○東京都特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する条例

令和二年四月二二日

条例第五四号

〔東京都における新型コロナウイルス感染症のまん延の影響を受けた者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する条例〕を公布する。

東京都特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する条例

(令二条例六〇・改称)

(趣旨)

第一条 この条例は、東京都特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るため、東京都特定非常災害が発生した場合における行政上の権利利益に係る満了日の延長及び履行されなかった義務に係る免責について定めるものとする。

(令二条例六〇・一部改正)

(東京都特定非常災害及びこれに対し適用すべき措置の指定)

第二条 著しく異常かつ激甚な非常災害であって、当該非常災害の被害者の行政上の権利利益の保全等を図るための措置を講ずることが特に必要と認められるものが発生した場合には、当該非常災害を東京都特定非常災害として東京都規則(以下「規則」という。)で指定するものとする。この場合において、当該規則には、当該東京都特定非常災害が発生した日を東京都特定非常災害発生日として定めるものとする。

2 前項の規則においては、次条以下に定める措置のうち当該東京都特定非常災害に対し適用すべき措置を指定しなければならない。当該指定の後、新たにその余の措置を適用する必要が生じたときは、当該措置を規則で追加して指定するものとする。

(令二条例六〇・追加)

(行政上の権利利益に係る満了日の延長に関する措置)

第三条 次に掲げる権利利益(以下「特定権利利益」という。)に係る条例、規則、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第百三十八条の四第二項の規程、地方公営企業法(昭和二十七年法律第二百九十二号)第十条の企業管理規程又はこれらに基づく告示(以下「条例等」という。)の施行に関する事務を所管する都の機関(東京都行政手続条例(平成六年東京都条例第百四十二号)第二条第一項第五号に規定するものをいう。以下同じ。)の長は、東京都特定非常災害の被害者の特定権利利益であってその存続期間が満了前であるものを保全し、又は当該特定権利利益であってその存続期間が既に満了したものを回復させるため必要があると認めるときは、東京都特定非常災害発生日から起算して六月を超えない範囲内において規則で定める日(以下「延長期日」という。)を限度として、これらの特定権利利益に係る満了日を延長する措置をとることができる。

 条例等に基づく行政庁の処分(東京都特定非常災害発生日以前に行ったものに限る。)により付与された権利その他の利益であって、その存続期間が東京都特定非常災害発生日以後に満了するもの

 条例等に基づき何らかの利益を付与する処分その他の行為を当該行為に係る権限を有する都の機関等(都の機関並びに特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例(平成十一年東京都条例第百六号)市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例(平成十一年東京都条例第百七号)及び東京都教育委員会の事務処理の特例に関する条例(平成十一年東京都条例第百十五号)の規定により知事又は東京都教育委員会の権限に属する事務の一部を処理することとされた特別区及び市町村の機関をいう。)に求めることができる権利であって、その存続期間が東京都特定非常災害発生日以後に満了するもの

2 前項の規定による延長の措置は、告示により、当該措置の対象となる特定権利利益の根拠となる条例等の条項ごとに、地域を単位として、当該措置の対象者及び当該措置による延長後の満了日を指定して行うものとする。

3 第一項の規定による延長の措置のほか、同項第一号の行政庁又は同項第二号の都の機関等(以下「行政庁等」という。)は、東京都特定非常災害の被害者であって、その特定権利利益について保全又は回復を必要とする理由を記載した書面により満了日の延長の申出を行ったものについて、延長期日までの期日を指定してその満了日を延長することができる。

4 延長期日が定められた後、第一項又は前項の規定による満了日の延長の措置を延長期日の翌日以後においても特に継続して実施する必要があると認められるときは、第一項の都の機関の長又は行政庁等は、同項又は前項の例に準じ、特定権利利益の根拠となる条例等の条項ごとに新たに規則で定める日を限度として、当該特定権利利益に係る満了日を更に延長する措置をとることができる。

5 前各項の規定にかかわらず、災害その他やむを得ない事由がある場合における特定権利利益に係る期間に関する措置について他の条例等に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

(令二条例六〇・旧第二条繰下・一部改正)

(期限内に履行されなかった義務に係る免責に関する措置)

