○東京都小笠原移住定住促進住宅条例
令和八年三月三一日
条例第三五号
東京都小笠原移住定住促進住宅条例を公布する。
東京都小笠原移住定住促進住宅条例
(趣旨)
第一条 東京都小笠原移住定住促進住宅(以下「小笠原移住定住促進住宅」という。)の設置及び管理については、別に定めるものを除くほか、この条例の定めるところによる。
一 小笠原諸島 孀婦岩の南の南方諸島(小笠原群島、西之島及び火山列島を含む。)並びに沖の鳥島及び南鳥島をいう。
二 小笠原移住定住促進住宅 小笠原諸島の住民の生活の安定及び福祉の向上並びに小笠原諸島への移住及び定住の促進に向けて、居住環境が良好な賃貸住宅を供給するため、東京都(以下「都」という。)が国の補助を受けて建設した住宅及びその附属施設をいう。
三 小笠原住宅 東京都小笠原住宅条例(昭和四十五年東京都条例第三十八号)第二条第三号に規定する小笠原住宅をいう。
四 共同施設 小笠原移住定住促進住宅の使用者の共同の福祉のために設置した児童遊園、集会所、管理事務所、広場及び緑地、通路、立体的遊歩道及び人工地盤施設、高齢者生活相談所並びに駐車場その他東京都規則(以下「規則」という。)で定める施設をいう。
(設置)
第三条 小笠原諸島に小笠原移住定住促進住宅を設置する。
2 小笠原移住定住促進住宅の名称、位置その他必要な事項は、知事が定める。
3 知事は、小笠原移住定住促進住宅の名称、位置その他の事項を定めたときは、その旨を告示するものとする。小笠原移住定住促進住宅を廃止し、又はその名称、位置その他の事項を変更したときも、同様とする。
(使用許可)
第四条 小笠原移住定住促進住宅を使用しようとする者は、知事の許可を受けなければならない。
(使用申込者の資格)
第五条 小笠原移住定住促進住宅の使用申込者は、次に掲げる要件を満たす者でなければならない。
一 小笠原諸島に住所を有する者又は都の区域内(小笠原諸島を除く。)に住所を有し新たに小笠原諸島に住所を定めようとする者であること。
二 独立の生計を営んでいる者であること。
三 現に同居し、又は同居しようとする親族若しくは親族以外の者で規則で定めるものがあること。
四 住宅に困窮することが明らかな者又は現に住宅に困窮している者であること。
五 規則で定める基準の収入のある者であること。
六 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第二条第六号に規定する暴力団員(以下「暴力団員」という。)でないこと(現に同居し、又は同居しようとする者を含む。)。
2 前項第三号の規定にかかわらず、小笠原移住定住促進住宅の使用申込者で六十歳以上のものにあっては、現に同居し、又は同居しようとする親族若しくは親族以外の者で規則で定めるものがあることを要しない。
3 前項に規定する者に使用を許可する小笠原移住定住促進住宅は、居室数が二室以下の規模の住宅とする。ただし、これにより難い場合には、規則で定める規格の住宅とする。
(使用者の募集方法等)
第六条 小笠原移住定住促進住宅の使用者の募集の方法及び使用申込みの手続は、知事が定める。
(使用者の決定)
第七条 知事は、小笠原移住定住促進住宅の使用申込者について第五条に定める資格を審査し、使用者を決定する。この場合において、使用申込者の数が使用させるべき小笠原移住定住促進住宅の戸数を超えるときは、抽せんその他公正な方法により使用者を決定する。
(公募の例外)
第八条 知事は、次の各号のいずれかに該当する者に対しては、公募を行わないで小笠原移住定住促進住宅の使用を許可することができる。
一 第五条第五項に規定する小笠原住宅の明渡しをしようとする使用者
二 第二十一条各号のいずれかに該当する者
(住宅割当て)
第九条 知事は、特に居住の安定を図る必要があると認める者に対して、小笠原諸島の実情を勘案して定める戸数を上限として、小笠原移住定住促進住宅を割り当てることができる。
(使用手続)
第十条 前三条の規定により、小笠原移住定住促進住宅の使用者として決定された者は、知事の指定する期日までに、次に掲げる手続をしなければならない。
一 知事の定める請け書を提出すること。
二 第十六条第一項に規定する保証金を納付すること。
