○東京都検査事務規程

昭和四三年七月一日

訓令甲第一七五号

庁中一般

支庁

事業所

東京都検査事務規程を次のように定める。

東京都検査事務規程

第一章 総則

(目的)

第一条 この規程は、東京都契約事務規則(昭和三十九年東京都規則第百二十五号。以下「契約事務規則」という。)第五十三条の規定に基づき、東京都(以下「都」という。)が締結した工事若しくは製造その他についての請負契約又は物件の買入れその他の契約に係る検査の実施について必要な事項を定め、もつて検査の円滑かつ適正な執行を図ることを目的とする。

(用語の定義)

第二条 この規程において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

 契約担当者 東京都契約事務の委任等に関する規則(昭和三十九年東京都規則第百三十号。以下「契約事務委任規則」という。)第三条から第十四条までの規定により、知事からあらかじめ契約に関する事務を処理する権限を委任された者をいう。

 検査員 契約事務委任規則第四十条又は第四十一条第一項の規定により指定を受けた検査員をいう。

 課長 東京都組織規程(昭和二十七年東京都規則第百六十四号)第九条に規定する課長及びこれに準ずる職にある者並びに次号に掲げる所の課長(課を置かない所にあつては、所の長)をいう。

 所 契約事務委任規則第二条第三号に規定する所をいう。

(検査の種類)

第三条 検査の種類は、次のとおりとする。

 完了検査 工事又は製造の完成、物品の完納その他の給付の完了を確認するための検査

 既済部分検査又は既納部分検査 給付の完了前に代価の一部を支払う必要がある場合において行なう工事若しくは製造の既済部分又は物件の既納部分の確認をするための検査

 中間検査 工事又は製造の完成、物品の完納その他の給付の完了前において行なう性能又は仮組立状態その他の確認をするための検査

 清算検査 契約を解除しようとする場合において行なう既済部分又は既納部分の確認をするための検査

 材料検査 契約の相手方がその給付を行なうために使用する材料の確認をするための検査

(処理方針)

第四条 検査に関する事項は、すべて検査事務を主管する課の課長が中心となり、当該課又は所に所属する検査員により処理しなければならない。

第二章 検査員

(検査員の服務)

第五条 検査員は、検査の実施に当たつては、この規程に特別の定めがある場合を除き、地方自治法施行令(昭和二十二年政令第十六号)第百六十七条の十五第二項及び契約事務規則その他の関係規程に基づき、厳正にその職務を行なわなければならない。

2 検査員は、適正な検査を実施するために必要な知識及び技術の修得に努めなければならない。

3 検査員は、職務の執行に当たつて知り得た契約の相手方の業務上の秘密に属する事項は、これを他に漏らしてはならない。

(検査員の職務執行の回避の申出等)

第六条 検査員は検査を命じられた場合において、当該検査に係る契約の相手方と親族関係にあるときその他検査の公正を妨げる事情があると認めるときは、職務の執行を回避すべき旨を課長に申し出なければならない。

2 課長は、検査員から前項の申出があつたときは、申出に係る事情を調査し、必要な措置を講じなければならない。

(検査手続の更新)

第七条 検査開始後、検査結果の判定前に検査員の変更があつたときは、検査手続を更新しなければならない。ただし、変更後の検査員が検査手続を更新する必要がないと認めて課長の承認を得たときは、この限りでない。

(令六訓令三三・一部改正)

第三章 検査の実施

第一節 通則

(検査に必要な書類の検査員に対する交付等)

第八条 契約担当者等(契約事務規則第七条に規定する契約担当者等をいう。以下同じ。)は、工事若しくは製造その他についての請負契約又は物件の買入れその他の契約を締結したときは、速やかに契約書、仕様書及び設計書その他の関係書類(当該関係書類に記載すべき事項を記録した電磁的記録を含む。)を検査員に交付するものとする。

2 前項の規定により関係書類の交付を受けたときは、検査員は、あらかじめそれらの書類について検討し、検査の準備をしなければならない。

(平一五訓令三七・一部改正)

