○東京都工事施行規程の全部改正について
昭和46年3月31日
46総総文発第34号
各局(室)長、出納長、都立大学事務局長、養育院長、南多摩新都市開発本部長、中央卸売市場長}殿
昭和46年3月31日東京都訓令甲第15号をもつて東京都工事施行規程(昭和38年東京都訓令甲第10号)の全部が改正され、本年4月1日から適用されることになつた。
このたびの改正は、東京都における工事量の増大及び工事施行方法の変化に伴い、関係規定を整備したものである。
このたびの改正の主要点は、東京都における工事の大部分が請負工事によつて処理されていることに応じ規程の中心を直営工事から請負工事に改めたこと、各局における実情に応じた工事の施行を図るためこれに必要な基準を各局の長において定めることにしたこと、時機を失しないで迅速な工事施行を図るために工事主管課長の判断で必要に応じて随時適切な措置をとることができる範囲を拡げたこと、設計、測量等の外部委託が増加しつつあるすう勢にかんがみこれらの委託についての処理手続を新たに定めたこと、他局への委任工事を円滑に施行するため委任局と受任局間の意思疎通を図る措置を定めたことである。
ついては、下記の事項に留意されるとともに、所属職員にこの趣旨の周知徹底を図り、もつて工事の施行に遺憾のないよう期せられたい。
この旨、命により、通達する。
記
第1 総則(第1章)
1 この規程の目的(第1条)
この規程の目的は、知事部局において施行する土木工事、建築工事その他一切の工事について、設計手続、起工手続、施行手続その他工事に関する基本的な事項を定めることにより工事の円滑かつ適正な施行を図ることにあること。
2 工事の範囲(第2条)
この規程の適用される工事は、第2条第1号イからハに掲げる工事、作業、修繕である。この作業及び修繕については設計・測量等の委託、製造・製作等の作業及び工作物・船舶等の修繕の増加に伴い、その実施手続の明確化を図るため、改正前の東京都工事施行規程(以下「旧規程」という。)においてとられていた準用方式を排し、新たに規程の適用対象に加えたものであること。また、「その他の工事」とは冷暖房・換気・給排水・ガス・汚物処理の各設備工事等土木工事、建築工事、電気設備工事又は機械設備工事の範ちゆうに属しない一切の独立した工事をいうものであること。なお地方自治法(昭和22年法律第67号)第239条第1項に規定する物品については、規程の対象外とされているが、この規程に準じて処理することも差しつかえがないこと。
なお、第2条に掲げる工事は、請負工事又は直営工事の手続により、また工事の一部であつて当該工事から分離して処理できるものについては委託の手続により、それぞれ処理されることになるが、そのいずれの手続によるかは、工事の円滑な確保を図るという観点から十分検討のうえ決定しなければならないものであること。
3 工事の計画的な施行(第3条)
(1) 長期的計画等に示された社会資本の整備を効果的に進めるため、工事の計画段階では、計画水準、整備期間等を十分に検討した上で基本計画等を作成するとともに、実施段階では、設計、工事の条件を明確にし、効率的かつ経済的な事業の執行に努めること。
さらに、社会資本の整備においてはコストの縮減が重要な課題であり、利便性、安全性、耐久性、環境保全など社会資本が本来備えるべき所要の機能、品質を確保しつつ、各種規制緩和や技術開発動向等を踏まえながら、設計、工事はもとより、入札・契約、維持管理段階などライフサイクル全体を通してのコストの縮減を図っていくこと。
このため、工事の計画及び実施に当たっては、工事関係部門のみならず、企画・計画部門、経理・契約部門、財産管理部門等と緊密な連携を図り、社会資本の整備を計画的、効率的、経済的に進めていくこと。
(2) 旧規程において義務づけられていた工事施行計画の主たる目的である年間工事概要のは握は、他の事務手続によつても可能であるので、工事施行計画書の作成を特に義務づけないこととしたこと。
しかしながら、東京都における工事量の増大は、個別工事の計画的施行の必要性を高め、工事施行の手順を定める実施計画の不適切な場合にもたらされる影響はきわめて大きなものになつているので、個別工事の施行にあたつては常に工事の実情に応じた合理的な実施計画を作成することにより、工事の円滑な施行を図ることにしたものであること。
(3) この個別工事の実施計画は、旧規程において起工の中に含まれていた設計を本規程においては起工から分離し、設計と起工の機能をそれぞれ明確にしたことに伴い、設計、起工及び施行相互間の有機的関連を明らかにする役割をになうものであること。
なお、個別工事の実施計画の作成にあたつては、絶えず計画手続の改善及び開発に努め、より適切な実施計画を作成する必要があるので、特に一定の様式は定めなかつたこと。
