○東京都地球温暖化対策指針

平成二一年六月二六日

告示第九八九号

平成十七年東京都告示第六百号(東京都地球温暖化対策指針)の全部を次のように改正する。

東京都地球温暖化対策指針

総則

第1 目的

この指針は、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例(平成12年東京都条例第215号。以下「条例」という。)第5条の4第1項に基づき、温室効果ガス排出事業者(以下「事業者」という。)が取り組むべき地球温暖化の対策の推進体制の整備、温室効果ガス排出量等の把握、地球温暖化対策計画書及び地球温暖化対策報告書等を作成するための方法等について定めるものであり、東京都及び各事業者が相互に連携を図りながら、実効性ある地球温暖化の対策を継続的に推進することにより、東京都内の温室効果ガス排出量の確実な削減を実現することを目的とする。

第2 用語の定義

この指針において使用する用語は、特段の定めがある場合を除き、条例及び都民の健康と安全を確保する環境に関する条例施行規則(平成13年東京都規則第34号。以下「規則」という。)において使用する用語の例による。

第3 東京都及び事業者の役割

東京都及び各事業者は、それぞれ次の役割を担うことを基本とし、相互に連携を図りながら、この指針に基づき地球温暖化の対策を継続的に推進するものとする。

1 東京都の役割

(1) 温室効果ガスの排出削減に向けた施策の推進

知事は、都内の温室効果ガスの排出状況を踏まえ、その削減目標を適切に設定し、目標達成に向けた実効性ある施策を総合的に推進するものとする。

(2) 温室効果ガスの排出削減に資する情報提供

知事は、事業者が実効性ある地球温暖化の対策を継続的に推進することができるよう、事業活動に伴う温室効果ガスの排出量の把握及びその削減等のための措置の実施に資する情報並びに地球温暖化の対策の推進の程度が特に優れている事業所等の情報の提供に努めるものとする。

(3) 地球温暖化の対策の推進に係る事業者への指導・助言

知事は、地球温暖化の対策の推進の程度がこの指針に照らして不十分と認める場合に、指導・助言を行うことができる。

(4) 地球温暖化の対策の推進が著しく不十分な事業者への勧告

知事は、第1編第6 6及び第2編第5 11に基づき勧告を行う場合のほか、次のアからオまでに該当する場合など、事業者が取り組む地球温暖化の対策の推進の程度が、この指針に照らして著しく不十分であり、かつ(3)に定める指導・助言を行ったにもかかわらず正当な理由なく従わないときは、条例第5条の6に基づき、専門的知識を有する者の意見を聴いて、当該事業者に対し、必要な措置を実施するよう勧告することができる。

ア 地球温暖化の対策の推進のために必要な組織体制の整備を怠る場合

イ 電気若しくは都市ガスの使用量など自ら把握可能なエネルギー使用量又はこれに対応する温室効果ガス排出量の把握を怠る場合

ウ 技術的かつ経済的に実施可能な温室効果ガスの排出削減等のための措置を怠る場合

エ 他の事業者がその事業活動に伴い排出される温室効果ガスの量の把握又はその削減等のための措置を実施するに当たり、これに必要な協力を当該他の事業者から求められたにもかかわらず、技術的かつ経済的に実施可能な協力を行わない場合

オ 他の事業者がその事業活動に伴い排出される温室効果ガス排出量の把握又はその削減等のための措置を実施するに当たり、これを故意に妨げる場合

2 事業者の役割

(1) 自らの事業活動に伴い排出される温室効果ガスの削減等

事業者は、自らの事業活動に伴い排出される温室効果ガスの量の把握及びその削減等のための措置を継続的に実施するよう努めなければならない。

(2) 他の事業者の事業活動に伴い排出される温室効果ガスの削減等への協力

事業者は、他の事業者が取り組む当該他の事業者自らの事業活動に伴い排出される温室効果ガスの量の把握及びその削減等のための措置の実施に対し、必要な協力を行うよう努めなければならない。

(3) 東京都が実施する施策への協力

事業者は、東京都が実施する温室効果ガスの排出削減のための施策について把握及び理解に努め、効果的に施策が実施されるよう協力しなければならない。

第1編 大規模事業所における地球温暖化の対策の推進

第1 総量削減義務の設定方針

条例第5条の11第1項の義務(以下「総量削減義務」という。)に関し、知事は、削減義務率を、次の方針により決定した。

1 東京都の温室効果ガス削減目標

東京都は、東京都環境基本条例(平成6年東京都条例第92号)に基づき、令和4年9月に策定した「東京都環境基本計画」において「2030年までに、東京の温室効果ガス排出量を2000年比で50%削減する」こと(カーボンハーフ)を定めるとともに、部門別のCO2排出量については、産業・業務部門において、2030年までに「エネルギー起源CO2排出量を2000年比で50%程度削減する」と定めた。

なお、東京の温室効果ガス排出量の90%は、エネルギー起源CO2である(2020年度時点)

2 大規模事業所への温室効果ガス総量削減義務と排出量取引制度における2030年度時点でのCO2排出量削減目標の設定

大規模事業所への温室効果ガス総量削減義務と排出量取引制度におけるエネルギー起源CO2の排出削減目標は、東京全体の削減目標(2030年までに、東京の温室効果ガス排出量を2000年比で50%削減する)を達成する観点から検討し、設定した。

東京全体の削減目標を達成するために必要な産業・業務部門の削減目標(2030年までに、エネルギー起源CO2排出量を2000年比で50%程度削減する水準である13.8百万トン(電気のCO2排出係数0.250t-CO2/千kWhを用いて算出した値))を達成するため、本制度の対象事業所である大規模事業所における2030年度の排出上限目標量は、5.9百万トンとなる。

なお、排出上限目標量は、東京都全体の削減目標と同様に、電気のCO2排出係数を0.250t-CO2/千kWhとして算出している。

3 総量削減目標の設定

温室効果ガス総量削減義務と排出量取引制度においては、5年間の削減計画期間が設定され、5年間の排出総量の削減が目標となる。

総量削減目標の設定に際しては、第3計画期間(令和2年度から令和6年度までの削減計画期間をいう。以下同じ。)を「脱炭素社会を見据えた『省エネの継続』と『再エネ利用拡大』の両輪により削減を推進するための転換始動期」と位置付け、これまでの省エネルギー対策(エネルギーの使用の合理化によりエネルギーの消費に伴う温室効果ガスの排出の量を抑制する地球温暖化の対策をいう。以下同じ。)を継続させるとともに、再生可能エネルギーの一層の利用拡大を図る。

第4計画期間(令和7年度から令和11年度までの削減計画期間をいう。以下同じ。)では、「2030年カーボンハーフ」とその先の「ゼロエミッション東京」(2050年までの世界の温室効果ガス排出量の実質ゼロに貢献する)の実現を見据え、省エネルギー対策の更なる深掘りと再生可能エネルギーの利用拡大により、更なる削減を推進する。

この観点から、大規模事業所における各削減計画期間の総量削減目標を次のとおり設定した。

なお、各削減計画期間の総量削減目標は、第3計画期間の開始の日より後に、新たに指定地球温暖化対策事業所となる事業所の排出量等を含めて設定している。

(1) 第3計画期間の総量削減目標

既存事業所(総量削減義務の適用日(平成22年4月1日)における指定地球温暖化対策事業所をいう。以下同じ。)の基準排出量(*1)の合計量から25%削減するものとする。この目標を達成するためには、既存事業所全体で27%削減が必要となる(*2)

(2) 第4計画期間の総量削減目標

既存事業所の基準排出量(*1)の合計量から48%削減するものとする。この目標を達成するためには、既存事業所全体で50%削減が必要となる(*2)

*1 指定地球温暖化対策事業所(特定地球温暖化対策事業所を除く。)については、基準排出量に相当する量として2009年度における特定温室効果ガス年度排出量を基準排出量とみなす。

*2 既存事業所の総量削減目標は、基準排出量の変更に伴う増減量及び優良特定地球温暖化対策事業所への認定による削減義務率の減少に伴う増加量を考慮して設定している。

第2 地球温暖化の対策の推進体制

1 組織体制の整備

(1) 指定地球温暖化対策事業者

指定地球温暖化対策事業者は、事業活動における地球温暖化の対策を着実かつ効果的に推進するため、次に掲げる事項を行うための組織体制を整備し、当該事項を着実に実施するものとする。

ア 地球温暖化の対策の実施に関する目標、実施方針、計画等の作成

イ 地球温暖化の対策の実施及び進行管理

ウ 地球温暖化の対策の効果の確認及び検証

エ 地球温暖化の対策の見直し

オ 温室効果ガス排出量及び温室効果ガス排出量を算定する基となるエネルギー使用量等の記録並びに当該エネルギー使用量等を証する書類の管理

カ 事業所におけるエネルギー消費設備・機器の稼働状況、エネルギーの使用に関する数値等を定期的に記録する管理台帳の整理

キ オ及びカに掲げるもののほか、事業所におけるエネルギー消費設備・機器の運転及び保全についての適正な管理

ク 事業所の構成員、来所者及びその事業活動に係る他の事業者などに対する地球温暖化の対策に関する理解及び認識を深めるための地球温暖化の対策に関する普及啓発及び教育活動の実施

ケ 地球温暖化の対策の実施のための予算の管理

(2) 特定地球温暖化対策事業者

特定地球温暖化対策事業者は、事業活動における地球温暖化の対策を着実かつ効果的に推進するとともに、温室効果ガス排出量を管理し、必要に応じて振替可能削減量の振替(以下「排出量取引」という。)を実施して、総量削減義務を履行するため、(1)に掲げる事項に加え、次に掲げる事項を行うための組織体制を整備するものとする。

