○東京都環境影響評価事後調査基準

平成一一年七月二三日

告示第八九四号

なお、改定後の東京都環境影響評価事後調査基準は、平成十二年六月十二日以後に同条第一項の規定により事後調査計画書が提出される対象事業の事後調査について適用し、同日前に事後調査計画書が提出される対象事業の事後調査については、なお従前の例による。ただし、同日前に事後調査計画書が提出される対象事業の事後調査であっても改定後の東京都環境影響評価事後調査基準によることを妨げない。

東京都環境影響評価事後調査基準

東京都環境影響評価事後調査基準(以下「事後調査基準」という。)は、東京都環境影響評価条例(昭和55年東京都条例第96号。以下「条例」という。)第65条第3項の規定に基づき事後調査計画書の作成方法を定めるものであり、事業者が事後調査を実施するに当たっては、この事後調査基準により行うものとする。

第1章 事後調査の計画

事後調査は、対象事業に係る工事の施行中及び工事の完了後において、以下に定めるところにより計画する。

1 調査項目

調査項目は、環境影響評価書(以下「評価書」という。)に記載した環境影響評価の項目(以下「予測・評価項目」という。)とする。

2 調査事項

調査事項は、評価書に記載した予測事項(以下「予測した事項」という。)の状況、事後調査実施時における予測条件の状況及び環境保全のための措置(以下「環境保全措置」という。)の実施状況とする。ただし、予測条件の状況は、予測した事項の調査結果を検討するために必要と認められるものについて調査する。また、環境保全措置の実施状況は、必要に応じて、予測・評価項目以外の項目に関するものについても調査する。

3 調査地域

調査地域は、評価書に記載した予測地域とする。

4 調査手法

調査は、現地調査又は既存資料の整理、解析の方法により、次のとおり実施するものとする。

(1) 調査時点

調査時点は、評価書に記載した予測の対象時点とする。ただし、工事の施行中に係る事後調査においては、工種、工期等を考慮し、評価書に記載した予測の対象時点のうちから調査時点を選定することができる。

(2) 調査地点

調査地点は、評価書に記載した予測地点とする。ただし、濃度分布など、環境影響を面的に予測し、その状況について現地調査を行う場合は、予測地域内に代表的地点を設定して調査地点とすることができる。

(3) 調査方法

現地調査又は既存資料の整理・解析による調査方法は、評価書の作成に当たって用いた方法とする。ただし、評価書の作成に当たって用いた方法によることが困難な場合は、同等以上の結果が得られる方法を用いることができる。

5 事後調査計画書の作成

(1) 事後調査計画書の構成

事後調査計画書は、前項までに定めるところにより、東京都環境影響評価条例施行規則(昭和56年東京都規則第134号。以下「規則」という。)別表第11の構成基準に基づいて作成する。

(2) 記述に当たっての留意点

事後調査計画書の各構成項目の記述に当たっては、次のことに留意する。

ア 対象事業の目的及び内容

対象事業の目的及び内容は、評価書提出後に具体化した内容を踏まえて簡潔に記述する。

イ 施工計画及び供用の計画

施工計画及び供用の計画は、評価書提出後に具体化した内容を踏まえ、対象事業の内容のうち、環境影響要因及び予測条件に関係する部分を分かりやすく整理して記述する。

ウ 事後調査の計画

(ア) 事後調査の計画は、調査項目ごとに、工事の施行中と工事の完了後に区分し、調査事項、調査地域及び調査手法を整理して記述する。

(イ) 調査地域及び調査地点は、必要に応じてそれらを明示した地図を掲載し、分かりやすく記述する。

(ウ) 予測・評価項目以外の項目に関する環境保全措置の実施状況を調査する場合は、調査内容をその他の調査としてまとめて記述する。

(エ) 各調査項目の調査事項、調査時点及び報告書の作成計画を一覧できるように整理した工程表を作成して記載する。

第2章 事後調査の実施及び調査結果の報告

1 事後調査の実施

事後調査は、事後調査計画書に基づき、次のことに留意して実施する。

(1) 現地調査は、評価書に記載した予測条件及び現地調査の調査条件と類似の条件で行うように努める。

(2) 既存資料の整理・解析に当たっては、直近の資料を得るように努める。

(3) 計画した調査地域以外に影響が及ぶことが明らかに認められる場合には、その地域も調査地域とし、必要に応じて調査地点を追加する。

(4) 評価書に記載した環境保全措置に加えて新たな環境保全措置を講じた場合は、その実施状況及び効果を調査する。

2 調査結果の整理

調査結果は、評価書に記載した予測結果及び評価の指標と対比するとともに、予測条件の状況なども合わせて対比して整理する。

3 調査結果の検討

前項の調査結果の整理に基づき、調査結果と予測結果を比較検討する。調査結果が予測結果と異なった場合には、その原因を考察し、対象事業の実施が環境に著しい影響を及ぼしていると認められる場合には、環境保全措置の強化を検討する。

4 工事の施行中に係る事後調査報告書の作成

(1) 事後調査報告書の構成

工事の施行中に係る事後調査報告書は、規則別表第12の第1に示す構成基準に基づき、別記様式により作成する。ただし、以下に例示するような場合は、必要に応じて、「5 工事の完了後に係る事後調査報告書の作成」に準じて事後調査報告書を作成する。