(4) 実施計画作成にあたつては、各部局の事業計画、都市計画事業及び公害防止計画事業との関連を常に考慮し、個別工事相互間の有機的関連を失わないようにすること。
4 処理方針(第4条)
(1) 旧規程においては、工事に関する実務は当該工事を主管する課長が中心となつて処理することになつていたが、必ずしも当該工事の全部が同一の課長によつて主管されているわけではなく、設計、起工、施行等の各事項がそれぞれ当該事項を主管する課の課長(以下「工事主管課長」という。)を中心として処理される場合もあるので、設計、起工、施行等の各事項ごとに工事主管課長が中心となつて処理すべきことを明らかにしたこと。
(2) 工事主管課長は、工事の施行にあたつては、工事施行の状況を全般的には握し、関係各方面との適切な連絡及び調整を行なうことにより、工事の円滑な施行に努める責務があるが、その責務を規定のうえで明らかにしたこと。
(3) 処理手続については、起工又は工事変更の際使用する起案書のようにこの規程に特別の定めがある場合を除き、すべて東京都事案決定規程(昭和47年東京都訓令甲第10号)、各事業所処務規程その他の関係規程の定める手続により行なわなければならないものであること。
5 工事台帳の備付け(第5条)
この規程には工事についての基本的事項を定めることにしたため、工事用簿冊としては、最小限度必要な工事台帳の備付義務を定めたものであること。しかし工事の性格により工事台帳以外の簿冊を必要とする場合には、局長が第39条により定める細目(以下「実施細目」という。)において、工事記録簿等の必要簿冊を定め、工事に関する事項が適切に記録されるよう注意する必要があること。
(昭62総総文58・平10財営技172・平13財営技191・平19財建技169・一部改正)
第2 請負工事(第2章)
1 設計(第1節)
旧規程においては、設計は起工の中に包含して規定していたが、設計と起工とは必ずしも同一部署で行なわれるものではないので両者を分離してそれぞれの事務手続の明確化を図つたものであること。したがつて、設計については、設計を主管する工事主管課長が中心となつて処理すべきこと。
(1) 設計の指示(第7条)
従来設計担当者が設計を行うに当たつては、工事についての基本的事項及び特に注意を要する事項が必ずしも十分に把握されていないために、再三にわたる設計の修正が見られたが、このような無駄を可能な限り防止するために、局長が明示した工事についての基本的事項及び特に注意を要する事項が、関係部課長を通じて、設計担当者に十分伝達されるよう注意すること。
(2) 設計書の様式(第8条)
ア 工事設計書は、第8条ただし書に該当する場合を除き、第8条第1項各号に掲げる書類によつて構成するものであること。なお、「その他局長が必要と認める書類」とは、数量計算書等局長が工事の種類に応じて実施細目により添付することを義務づけた書類をいうものであること。
イ 工事設計内訳書は、工事の種類又は規模に応じて局長が実施細目において定めた工種別内訳書、科目内訳書、工費内訳書等によつて構成するものであるが、工事設計内訳書の内容が簡明でないために、工事の円滑な施行を妨げている例もみられるので、工事の迅速な施行を確保するためにその適正化に努めなければならないこと。
ウ 工事仕様書は第10条ただし書に該当する場合を除き、別に知事が定める標準仕様書によらなければならないものであること。
(3) 設計基準(第9条)
ア 設計担当者が、設計書(工事仕様書を除く。)を統一的かつ能率的に作成するためには、設計に際しての基準が明確になつていなければならないので、局長が各局における工事の種類規模等に応じて、設計基準を定めることにしたこと。設計基準には、工事の内容に応じて実地調査を行い、その施行に疑義の生じないよう明確なものとすること等設計に当たつて注意すべき事項、単価、歩掛、損料等積算に関する基準、構造物及びその設備等の設計に関する技術的基準及びその他局長において必要と認める事項を定めるべきものであること。
2 起工(第2節)
(1) 起工(第11条)
ア 設計と起工が同一部署で行われる場合は、設計が完了したとき、また異なつた部署で行われる場合は、設計書が送付されたときに工事主管課長は、起案文書、工事設計書及び工事の内容、従来の経過、関係法規等を説明する必要書類から構成する起工書によつて、第11条各号に定める事項に十分注意の上、起工手続を執らなければならないものであること。
イ 従来起工の段階において措置をしなければ時機を失する事項について必要な措置が採られなかったために工事の円滑な施行が阻害された例も見られるので、このようなことのないよう、起工に当たつては十分注意すること。
