○東京都無電柱化推進条例

平成二九年六月一四日

条例第五八号

東京都無電柱化推進条例を公布する。

東京都無電柱化推進条例

目次

第一章 総則(第一条―第六条)

第二章 東京都無電柱化計画(第七条)

第三章 無電柱化の推進に関する施策(第八条―第十二条)

附則

第一章 総則

(目的)

第一条 この条例は、都市防災機能の強化、安全で快適な歩行空間の確保及び良好な都市景観の創出を図るため、無電柱化の推進に関し、基本理念を定め、東京都(以下「都」という。)及び関係事業者の責務等を明らかにし、並びに都の区域における無電柱化の推進に関する計画(第七条において「東京都無電柱化計画」という。)の策定その他の必要な事項を定めることにより、無電柱化の推進に関する施策を総合的、計画的かつ迅速に推進することを目的とする。

(定義)

第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

 無電柱化 電線を地下に埋設することその他の方法により、電柱(鉄道及び軌道の電柱を除く。以下同じ。)又は電線(電柱によって支持されるものに限る。第十一条を除き、以下同じ。)の道路上における設置を抑制し、及び道路上の電柱又は電線を撤去することをいう。

 道路 道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第二条第一項に規定する道路で、都が管理するものをいう。

 関係事業者 道路上の電柱又は電線の設置又は管理を行う事業者をいう。

 関係電気事業者 関係事業者のうち、電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第二条第一項第九号に規定する一般送配電事業者又は同項第十三号に規定する特定送配電事業者であるものをいう。

 関係電気通信事業者 関係事業者のうち、電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)第百二十条第一項に規定する認定電気通信事業者であるものをいう。

(基本理念)

第三条 無電柱化の推進は、無電柱化の重要性について都民の理解と関心を深めつつ、行われるものとする。

2 無電柱化の推進は、都、区市町村(特別区及び市町村をいう。以下同じ。)及び関係事業者の連携並びに都民の協力の下に行われなければならない。

3 無電柱化の推進は、地域住民の意向を踏まえつつ、良好な街並みの形成に資するよう行われなければならない。

(都の責務)

第四条 都は、前条の基本理念にのっとり、無電柱化の推進に関する施策を総合的、計画的かつ迅速に策定し、及び実施する責務を有する。

(関係事業者の責務)

第五条 関係事業者は、第三条の基本理念にのっとり、電柱又は電線の道路上における設置の抑制及び道路上の電柱又は電線の撤去を行うとともに、無電柱化の推進に資する技術の開発を行う責務を有する。

(都民の協力)

第六条 都民は、無電柱化の重要性について理解と関心を深めるとともに、都が実施する無電柱化の推進に関する施策に協力するよう努めなければならない。

第二章 東京都無電柱化計画

(東京都無電柱化計画)

第七条 知事は、無電柱化の推進に関する施策の総合的、計画的かつ迅速な推進を図るため、東京都無電柱化計画を定めなければならない。

2 知事は、東京都無電柱化計画を定め、又は変更しようとするときは、区市町村が実施する無電柱化の推進に関する施策を反映するなど、区市町村と連携を図るものとする。

3 東京都無電柱化計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

 無電柱化の推進に関する基本的な方針

 無電柱化の推進に関する目標

 無電柱化の推進に関する施策

 前各号に掲げるもののほか、無電柱化の推進に関する施策を総合的、計画的かつ迅速に推進するために必要な事項

4 知事は、東京都無電柱化計画を定め、又は変更しようとするときは、関係電気事業者、関係電気通信事業者及び都民の意見を聴かなければならない。

5 知事は、東京都無電柱化計画を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを公表するものとする。

第三章 無電柱化の推進に関する施策

(都民の理解及び関心の増進)

第八条 都は、無電柱化の重要性に関する都民の理解と関心を深めるよう、無電柱化に関する広報活動及び啓発活動の充実その他の必要な施策を講ずるものとする。

(道路の占用の禁止等)

第九条 都は、都市防災機能の強化、安全で快適な歩行空間の確保及び良好な都市景観の創出を図るために、道路について、道路法第三十七条第一項の規定による道路の占用の禁止又は制限その他無電柱化の推進のために必要な措置を講ずるものとする。

(電柱又は電線の設置の抑制及び撤去)

第十条 関係事業者は、社会資本整備重点計画法(平成十五年法律第二十号)第二条第二項第一号に掲げる事業(道路の維持に関するものを除く。)、都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第四条第七項に規定する市街地開発事業その他これらに類する事業が実施される場合には、これらの事業の状況等を踏まえつつ、電柱又は電線を道路上において新たに設置しないものとする。

2 関係事業者は、前項の場合において、現に設置し、又は管理する道路上の電柱又は電線の撤去を当該事業の実施と併せて行うことができるときは、当該電柱又は電線を撤去するものとする。

(調査研究、技術開発等の推進等)

第十一条 都及び関係事業者は、電線を地下に埋設する簡便な方法その他の無電柱化の迅速な推進及び費用の縮減を図るための方策等に関する調査研究、技術開発等の推進及びその成果の普及に必要な措置を講ずるものとする。

(関係者相互の連携及び協力)

第十二条 都、関係事業者その他の関係者は、無電柱化に関する工事(道路上の電柱又は電線以外の物件等に係る工事と一体的に行われるものを含む。)の効率的な施行等のため、相互に連携を図りながら協力するものとする。

この条例は、平成二十九年九月一日から施行する。

東京都無電柱化推進条例

平成29年6月14日 条例第58号

(平成29年9月1日施行)