ア 地球温暖化の対策の実施による排出量の削減見込を踏まえた、排出量取引により取得する必要がある振替可能削減量又は排出量取引により移転することができる振替可能削減量の予測その他の管理

イ 他の事業者との排出量取引の実施に関する連絡、調整、契約等

ウ 排出量取引の実施のための予算の管理

2 組織体制の構成

(1) 指定地球温暖化対策事業者

指定地球温暖化対策事業者は、条例第6条の2第1項及び第2項の規定により、指定地球温暖化対策事業所ごとに、統括管理者及び技術管理者を選任しなければならない。また、当該事業所の規模に応じて地球温暖化の対策を効率的に推進できる単位ごとに、推進責任者及び推進員を選任するものとする。

指定地球温暖化対策事業者(指定地球温暖化対策事業者が法人その他の団体である場合にあっては、具体的には、当該団体の代表者、役員その他の経営に従事している者。以下2において同じ。)は、条例第6条の2第3項の規定により、地球温暖化の対策の推進に関し、統括管理者の意見及び技術管理者の技術的助言を尊重しなければならず、また、当該助言を踏まえて地球温暖化の対策を推進するために適切な判断を行うよう努めなければならない。

(2) 統括管理者

統括管理者は、技術管理者の助言を尊重し、次に掲げる職務を行うものとする。

ア 地球温暖化の対策の目標、計画の決定及び見直し

イ 地球温暖化の対策の実施状況の把握及び効果の検証

ウ 従業員への地球温暖化の対策に関する指導及び監督

エ 指定地球温暖化対策事業者への意見の申出

(3) 技術管理者

技術管理者は、指定地球温暖化対策事業者及び統括管理者に対して地球温暖化の対策の推進に関する技術的な助言を継続的に行うものとする。具体的な地球温暖化の対策の実施に当たっては、推進責任者及び推進員に対して技術的な助言を行うものとする。

助言に当たっては、設備導入対策(エネルギー消費設備・機器の改修及びより効率の高いエネルギー消費設備・機器の導入に係る対策をいう。以下同じ。)に限らず、運用対策(エネルギー消費設備・機器の運用改善に係る対策(冷暖房設定温度の緩和のための軽装の奨励等間接的にエネルギー消費設備・機器の運用改善となる対策を含む。)をいう。以下同じ。)、設備保守対策(エネルギー消費設備・機器の清掃、部品交換等により設備・機器の機能を維持する対策をいう。以下同じ。)及びエネルギーの脱炭素化に向けた取組(使用するエネルギーの非化石化及び排出係数の低い電気や熱等の利用等の取組をいう。以下同じ。)についても積極的に行うよう努めなければならない。

(4) 推進責任者

推進責任者は、指定地球温暖化対策事業者若しくは統括管理者の指示又は技術管理者の助言に従い、個別の対策又は各部署における対策の責任者として推進員へ対策の実施を指示し、その進行管理を行うものとする。

(5) 推進員

推進員は、各推進責任者の指示又は技術管理者の助言に従い、対策を実施するものとする。

3 統括管理者及び技術管理者の選任等

(1) 統括管理者

統括管理者は、指定地球温暖化対策事業者の役員又は従業員の中から選任するものとする。ただし、指定地球温暖化対策事業者が投資法人、特定目的会社等であって、地球温暖化の対策に係る業務を統括する部署及び当該部署に所属する従業員が指定地球温暖化対策事業者の中にいないと知事が認める場合にあっては、指定地球温暖化対策事業者の役員又は従業員以外の外部の者を選任することができる。

(2) 技術管理者

技術管理者については、指定地球温暖化対策事業者の役員又は従業員以外の外部の者を選任することができる。

(3) 技術管理者の兼任

技術管理者の兼任は、次に掲げる基準をいずれも満たす場合に限り認められる。

ア 当該技術管理者が兼任する指定地球温暖化対策事業所の数が、5以下であること。

イ 当該技術管理者が管理する指定地球温暖化対策事業所において、当該技術管理者は、事業所におけるエネルギー消費設備・機器の運転及び保全についての情報を収集し、2(3)に規定する技術的な助言を指定地球温暖化対策事業者、統括管理者等に行う機会を毎月1回以上設けること。

4 テナント等事業者がいる指定地球温暖化対策事業所における体制

指定地球温暖化対策事業者以外に、指定地球温暖化対策事業所の全部又は一部を使用するテナント等事業者がいる場合においては、指定地球温暖化対策事業者は、条例第7条第1項の規定により、当該テナント等事業者との協力推進体制を整備しなければならない。

協力推進体制とは、次に掲げる行動を確保する体制とする。

(1) 指定地球温暖化対策事業者及びテナント等事業者が集まり、地球温暖化の対策の推進に関し、現状の確認、対策の周知、課題の提示、改善案の作成等を行う会議を定期的に開催する(テナント等事業者の数が多く、全てのテナント等事業者の会議への参画が困難である場合等においては、指定地球温暖化対策事業所の温室効果ガス排出量に与える影響が小さいテナント等事業者を除くことができる。)

(2) 指定地球温暖化対策事業者とテナント等事業者とは、協議の上、地球温暖化の対策の推進に関し、指定地球温暖化対策事業所の運用に係る規程を作成し、当該規程を遵守する。

(3) 指定地球温暖化対策事業者は、テナント等事業者ごとのエネルギー使用量の把握(推計による把握を含む。)に努め、かつ、当該エネルギー使用量をテナント等事業者に通知する。

当該通知を受けたテナント等事業者は、エネルギー使用量の低減に努める。

(4) テナント等事業者は、独自にエネルギー供給会社と契約している場合には、供給を受けているエネルギーの使用量に係る情報を指定地球温暖化対策事業者へ提供する。これを受け、指定地球温暖化対策事業者は、指定地球温暖化対策事業所全体の温室効果ガス排出量を把握する。

第3 温室効果ガス排出量等の把握

1 排出量の把握対象

指定地球温暖化対策事業者は、条例第5条の25の規定により、毎年度、指定地球温暖化対策事業所内における事業活動(指定地球温暖化対策事業者以外のテナント等事業者が行うものを含む。)に伴い排出される特定温室効果ガス(工場のフォークリフト等事業所の区域内のみで使用される自動車の運行に伴い排出されるものを含む。)及びその他ガスの前年度の排出量を算定し、その推移を継続的に把握しなければならない。

2 排出量の算定方法

温室効果ガス排出量の算定方法は、規則別表第1並びに知事が別に定める特定温室効果ガス排出量算定ガイドライン及びその他ガス排出量算定ガイドラインによるものとする。

指定地球温暖化対策事業者が行う温室効果ガス排出量の算定は、総量削減義務の基となるものであることから、これらのガイドラインに定める方法以外の方法によることはできない。

3 再生可能エネルギー及び非化石燃料の量の把握

指定地球温暖化対策事業者は、条例第5条の25の規定により、毎年度、指定地球温暖化対策事業所内における事業活動(指定地球温暖化対策事業者以外のテナント等事業者が行うものを含む。)で使用される再生可能エネルギー及び非化石燃料の量を確認し、その推移を継続的に把握しなければならない。把握する再生可能エネルギー及び非化石燃料の対象は、知事が別に定める特定温室効果ガス排出量算定ガイドラインによるものとする。

第4 計画的な地球温暖化の対策の推進

1 温室効果ガス排出量の削減に係る目標の設定

(1) 目標を定める範囲

指定地球温暖化対策事業者は、条例第5条の24第1項及び規則第4条の22の規定により、指定地球温暖化対策事業所ごとに、温室効果ガス排出量の削減を進めるための定量的な目標を定めるものとする。

特定温室効果ガスの削減量にその他ガス削減量及び振替可能削減量の利用を加えて算定される算定排出削減量並びに再生可能エネルギーの利用についての定量的な目標は必ず定めるものとする。

その他ガスの排出量が大きい事業所は、当該排出量についての目標を定めるよう努めなければならない。特に、当該排出量が当該事業所に係る全ての温室効果ガス排出量に占める割合が2分の1以上である場合にあっては、当該排出量の削減について定量的な目標を定めるものとする。

この場合において、算定排出削減量の定量的な目標については、指定地球温暖化対策事業所が総量削減義務の対象となっていないときも、将来に総量削減義務の対象となったときの削減義務量を推定して定めるよう努めるものとする。

(2) 目標年度

指定地球温暖化対策事業者は、条例第5条の24第1項及び規則第4条の22の規定により、少なくとも目標の設定の日の属する削減計画期間の終了年度を目標年度の一つとして設定しなければならない。

(3) 目標水準

特定地球温暖化対策事業所の算定排出削減量の目標については、条例第5条の24第2項の規定により、削減義務量以上の目標値としなければならない。この場合において、技術的及び経済的に実施可能な対策の実施により削減義務量以上の削減が見込まれる場合にあっては、削減義務量と同水準の目標にとどまることなく、更に高い目標を定めるものとする。

また、エネルギー消費設備・機器の長期的な更新計画を適切に策定するため、第4計画期間における算定排出削減量の目標については、2050年のゼロエミッションを見据えて定めるよう努めなければならない。

(4) 自らの事業所における対策と排出量取引

特定地球温暖化対策事業者は、条例第5条の11第2項の規定により、振替可能削減量の取得に優先して、当該特定地球温暖化対策事業所の温室効果ガス排出量の削減に努めなければならない。具体的には、2に掲げる手順その他の手順により、特定地球温暖化対策事業所において経済的及び技術的に実施可能な対策を積極的に検討し、実施可能な対策の実施により見込まれる削減量を算定した後に、当該削減量が削減義務量に不足する量について排出量取引を行うという手順で検討するよう努めなければならない。