第四条 東京都特定非常災害発生日以後に条例等に規定されている履行期限が到来する義務(以下「特定義務」という。)であって、東京都特定非常災害により当該履行期限が到来するまでに履行されなかったものについて、その不履行に係る行政上及び刑事上の責任(過料に係るものを含む。以下単に「責任」という。)が問われることを猶予する必要があるときは、規則で、東京都特定非常災害発生日から起算して四月を超えない範囲内において特定義務の不履行についての免責に係る期限(以下「免責期限」という。)を定めることができる。

2 免責期限が定められた場合において、免責期限が到来する日の前日までに履行期限が到来する特定義務が免責期限が到来する日までに履行されたときは、当該特定義務が東京都特定非常災害により履行されなかったことについて、責任は問われないものとする。

3 免責期限が定められた後、前二項に定める免責の措置を免責期限が到来する日の翌日以後においても特に継続して実施する必要があると認められるときは、規則で、特定義務の根拠となる条例等の条項ごとに、新たに、当該特定義務の不履行についての免責に係る期限を定めることができる。この場合において、当該特定義務が当該期限が到来する日までに履行されたときは、当該特定義務が東京都特定非常災害により履行されなかったことについて、責任は問われないものとする。

4 前三項の規定にかかわらず、特定義務が災害その他やむを得ない事由によりその履行期限が到来するまでに履行されなかった場合について他の条例等に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

(令二条例六〇・旧第三条繰下・一部改正)

(新型インフルエンザ等のまん延の影響を受けた者の権利利益の保全等)

第五条 前三条の規定は、新型インフルエンザ等対策特別措置法(平成二十四年法律第三十一号)第三十二条第一項に規定する新型インフルエンザ等緊急事態(新型インフルエンザ等が全国的かつ急速にまん延し、国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼしている場合に限る。)について準用する。この場合において、第二条の見出し中「東京都特定非常災害」とあるのは「東京都特定新型インフルエンザ等緊急事態」と、同条第一項中「非常災害の被害者」とあるのは「新型インフルエンザ等のまん延の影響を受けた者」と、「東京都特定非常災害として」とあるのは「東京都特定新型インフルエンザ等緊急事態として」と、「東京都特定非常災害が」とあるのは「東京都特定新型インフルエンザ等緊急事態が」と、「東京都特定非常災害発生日」とあるのは「東京都特定新型インフルエンザ等緊急事態発生日」と、同条第二項中「東京都特定非常災害」とあるのは「東京都特定新型インフルエンザ等緊急事態」と、第三条第一項中「東京都特定非常災害の被害者」とあるのは「東京都特定新型インフルエンザ等緊急事態における新型インフルエンザ等のまん延の影響を受けた者」と、「東京都特定非常災害発生日」とあるのは「東京都特定新型インフルエンザ等緊急事態発生日」と、同条第三項中「東京都特定非常災害の被害者」とあるのは「東京都特定新型インフルエンザ等緊急事態における新型インフルエンザ等のまん延の影響を受けた者」と、第四条第一項中「東京都特定非常災害発生日」とあるのは「東京都特定新型インフルエンザ等緊急事態発生日」と、同項から同条第三項までの規定中「東京都特定非常災害に」とあるのは「東京都特定新型インフルエンザ等緊急事態に」と読み替えるものとする。

(令二条例六〇・追加)

この条例は、公布の日から施行する。

(令二条例六〇・旧附則・一部改正、令三条例五八・旧第一項・一部改正)

(令和二年条例第六〇号)

1 この条例は、公布の日から施行する。

2 この条例による改正前の東京都における新型コロナウイルス感染症のまん延の影響を受けた者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する条例(以下「改正前の条例」という。)第二条及び第三条の規定並びにこれらの規定によりした処分、手続その他の行為は、改正前の条例の施行の際現に発生している新型コロナウイルス感染症(新型インフルエンザ等対策特別措置法(平成二十四年法律第三十一号)附則第一条の二第一項に規定するものをいう。)のまん延について、なお効力を有する。

(令和三年条例第五八号)

この条例は、公布の日から施行する。

東京都特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する条例

令和2年4月22日 条例第54号

(令和3年6月14日施行)