ア 住宅団地の建替事業のように、工期を区分して施設の建設を行い、完成した部分から段階的に供用する場合

イ 廃棄物最終処分場の設置事業のように、工事を行いつつ順次供用する場合

ウ 埋立て又は干拓事業のように、工事の施行によって主な環境影響が発生する場合

(2) 記述に当たっての留意点

工事の施行中に係る事後調査報告書の別記様式の各欄の記述に当たっては、次のことに留意する。

ア 対象事業の内容の概略

対象事業の内容の概略は、工事の着手後に具体化した内容を踏まえて簡潔に記述する。

イ 事後調査の進行状況

事後調査の進行状況は、すべての事後調査報告書の調査項目、報告書提出時期等を一覧できるように整理した工程表を作成して添付する。

ウ 事後調査の結果

(ア) 調査地域及び調査地点

調査地域及び調査地点は、必要に応じてそれらを記載した地図等を添付し、分かりやすく記述する。

(イ) 調査方法

調査方法は、準拠した日本産業規格の規格番号や使用した計測機器などを具体的に記述し、必要に応じて調査条件の状況について図や写真等を用いて記述する。

(ウ) 調査結果

① 調査結果は、調査結果の整理に基づき、分かりやすく簡潔に記述する。

② 環境保全措置の実施状況について、必要に応じて、簡潔に記述する。

③ 工事の施行に関係して苦情が寄せられた場合は、その内容及び対応の状況を簡潔に記述する。

④ 調査結果が予測結果と異なった場合等は、その原因を考察し、考察内容を記述する。

エ その他

複数の調査項目について、調査結果を合わせて報告する場合は、各調査項目ごとに事後調査の結果を記載する。

5 工事の完了後に係る事後調査報告書の作成

(1) 事後調査報告書の構成

工事の完了後に係る事後調査報告書は、規則別表第12の第2に示す構成基準に基づいて作成する。

(2) 記述に当たっての留意点

工事の完了後に係る事後調査報告書の各構成項目の記述に当たっては、次のことに留意する。

ア 対象事業の内容の概略

対象事業の内容の概略は、事業の完了及び供用により確定した内容を簡潔に記述する。

イ 対象事業の目的及び内容等

対象事業の目的及び内容は、事業の完了及び供用により確定した内容を記述し、必要に応じて事業の位置図、施設配置図、立面図等を記載する。

評価書提出後の手続等の経過は、主な許認可等の状況、条例手続の状況及び供用の状況について簡潔に記述する。

ウ 環境保全措置の実施状況

環境保全措置の実施状況は、予測・評価項目に関するもの及びそれ以外の項目に関するものについて、すべて一覧できるように整理して記述し、必要に応じて写真等を掲載する。

なお、評価書に記載した環境保全措置に加えて新たな環境保全措置を講じた場合には、その実施状況についても記述する。

また、工事の施行、対象事業の供用等に関係して苦情が寄せられた場合は、その内容及び対応の状況を簡潔に記述する。

エ 事後調査結果の概略

各調査項目の調査結果の概略を一覧できるように整理して記載する。

オ 事後調査の進行状況

事後調査の進行状況は、すべての事後調査報告書の調査項目、報告書提出時期等を一覧できるように整理した工程表を作成して掲載する。

カ 事後調査の結果

(ア) 調査方法等

調査方法等は、調査地域、調査時点、調査地点及び調査方法を記載する。

① 調査地域及び調査地点

調査地域及び調査地点は、必要に応じてそれらを記載した地図等を掲載し、分かりやすく記述する。

② 調査方法

調査方法は、準拠した日本産業規格の規格番号や使用した計測機器などを具体的に記述し、必要に応じて調査条件の状況について図や写真等を用いて記述する。

(イ) 調査結果

① 調査結果は、調査結果の整理に基づき、分かりやすく記述する。

② 現地調査の実測値や既存資料の収集結果等で膨大な量のものは、資料編として巻末に掲載する。

(ウ) 調査結果の検討

調査結果の検討は、調査結果の整理に基づき、調査結果と予測結果を比較検討した結果等を分かりやすく記述する。

キ その他

事後調査計画書に記載した調査以外の調査を行った場合は、調査結果をその他の調査として記述する。

6 事後調査報告書の提出

(1) 工事の施行中に係る事後調査報告書の提出

工事の施行中に係る事後調査報告書は、調査項目ごと及び調査時点ごとに作成し、調査の終了後おおむね30日以内に提出するものとする。ただし、複数の調査項目について、調査時点が一致する場合は、それらの調査結果を合わせて報告書を作成して提出することができる。

(2) 工事の完了後に係る事後調査報告書の提出

工事の完了後に係る事後調査報告書は、調査時点が近いすべての調査項目について、その結果を合わせて作成し、調査の終了後遅滞なく提出するものとする。ただし、調査期間が長期にわたる調査項目等については、他の調査項目とは別に報告書を作成して提出することができる。

(平成一四年告示第一三五五号)

この告示は、平成十五年一月一日から施行する。

(令和元年告示第一八二号)

1 この告示は、令和元年七月一日から施行する。

2 この告示の施行の際、この告示による改正前の東京都環境影響評価事後調査基準の様式(この告示により改正されるものに限る。)による用紙で、現に残存するものは、所要の修正を加え、なお使用することができる。

画像画像

東京都環境影響評価事後調査基準

平成11年7月23日 告示第894号

(令和元年7月1日施行)

体系情報
第9編 環境保全/第4章 環境影響評価
沿革情報
平成11年7月23日 告示第894号
平成14年12月6日 告示第1355号
令和元年6月28日 告示第182号