2 地球温暖化の対策の計画及び実施

(1) 特定温室効果ガス排出量の削減に係る対策

指定地球温暖化対策事業者は、指定地球温暖化対策事業所ごとに、別表第1の第3の部から第5の部まで、優良特定地球温暖化対策事業所認定基準(条例第5条の15第1項の知事が別に定める基準をいう。以下同じ。)等を参考にして、知事が別に示す点検表を活用することにより、技術的に実施可能な対策の計画及び実施に努めるものとする。また、省エネルギー対策に加え、再生可能エネルギー発電設備の設置、再生可能エネルギー電気の受入れ等の再生可能エネルギーの利用に係る措置についても検討するものとする。

指定地球温暖化対策事業者以外に、指定地球温暖化対策事業所の全部又は一部を使用するテナント等事業者がいる場合においては、指定地球温暖化対策事業者は、テナント等事業者が地球温暖化の対策を推進するよう誘導するため、テナント等事業者が実施した地球温暖化の対策によるエネルギー使用量削減等の効果を当該テナント等事業者に還元する措置の実施を検討するよう努めるものとする。

これらの場合において、指定地球温暖化対策事業者は、2050年のゼロエミッションを見据えて、第4計画期間において実施する対策を併せて検討するよう努めるものとする。

対策を選定する手順の例を次に示す。

ア 現状把握

事業所における燃焼設備、空気調和設備、受変電設備、照明設備等について、管理台帳等を用いて設備・機器の保有状況、運転条件等を把握するとともに計測及び記録により設備・機器の稼動状況を把握する。また、設備・機器別、工程別、用途別等にエネルギーの使用量、エネルギーの使用に係る原単位、再生可能エネルギーの利用量等の実績を確認する。

なお、当該事業所に複数の建物又は施設があり、これらの状況を個別に把握できる場合は、建物又は施設ごとに把握する。

イ 地球温暖化の対策の検討及び選定

(ア) 別表第1の第3の部から第5の部までに記載されている対策については、その実施方法を検討し、事業所の設備、施設等の条件に適合する省エネルギー及び再生可能エネルギー導入に関する対策を選定する。ただし、当該対策を代替し、より大きな削減が見込める対策を選定する場合又は当該対策による削減量の見込みが極めて小さい場合については、この限りでない。

(イ) 別表第1の第3の部から第5の部までに記載されていない対策については、優良特定地球温暖化対策事業所認定基準等を参考とし、エネルギー消費の大きな設備・機器を中心に、技術的条件を勘案して、実施する省エネルギー対策その他の地球温暖化の対策の検討及び選定をする。

なお、優良特定地球温暖化対策事業所認定基準等に掲げられている削減対策以外の削減対策も積極的に検討するよう努めるものとする。

(2) 排出量取引

排出量取引の対象となる振替可能削減量には、次に掲げる種類のものがある。指定地球温暖化対策事業者は、1(4)による検討の結果、排出量取引を実施する必要があると判断した場合には、取得する削減量の種類及び取得方法について検討し、計画的な取得に努めるものとする。

ア 超過削減量

他の特定地球温暖化対策事業所における削減義務量を超えて削減した量に、知事が別に定める方法で算定する省エネルギー対策及び再生可能エネルギーの利用(事業所内又は事業所外に設置された再生可能エネルギー設備から供給される電気又は熱の利用)の割合を乗じて得られる量をいう。

イ 都内削減量

総量削減義務の対象とならない都内の事業所等における削減量をいう。

ウ 都外削減量

都外の事業所等における削減量をいう。

エ 環境価値換算量

再生可能エネルギーを起源とする電気又は熱が有する環境価値を特定温室効果ガス排出量の削減量に換算した量をいう。ただし、発電又は熱利用の規模、方法等について知事が別に定めるものに限る。

オ その他削減量

条例以外で認められた温室効果ガス排出量の削減量であって、具体的には、次の削減量が規則第4条の13各号により認められている。ただし、(ア)及び(イ)については、発電又は熱利用の規模、方法等について知事が別に定めるものに限る。

(ア) 新エネルギー等電気相当量(再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法施行規則(平成24年経済産業省令第46号)附則第8条の規定による廃止前の電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法施行規則(平成14年経済産業省令第119号。以下「旧特別措置法施行規則」という。)第1条第2項に規定する新エネルギー等電気相当量をいう。)を温室効果ガス排出量の削減量に換算した量

(イ) グリーン電力証書の電力量又はグリーン熱証書の熱量(当該証書の環境価値を用いて直接特定温室効果ガス排出量から控除した場合は除く。)を特定温室効果ガス排出量の削減量に換算した量

(ウ) 埼玉県が行う目標設定型排出量取引制度(埼玉県地球温暖化対策推進条例(平成21年埼玉県条例第9号)第11条第1項の規定に基づく仕組みをいう。以下同じ。)における超過削減量(目標設定型排出量取引制度において、基準排出量が15万トン以下であって、排出削減目標量の達成を埼玉県知事が確認した事業所におけるものに限る。)及び県内削減量(規則第4条の11の2に定める方法によるものに限る。)

(3) その他ガスの削減に係る対策

指定地球温暖化対策事業者は、その他ガスの排出量が大きい指定地球温暖化対策事業所がある場合は、当該事業所ごとに、技術的に実施可能な対策の計画及び実施に努めるものとする。

また、指定地球温暖化対策事業者は、水道及び工業用水道の使用並びに公共下水道への排水に伴い排出される温室効果ガスの排出量の削減については、全ての指定地球温暖化対策事業所ごとに、技術的に実施可能な対策の計画及び実施に努めるものとする。

非化石燃料の使用については、全ての指定地球温暖化対策事業所ごとに、非化石燃料の使用の合理化や化石燃料から非化石燃料への転換等の対策の計画及び実施に努めるものとする。

3 毎年度ごとの状況確認

指定地球温暖化対策事業者は、毎年度、温室効果ガスの排出状況、再生可能エネルギーの利用状況、地球温暖化の対策の実施状況及び計画進捗状況並びに温室効果ガス排出量に影響するその他の要素の現状及び将来の動向を把握し、計画的な削減に努めなければならない。地球温暖化の対策の実施状況又は削減対策の効果が計画通りにならなかった場合、事業活動の規模又は設備の状況が変化した場合等にあっては、削減対策、実施スケジュール、削減目標等計画の内容について必要な見直しを行うものとする。

また、特定地球温暖化対策事業者は、削減計画期間の最終年度には、その前年度までの削減量及び最終年度の削減量見込みの合計と最終的な削減義務量とを比較して、総量削減義務を履行するため、削減計画期間終了の翌年度において必要な排出量取引の量を予測し、当該排出量取引に係る適切な予算措置を講じるよう努めるものとする。

第5 地球温暖化対策計画書の作成等

1 地球温暖化対策計画書の作成及び提出

指定地球温暖化対策事業者は、(1)から(6)までに掲げる事項その他条例第6条各号に定める事項について、知事が別に定める様式による地球温暖化対策計画書に記載し、(7)及び(8)に掲げる書類を添えて、知事に提出するものとする。

(1) 温室効果ガス排出量、エネルギー使用量、再生可能エネルギー利用量及び非化石燃料の使用量

(2) 温室効果ガス排出量の削減に係る目標及び地球温暖化の対策の推進に関する基本方針

(3) 地球温暖化の対策の計画期間、内容、当該対策による温室効果ガス排出量削減効果の見込み及び当該対策の実施年度

(4) 地球温暖化の対策の推進体制の概要並びに統括管理者及び技術管理者の氏名

(5) 事業所の用途、事業所で実施される事業の概要、敷地面積、延べ面積その他温室効果ガス排出量に影響を与える事項

(6) (1)から(5)までに掲げるもののほか、その他の温室効果ガス排出量削減に寄与する取組(指定地球温暖化対策事業者が記載したい場合に限る。)

(7) (1)の温室効果ガス排出量を算定する基となる事業所の区域、燃料等使用量監視点、エネルギー使用量等を記載した、知事が別に定める様式による排出量算定報告書

(8) (3)の地球温暖化の対策に係る点検表

2 公表

(1) 公表事項

指定地球温暖化対策事業者は、指定地球温暖化対策事業所における温室効果ガス排出量及び地球温暖化の対策の実施状況に係る情報を広く公にし、社会的評価の対象とすることが重要である。具体的には、規則第5条第1項第1号から第5号までに規定する事項を公表するとともに、地球温暖化の対策の推進に関する基本方針、地球温暖化の対策の推進体制等については公表するよう努めるものとする。ただし、推進体制の公表において、個人の氏名までの公表を求めるものではない。

(2) 公表方法

指定地球温暖化対策事業者は、規則第5条第3項に定める公表の方法のうち、可能な限りインターネットの利用による方法で公表を行う。インターネットによる公表ができない場合には、指定地球温暖化対策事業者の事業所における備え置き又は掲示その他の容易に閲覧できる場所、時間等を配慮した方法により公表するものとする。

また、環境報告書(環境情報の提供の促進等による特定事業者等の環境に配慮した事業活動の促進に関する法律(平成16年法律第77号)第2条第4項の環境報告書をいう。以下同じ。)を作成している指定地球温暖化対策事業者は、環境報告書への掲載に努めるものとする。

第6 テナント等事業者における地球温暖化の対策の推進

1 テナント等事業者の役割

テナント等事業者がいる指定地球温暖化対策事業所においては、事業所全体としての温室効果ガス排出量の削減を進めるため、テナント等事業者(特定テナント等事業者を含む。)は、次に掲げる事項を実施するよう努め、又は実施しなければならない。

(1) 指定地球温暖化対策事業者が条例第7条第1項及び第2 4の規定により整備する協力推進体制への参画(特定テナント等事業者以外のテナント等事業者にあっては、努力義務)

(2) テナント等事業者が独自にエネルギー供給会社と契約し、供給を受けているエネルギーの使用量及び再生可能エネルギーの利用量に係る情報の指定地球温暖化対策事業者への提供