(使用許可手続)
第十一条 知事は、前条第一項の手続を完了した者に対し、小笠原移住定住促進住宅の使用を許可する。
2 使用者及びその世帯員は、使用許可書に記載された入居可能の日(以下「入居可能日」という。)から一月以内に当該小笠原移住定住促進住宅に入居しなければならない。
4 知事は、使用者が第二項に規定する期間内に当該小笠原移住定住促進住宅に入居しないときは、使用許可を取り消すことができる。
(使用料の決定及び変更)
第十二条 小笠原移住定住促進住宅の使用料は、近傍同種の住宅の家賃の額と均衡を失しないよう、規則で定める算定方法により算定した額とする。
2 小笠原移住定住促進住宅の使用料の変更をすることができる場合は、次の各号のいずれかに該当する場合とする。
一 物価の変動に伴い使用料を変更する必要があると認めるとき。
二 小笠原移住定住促進住宅相互の間における使用料の均衡上必要があると認めるとき。
三 小笠原移住定住促進住宅について改良を施したとき。
(使用料等の納付)
第十三条 使用料及び第十八条第三項の規定により知事が徴収する共益費(以下「使用料等」という。)は、入居可能日から徴収する。
2 知事が特別の事情があると認めた場合は、前項に規定する期日を別に指定することができる。
3 使用料等は、毎月末日(月の途中で小笠原移住定住促進住宅を返還した場合は、返還した日)までにその月分を納付しなければならない。
4 小笠原移住定住促進住宅の入居可能日の属する月又は小笠原移住定住促進住宅を返還した日の属する月における使用期間が一月に満たないときの使用料等の額は、日割計算による。
5 使用者が第二十二条に規定する手続を経ないで小笠原移住定住促進住宅を退去したときは、知事がその事実を知った日までの使用料等を徴収する。
(使用料の収入に応じた減額)
第十四条 知事は、使用者及び同居者の収入が規則で定める基準の収入である場合には、使用料の額と収入の区分に応じて定める額との差額を当該使用料から減額することができる。
2 前項に規定する収入の区分に応じて定める額及び減額の期間は、規則で定める。
3 使用者は、第一項の規定により使用料の減額を受けようとするときは、知事に申請しなければならない。
一 収入が著しく低額であるとき。
二 災害により著しい損害を受けたとき。
三 使用者の責めに帰すべき事由によらないで当該小笠原移住定住促進住宅の全部又は一部を使用することができないとき。
四 使用者が病気にかかり、治療のため多額の費用を要する場合で使用料等の納付が著しく困難なとき。
五 前各号に準ずる特別の事情があるとき。
2 知事は、小笠原住宅の除却に伴い、当該小笠原住宅の使用者(当該小笠原住宅の除却に伴い、住宅を移転しようとする使用者のために、小笠原住宅の明渡しをしようとする使用者を含む。)に小笠原移住定住促進住宅の使用を許可した場合において、新たに使用を許可した小笠原移住定住促進住宅の使用料(前条の規定による使用料の減額を受けている場合又は前項の規定による使用料の減免を受けている場合には、当該減額又は減免後の使用料をいう。以下この項において「小笠原移住定住促進住宅使用者の使用料」という。)が従前の小笠原住宅の最終の使用料(東京都小笠原住宅条例第十二条第一項の規定による使用料の減免を受けている場合には、当該減免後の使用料をいう。)を超えることとなり、かつ、当該使用者の居住の安定を図るため必要があると認めるときは、当該使用者の申請に基づき、規則で定めるところにより、当該小笠原移住定住促進住宅使用者の使用料を減額することができる。
2 前項に規定する保証金は、使用者が小笠原移住定住促進住宅を返還した後、当該使用者の請求により、還付する。ただし、未納の使用料等又は損害賠償金があるときは、保証金のうちからこれを控除する。
3 保証金には、利子を付けない。
4 知事は、第一項の規定により徴収した保証金の運用に係る利益金がある場合は、当該利益金を使用者の共同の利便のために使用するように努めるものとする。
(修繕の義務)
第十七条 知事は、小笠原移住定住促進住宅の家屋の壁、基礎、土台、柱、床、はり、屋根及び階段並びに給水施設、電気施設その他の知事が定める附帯施設について修繕する必要が生じたときは、遅滞なく修繕するものとする。ただし、使用者の責めに帰すべき事由によって修繕の必要が生じたときは、この限りでない。