(検査命令)

第九条 契約担当者等は、次の各号のいずれかに該当する場合は、直ちに検査員に対し検査を命ずるものとする。

 契約の相手方から給付の完了の届出があつたとき。

 契約の相手方から工事若しくは製造の既済部分又は物件の既納部分につき、検査の請求があつた場合において、その請求を適当と認めるとき。

 契約を解除しようとする場合において、検査をする必要があると認めるとき。

 前三号のほか、契約担当者等において、中間検査をする必要があると認めるとき。

(平一〇訓令一〇・一部改正)

(検査の実施についての原則)

第十条 検査は、個別に、実地について行なうものとする。

(検査に事故を生じた場合における報告)

第十一条 検査員は、次の各号の一に該当する場合は、すみやかに課長に報告し、その指示を受けなければならない。

 検査ができないとき。

 検査に際し、契約の相手方が検査員の職務の執行を妨害したとき。

 同一の検査につき二人以上の検査員が存する場合において、各検査員の意見が一致しないとき。

 第十三条の規定により検査に立ち会う都の関係職員と意見が一致しないとき。

 その他検査の実施について疑義が生じたとき。

第二節 検査の立会い

(契約の相手方に対する立会通知)

第十二条 検査員は、検査(材料検査を除く。以下本節において同じ。)をしようとするときは、原則として、契約の相手方又はその代理人に、あらかじめ検査の日時及び場所を書面その他の方法により通知して立会いを求めなければならない。

(令六訓令三三・一部改正)

(関係職員に対する立会通知等)

第十三条 検査員は、検査をしようとするときは、必要に応じ関係職員に、あらかじめ検査の日時及び場所を書面その他の方法により通知して立会いを求めるものとする。

2 前項の規定により検査に立ち会う関係職員の区分は、次の各号に定めるところによるものとする。

 工事又は製造の請負契約に係る検査については、当該請負契約の適正な履行を確保するため必要な監督をした職員(以下「監督員」という。)又は工事を主管する課長が指定する職員

 物品の買入れ契約及び印刷の請負契約に係る検査については、当該物品(印刷物を含む。)を受け入れる物品出納員(東京都物品管理規則(昭和三十九年東京都規則第九十号)第八条第一項及び第二項に規定する物品出納員をいう。以下第三項において同じ。)及び契約担当者等が指定する職員

 前各号以外の契約に係る検査については、契約担当者等が指定する職員

3 前項第二号の規定にかかわらず、同号の検査において必要があるときは、物品出納員に代えて、物品出納員以外の職員を立ち会わせることができる。

(昭四六訓令甲二四・平二四訓令二三・令六訓令三三・一部改正)

(立会職員の意見の陳述)

第十四条 前条の規定により検査に立ち会う都の職員(以下「立会職員」という。)は、検査の実施について意見を述べることができる。

2 前項の場合において、検査員の意見と一致しないとき又は検査の実施について疑義が生じたときは、立会職員は、その旨を所属の課長に報告し、その指示を受けなければならない。

(契約の相手方等が立ち会わない場合の検査の実施)

第十五条 第十二条の規定により契約の相手方又はその代理人に対し検査の立会いを求めた場合において、その者が正当な理由がなく検査に立ち会わないときは、その欠席のまま検査を執行することができる。

2 前項の場合において、契約の相手方又はその代理人から、検査の結果につき異議の申出があつても、これを採用しないものとする。

第三節 工事又は製造の請負契約に係る検査の実施

(通則)

第十六条 検査員は、工事又は製造の目的物について、契約書、仕様書及び設計書その他の関係書類(当該関係書類に記載すべき事項を記録した電磁的記録を含む。)により、これらに適合した施工がなされているかどうかを検査しなければならない。

(平一五訓令三七・一部改正)

(外部から明視できない部分の検査)

第十七条 検査員は、工事又は製造の目的物について、外部から明視できない部分があるときは、監督員の説明、写真その他の工事記録等により、当該部分の検査を行なうことができる。