(3) 指定地球温暖化対策事業者と協議して作成する指定地球温暖化対策事業所の運用に係る規程の遵守

(4) 第2編第2 1を参考にした、テナント等事業者の組織全体としての地球温暖化の対策の推進体制の整備並びにテナント等事業所ごとの温室効果ガス排出量の把握及び計画的な地球温暖化対策の推進(努力義務)

2 特定テナント等事業者の役割

特定テナント等事業者は、大規模なテナント等事業者として、1に掲げた事項に加え、さらに指定地球温暖化対策事業所の温室効果ガス排出量の削減に積極的に関与しなければならない。具体的には、条例第7条第2項第5項及び第6項の規定により、次に掲げる事項を実施しなければならない。

(1) 指定地球温暖化対策事業者が条例第7条第1項及び第2 4の規定により整備する協力推進体制への参画

(2) 特定テナント等地球温暖化対策計画書の作成及び指定地球温暖化対策事業者を経由した当該計画書の知事への提出

(3) 特定テナント等地球温暖化対策計画書に基づく地球温暖化の対策の推進

なお、特定テナント等事業者は、条例第5条の8第2項及び規則第4条の4第1項第6号の規定により、知事へ届け出ることにより所有者等と共同で指定地球温暖化対策事業者となることもできる。事業所の温室効果ガス排出量に大きな影響力を有している特定テナント等事業者は、所有者等から共同で指定地球温暖化対策事業者となることについての申し出があった場合には、協議に応ずるよう努めるものとする。

3 特定テナント等事業者における地球温暖化の対策の推進

特定テナント等事業者は、次に掲げる方針に従って地球温暖化の対策を推進するものとする。

(1) 推進体制

特定テナント等事業者は、特定テナント等事業所の事業活動における地球温暖化の対策を着実かつ効果的に推進するため、次に掲げる事項を行うための組織体制を整備し、当該事項を着実に実施するものとする。

なお、組織体制の長として、推進責任者を置くものとする。

ア 地球温暖化の対策の実施に関する目標、実施方針、計画等の作成

イ 地球温暖化の対策の実施及び進行管理

ウ 地球温暖化の対策の効果の確認及び検証

エ 地球温暖化の対策の見直し

オ 特定テナント等事業者が独自にエネルギー供給会社と契約し、供給を受けているエネルギーの使用に伴う温室効果ガス排出量、当該エネルギー使用量及び再生可能エネルギーの利用量の記録並びに当該使用量を証する書類の管理

カ 特定テナント等事業者が管理している特定テナント等事業所におけるエネルギー消費設備・機器の稼働状況、エネルギーの使用に関する数値等を定期的に記録する管理台帳の整理

キ オ及びカに掲げるもののほか、特定テナント等事業者が管理している特定テナント等事業所におけるエネルギー消費設備・機器の運転及び保全についての適正な管理

ク 特定テナント等事業所の構成員、来所者及びその事業活動に係る他の事業者などに対する地球温暖化の対策に関する理解及び認識を深めるための地球温暖化の対策に関する普及啓発及び教育活動の実施

ケ 地球温暖化の対策の実施のための予算の管理

(2) 温室効果ガス排出量の把握

特定テナント等事業者は、独自にエネルギー供給会社と契約し、供給を受けているエネルギーの使用に伴う温室効果ガス排出量を把握するほか、第2編第3に規定する方法により、テナント等事業所ごとの温室効果ガス排出量の把握(推計による把握を含む。)を行うものとする。

(3) 温室効果ガス排出量の削減に係る目標の設定

特定テナント等事業者は、次に掲げる範囲の事項について目標を設定するよう努めるものとする。目標を設定するに当たっては、その目標年度、目標水準等について、指定地球温暖化対策事業者が定める指定地球温暖化対策事業所全体としての目標を勘案するものとする。なお、設定した目標を遵守する条例上の義務が生じるものではない。

ア 温室効果ガス排出量

イ 特定テナント等事業者が管理している特定テナント等事業所におけるエネルギー消費設備・機器の省エネルギー性能が高いものへの更新

ウ 特定テナント等事業者が使用している特定テナント等事業所におけるエネルギー消費設備・機器の使用時間、使用頻度、使用形態等エネルギー使用量に影響する事項

エ 再生可能エネルギー発電設備の設置、再生可能エネルギー電気の受入れ、証書による環境価値の利用等の再生可能エネルギーの利用に係る措置

(4) 地球温暖化の対策の計画及び実施

特定テナント等事業者は、別表第1の第3の部から第5の部まで、優良特定地球温暖化対策事業所認定基準等を参考にして、知事が別に示す点検表を活用することにより、管理権原の範囲内において技術的に実施可能な対策の計画及び実施に努めるものとする。特に、特定テナント等事業所において使用しているエネルギー消費設備・機器の使用時間、使用頻度、使用形態等を変更することによりエネルギー使用量を低減する対策、再生可能エネルギー発電設備の設置、再生可能エネルギー電気の受入れ、証書による環境価値の利用等の再生可能エネルギーの利用に係る措置の実施については、積極的に検討するものとする。

また、指定地球温暖化対策事業者から、特定テナント等事業者が実施する対策に係る提案があった場合においては、当該対策の計画及び実施について積極的に検討し、指定地球温暖化対策事業所の温室効果ガス排出量の削減に協力するものとする。

4 特定テナント等地球温暖化対策計画書の作成及び提出

特定テナント等事業者は、(1)から(6)までに掲げる事項その他規則第4条の26第1項各号に定める事項について、知事が別に定める様式による特定テナント等地球温暖化対策計画書に記載し、(7)に掲げる書類を添えて、知事に提出するものとする。

(1) 地球温暖化の対策の推進体制

(2) 指定(特定)地球温暖化対策事業者との協力に関する措置

(3) 温室効果ガス排出量、エネルギー使用量、再生可能エネルギー利用量

(4) 温室効果ガスの排出量の推計方法

(5) 特定温室効果ガスの排出量の増減があった場合に考えられる要因

(6) 推進責任者の氏名

(7) 3(4)に規定する点検表

5 特定テナント等事業者における地球温暖化の対策に係る取組の評価・公表

(1) 評価・公表の基本方針

知事は、特定テナント等事業者の地球温暖化の対策に係る取組について、次の基本方針に基づき評価し公表する。

ア 3(4)に規定する点検表に掲げる対策項目の取組状況及び規則第4条の26第1項第4号に定める特定温室効果ガス年度排出量の削減率(評価するに当たって基準となる年度(以下「基準年度」という。)における特定温室効果ガス年度排出量から特定テナント等地球温暖化対策計画書を提出する年度の前年度における特定温室効果ガス年度排出量を減じた値を基準年度における特定温室効果ガス年度排出量で除した値をいう。以下同じ。)の大きさにより評価する。

イ 過去における削減対策の取組状況、事業活動の規模、事業活動の変動等を考慮し、公平・公正に評価する。

(ア) 特定テナント等事業者の業種に応じた点検表を設け、特定テナント等事業者の実態に則した取組状況の評価を行うことにより、事業活動の規模に影響されない評価を行う。

(イ) 特定温室効果ガス年度排出量の削減率について、基準年度の設定を特定テナント等事業者が自ら行うことを可能とすることにより、過去の削減対策の取組状況を踏まえた評価を行う。

(ウ) 特定温室効果ガス年度排出量の削減率について、エネルギーの使用に係る原単位の観点を加えることで、削減対策を進めながらも事業活動の変動により特定温室効果ガス年度排出量が増加した特定テナント等事業者の取組を評価する。

ウ 公表に際しては、評価結果を分かりやすく示す。

(2) 評価対象

ア 評価対象となる特定テナント等事業者

特定テナント等地球温暖化対策計画書を提出する事業者を、特定テナント等事業所ごとに評価する。ただし、次に掲げる事業所は、評価対象から除くものとする。

(ア) 特定テナント等地球温暖化対策計画書を初めて提出する特定テナント等事業所

(イ) 特定テナント等地球温暖化対策計画書の提出が2回目であって、前年度に提出した特定テナント等地球温暖化対策計画書に記載した特定温室効果ガス年度排出量が通年の値でない特定テナント等事業所

イ 評価対象となる取組等及び評価の観点

点検表に掲げる対策項目の取組状況に対する評価及び特定温室効果ガス年度排出量の削減率の大きさの評価を次のとおり行い、それらを合わせて、総合評価を決定する。総合評価の決定においては、点検表に掲げる対策項目の取組状況を特定テナント等事業者の地球温暖化の対策に係る積極的な取組として特に高く評価する。

(ア) 点検表については、特定テナント等事業者の事業活動における地球温暖化の対策の推進体制を整備し、かつ、事業所内の設備等に係る運用・導入対策の取組及び再生可能エネルギーの利用に係る措置を実施をした特定テナント等事業者を高く評価する。さらにその中で、具体的な取組を明示した特定テナント等事業者をより高く評価する。

(イ) 特定温室効果ガス年度排出量の削減率については、削減率が大きい特定テナント等事業者を高く評価する。

ウ 評価対象となる期間

特定テナント等地球温暖化対策計画書を提出する年度の前年度(以下「評価年度」という。)の状況について、毎年度評価する。

(3) 評価方法

ア 点検表の評価

点検表に掲げる対策項目の取組状況に応じて、知事が別に定める評価基準(条例第8条の2第1項の知事が別に定める基準をいう。以下同じ。)により評価点を付与する。

イ 特定温室効果ガス年度排出量の削減率の評価

特定温室効果ガス年度排出量の削減率に関して、次の手順により評価する。

(ア) 特定テナント等事業者が、知事が別に定める評価基準により基準年度を設定する。

なお、一度設定された基準年度は、原則毎年度の評価に適用するものとする。

(イ) 特定温室効果ガス年度排出量の削減率に応じて、知事が別に定める評価基準により評価点を付与する。ただし、基準年度に対して特定温室効果ガス年度排出量が増加した特定テナント等事業者については、エネルギーの使用に係る原単位の状況を勘案して評価点を付与するよう評価基準を定める。