2 前項に規定する修繕以外の修繕は、使用者の負担において、使用者が行わなければならない。
(費用負担)
第十八条 次の費用は、使用者の負担とする。
一 電気、ガス、上水道及び下水道の使用料
二 し尿、じんかい及び排水の処理に要する費用
三 使用者が共同して使用する給水施設、排水施設、電気施設及び遊戯施設並びに小笠原移住定住促進住宅の廊下、階段その他の部分の使用及び維持に要する費用
四 前三号のほか、知事が指定する費用
2 知事は、前項の費用のうち、使用者に負担させることが適当でないと認めたものについては、その一部又は全部を使用者に負担させないことができる。
3 知事は、第一項の費用のうち、使用者の共通の利益を図るため、特に必要と認めた費用を共益費として使用者から徴収する。
(使用上の義務)
第十九条 使用者は、小笠原移住定住促進住宅について必要な注意を払い、これを正常な状態において維持しなければならない。
2 使用者は、当該小笠原移住定住促進住宅を転貸し、又はその使用権を譲渡してはならない。
3 使用者は、小笠原移住定住促進住宅への危険物の持込み又は動物の飼育その他の行為により、他の使用者の生活の安全若しくは平穏を害し、又は共同生活の秩序を乱してはならない。
4 使用者は、知事の許可を受けないで、当該小笠原移住定住促進住宅を居住の用以外の用に供し、増築、模様替その他の工事を行い、若しくは小笠原移住定住促進住宅の敷地内に工作物を設置し、又は知事の許可を受けた世帯員以外の者を同居させてはならない。
5 知事は、使用者が前各項の規定に違反した場合においては、当該使用者に対し必要な指示をすることができる。
7 使用者又は同居者の責めに帰すべき事由により小笠原移住定住促進住宅又は共同施設を滅失し、又は毀損したときは、使用者はこれを原状に回復し、又はこれに要する費用を賠償しなければならない。
(届出事項)
第二十条 使用者は、次の各号のいずれかに該当するときは、速やかに知事に届け出なければならない。
一 出生、死亡又は転出により、世帯員(前条第四項の規定により同居の許可を受けた者を含む。以下同じ。)に異動を生じたとき。
二 使用者及び世帯員の全員が一月以上当該小笠原移住定住促進住宅を使用しないとき。
三 第十条第一項第一号の請け書の記載事項に変更が生じたとき。
四 前三号のほか、知事が指定する事項に該当したとき。
(住宅の変更)
第二十一条 知事は、次の各号のいずれかに該当する場合は、使用する小笠原移住定住促進住宅の変更を許可することができる。
一 現に小笠原移住定住促進住宅を使用している者又は同居者が加齢、病気等によって日常生活に身体の機能上の制限を受けることとなった場合その他これに準ずる場合に、当該使用者が他の小笠原移住定住促進住宅を使用することが適当であるとき。
二 小笠原移住定住促進住宅の使用者が相互に入れ替わることが双方の利益となるとき。
三 現に小笠原移住定住促進住宅を使用している者の同居者の人数に増減があり、居住する住宅の規模、世帯構成等からみて居住することが困難と認められるとき。
四 前三号に掲げるもののほか特別の事情があるとき。
(住宅の返還)
第二十二条 使用者は、小笠原移住定住促進住宅を返還しようとするときは、返還日の十五日前までに知事に届け出て、当該小笠原移住定住促進住宅の検査を受けなければならない。
(使用権の承継)
第二十三条 知事は、使用者が死亡し、若しくは退去し、又はその所在が不明となった場合において、当該使用者の世帯員が次の各号のいずれかに該当するときは、当該小笠原移住定住促進住宅の使用権の承継を許可することができる。ただし、知事が管理上支障があると認めたとき又は当該世帯員が引き続き使用する特別の必要がないと認めたときは、この限りでない。
一 使用者の配偶者(婚姻の届出をしないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)又は三親等以内の直系血族