(2) 工期(第13条)
ア 工期の算定が適正を欠く場合には、工事の円滑な施行を確保することが困難となるので、工期の設定を行うに当たつては、必要な余裕を見込むことが望ましいこと。特に東京都の休日に関する条例(平成元年東京都条例第10号)第1条第1項に規定する東京都の休日(以下「休日」という。)は勤務を行わないことになつている関係事業所も多いので、工期の算定に当たつては十分これらの事情を考慮に入れ、合理的な工期を算定すべきこと。
イ 工事の緊急性や交通事情などにより、休日を工期に算入し工事を行う必要のある場合には、定められた工期内に工事が完了するように、職員の勤務体制の整備及び関係者との連絡調整に注意すること。
(3) 緊急起工の処理(第15条)
ア 地震、暴風雨、豪雪、こう水、工事上の事故防止、公共の安全確保その他の理由により、緊急に工事を施行しなければならない切迫した事態が生じ、起工書により決定を受ける時間的余裕のない場合は、口頭その他適宜の方法により部長の指揮を受けて、第2章第1節及び第2節に定める手続によらないで工事を施行することができるものであること。この場合において「部長」とは、緊急工事を適切に行なうために、必ずしも当該工事の施行について決定権を有する職員であるとは限らないので、緊急工事を行なつたときは、事後直ちに起工書を作成して、決定権を有する上司の決定を受けなければならないこと。また、豪雪、工事上の事故防止及び公共の安全確保を緊急起工の処理のできる場合の例示として新たに追加することにより、規定設置の趣旨の明確化を図つたこと。
なお、「緊急に工事を施行する必要が生じたとき」とは、災害対策又は不測の突発的事故対策としての応急工事を施行する必要があるときをいうのであり、すでに施行中の工事について、災害等により損壊その他事故を生じたため、当該工事の起工の内容を変更する場合の手続については、第22条の規定により、本条の規定が準用されるものであること。
イ 本条の運用にあたつては、地方自治法第232条の3の趣旨に照して必要な予算措置については、上司及び関係部署と特に十分な連絡を図り、事後手続において、財政上の不都合を生じないよう厳に注意しなければならないものであること。
3 工事の施行(第3節)
(1) 工事実施前の措置(第16条)
工事主管課長は、東京都契約事務の委任等に関する規則(昭和39年東京都規則第130号)の規定によつて、監督員が任命されたときは、直ちに工事設計書の写等その者が第17条に定める職務を遂行するのに必要な書類を交付し、工事の監督その他工事の施行に必要な事項を指示しておかなければならないこと。
なお、旧規程においては工事の起工が決定した場合には軽微な工事を除き工事担当者を置くことが義務づけられており、この工事担当者と東京都契約事務の委任等に関する規則に基づき命じられる監督員との職務上の関係が明確でなく工事施行の円滑化に支障を来していた例も見られるので、本規程においては請負工事の施行の監督については専ら監督員が当たるべきであるとの前提の下に工事主管課長との関係を明確にしたものであること。
また、工事主管課長は、工事実施前に措置しておかなければならない事項について、必要な措置を採ることにより、工事の円滑な施行を図らなければならないこと。
(2) 監督基準(第17条)
ア 監督員が、監督業務を適切に行なうためには、監督に際しての基準が明確になつていなければならないが、従来この面における整備が必ずしも十分ではなかつたので、局長が、各局における工事の種類、規模、執行体制に応じて、工事の円滑な施行を図ることができるように監督業務についての必要な基準を定めることにしたものであること。
イ 局長は、監督基準を定めるに際しては、局の工事の実態を十分把握し、工期内に工事を完了させること等監督員が監督に当たつて注意すべき事項、工事の経過を示す写真撮影の方法等監督に当たつての必要な方法、工事主管課長に対する報告等監督員が行うべき工事施行に付随した事務及びその処理方法、その他局長が必要と認める事項を定める必要のあるものであること。
(3) 受注者提出書類処理基準(第18条)
ア 受注者は、工事仕様書等によつて必要書類の提出を義務付けられているが、従来その様式及び処理方法等について明確な基準が定められていないために工事の円滑な施行が妨げられた例もみられるので、各局における工事の種類、規模、執行体制等に応じて局長が受注者提出書類の処理基準を定めることにしたものであること。
イ 局長は、受注者提出書類処理基準を作成するに際しては、工事の種類、規模、執行体制等に応じて、受注者提出書類の様式及び処理方法を明確にしなければならないものであること。