ウ 総合評価

点検表の取組状況に対する評価点及び特定温室効果ガス年度排出量の削減率の大きさに係る評価点の合計点に応じて、知事が別に定める評価基準により総合評価を定める。

(4) 評価結果の公表

知事は、(3)の方法により決定した総合評価について、上位の評価となった特定テナント等事業者、特定テナント等事業所の名称及び当該特定テナント等事業所の排出削減の取組内容並びにその総合評価を条例第8条の2第2項に基づき公表する。

6 知事の勧告等

(1) 全てのテナント等事業者に共通する措置

知事は、テナント等事業者(特定テナント等事業者を含む。)による、1(2)に規定するエネルギーの使用量に係る情報の提供その他の温室効果ガス排出量の把握への協力又は1(3)に規定する運用に係る規程の遵守その他の温室効果ガス排出量の削減への協力が不十分であると認めるときは、当該事業者に対し、条例第8条の3に基づき、適切な協力を行うよう指導又は助言を行うものとする。テナント等事業者(特定テナント等事業者を含む。)が正当な理由なく、当該指導又は助言に従わず、かつ、協力の程度が著しく不十分であるときは、知事は、専門的知識を有する者の意見を聴いて、当該事業者に対し、条例第8条の4第1項に基づき、必要な措置をとることを勧告することができる。

(2) 特定テナント等事業者のみの措置

知事は、特定テナント等事業者が、2(1)に規定する協力推進体制への参画又は2(2)に規定する特定テナント等地球温暖化対策計画書の提出を行っていないときは、当該特定テナント等事業者に対し、条例第8条の4第1項に基づき、期限を定めて、協力推進体制へ参画し、又は特定テナント等地球温暖化対策計画書を提出することを勧告することができる。

知事は、特定テナント等事業者が作成した特定テナント等地球温暖化対策計画書の内容が、3(1)から3(4)までに規定する方針に照らして著しく不十分であると認めるときは、当該特定テナント等事業者に対し、適切な内容の計画書に変更するよう指導及び助言を行うことができる。

知事は、特定テナント等事業者による、特定テナント等地球温暖化対策計画書に基づく地球温暖化の対策の推進が不十分であると認めるときは、当該特定テナント等事業者に対し、条例第8条の3に基づき、適切に対策を実施するよう指導又は助言を行うものとする。特定テナント等事業者が正当な理由なく、当該指導又は助言に従わず、かつ、対策の推進の程度が著しく不十分であるときは、知事は、専門的知識を有する者の意見を聴いて、当該特定テナント等事業者に対し、条例第8条の4第1項に基づき、必要な措置をとることを勧告することができる。

第7 自動車に係る地球温暖化の対策の推進

1 自動車を自ら使用する場合の地球温暖化の対策

指定地球温暖化対策事業者は、指定地球温暖化対策事業所において自動車(工場のフォークリフト等事業所の区域内のみで使用される自動車を除く。以下1において同じ。)を使用している場合には、東京都自動車環境管理指針(平成23年東京都告示第345号)に準じて、低公害・低燃費車の導入など個別具体的な地球温暖化の対策を検討し、当該対策の計画及び実施に努めるものとする。

また、指定地球温暖化対策事業所において自動車を使用している指定地球温暖化対策事業者は、知事が別に示す点検表(以下において「自動車点検表」という。)に対策内容等を記載し、第5 1に規定する地球温暖化対策計画書の提出時期に合わせ、知事に提出するものとする。

なお、自動車を自ら使用することに伴い排出される温室効果ガス排出量は、総量削減義務の対象ではない。

2 他者の自動車を利用する場合の地球温暖化の対策

指定地球温暖化対策事業者は、指定地球温暖化対策事業所における事業活動に係る貨物、商品及び製品(以下「貨物等」という。)の搬入等のため、他者の自動車を利用している場合には、当該自動車に係る地球温暖化の対策を、次に掲げるところにより推進するものとする。

なお、貨物等の搬入等のため他者の自動車を利用することに伴い排出される温室効果ガス排出量は、総量削減義務の対象ではない。

(1) 温室効果ガス排出量の把握

指定地球温暖化対策事業者は、指定地球温暖化対策事業所において他者の自動車を利用することに伴い排出される温室効果ガス(二酸化炭素に限る。以下2において同じ。)の排出量について、可能な限り、当該排出量を把握できる体制を整え、把握に努めるものとする。

温室効果ガスの排出量の算定方法は、規則別表第1及び知事が別に定める自動車排出量算定ガイドラインによるものとする。

温室効果ガスの排出量を算定した指定地球温暖化対策事業者は、第5 1に規定する地球温暖化対策計画書における、サプライチェーンの温室効果ガス排出量の削減に貢献する取組として報告するものとする。ただし、知事が別に定める内訳書を、地球温暖化対策計画書の提出時期に合わせ、知事に提出することでこれに代えることができる。

(2) 地球温暖化の対策の計画及び実施

指定地球温暖化対策事業者は、指定地球温暖化対策事業所において貨物等の搬入等のため他者の自動車を利用している場合には、自動車の利用の合理化に関する基本方針を定めるものとする。

指定地球温暖化対策事業者は、指定地球温暖化対策事業所において自らの貨物等の搬入等のため他者の自動車を利用している場合には、別表第2の第1の部の表及び自動車点検表により、低公害・低燃費車の利用、物流の効率化等の個別具体的な地球温暖化の対策を検討し、当該対策の計画及び実施に努めるものとする。

指定地球温暖化対策事業者は、指定地球温暖化対策事業所においてテナント等事業者その他契約相手方である施設利用者(以下「施設利用者等」という。)が、当該施設利用者等の貨物等の搬入等のため指定地球温暖化対策事業者以外の者の自動車を利用している場合には、別表第2の第2の部の表及び知事が別に示す自動車点検表により、荷さばきのための駐車施設の整備、施設利用者等への働きかけ等の個別具体的な地球温暖化の対策を検討し、当該対策の計画及び実施に努めるものとする。

地球温暖化の対策に係る点検を実施した指定地球温暖化対策事業者は、作成した自動車点検表を、第5 1に規定する地球温暖化対策計画書の提出時期に合わせ、知事に提出するものとする。

第8 指定相当地球温暖化対策事業所における地球温暖化の対策の推進

1 指定相当地球温暖化対策事業所の定義

指定地球温暖化対策事業所以外の事業所のうち、次の(1)から(3)までのいずれかに該当する事業所を、指定相当地球温暖化対策事業所という。

(1) 規則第4条の8第3項第2号に該当することにより、指定地球温暖化対策事業所の指定を取り消された事業所であって、アからウまでのいずれにも該当しない事業所

ア 事業活動が廃止され、又はその全部が休止された事業所

イ 前年度の原油換算エネルギー使用量が1000kL未満となった事業所

ウ 前年度の原油換算エネルギー使用量が3年度(指定地球温暖化対策事業所であった期間を含む。)連続して1500kL未満となった事業所

(2) 前年度の原油換算エネルギー使用量が1,500kL以上である事業所であって、規則第4条第1項ただし書が適用されることにより、指定地球温暖化対策事業所の指定を受けない事業所

(3) (2)に該当していた年度がある事業所であって、(1)アからウまでのいずれにも該当しない事業所

2 指定相当地球温暖化対策事業所における地球温暖化の対策の推進

指定相当地球温暖化対策事業所は、総量削減義務の対象となっていないものの、原油換算エネルギー使用量等の規模は、指定地球温暖化対策事業所に相当する。

よって、指定相当地球温暖化対策事業所の所有者(以下「指定相当地球温暖化対策事業者」という。)は、指定相当地球温暖化対策事業所において地球温暖化対策を推進する主体として、条例第5条の5第1項及び第2項の規定に基づき、4から7までに定めるところにより、組織体制の整備及び温室効果ガスの排出量の把握に努め、地球温暖化の対策を推進するほか指定地球温暖化対策事業所に準じた対策をとるものとする。

また、指定相当地球温暖化対策事業者は、地球温暖化の対策を推進するに当たって知事が必要と認めるときは、その指導及び助言を受けることとなる。そのため、3に定めるところによる知事への届出について協力することによって、知事が、指導及び助言をすべき指定相当地球温暖化対策事業所を適切に把握できるようにしなければならない。

3 指定相当地球温暖化対策事業所の確認

(1) 原油換算エネルギー使用量が新たに1500kL以上となった事業所

指定地球温暖化対策事業所以外の事業所であって、前年度の原油換算エネルギー使用量が1500kL以上である事業所の所有者は、当該事業所が指定相当地球温暖化対策事業所に該当すると判断したときは、毎年度11月末日(初めて判断した年度にあっては、10月末日)までに、その判断について誤りがないことについて、知事が別に定める様式により届け出て、知事の確認を受けるものとする。

知事は、当該判断に誤りがないこと又は誤りがあって条例第5条の8第2項の規定による届出を行うべきことを確認したときは、その旨を知事が別に定める様式により当該所有者に通知する。

(2) 指定地球温暖化対策事業所の指定を取り消された事業所

指定地球温暖化対策事業所が規則第4条の8第3項第2号に該当して、その指定が取り消されたときは、知事は、当該事業所が指定相当地球温暖化対策事業所に該当する旨を知事が別に定める様式により当該事業所の所有者に通知する。