二 東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例(平成三十年東京都条例第九十三号)第七条の二第二項の証明又は同条第一項の東京都パートナーシップ宣誓制度と同等の制度であると知事が認めた地方公共団体のパートナーシップに関する制度による証明を受けた使用者のパートナーシップ関係の相手方(以下「パートナーシップ関係の相手方」という。)
三 その他特別の事情がある者
一 使用者と同居していた期間が一年に満たない場合(当該使用者の入居時から引き続き同居している親族(婚姻の届出をしないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者その他婚姻の予約者を含む。)又はパートナーシップ関係の相手方である場合を除く。)
3 知事は、使用権の承継を受けようとする者(同居する者を含む。)が暴力団員であるときは、第一項の許可をしてはならない。
(明渡請求権)
第二十四条 知事は、使用者が次の各号のいずれかに該当する場合は、当該使用者に対して、期日を指定して当該小笠原移住定住促進住宅の明渡しを請求することができる。
一 不正の行為により入居したとき。
二 使用料等を三月以上滞納したとき。
三 小笠原移住定住促進住宅をみだりに損傷したとき。
四 正当な理由がなく一月以上当該小笠原移住定住促進住宅を使用しないとき。
五 住宅を取得したとき。
六 暴力団員であることが判明したとき(同居する者が該当する場合を含む。)。
七 この条例又はこの条例に基づく知事の指示に違反したとき。
八 前各号に掲げるもののほか、知事が小笠原移住定住促進住宅の管理上必要があると認めるとき。
2 使用者は、知事が前項の規定により明渡しを請求したときは、知事の指定する期日までに、当該小笠原移住定住促進住宅を返還しなければならない。
3 知事は、使用者が前項の期日までに当該小笠原移住定住促進住宅を返還しないときは、当該期日の翌日から起算して返還した日までの使用料等相当額の損害金を徴収する。
4 前三項の規定は、知事が小笠原移住定住促進住宅をその用に供しないと決定した場合について準用する。
(住宅監理員及び連絡員)
第二十五条 小笠原移住定住促進住宅の管理に関する事務をつかさどり、小笠原移住定住促進住宅及びその環境を良好な状態に維持するよう使用者に必要な指導を与えるために、小笠原移住定住促進住宅監理員(以下「監理員」という。)を置く。
2 監理員は、知事が都職員のうちから命ずる。
3 知事は、必要があると認めたときは、監理員を補助させるため、連絡員を置くことができる。
(住宅の検査)
第二十六条 知事は、小笠原移住定住促進住宅の管理上必要があると認めたときは、監理員又は都職員のうちから知事が指定した者に小笠原移住定住促進住宅の検査をさせ、又は使用者に対して必要な指示をさせることができる。
2 前項の検査の場合において、現に使用している小笠原移住定住促進住宅に立ち入るときは、あらかじめ当該使用者の承諾を得なければならない。
3 第一項の規定により、検査に当たる者は、その身分を示す証票を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。
(許可等に関する意見聴取)
第二十七条 知事は、第四条の許可をしようとするとき、又は現に小笠原移住定住促進住宅を使用している者(同居する者を含む。)について、知事が特に必要があると認めるときは、第五条第一項第六号、第十九条第六項、第二十三条第三項及び第二十四条第一項第六号に該当する事由の有無について、警視総監の意見を聴くことができる。
(知事への意見)
第二十八条 警視総監は、小笠原移住定住促進住宅を使用しようとする者(現に同居し、又は同居しようとする者を含む。)又は現に使用している者(同居する者を含む。)について、第五条第一項第六号、第十九条第六項、第二十三条第三項及び第二十四条第一項第六号に該当する事由の有無について、知事に対し、意見を述べることができる。
(罰則)
第二十九条 使用者が詐欺その他の不正行為により使用料の減額又は免除を受けたときは、徴収を免れた金額の五倍に相当する金額以下の過料を科する。
(委任)
第三十条 この条例の施行について必要な事項は、知事が定める。
附則
この条例は、公布の日から施行する。