なお、従来監督員が、監督に当たつての付随的な事務に追われ、本来の技術的業務に専念できない例も見られたので、基準を定めるに際しては監督員が書類整理等の付随的な事務のため過重負担となり、本来の技術的業務に専念できなくなることのないよう注意すること。
(4) 工事月報(第19条)
工事月報は、すでに工事に着工しているすべての工事について記載しなければならないものであること。工事月報の提出期日は、旧規程においては翌月5日までとなつていたが、各局の実情に応じた提出期日を定めるため「すみやかに提出すべきこと」に改めたので、工事の施行に支障がないように、各局において合理的な提出期日を設定すべきものであること。
(5) 工事の中止及び中止解除(第20条)
ア 工事主管課長は、工事の施行中、工事を継続することが困難な障害が生じた場合その他の理由により、工事の全部若しくは一部の施行を中止する必要があるとき又は工事中止の原因となつた理由の解消により中止を解除する必要があるときは、第20条第2項に該当する場合を除き、自らの判断で臨機応変に工事の中止又は中止解除の措置を採るべきこととしたものであること。
なお、工事の中止とは、再開を予定した一時的中断であつて、設計の内容の変更を伴わないものをいうこと。したがつて、設計の内容の変更である工事の打切り及び工事の中止に伴い、予定工期を延長する必要が生じた場合は、第22条の規定により処理すべきものであること。
イ 旧規程においては、工事の中止及び中止解除をするときはすべて上司の指示を受けて措置することになつていたが、本規程においては、工事の円滑な施行を図るため、上司の指示を受けて措置する場合は、工事の中止が契約内容その他に重大な影響を及ぼすもののみに限定したこと。これは、工事の中止又は中止解除を、工事の実情を最もよくは握している工事主管課長の責任において処理させることがより合理的であることによるものであること。
なお、「工事の中止が契約内容その他に重大な影響を及ぼすもの」とは、予算の繰越しのおそれのあるもの、公衆に著しく迷惑を及ぼすおそれのあるもの、供用開始日が決定している場合等で完成期限が遅延するおそれのあるもの等その他これに類するものをいうものであること。
ウ 地震、暴風雨、豪雪、洪水、工事上の事故防止、公共の安全確保その他の理由により、緊急に工事を中止しなければならない切迫した事態が生じ、定められた手続を執る時間的余裕のない場合は、工事主管課長の判断で適切な措置をすること。
ただし、この場合においては、事後直ちに定められた手続を執らなければならないものであること。
エ 以上に述べた工事の中止又は中止解除の措置をとるときは、工事の施行が請負契約に基づくものであるから、受注者と連絡調整のもとに行うべきものであること。
(6) 事故報告(第21条)
なお、「工事の施行中」とは、当該工事の完了又は打切りのときから当該工事に係る施設をその管理者に引き継ぐまでの間を含むものであること。
(7) 工事変更(第22条)
起工の決定後生じた原因により、工事の起工の内容を変更する必要が生じたときは、変更の内容等について十分な精査を行った上、速やかに工事変更書により所定の手続をとらなければならないこと。旧規程においては、工事変更の場合は、すべてその都度所定の手続をとる必要があったが、第22条第3項各号に定める場合を除いては、工事変更手続は、工期末までに一括して行うことができることになったので、工事主管課長において、工事変更に伴う工事の施行の遅延を可能な限り防止するように努めること。
なお、第22条第3項第3号は、変更1回ごとの限度額及び当該工事についての合計変更額の限度額を示すものであること。また、同号により工期末までに一括して工事変更を行うことができるのは、変更見込金額が当該工事の請負金額の10パーセントに相当する額又は800万円のいずれをも超えない場合であり、これ以外の工事変更は、第22条第1項による工事変更を行うものであること。
4 工事の完了(第4節)
(1) 工事の完了(第23条)
受注者から提出される完了届の処理は、受注者提出書類処理基準(第18条)の定めるところによるものであるが、完了届の提出があつたときには、工事主管課長は、工事の完了を上司が速やかに知ることができるよう注意すること。
(2) 施設等の引継ぎ(第24条)
工事が完了した施設については、施設管理者に引き継ぐまでは、工事主管課長が管理し、管理者が使用できる状態で引き継がなければならないので、費用の負担等管理に当たつての必要事項については、工事主管課長と施設管理者との間で十分協議し、円滑に施設の引継ぎを行うべきこと。
(昭62総総文58・平元財営技120・平4財営技29・平10財営技172・平13財営技191・平19財建技169・平24財建技199・一部改正)