(3) 指定相当地球温暖化対策事業所ではなくなる事業所

指定相当地球温暖化対策事業所であった事業所の所有者は、当該事業所が1(1)アからウまでのいずれかに該当し、指定相当地球温暖化対策事業所ではなくなったと判断したときは、次のアからウまでに定める日までに、その判断について誤りがないことについて、知事が別に定める様式により届け出て、知事の確認を受けるものとする。

ア 1(1)アに該当するとき 事業活動が廃止され、又はその全部が休止された日から30日を経過した日(当該廃止又は休止が、当該廃止又は休止の日の属する年度の4月1日から8月末日までの間に行われた場合にあっては、当該年度の9月末日)

イ 1(1)イに該当するとき 該当した年度の9月末日

ウ 1(1)ウに該当するとき 該当した年度の9月末日

知事は、当該判断に誤りがないこと若しくは誤りがあって引き続き2に基づき地球温暖化の対策の推進等を行うべきことを確認したとき又は指定地球温暖化対策事業所に指定されたことにより指定相当地球温暖化対策事業所ではなくなったときは、その旨を知事が別に定める様式により当該所有者に通知する。

4 地球温暖化の対策の推進体制

(1) 組織体制の整備

指定相当地球温暖化対策事業者は、第2 1に準じて組織体制を整備するものとする。

(2) 組織体制の構成等

指定相当地球温暖化対策事業者は、第2 2に準じて統括管理者及び技術管理者を選任するものとする。

また、推進責任者及び推進員を選任することができる。

(3) 統括管理者及び技術管理者の選任等

統括管理者及び技術管理者の選任等は、第2 3に準じて行うものとする。

(4) テナント等事業者がいる指定相当地球温暖化対策事業所における体制

指定相当地球温暖化対策事業者は、指定相当地球温暖化対策事業所の全部又は一部を使用するテナント等事業者がいる場合は、第2 4に準じて当該テナント等事業者との協力推進体制を整備するものとする。

5 温室効果ガス排出量の把握

指定相当地球温暖化対策事業者は、第3に準じて指定相当地球温暖化対策事業所における温室効果ガス排出量を把握するものとする。ただし、温室効果ガス排出量の算定に当たり、検証を受ける必要はない。

6 計画的な地球温暖化の対策の推進

指定相当地球温暖化対策事業者は、第4に準じて計画的に地球温暖化の対策を推進しなければならない。

この場合において、特定温室効果ガス排出量の削減に係る目標については、目標の設定の日の属する削減計画期間の終了年度を目標年度の一つとして設定する。

また、当該目標の水準は、条例第5条の13及び規則第4条の17の規定に準じて自ら算定した基準排出量に相当する量及び事業所の種類に応じた規則第4条の16に規定する削減義務率を用いて特定地球温暖化対策事業所の削減義務量と同様の方法により算定した量以上とするものとする。

指定相当地球温暖化対策事業者は、総量削減義務の対象外であり、指定管理口座の開設及び義務充当を行うことはできないが、振替可能削減量を取得して、特定温室効果ガス排出量と相殺するよう自ら管理することなどにより目標を達成することを妨げるものではない。

7 地球温暖化対策計画書の作成等

(1) 地球温暖化対策計画書の作成及び提出

指定相当地球温暖化対策事業者は、毎年度11月末日(指定相当地球温暖化対策事業所であることについて知事の確認を受けた年度(前年度にも当該確認を受けている年度を除く。)にあっては、当該日と当該確認を受けた日から90日を経過した日とのいずれか遅い日)までに、知事が別に定める指定相当地球温暖化対策計画書提出書に、第5 1に定める地球温暖化対策計画書並びに第5 1(7)及び(8)に掲げる書類を添えて、知事に提出するものとする。ただし、知事が困難と認める理由で当該期日までに提出できない場合にあっては、知事が別に定める日まで(指定相当地球温暖化対策事業所であることについて知事の確認を受けた年度にあっては、当該確認を受けた日から90日を経過した日とのいずれか遅い日まで)に行うものとする。

(2) 公表

指定相当地球温暖化対策事業者は、第5 2に準じて温室効果ガス排出量及び地球温暖化の対策の実施状況に係る情報を公表するよう努めるものとする。

知事は、指定相当地球温暖化対策事業者から地球温暖化対策計画書の提出があったときは、当該指定相当地球温暖化対策事業者がその公表を拒否する場合を除き、指定地球温暖化対策事業者から地球温暖化対策計画書の提出があったときと同様の方法で公表するものとする。この場合にあっては、知事は、公表する内容が指定相当地球温暖化対策事業者のものであることを表示するものとする。

8 テナント等事業者における地球温暖化の対策の推進

テナント等事業者がいる指定相当地球温暖化対策事業所においては、事業所全体としての温室効果ガス排出量の削減を進めるため、(1)から(5)までに定めるところにより、指定地球温暖化対策事業所に準じた取扱いをするものとする。

(1) テナント等事業者の役割

テナント等事業者は、第6 1に掲げる事項を実施するよう努めるものとする。

(2) 特定テナント等相当事業者の役割

テナント等事業者のうち特定テナント等事業者に相当する状況の事業者(以下「特定テナント等相当事業者」という。)は、第6 2に掲げる事項を実施するものとする。

(3) 特定テナント等相当事業者における地球温暖化の対策の推進

特定テナント等相当事業者は第6 3に準じて地球温暖化の対策の推進に努めるものとする。

(4) 特定テナント等地球温暖化対策計画書の作成及び提出

特定テナント等相当事業者は、毎年度11月末日(当該特定テナント等相当事業者が使用する事業所が指定相当地球温暖化対策事業所であることについて知事の確認を受けた年度(前年度に当該確認を受けた年度を除く。)にあっては、当該日と当該確認を受けた日から90日を経過した日とのいずれか遅い日)までに、知事が別に定める特定テナント等相当事業者地球温暖化対策計画書提出書に、第6 4に定める特定テナント等地球温暖化対策計画書及び第6 4(6)に掲げる書類を添えて、指定相当地球温暖化対策事業者を経由して知事に提出するものとする。ただし、知事が困難と認める理由で当該期日までに提出できない場合にあっては、知事が別に定める日まで(当該特定テナント等相当事業者が使用する指定相当地球温暖化対策事業所であることについて知事の確認を受けた年度にあっては、当該日と当該確認を受けた日から90日を経過した日とのいずれか遅い日まで)に行うものとする。

(5) 特定テナント等相当事業者における地球温暖化の対策に係る取組の評価・公表

知事は、第6 5に準じて特定テナント等相当事業者の地球温暖化の対策に係る取組の評価を行うことができる。この評価を行った場合にあっては、当該特定テナント等相当事業者がその公表を拒否する場合を除き、特定テナント等事業者の評価結果と同様の方法で公表するものとする。

(6) 公表

知事は、指定相当地球温暖化対策事業者を経由して特定テナント等相当事業者から特定テナント等地球温暖化対策計画書の提出があったときは、当該特定テナント等相当事業者がその公表を拒否する場合を除き、特定テナント等事業者から特定テナント等地球温暖化対策計画書の提出があったときと同様の方法で公表するものとする。この場合にあっては、知事は、公表する内容が特定テナント等相当事業者のものであることを表示するものとする。

9 自動車に係る地球温暖化の対策の推進

指定相当地球温暖化対策事業者は、第7に準じて自動車に係る地球温暖化の対策の推進に努めるものとする。

10 知事の勧告

知事は、指定相当地球温暖化対策事業者及び指定相当地球温暖化対策事業所の全部又は一部を使用するテナント等事業者における地球温暖化の対策の推進の程度が、この指針に照らして著しく不十分であるときは、あらかじめ専門的知識を有する者の意見を聴いて、当該事業者に対し、必要な措置をとることを勧告することができる。

第2編 中小規模事業所における地球温暖化の対策の推進

第1 中小規模事業所の基本的な考え方

1 中小規模事業所の定義

中小規模事業所とは、都内において設置されている事業所(建物又は施設(エネルギー等の使用量が不可分な建物又は施設の場合は、それらを一の事業所とみなす。))又は事業所内に設置されている事務所、営業所等であって、かつ、年間の原油換算エネルギー使用量が1,500kL未満のもの(以下この編において「事業所等」という。)である。

2 中小規模事業所において地球温暖化の対策を推進すべき主体及び範囲

中小規模事業所において事業活動を行う事業者は、その所有し、又は使用する範囲について、地球温暖化の対策を推進すべき主体として、条例第5条の5に基づき、温室効果ガスの排出量の把握に努め、地球温暖化の対策を推進しなければならない。ここでいう「所有」には、複数の者が共有により事業所等を所有している場合を含み、また、「使用」には、賃貸借契約により使用の権原を有する場合(第三者に転貸している場合を含む。)のほか、委託契約等の契約により使用を認められている場合及び契約によらず事実上当該事業所等を使用している場合を含む。

なお、連鎖化事業を行う者(以下「本部」という。)は、その加盟者が設置している連鎖化事業に係る事業所等(以下「加盟店」という。)についても自己が設置する事業所等と同様に、温室効果ガスの排出量の把握に努め、地球温暖化の対策を推進しなければならない。

3 地球温暖化対策報告書制度の強化

令和4年9月策定の「東京都環境基本計画」において、「2050年ゼロエミッション東京の実現を見据え、2030年までに都内温室効果ガス排出量を2000年比で50%削減(2030年カーボンハーフ)する」ため、産業・業務部門での「エネルギー消費量を2000年比約35%削減」と「再生可能エネルギー電力割合50%程度」を目標として掲げている。

2030年カーボンハーフ実現に向けた着実な取組を促進するため、地球温暖化対策報告書制度においても、新たに「2030年度の達成水準」を設定し、報告・公表・評価の拡充により、令和7年度から制度を強化する。

