能を習得させ、及び向上させるために必要な研修を行わなければならない。

(令元条例二三・一部改正)

(他の法令等との関係)

第五条 公文書等の管理については、法律若しくはこれに基づく命令又は他の条例に特別の定めがある場合を除くほか、この条例の定めるところによる。

(令元条例二三・一部改正)

第二章 公文書の管理

第一節 文書の作成

(文書の作成)

第六条 実施機関は、第三条に規定する責務を果たすため、事案を決定するに当たっては、極めて軽易な事案を除き、文書(電磁的記録を含む。以下この条において同じ。)によりこれを行わなければならない。

2 前項の規定にかかわらず、緊急の取扱いを要する事案については、文書を作成することなく事案の決定をすることができる。この場合においては、事案の決定後、速やかに当該決定に係る文書を作成しなければならない。

3 実施機関は、重要な事案の決定に当たっては、その経過等を明らかにする文書を作成しなければならない。

第二節 公文書の整理等

(整理)

第七条 実施機関の職員が公文書を作成し、又は取得したときは、実施機関は当該公文書をその性質、内容等に応じて分類し、件名を付するとともに、当該公文書の効力、重要度、利用度、資料価値等を考慮して保存期間を設定しなければならない。

2 実施機関は、公文書について、保存期間(延長された場合にあっては、延長後の保存期間。第十条第二項を除き、以下同じ。)の満了前のできる限り早い時期に、保存期間が満了したときの措置として、歴史公文書等に該当するものにあっては公文書館への移管の措置を、それ以外のものにあっては廃棄の措置をとるべきことを定めなければならない。

3 実施機関は、公文書の分類に関する基準及び保存期間が満了したときの措置に関する基準を定めなければならない。この場合において、実施機関は、保存期間が満了したときの措置に関する基準については、次項により知事が別に定める指針を参酌して東京都規則その他の実施機関が定める規則、規程等(以下「都規則等」という。)により定めなければならない。

4 知事は、保存期間が満了したときの措置に関する指針を作成しなければならない。

(令元条例二三・一部改正)

(保存)

第八条 実施機関は、公文書について、当該公文書の保存期間が満了する日までの間、その内容、時の経過、利用の状況等に応じ、適切な保存及び利用を確保するために必要な場所において、適切な記録媒体により、識別を容易にするための措置を講じた上で保存しなければならない。

(文書検索目録の作成)

第九条 実施機関は、東京都情報公開条例(平成十一年東京都条例第五号。以下「情報公開条例」という。)第四十一条第一項の規定に基づき、公文書の検索に必要な文書目録を作成し、一般の利用に供しなければならない。

(令元条例二三・一部改正)

(移管又は廃棄)

第十条 実施機関は、公文書がその保存期間を満了したときは、第七条第二項の規定による定めに基づき、当該公文書を公文書館に移管し、又は廃棄しなければならない。

2 前項の規定にかかわらず、実施機関は、必要があると認めるときは、第七条第一項の規定により設定した保存期間を延長することができる。

3 実施機関は、第一項の規定により公文書館に移管する公文書について、第十九条第一項第一号に掲げる場合に該当するものとして公文書館において利用の制限を行うことが適切であると認める場合には、その旨の意見を付さなければならない。

4 実施機関は、第一項の規定により、保存期間が満了した公文書を廃棄しようとするときは、当該公文書の重要性に応じ、都規則等で定めるところにより、当該公文書を廃棄しなければならない。

(令元条例二三・一部改正)

(移管等の求め)

第十一条 実施機関は、知事から、第七条第二項の規定により保存期間が満了したときに廃棄の措置をとるべきことを定めた公文書のうち、公文書館において保存する必要があると認めるものの移管を求められたときは、特別の理由がある場合を除き、その求めに応じなければならない。

2 知事は、実施機関に対し、公文書の分類、件名、保存期間及び保存期間が満了したときの措置が記載された文書目録の提出を求めることができる。

(令元条例二三・一部改正)

(管理状況の点検)

第十二条 実施機関は、毎年度、公文書の管理状況を点検し、必要な措置を講じなければならない。

(管理状況の公表)

第十三条 知事以外の実施機関は、公文書の管理状況について、毎年度、知事に報告しなければならない。

2 知事は、実施機関における公文書の管理状況を取りまとめ、毎年度、その概要を公表しなければならない。

(公文書の管理に関する定め)

第十四条 実施機関は、公文書が第六条から前条までの規定に基づき適正に管理されるよう、都規則等により公文書の管理に関する定めを設けなければならない。

2 実施機関は、前項の都規則等を設けたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。これを変更したときも、同様とする。