第3 直営工事(第3章)
1 工事担当者(第25条)
(1) 直営工事の施行にあたつては、工事主管課長は、原則として所属職員のうちから工事担当者を指名し、工事現場にその者を置かなければならないものであること。
なお、工事の種類又は規模によりこれを置く必要がないと認めるときは、工事主管課長において、工事担当者の行なうべき職務を処理するものであること。
2 規定の準用(第29条)
旧規程においては直営工事を主な対象として規定していたが、本規程においては、請負工事を主な対象として規定したので、直営工事については、最少限度必要な規定を置くにとどめ、他はすべて請負工事に関する規定を準用することにしたので、直営工事の取扱いについては、実施細目において定めておくことが望ましいこと。
(平19財建技169・一部改正)
第4 設計等の委託(第4章)
1 委託基準(第30条)
(1) 従来設計、測量、地質調査、監理等の委託は、その都度必要に応じて処理されてきたが、東京都における工事量の増大に伴い、委託を職員の手不足を補充するという消極的なものから、東京都における工事の円滑な施行を図るために、積極的に工事施行体制の中に位置づける必要性が生じてきたので、局長において委託基準を定め、その統一的かつ効果的な運営を図ることにしたものであること。
(2) 委託基準は、局長が局における工事の実態に応じて定めることになつたが、委託基準には、委託に際しての注意事項、委託する業務の種別、範囲及び内容、委託料の算定をするための積算の基準並びにその他局長が必要と認める事項を規定すべきこと。
2 準用(第31条)
(昭62総総文58・平10財営技172・平19財建技169・一部改正)
第5 他局への委任工事(第5章)
なお第5章は、他局への工事委任の手続を定めたものであり、受任局は本章以外の規定に基づいて工事の施行を行なうべきことはいうまでもないことであること。
第6 雑則(第6章)
1 別な方法による処理(第36条)
国、地方公共団体その他の公法人に委託して施行する工事並びにこれから受託して施行する工事、その他特別の理由によりこの規程によることが困難であると局長が認めた工事については、その工事の種類、規模、内容に応じてこの規程に定める手続によらないで処理できるが、できる限りこの規程の定める手続に準じて処理すべきこと。「その他特別の理由によりこの規程によることが困難である工事」とは、国庫補助に係る工事で国が処理方法を定めている工事、東京電力株式会社又は東京瓦斯株式会社に委託して施行する工事その他これらに類する事情にある工事及び工事予定金額が50万円未満の工事に限られるものであること。
2 協議(第38条)
なお、東京都における工事施行の水準を高めるために、基準の作成に当たつては、各局間において必要な技術知識の交換及び相互協力を積極的に行うべきこと。
3 東京都工事関係基準協議会への付議(第39条)
(1) 財務局長は、基準の制定改正について協議を受けた場合は、東京都工事関係基準協議会(以下「協議会」という。)に付議し、その調査審議を経ること。ただし、次に掲げる事項については、協議会への付議を要しないものであること。
ア 法令の改正又は国からの通知に伴い改正するもので、東京都としての裁量の余地のないもの
イ 既に協議会に付議された事項と同一の内容であるもの
ウ 字句又は項目の整備に関するもの等の軽易な改正
(2) 財務局長は、社会経済状況、技術開発動向、東京都の施策展開等に的確に対応するため、工事施行水準の向上、各局間での統一的な取組を図ることが必要な場合等は、協議会に付議することができるものであること。
4 実施細目(第40条)
旧規程においては、局長はあらかじめ、知事の承認をえて実施細目を定めることになつていたが、各局間の統一及び調整は基準の作成によつて確保されることになつたので、実施細目の作成にあたつては、知事の承認を要しなくなつたこと。したがつて、局長は、局の工事の実態に応じて工事の円滑な施行を促進するのに必要な事項を規定し、工事施行の効率化を図るとともに、常にその改善に努めること。
(昭62総総文58・平10財営技172・平13財営技191・平19財建技169・一部改正)
第7 経過措置
なお、従前の例によることができる期間は、昭和47年3月31日までであるので局長は上記基準をこの間に可及的速やかに制定し、規程に基づく正規の運用が図られるよう努力しなければならないものであること。
2 この訓令の適用の際旧規程に規定する様式により作成した用紙は、残品のある限り、所用の修正を加えてなお使用することができるものであること。
(昭62総総文58・平19財建技169・平24財建技199・一部改正)