(理化学試験)

第十八条 検査員は、仕様書に記載されたところにより、検査のため理化学試験を行なう必要があるときは、契約の相手方をして、試験研究機関の試験を受けさせなければならない。

2 検査員は、検査の実施に当たり特に理化学試験を行なう必要があると認めるときは、課長の承認を得て契約の相手方をして、試験研究機関の試験を受けさせなければならない。

3 前二項の場合において、検査員は、契約の相手方に試験委嘱指定書を交付しなければならない。

(理化学試験における供試料の採取)

第十九条 前条の規定により理化学試験を行なうときは、検査員は契約の相手方の立会いのうえ、供試料を採取して試験研究機関に送付しなければならない。

2 検査員は、前項の規定により採取した供試料について打刻又は封印しておかなければならない。

3 試験研究機関から供試料の補充の請求を受けたときは、前二項の規定に準じて供試料を採取して補充しなければならない。

(理化学試験を行なう場合における検査の判定)

第二十条 検査員は、第十八条の規定により理化学試験を行なうものに係る工事又は製造の請負契約に係る検査については、理化学試験の結果をまつて検査の判定をしなければならない。

(令六訓令三三・一部改正)

(試運転等を行なう場合における検査の判定)

第二十一条 検査員は、検査にあたつて、据付、試運転その他の処置を必要とするときは、その結果をまつて検査の判定をしなければならない。

(令六訓令三三・一部改正)

(破壊又は分解検査)

第二十二条 検査員は、検査にあたつて、工事又は製造の性質上特に必要があると認めるときは、課長の承認を得て工事の目的物の破壊又は分解の方法により検査を行なうことができる。

(材料検査)

第二十三条 検査員は、工事又は製造に使用する材料について、仕様書、設計書その他の関係書類(当該関係書類に記載すべき事項を記録した電磁的記録を含む。)により、これらに適合した材料であるかどうかを検査しなければならない。

2 検査員は、材料検査を完了した場合において、仕様書、設計書その他の関係書類(当該関係書類に記載すべき事項を記録した電磁的記録を含む。)に適合しない材料があるときは、契約の相手方に必要な指示を行うものとする。

(平一五訓令三七・一部改正)

(材料検査の実施基準)

第二十四条 検査員は、前条第一項の材料検査を、別に局長(契約事務委任規則第二条第二号に規定する局長をいう。)が定める材料検査の実施基準に基づき、試験、確認その他の方法により行なうものとする。

第四節 物品の買入れその他の契約に係る検査の実施

(通則)

第二十五条 検査員は、納入された物品について、契約書、仕様書その他の関係書類(当該関係書類に記載すべき事項を記録した電磁的記録を含む。)により、これらに適合した物品の納入がなされているかどうかを検査しなければならない。

(平一五訓令三七・一部改正)

(抽出検査)

第二十六条 検査員は、納入された物品が多量であるため、その全部を検査することが困難である場合において、その種類及び規格が同一であるときは、納入された物品の一部を抽出して検査することにより、全部の物品の検査結果を判定することができる。

(令六訓令三三・一部改正)

(店頭検査)

第二十七条 物品の納入場所が数か所以上にわたり、又は遠隔地であるため、納入場所において検査を行うことが困難な場合における物品の買入れ契約に係る検査については、給付の完了前に契約の相手方の店舗、営業所その他これらに類する場所において、これを行うことができる。

2 検査員は、前項の場合において、検査に合格した物品について打刻又は封印その他の方法によりその旨を表示しておかなければならない。

(昭四九訓令一九・一部改正)

(工事又は製造の請負契約に係る検査の規定の準用)

第二十八条 第十八条から第二十三条までの規定は、物品の買入れに係る検査について準用する。

(その他の契約に係る検査についての準用)

第二十九条 第二十五条から前条までの規定は、その他の契約に係る検査について準用する。

第五節 検査の完了

(検査調書の作成等)