(知事の助言)

第十五条 知事は、第十三条第一項の規定による報告を受けたときは、知事以外の実施機関に対し、必要な助言を行うことができる。

(出資等法人の文書の管理)

第十六条 都が出資その他財政支出等を行う法人であって、実施機関が定めるもの(以下「出資等法人」という。)は、この条例の趣旨にのっとり、文書の適正な管理を行うため必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

2 実施機関は、出資等法人に対し、前項に規定する必要な措置を講ずるよう指導に努めなければならない。

(令元条例二三・追加)

(公の施設の指定管理者の文書の管理)

第十七条 都の公の施設を管理する指定管理者(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百四十四条の二第三項に規定する指定管理者をいう。以下同じ。)は、この条例の趣旨にのっとり、当該公の施設の管理に関する文書の適正な管理を行うため必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

2 実施機関は、都の公の施設の指定管理者に対し、前項に規定する必要な措置を講ずるよう指導に努めなければならない。

(令元条例二三・追加)

第三章 特定歴史公文書等の保存、利用等

(令元条例二三・追加)

(特定歴史公文書等の保存等)

第十八条 知事は、特定歴史公文書等について、第二十六条の規定により廃棄されるに至る場合を除き、永久に保存しなければならない。

2 知事は、特定歴史公文書等について、その内容、保存状態、時の経過、利用の状況等に応じ、適切な保存及び利用を確保するために必要な場所において、適切な記録媒体により、識別を容易にするための措置を講じた上で保存しなければならない。

3 知事は、特定歴史公文書等に個人情報(生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。)が記録されている場合には、当該個人情報の漏えいの防止のために必要な措置を講じなければならない。

4 知事は、東京都規則で定めるところにより、特定歴史公文書等の分類、名称、移管又は寄贈若しくは寄託をした者の名称又は氏名、移管又は寄贈若しくは寄託を受けた時期及び保存場所その他の特定歴史公文書等の適切な保存を行い、及び適切な利用に資するために必要な事項を記載した目録を作成し、公表しなければならない。

(令元条例二三・追加、令四条例一二八・一部改正)

(特定歴史公文書等の利用請求及びその取扱い)

第十九条 知事は、特定歴史公文書等について前条第四項の目録の記載に従い利用の請求があった場合には、次に掲げる場合を除き、これを利用させなければならない。

 当該特定歴史公文書等が実施機関から移管されたものであって、当該特定歴史公文書等に次に掲げる情報が記録されている場合

 情報公開条例第七条第二号に掲げる情報

 情報公開条例第七条第一号第三号第六号イ若しくは又は第七号に掲げる情報

 公にすることにより、犯罪の予防、鎮圧又は捜査、公訴の維持、刑の執行その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると当該特定歴史公文書等を移管した実施機関が認めることにつき相当の理由がある情報

 当該特定歴史公文書等がその全部又は一部を一定の期間公にしないことを条件に法人等又は個人から寄贈され、又は寄託されたものであって、当該期間が経過していない場合

 当該特定歴史公文書等の原本を利用に供することにより当該原本の破損若しくはその汚損を生ずるおそれがある場合又は公文書館において当該原本が現に使用されている場合

2 知事は、前項に規定する利用の請求(以下「利用請求」という。)に係る特定歴史公文書等が同項第一号に該当するか否かについて判断するに当たっては、当該特定歴史公文書等が公文書として作成又は取得されてからの時の経過を考慮するとともに、当該特定歴史公文書等に第十条第三項の規定による意見が付されている場合には、当該意見を参酌しなければならない。

3 知事は、第一項第一号及び第二号に掲げる場合であっても、同項第一号イからまでに掲げる情報又は同項第二号の条件に係る情報が記録されている部分を容易に区分して除くことができるときは、利用請求をした者(以下「利用請求者」という。)に対し、当該部分を除いた部分を利用させなければならない。ただし、当該部分を除いた部分に有意の情報が記録されていないと認められるときは、この限りでない。

(令元条例二三・追加)

(本人情報の取扱い)

第二十条 知事は、前条第一項第一号イの規定にかかわらず、この規定に掲げる情報により識別される特定の個人(以下この条において「本人」という。)から、当該情報が記録されている特定歴史公文書等について利用請求があった場合において、東京都規則で定めるところにより本人であることを示す書類の提示又は提出があったときは、本人の生命、健康、生活又は財産を害するおそれがある情報が記録されている場合を除き、当該特定歴史公文書等につきこの規定に掲げる情報が記録されている部分についても、利用させなければならない。

(令元条例二三・追加)

(第三者に対する意見書提出の機会の付与等)