(1) 2030年度の達成水準

知事は、2030年カーボンハーフ実現に向けた更なる省エネルギー対策と再生可能エネルギー利用拡大のため、事業者が達成すべき水準である2030年度の達成水準を定める。

事業者は、これらの達成水準を踏まえ、自ら目標と計画を策定し、毎年度、その取組状況を知事へ報告するものとする。

2030年度の達成水準については、別表第3に掲げるとおりであり、省エネルギー対策の取組については、エネルギー使用量の削減率等を示し、再生可能エネルギー利用の取組については、使用する電気の再生可能エネルギー由来電気(以下「再エネ電気」という。)の割合等を示す。これらの省エネルギー対策と再生可能エネルギー利用の各々において「事業者の取組」と「事業所の取組」の2つを設定する。事業者は、省エネルギー対策・再生可能エネルギー利用の各々において「事業者の取組」又は「事業所の取組」のどちらかを選択し、それらを踏まえ、自らの省エネルギー対策・再生可能エネルギー利用の目標・計画を策定するものとする。

(2) 報告・公表・評価の拡充

2030年度の達成水準を踏まえ、事業者が自ら策定した省エネルギー対策や再生可能エネルギー利用に関する目標・計画やその達成状況、及び再生可能エネルギー利用に係る具体的な取組状況など報告項目を拡充する。報告された内容の一部については、報告義務のある事業者による公表を引き続き求め、対象項目を拡充する。知事による公表については、対象項目の拡充とともに、第三者にも制度全体の取組状況等を分かりやすく、利便性を高めて公表するよう努める。

報告内容に基づく、事業者の取組状況に対する知事による評価については、事業者の取引先等の第三者にも分かりやすく工夫するなど、2030年カーボンハーフに向けた早期の取組など事業者の積極的な取組を後押ししていく。

また、報告内容に基づく、事業所等における対策状況に対する知事による評価については、事業所等ごとに、二酸化炭素の排出削減、省エネルギー対策、再生可能エネルギー利用に関する3つの指標を活用したカーボンレポートの提供など、対策状況の更なる見える化を図るとともに、事業所等の業種区分別の取組状況が把握できるよう、新たに、カーボンレポートの参考情報等の公表を行う。

さらに、優れた対策を実施する事業所等に対して、知事がモデルビルとして認定・公表を行うことにより、対策を積極的に推進する事業所等の後押しや、これらモデルビルの対策事例を参考にするなど都内中小規模事業所の対策の底上げにつなげていく。

第2 地球温暖化の対策の推進体制

1 組織体制の整備

事業者は、次の(1)から(3)までを踏まえ、事業所等の規模や業種・業態に応じて、別表第1の第1の部の表に掲げる体制の整備に取り組み、地球温暖化の対策を組織的に推進するよう努めるものとする。

(1) 本社等における推進体制

地球温暖化の対策を実施するに当たっては、その設置する事業所等で行われている事業活動を統括する立場にある者(例えば、企業においては、経営に従事している者など)が権限と責任を持って組織的に取組を推進していくことが必要である。

このため、中小規模事業所において地球温暖化の対策を進めるためには、各事業所等で行われている事業活動を統括する組織(以下「本社等」という。)が、温室効果ガス排出量の把握及び地球温暖化の対策を行うための推進体制を整備するなど、支店等(本社等以外の事業所等をいう。)と連携して、組織的な取組を実施するよう努めるものとする。

(2) 支店等における推進体制

事業所等において具体的に地球温暖化の対策を推進するためには、事業活動を行う現場において、それぞれの事業所等での状況及び特性に応じた温室効果ガス排出量の把握並びにその削減に対する取組を継続的に実施していくことが不可欠である。

このため、個々の支店等において、温室効果ガス排出量の把握又は地球温暖化の対策を実施するための担当者を置いたり、従業員等への意識啓発を行うなど、所内での推進体制を整備し、組織的な取組を実施するよう努めるものとする。

(3) 連鎖化事業に係る事業所等における推進体制

連鎖化事業における本部は、加盟店も含めて、それぞれ(1)及び(2)の推進体制を整備し、本部と加盟者とが連携して地球温暖化の対策を推進するよう努めるものとする。

2 中小規模事業所の地球温暖化の対策における事業者間の協力

(1) 温室効果ガス排出量の把握のための協力

事業所等の業態によっては、他の者の協力がなければ温室効果ガス排出量の算定の基となるエネルギー等の使用量などを十分把握できないことがある。そのため、関係する事業者は、他の事業者が温室効果ガス排出量の把握を行うに当たって必要となるエネルギー等の使用量の情報提供などについて連携・協力を行うよう努めなければならない。

特に、次に掲げる事業者間においては、積極的に連携・協力を行うよう努めなければならない。

ア テナントビル(建物の全部又は一部を賃借権その他の権原に基づき事務所、営業所等として使用して事業活動を行う者(以下「テナント等」という。)が存在する建物をいう。以下同じ。)等の所有者及び使用者の間

イ 不動産信託における委託者、受託者、受益者及び当該信託物件について管理・運用又は指図の権限の委託を受けた者の間

ウ 建物の区分所有者間、共同所有者間

エ 事業所等において実施する事業の委託者及び受託者の間

オ 連鎖化事業における本部及び加盟者の間

カ その他、事業活動において密接な関係を有する事業者間

(2) 地球温暖化の対策の推進のための協力

事業者は、他の事業者が別表第1に掲げる地球温暖化の対策又はその他の地球温暖化の対策を実施する場合は、その実施に協力するよう努めなければならない。

(1)のアからカまでに掲げる事業者間においては、特に協力して地球温暖化の対策の実施に努めなければならない。

第3 温室効果ガス排出量の把握

1 事業所等における温室効果ガス排出量の把握

事業者は、その設置する事業所等について、第1 2に定める所有し、又は使用する範囲における温室効果ガス排出量を、規則別表第1上欄に示す温室効果ガスの種類に応じ、同表下欄及び同表付表第1から同表第6までに示す方法により、把握するよう努めるものとする。

事業活動により排出される温室効果ガスの多くは、エネルギーの使用に伴って排出される二酸化炭素であり、温室効果ガス排出量の把握に当たっては、まず、2及び別表第1の第2の部の表に示す方法により、各事業所等におけるエネルギーの使用量を把握し、それに伴う二酸化炭素の排出量を適切に把握するよう努めなければならない。

2 事業所等におけるエネルギー等の使用に伴う二酸化炭素排出量の把握の方法

(1) エネルギー等の種類の把握

エネルギー等の使用量については、事業所等ごと及びエネルギー等の種別ごとに把握していくことを基本とする。各事業所等において把握するエネルギー等の使用量は、電気、都市ガス等、その事業所等において使用している主なエネルギー等の種類の把握から始めることが必要である。

エネルギー等の種類の把握は、次のアからオまでに掲げるもののうち、その事業所等において使用しているものについて行うこととする。

ア 電気

イ 都市ガス

ウ その他の燃料等(灯油、A重油、プロパンガス、他人から供給される熱等)

エ 水道水及び工業用水道水

オ 公共下水道への排水

(2) エネルギー等の使用量の把握

エネルギー等の使用量の把握に当たっては、事業所等ごとにエネルギー等の種別に応じた計量器により使用量を計量する方法で行うことを基本とする。

エネルギー等供給事業者(電気事業者、ガス事業者、水道事業者など)の取引用の計量器等が既に設置してあり、定期的な計量値が把握可能な場合には、こうした計量値を把握するよう努めなければならない。

また、効果的に省エネルギー対策を実施するため、時間別及び設備別の使用状況を可能な限り詳細に把握するよう努めるものとする。

一方、計量器により把握することができないエネルギー等がある場合には、自ら把握可能なエネルギー等の使用量及び他の事業者から提供を受けた自己の事業所等のエネルギーの使用量に係る情報等を活用した、実績に基づく推計方法を用いてその使用量を算定し、事業所等で使用されるエネルギー等の総量を把握するよう努めるものとする。

ア 計量器による計量

事業所等ごとにエネルギー等の種別に応じて設置した計量器により計量して把握する方法には、次に示すように、大別して2つの方法がある。

(ア) 取引用計量器による計量値を利用する方法

エネルギー等供給事業者からのエネルギー等の使用に伴う費用の請求は、一般的に計量法に基づく計量器による計量値(検針値)によって行われているため、その請求書には請求分に応じたエネルギー等の使用量が記載されている。こうしたエネルギー等供給事業者からの請求書など(テナント等にあっては、エネルギー等の使用量の記載があるテナントビル等の所有者等から提供される書類も含む。)を利用して事業所等ごとのエネルギー等の使用量を把握することが可能であり、エネルギー等の使用に係る請求が毎月行われている場合には、その事業所等における毎月のエネルギー等の使用量を把握することができる。この方法は、設備投資、専門的な知識の必要がなく、容易に取り組むことが可能である。

(イ) 自ら計量器を設置して計量する方法

事業所等ごとのエネルギー等の種別に応じた管理用の計量器を自ら設置し、定期的に検針することにより把握する方法である。この方法による場合、使用設備ごとに計量することも可能であり、詳細にエネルギー等の使用量を把握できる。取引用計量器を利用する場合に比べ、検針の時期を自由に設定できるため、1週間ごと、1日ごとなど、詳細に使用量を把握することが可能となる。また、記録保存型又は通信型の計量器がある場合には、こうした計量器を設置することで、検針の労力を大幅に軽減しつつ、時間単位といった非常に詳細な使用量の把握が可能である。

イ エネルギー等の使用量の推計

事業所の一部を使用して事業活動を行う場合など、事業所等ごとのエネルギー等の使用に係る計量器が設置されておらず、自ら把握することが困難なエネルギー等がある場合には、他の事業者からその把握に必要な情報の収集を行い、次に掲げる推計方法を用いてその使用量を算定することにより、可能な限り実態に即した把握を行うよう努めるものとする。