第三十条 検査員は、検査(中間検査及び材料検査を除く。)を完了したときは、すみやかに検査調書二通を作成し、契約担当者等に報告しなければならない。

2 契約担当者等は、前項の報告を受けたときは、すみやかに検査結果の決定をし、その結果を検査調書により契約の相手方及び工事若しくは製造又は物品の買入れその他に関する事務を主管する課長にそれぞれ通知しなければならない。

3 検査員は、中間検査を完了したときは、すみやかに必要な事項について契約担当者等に報告しなければならない。

(令六訓令三三・一部改正)

(検査合格の表示及び不合格品の引取り)

第三十一条 検査員は、物品の買入れに係る検査を完了したときは、合格品と不合格品とを区別し、合格品には合格の表示を行い、不合格品は契約の相手方に速やかに引き取らせなければならない。

(平一〇訓令一〇・一部改正)

(手直し、引換え等)

第三十二条 検査員は、検査を行つた給付の目的物について、手直し、補強又は引換えをさせる必要があると認めるときは、履行期限までに完了する見込みがある場合を除き、契約担当者等の承認を得て、一回に限り、期限を定めて契約の相手方に手直し、補強又は引換えをさせることができる。ただし、十日以内の期限を定めて手直し、補強又は引換えをさせる場合については、契約担当者等の承認を要しないものとする。

2 検査員は、前項の規定により手直し、補強又は引換えをさせたときは、その期限を検査調書に記載しなければならない。

(令六訓令三三・一部改正)

(手直し、引換え等の後の検査)

第三十三条 手直し、補強又は引換えをさせた給付の目的物の検査については、当該部分のみの検査により合格又は不合格の判定をすることができる。

(令六訓令三三・一部改正)

(検査成績評定の実施)

第三十三条の二 検査員は、工事請負契約又は東京都工事施行規程(昭和四十六年東京都訓令甲第十五号)第三十条に規定する委託契約に係る検査(清算検査及び材料検査を除く。)を完了したときは、財務局長が別に定めるところにより、速やかに検査成績の評定を行うものとする。

(平一四訓令二・追加、平二二訓令三九・一部改正)

(減価採用の場合における検査員の意見の聴取)

第三十四条 契約担当者等は、物品の買入れその他に係る契約で、給付の目的物に契約の内容に適合しないものがあり、その程度が軽微である場合において、その使用に重大な支障がないと認められ、かつ、期限その他の条件から手直し、引換え等が困難と認められるため、相当の価額を減額のうえ採用しようとするときは、あらかじめ検査員の意見を聞かなければならない。

(令二訓令一・一部改正)

第四章 補則

(検査の技術的基準)

第三十五条 財務局長は、検査員が検査(材料検査を除く。)を行なうに当たつて必要な技術的基準を定めるものとする。

(平成一四年訓令第二号)

この訓令は、平成十四年四月一日から施行する。

(平成二二年訓令第三九号)

1 この訓令は、平成二十二年四月一日から施行する。

2 この訓令による改正後の東京都検査事務規程第三十三条の二の規定は、この訓令の施行の日(以下「施行日」という。)以後に締結される契約について適用し、施行日前において締結された契約については、なお従前の例による。

(平成二四年訓令第二三号)

この訓令は、平成二十四年四月一日から施行する。

(令和二年訓令第一号)

この訓令は、令和二年四月一日から施行する。

(令和六年訓令第三三号)

この訓令は、令和六年七月一日から施行する。

東京都検査事務規程

昭和43年7月1日 訓令甲第175号

(令和6年7月1日施行)

体系情報
第3編 務/第7章
沿革情報
昭和43年7月1日 訓令甲第175号
昭和46年4月1日 訓令甲第24号
昭和49年4月1日 訓令第19号
平成10年3月31日 訓令第10号
平成14年3月29日 訓令第2号
平成15年4月1日 訓令第37号
平成22年3月31日 訓令第39号
平成24年3月30日 訓令第23号
令和2年3月17日 訓令第1号
令和6年4月15日 訓令第33号