○東京都無料低額宿泊所の設備及び運営の基準に関する条例施行規則

令和元年一二月二五日

規則第一一〇号

東京都無料低額宿泊所の設備及び運営の基準に関する条例施行規則を公布する。

東京都無料低額宿泊所の設備及び運営の基準に関する条例施行規則

(趣旨)

第一条 この規則は、東京都無料低額宿泊所の設備及び運営の基準に関する条例(令和元年東京都条例第八十一号。以下「条例」という。)の施行について必要な事項を定めるものとする。

(用語)

第二条 この規則で使用する用語は、条例で使用する用語の例による。

(設備の基準)

第三条 条例第十一条第三項に規定する規則で定める基準は、次の各号に掲げる設備の区分に応じ、当該各号に定めるとおりとする。

 居室

 一の居室の定員は、一人とすること。ただし、入居者が当該入居者と生計を一にする配偶者その他の親族と同居する場合等、二人以上で入居させることがサービスの提供上必要と認められる場合は、この限りでない。

 地階に設けないこと。

 一の居室の床面積(収納設備を除く。)は、七・四三平方メートル以上とすること。ただし、地域の事情によりこれにより難い場合にあっては、四・九五平方メートル以上とすること。

 居室の扉は、堅固なものとし、居室ごとに設けること。

 出入口は、屋外、廊下又は広間のいずれかに直接面して設けること。

 各居室の間仕切壁は、堅固なものとし、天井まで達していること。

 炊事設備

火気を使用する部分は、不燃材料を用いること。

 洗面所

入居定員に適したものを設けること。

 便所

入居定員に適したものを設けること。

 浴室

 入居定員に適したものを設けること。

 浴槽を設けること。

 洗濯室又は洗濯場

入居定員に適したものを設けること。

(電磁的方法による手続)

第四条 条例第十五条第八項に規定する規則で定める電磁的方法は、次に掲げるものとする。

 電子情報処理組織を使用する方法のうち又はに掲げるもの

 無料低額宿泊所の使用に係る電子計算機と入居申込者の使用に係る電子計算機とを接続する電気通信回線を通じて条例第十五条第一項に規定する重要事項及び同条第二項に規定する事項(以下この条において「重要事項等」という。)を送信し、当該入居申込者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法

 無料低額宿泊所の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された重要事項等を電気通信回線を通じて入居申込者の閲覧に供し、当該入居申込者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該重要事項等を記録する方法(条例第十五条第八項後段に規定する電磁的方法による提供を受ける旨の同意又は同条第十項本文に規定する電磁的方法による提供を受けない旨の申出をする場合にあっては、無料低額宿泊所の使用に係る電子計算機に備えられたファイルにその旨を記録する方法)

 電磁的記録媒体をもって調製するファイルに重要事項等を記録したものを交付する方法

(令六規則三二・一部改正)

(利用料の基準)

第五条 条例第十六条に規定する規則で定める基準は、次の各号に掲げる費用の区分に応じ、当該各号に定めるとおりとする。

 食事の提供に要する費用

食材費及び調理等に関する費用に相当する金額とすること。

 居室使用料

 当該無料低額宿泊所の整備に要した費用、修繕費、管理事務費、地代に相当する額等を基礎として合理的に算定された金額とすること。

 に規定する金額以外に、敷金、権利金、謝金等の金品を受領しないこと。

 共益費

共用部分の清掃、備品の整備等の共用部分の維持管理に要する費用に相当する金額とすること。

 光熱水費

居室及び共用部分に係る光熱水費に相当する金額とすること。

 日用品費

入居者が使用する日用品の購入費に相当する金額とすること。

 基本サービス費

入居者の状況の把握等の業務に係る人件費、事務費等に相当する金額とすること。

 入居者が選定する日常生活上の支援に関するサービスの提供に要する費用

 人件費、事務費等(前号の基本サービス費に係るものを除く。)に相当する金額とすること。

 日常生活支援住居施設として受領する委託費を除くこと。

(日常生活に係る金銭管理の基準)

第六条 条例第二十三条ただし書に規定する規則で定める基準は、次のとおりとする。

 成年後見制度その他の金銭の管理に係る制度を可能な限り活用すること。

 無料低額宿泊所が管理する金銭は、条例第二十三条ただし書に規定する金銭の適切な管理を行うことに支障がある入居者であって、無料低額宿泊所による金銭の管理を希望するもの(以下この条において「金銭管理希望者」という。)に係る金銭及びこれに準ずるもの(これらの運用により生じた収益を含む。以下この条において「金銭等」という。)であって、日常生活を営むために必要な金額に限ること。