第二十一条 利用請求に係る特定歴史公文書等に都、国、公文書等の管理に関する法律(平成二十一年法律第六十六号)第二条第二項に規定する独立行政法人等、他の地方公共団体、地方独立行政法人及び利用請求者以外の者(以下「第三者」という。)に関する情報が記録されている場合には、知事は、当該特定歴史公文書等を利用させるか否かについての決定をするに当たって、当該情報に係る第三者に対し、利用請求に係る特定歴史公文書等の名称その他東京都規則で定める事項を通知して、意見書を提出する機会を与えることができる。

2 知事は、第三者に関する情報が記録されている特定歴史公文書等の利用をさせようとする場合であって、当該情報が情報公開条例第七条第二号ロ第三号ただし書又は第七号ただし書に規定する情報に該当すると認めるときは、利用させる旨の決定に先立ち、当該第三者に対し、利用請求に係る特定歴史公文書等の名称その他東京都規則で定める事項を書面により通知して、意見書を提出する機会を与えなければならない。ただし、当該第三者の所在が判明しない場合は、この限りでない。

3 知事は、特定歴史公文書等であって第十九条第一項第一号ハに該当するものとして第十条第三項の規定により意見を付されたものを利用させる旨の決定をする場合には、あらかじめ、当該特定歴史公文書等を移管した実施機関に対し、利用請求に係る特定歴史公文書等の名称その他東京都規則で定める事項を書面により通知して、意見書を提出する機会を与えなければならない。

4 知事は、第一項又は第二項の規定により意見書を提出する機会を与えられた第三者が当該特定歴史公文書等を利用させることに反対の意思を表示した意見書を提出した場合において、当該特定歴史公文書等を利用させる旨の決定をするときは、その決定の日と利用させる日との間に少なくとも二週間を置かなければならない。この場合において、知事は、その決定後直ちに、当該意見書(以下「反対意見書」という。)を提出した第三者に対し、利用させる旨の決定をした旨及びその理由並びに利用させる日を書面により通知しなければならない。

(令元条例二三・追加)

(利用の方法)

第二十二条 知事が特定歴史公文書等を利用させる場合には、文書、図画又は写真については閲覧又は写しの交付の方法により、フィルムについては視聴又は写しの交付の方法により、電磁的記録については視聴、閲覧、写しの交付等でその種別、情報化の進展状況等を勘案して東京都規則で定める方法により行う。ただし、閲覧又は視聴の方法により特定歴史公文書等を利用させる場合にあっては、当該特定歴史公文書等の保存に支障を生ずるおそれがあると認めるときその他合理的な理由があるときに限り、その写しを閲覧又は視聴させる方法により、これを利用させることができる。

(令元条例二三・追加)

(費用負担)

第二十三条 写しの交付の方法により特定歴史公文書等を利用する者は、東京都規則で定めるところにより、当該写しの交付に要する費用を負担しなければならない。

(令元条例二三・追加)

(利用の促進)

第二十四条 知事は、特定歴史公文書等(第十九条の規定により利用させることができるものに限る。)について、展示その他の方法により積極的に一般の利用に供するよう努めなければならない。

(令元条例二三・追加)

(移管元実施機関による利用の特例)

第二十五条 特定歴史公文書等を移管した実施機関が知事に対してその所掌事務又は業務を遂行するために必要であるとして当該特定歴史公文書等について利用請求をした場合には、第十九条第一項第一号の規定は、適用しない。

(令元条例二三・追加)

(特定歴史公文書等の廃棄)

第二十六条 知事は、特定歴史公文書等として保存されている文書が歴史資料として重要でなくなったと認める場合には、当該文書を廃棄することができる。

(令元条例二三・追加)

(保存及び利用の状況の公表)

第二十七条 知事は、特定歴史公文書等の保存及び利用の状況について、毎年度、その概要を公表しなければならない。

(令元条例二三・追加)

(利用等規則)

第二十八条 知事は、特定歴史公文書等の保存、利用及び廃棄が第十八条から前条までの規定に基づき適切に行われることを確保するため、特定歴史公文書等の保存、利用及び廃棄に関する定めを設けなければならない。

(令元条例二三・追加)

(審理員による審理手続に関する規定の適用除外)

第二十九条 利用請求に対する処分又は利用請求に係る不作為についての審査請求は、行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第九条第一項本文の規定は、適用しない。

(令元条例二三・追加)

(東京都公文書管理委員会への諮問)

第三十条 利用請求に対する処分又は利用請求に係る不作為についての審査請求があったときは、知事は、次に掲げる場合を除き、東京都公文書管理委員会に諮問して、当該審査請求についての裁決を行わなければならない。