 金銭等を無料低額宿泊所が有する他の財産と区分すること。

 金銭管理希望者の意思を尊重して金銭等を管理すること。

 条例第十五条第一項前段に規定する契約とは別に、金銭管理希望者の日常生活に係る金銭等の管理に係る事項のみを内容とする契約を締結すること。

 金銭等の出納を行う場合は、無料低額宿泊所の職員が二人以上で確認を行う等の適切な体制を整備すること。

 金銭管理希望者ごとに金銭等の収支の状況を明らかにする帳簿を整備するとともに、収支の記録について定期的に当該金銭管理希望者に報告を行うこと。

 金銭管理希望者が退居する場合は、速やかに、管理する金銭等を当該金銭管理希望者に返還すること。

 金銭等の詳細な管理方法、金銭管理希望者に対する収支の記録の報告方法等について管理規程を定めること。

 前号の管理規程を定め、又は変更した場合は、知事に届け出ること。

十一 金銭管理希望者が生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第六条第一項に規定する被保護者である場合は、当該金銭管理希望者と第五号に規定する契約を締結し、又は当該契約を変更したときに、福祉事務所にその旨の報告を行うこと。

十二 金銭等の管理の状況について、都の求めに応じて速やかに報告できる体制を整備すること。

(サテライト型住居に係る基準)

第七条 条例第三十一条第三項に規定する規則で定める基準は、次の各号に掲げる職員の配置の区分に応じ、当該各号に定めるとおりとする。

 条例第五条第一項及び第三項の要件を満たす者が施設長のみ 四以下

 条例第五条第一項及び第三項の要件を満たす者が施設長のほか一人以上 八以下

2 条例第三十一条第四項に規定する規則で定める基準は、次の各号に掲げる職員の配置の区分に応じ、当該各号に定めるとおりとする。

 条例第五条第一項及び第三項の要件を満たす者が施設長のみ 二十人以下

 条例第五条第一項及び第三項の要件を満たす者が施設長のほか一人以上 四十人以下

(施行期日)

1 この規則は、令和二年四月一日から施行する。ただし、第七条の規定は、令和四年四月一日から施行する。

(経過措置)

2 この規則の施行の際現に生活困窮者等の自立を促進するための生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律(平成三十年法律第四十四号)第五条の規定による改正前の社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)第六十九条第一項の規定による届出がなされている無料低額宿泊所(次項において「届出済みの無料低額宿泊所」という。)が、事業の用に供している建物(基本的な設備が完成しているものを含み、この規則の施行後に増築され、又は全面的に改築された部分を除く。)については、この規則の施行の日から起算して三年を経過する日までの間、第三条第一号イ及びからまでの規定は、適用しない。

3 届出済みの無料低額宿泊所が、平成二十七年六月三十日において事業の用に供していた建物(基本的な設備が完成していたものを含み、同年七月一日以後に増築され、又は全面的に改築された部分を除く。)の居室のうち、第三条第一号ハに規定する基準を満たさないものについては、同号ハの規定にかかわらず、当分の間、次に掲げる事項を満たすことを条件として、無料低額宿泊所としての利用に供することができる。

 居室の床面積は、収納設備等を除き、三・三平方メートル以上とすること。

 入居予定者に対し、あらかじめ、居室の床面積が第三条第一号ハに規定する基準を満たさないことを記した文書を交付して説明を行い、同意を得ること。

 入居者の寝具及び身の回り品を各人別に収納することができる収納設備を設けること。

 条例第十一条第四項第一号の規定にかかわらず、共用室を設けること。

 居室の床面積の改善についての計画を、都と協議の上作成すること。

 前号の規定により作成した計画を都に提出するとともに、段階的かつ計画的に第三条第一号ハに規定する基準を満たすよう必要な改善を行うこと。

4 前項の建物については、同項第六号の規定による必要な改善が行われない限り、新たな居室を増築してはならない。

(令和六年規則第三二号)

この規則は、公布の日から施行する。

東京都無料低額宿泊所の設備及び運営の基準に関する条例施行規則

令和元年12月25日 規則第110号

(令和6年3月28日施行)