 審査請求が不適法であり、却下する場合

 利用請求に対する処分(利用請求に係る特定歴史公文書等の全部を利用させる旨の決定を除く。第三十二条において同じ。)を取り消し、又は変更し、当該審査請求に係る特定歴史公文書等の全部を利用させる場合(当該特定歴史公文書等の利用について反対意見書が提出されているときを除く。)

2 前項の審査請求があった場合において、知事は、東京都公文書管理委員会に対し、速やかに諮問をするよう努めなければならない。

3 前二項の規定による諮問は、行政不服審査法第九条第三項において読み替えて適用する同法第二十九条第二項に規定する弁明書の写しを添えてしなければならない。

(令元条例二三・追加)

(諮問をした旨の通知)

第三十一条 前条の規定により諮問をした知事は、次に掲げる者に対し、諮問をした旨を通知しなければならない。

 審査請求人及び参加人(行政不服審査法第十三条第四項に規定する参加人をいう。以下この章において同じ。)

 利用請求者(利用請求者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)

 当該審査請求に係る利用請求に対する処分について反対意見書を提出した第三者(当該第三者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)

(令元条例二三・追加)

(第三者からの審査請求を棄却する場合等における手続)

第三十二条 第二十一条第四項の規定は、次の各号のいずれかに該当する裁決をする場合について準用する。

 利用させる旨の決定に対する第三者からの審査請求を却下し、又は棄却する裁決

 審査請求に係る利用請求に対する処分を変更し、当該利用請求に対する処分に係る特定歴史公文書等を利用させる旨の裁決(第三者である参加人が当該特定歴史公文書等の利用に反対の意思を表示している場合に限る。)

(令元条例二三・追加)

(東京都公文書管理委員会の調査権限)

第三十三条 東京都公文書管理委員会は、必要があると認めるときは、知事に対し、審査請求のあった利用請求に対する処分に係る特定歴史公文書等の提示を求めることができる。この場合においては、何人も、東京都公文書管理委員会に対し、その提示された特定歴史公文書等の開示を求めることができない。

2 知事は、東京都公文書管理委員会から前項の規定による求めがあったときは、これを拒んではならない。

3 東京都公文書管理委員会は、必要があると認めるときは、知事に対し、審査請求のあった利用請求に対する処分に係る特定歴史公文書等に記録されている情報の内容を東京都公文書管理委員会の指定する方法により分類し、又は整理した資料を作成し、東京都公文書管理委員会に提出するよう求めることができる。

4 第一項及び前項に定めるもののほか、東京都公文書管理委員会は、審査請求に係る事件に関し、審査請求人、参加人又は知事(以下「審査請求人等」という。)に意見書又は資料の提出を求めること、適当と認める者にその知っている事実を陳述させることその他必要な調査をすることができる。

(令元条例二三・追加)

(意見の陳述等)

第三十四条 東京都公文書管理委員会は、審査請求人等から申出があったときは、当該審査請求人等に、口頭で意見を述べる機会を与えることができる。

2 前項の場合においては、審査請求人又は参加人は、東京都公文書管理委員会の許可を得て、補佐人とともに出頭することができる。

3 東京都公文書管理委員会は、審査請求人等から申出があったときは、当該審査請求人等に、意見書又は資料の提出を認めることができる。この場合において、審査請求人等は、東京都公文書管理委員会が意見書又は資料を提出すべき相当の期間を定めたときは、その期間内にこれを提出しなければならない。

4 東京都公文書管理委員会は、審査請求人等から意見書又は資料が提出された場合、審査請求人等(当該意見書又は資料を提出した者を除く。)にその旨を通知するよう努めなければならない。

(令元条例二三・追加)

(提出資料の閲覧等)

第三十五条 審査請求人等は、東京都公文書管理委員会に対し、第三十三条第三項及び第四項並びに前条第三項の規定により東京都公文書管理委員会に提出された意見書又は資料の閲覧(電磁的記録にあっては、記録された事項を東京都公文書管理委員会が定める方法により表示したものの閲覧)又は写し(電磁的記録にあっては、記録された事項を記載した書面)の交付を求めることができる。この場合において、東京都公文書管理委員会は、第三者の利益を害するおそれがあると認めるときその他正当な理由があるときでなければ、その閲覧又は写しの交付を拒むことができない。

2 東京都公文書管理委員会は、前項の規定による閲覧をさせ、又は同項の規定による写しの交付をしようとするときは、当該閲覧又は写しの交付に係る意見書又は資料の提出人の意見を聴かなければならない。ただし、東京都公文書管理委員会が、その必要がないと認めるときは、この限りでない。

3 東京都公文書管理委員会は、第一項の規定による閲覧又は写しの交付について、その日時及び場所を指定することができる。

(令元条例二三・追加)

(審査請求の制限)

第三十六条 この条例の規定による東京都公文書管理委員会の処分又はその不作為については、審査請求をすることができない。

(令元条例二三・追加)

(答申書の送付)

第三十七条 東京都公文書管理委員会は、諮問に対する答申をしたときは、答申書の写しを審査請求人及び参加人に送付するとともに、当該答申の内容を公表しなければならない。

(令元条例二三・追加)

第四章 東京都公文書管理委員会

(令元条例二三・追加)

(東京都公文書管理委員会)

第三十八条 公文書等の管理に関する重要な事項について、実施機関の諮問を受けて審議し、又は実施機関に意見を述べるため、東京都公文書管理委員会(以下「委員会」という。)を置く。

2 委員会は、公文書等の管理に関して優れた識見を有する者のうちから、知事が任命する委員七人以内をもって組織する。

3 委員の任期は二年とし、補欠委員の任期は前任者の残任期間とする。ただし、再任を妨げない。

4 委員会は、第三十条に規定する事項にあってはその指名する委員三人以上をもって構成する部会に審議させることができる。

5 前項の規定により行う部会の審議の手続は、公開しないことができる。

6 委員は、前項の規定に基づき公開しないとされた部会の審議の手続において職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。

7 前各項で定めるもののほか、委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、東京都規則で定める。

(令元条例二三・追加)

(委員会への諮問及び報告)

第三十九条 知事は、次に掲げる場合には、委員会に諮問しなければならない。

 第七条第四項の規定により、保存期間が満了したときの措置に関する指針の制定又は改正をしようとするとき。

 第二十六条の規定により、特定歴史公文書等として保存されている文書を廃棄しようとするとき。

2 実施機関は、第七条第三項に規定する保存期間が満了したときの措置に関する基準の制定又は改正をしたときは、委員会に報告しなければならない。

(令元条例二三・追加)

第五章 雑則

(令元条例二三・旧第三章繰下)

(刑事訴訟に関する書類等の取扱い)

第四十条 刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第五十三条の二第三項に規定する訴訟に関する書類については、第三条及び第四条並びに第二章及び第三章の規定は適用しない。

2 刑事訴訟法第五十三条の二第四項に規定する押収物については、この条例の規定は適用しない。

(令元条例二三・旧第十六条繰下・一部改正)

(委任)

第四十一条 この条例の施行について必要な事項は、都規則等で定める。

(令元条例二三・旧第十七条繰下)

(罰則)

第四十二条 第三十八条第六項の規定に違反して秘密を漏らした者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

(令元条例二三・追加)

この条例は、平成二十九年七月一日から施行する。

(令和元年条例第二三号)

(施行期日)

1 この条例は、令和二年四月一日から施行する。ただし、目次の改正規定、第十七条を第四十一条とする改正規定、第十六条を第四十条とする改正規定、第三章を第五章とする改正規定並びに第十五条の次に二条及び二章を加える改正規定(第四章に係る部分に限る。)並びに次項の規定は、公布の日(以下「公布日」という。)から施行する。

(経過措置)

2 公布日から令和二年三月三十一日までの間、この条例による改正後の東京都公文書等の管理に関する条例(以下「改正後の条例」という。)目次中「/第三章 特定歴史公文書等の保存、利用等(第十八条―第三十七条)/第四章 東京都公文書管理委員会(第三十八条・第三十九条)/第五章 雑則(第四十条―第四十二条)/」とあるのは「/第四章 東京都公文書管理委員会(第三十八条・第三十九条)/第五章 雑則(第四十条・第四十一条)/」とする。

3 この条例の施行の際現に東京都公文書館が保存する改正後の条例第二条第三項に規定する歴史公文書等(同条第一項に規定する実施機関において保有することが望ましい歴史公文書等であって、東京都規則で定めるものを除く。)については、同条第四項に規定する特定歴史公文書等とみなす。

4 前項の規定により特定歴史公文書等とみなされた歴史公文書等における改正後の条例第十条第三項の規定の適用については、同項中「第一項の規定により公文書館に移管する公文書」とあるのは、「特定歴史公文書等」とする。

(令和四年条例第一二八号)

この条例は、令和五年四月一日から施行する。

東京都公文書等の管理に関する条例

平成29年6月14日 条例第39号

(令和5年4月1日施行)

体系情報
第1編 規/第4章 文書等/第1節
沿革情報
平成29年6月14日 条例第39号
令和元年9月26日 条例第23号
令和4年12月22日 条例第128号