(ア) 把握可能なエネルギー等の使用量を用いて、他のエネルギー等の使用量を推計する方法

例えば、中央熱源方式(空気調和(以下「空調」という。)に必要な冷温熱を作り出す熱源機器を一箇所に集中的に配置した空調方式)を採用する事業所においては、テナント等の空調におけるエネルギー使用量を把握することが困難である。こうした場合には、自ら把握している電灯・コンセントなどのエネルギーの使用量を基に、自ら又は他の事業者が設置する同種同規模の他の事業所等における標準的な空調等のエネルギー使用量の割合を用いて、次の算式により、空調に伴うエネルギー使用量を算定することができる。

X1=A1×(B1/C1)

X1:空調のエネルギー使用量

A1:電灯・コンセント等のエネルギー使用量

B1:事業所等全体のエネルギー使用量に対する空調のエネルギー使用量の標準的な割合

C1:事業所等全体のエネルギー使用量に対する電灯・コンセント等のエネルギー使用量の標準的な割合

このように、把握可能なエネルギー等の使用量及び実態に即したエネルギー使用量の割合の比率を用いることにより、把握することが困難な他のエネルギー等の使用量を算定する方法である。

(イ) 建物全体のエネルギー等の使用量を用いて、建物の一部において使用されるエネルギー等の使用量を推計する方法

特定のエネルギー等について、建物全体の使用量は把握できる一方、自らが設置する事業所等における使用量が把握できない場合に、建物全体の当該エネルギー等の使用量に、当該建物の延床面積に占める自ら設置する事業所等の床面積の割合を乗じて算定する方法である。この方法を用いる場合、さらに営業時間などの詳細な活動量を付加して算定することにより、推計の精度を高めることができる。

(ウ) 自らの事業活動及びこれに伴うエネルギー等の使用の実績を用いて、特定のエネルギー等の使用量を推計する方法

事業所等のエネルギー等の使用量を推計するに当たり、自らの事業活動及びこれに伴うエネルギー等の使用の実績に関する情報を活用できる場合には、これを基に特定のエネルギー等の使用量を推計することができる。

例えば、事業所等における生産個数当たり等の平均的なエネルギー等の使用量など、推計に利用できる情報がある場合に、こうした実績に基づく単位当たりのエネルギー等の使用量に、生産個数等の活動単位を乗じて算定する方法や、自ら設置している同種同規模の他の事業所等のエネルギー等の使用実績に基づき、営業時間等の時間当たりの標準的なエネルギー等の使用量を求め、これに推計する事業所等の営業時間等を乗じて算定する方法など、自らの事業活動及びこれに伴うエネルギー等の使用の実績に基づき、実態に即して算定する方法である。

ウ 原油換算エネルギー使用量及びエネルギー等の使用に伴う二酸化炭素排出量の算定方法

原油換算エネルギー使用量は、把握したエネルギー使用量に基づき、規則第4条第1項及び第2項に定める方法により算定するものとする。

エネルギー等の使用に伴う二酸化炭素排出量は、把握したエネルギー等使用量に基づき、規則別表第1の1の項に掲げる方法により算定するものとする。

第4 継続的な地球温暖化の対策の推進

中小規模事業所において温室効果ガス排出量の削減を図るためには、エネルギー等の使用に伴い排出される二酸化炭素の排出の抑制を図ることが不可欠である。このため、中小規模事業所において事業活動を行う事業者は、こうした無駄なエネルギー等の使用(開口部を開け放した状態での空調、過剰な照明等をいう。)の抑制やエネルギー等の効率的な利用を図る省エネルギー対策を実施するとともに、再生可能エネルギー発電設備の設置、再生可能エネルギー電気の受入れ、証書による環境価値の利用等の再生可能エネルギーの利用に係る措置を実施するなど、自ら策定する目標と計画に基づき、地球温暖化の対策を推進するよう努めるものとする。

1 事業所等における省エネルギー対策・再生可能エネルギー利用に係る目標の設定

(1) 目標を定める範囲

事業者は、条例第8条の23第1項第2号の規定により、別表第三に掲げる省エネルギー対策及び再生可能エネルギーの利用に係る2030年度の達成水準を踏まえ、自らの目標とその達成に向けた計画を定めるものとする。

(2) 目標年度

省エネルギー対策及び再生可能エネルギーの利用に係る2030年度の達成水準を踏まえ、事業者が自ら策定する目標年度は、令和12(2030)年度実績までとする。

(3) 目標設定

事業者が策定する目標は、別表第三に掲げる2030年度の達成水準以上の目標となるよう努めるものとする。

2 地球温暖化の対策の計画及び実施

条例第8条の23第3項に規定する地球温暖化の対策は、(1)の省エネルギー対策(別表第1の第3の部から第5の部までの表に掲げられた対策)(2)の再生可能エネルギーの利用及び(3)の先進的取組に分類される。事業者は、これらの対策の選択に当たっては、より効果的な対策を選択し、実施することにより、温室効果ガスの排出が着実に削減されるよう努めるものとする。

また、(3)に掲げる先進的取組として知事が別に示す対策については、事業者は積極的に実施するよう努めるものとする。

(1) 省エネルギー対策の分類

省エネルギー対策は、大きく分けて次の3つに分類される。

ア 運用対策

エネルギー等の使用の無駄を減らしていく基礎的かつ日常的な省エネルギー対策である。新たな投資を必要とせず、設備の運転管理担当者による設備の運転方法の改善又は設備・機器等を使用する従業員の使用方法の工夫によってエネルギー消費を抑制する。そのため、不要時における照明の消灯及び事務機器の節電、気候に応じた着衣の工夫など、従業員の省エネルギー対策に対する意識及び行動が、その効果に大きく影響する対策である。

イ 設備保守対策

エネルギー等の使用量の無駄を設備の面から減らしていく対策で、長期間の設備の使用による汚れの清掃、経年劣化した消耗品の交換等により、設備の機能を維持させるものである。使用頻度を考慮して保守期間を定め、定期的に実施することが、その効果を持続するために不可欠である。

ウ 設備導入対策

エネルギー消費設備のより高効率な設備への更新、設備の効率的な運用を図るための新たな設備の導入を実施する対策である。

設備の導入に当たり、投資を伴うものであるため、省エネルギー効果、採算性などを検討し、運用対策及び保守対策を十分に実施した上で、設備の交換時期又は事業所等の改修に併せて実施していくことが効果的である。また、設備等を新規設置する場合には、事業所等に適した高効率なものの導入を検討する必要がある。

(2) 再生可能エネルギーの利用

再生可能エネルギー利用については、2030年度の達成水準として、別表3に掲げる事業者が使用する電気における再エネ電気の使用割合について目指すものであり、再エネ電気は、事業者の調達方法等により、大きく分けて次の4つに分類される。

ア オンサイト再エネ電気

事業所等の所在地に再生可能エネルギーの発電設備を設置し、自家発電・自家消費

イ オフサイト再エネ電気

事業所等の所在地外に再生可能エネルギーの発電設備を設置し、自己託送、コーポレートPPA(バーチャルPPAを含む。)等の長期契約による再エネ電気の調達・使用

ウ 小売電気事業者から調達した再エネ電気

小売電気事業者から再エネ電気を調達・使用

エ 再エネ由来の証書による環境価値の充当による再エネ電気

再生可能エネルギーが起源の証書(グリーン電力証書、グリーン熱証書、FIT非化石証書、非FIT非化石証書(再生可能エネルギー指定))による環境価値の充当

なお、環境価値の充当を認める証書は、知事が別に定める一定の条件を満たすものとする。

(3) 先進的取組

先進的取組とは、2030年よりも先の、2050年ゼロエミッションにつながる最新技術等を活用した、省エネルギー機器・設備やオンサイト・オフサイトにおける再生可能エネルギー導入機器・設備など、知事が別に定める設備導入対策とする。

なお、2030年度実績において、2030年度の達成水準に達していない場合においても、知事が別に定める一定の水準まで到達し、かつ、2030年度の実績報告を行う全事業所の過半数の事業所において省エネルギー対策及び再生可能エネルギー利用に係る先進的取組を実施している場合は、省エネルギー対策及び再生可能エネルギー利用の2030年度の水準を達成相当とみなす。

3 目標設定と点検による継続的な改善

地球温暖化の対策は、継続的に実施することが重要である。事業者は、継続的に地球温暖化の対策を推進するために、次に掲げる事項を組織的な取組として行うよう努めるものとする。

(1) 地球温暖化の対策を推進するための2030年度の目標設定及び計画作成

(2) 地球温暖化の対策の実施及び進行管理

(3) 地球温暖化の対策の効果の点検

(4) (3)の点検に基づく地球温暖化の対策の見直し及び継続的な改善

なお、(1)の目標は、2030年度の達成水準を踏まえて設定し、(3)の点検をする際には、事業の内容、規模等の変化その他の地球温暖化の対策の効果に与える諸要因を考慮する必要がある。その上で、(4)の見直しに当たっては、実践している地球温暖化の対策が、有効に機能するよう継続的な改善に努めるものとする。

第5 地球温暖化対策報告書の作成等

中小規模事業所を設置する事業者は、第2から第4までに定められた取組の実施に加え、条例第2節の2に規定する「中小規模事業所からの温室効果ガス排出量の削減」(地球温暖化対策報告書制度)に取り組むことにより、地球温暖化の対策の更なる推進を図るよう努めるものとする。

都は、地球温暖化対策報告書制度を運用することにより、中小規模事業所における温室効果ガス排出状況及び地球温暖化の対策の取組状況を把握し、その更なる地球温暖化の対策の推進のために有益な情報の提供及び支援を実施するよう努めるものとする。

地球温暖化対策報告書制度に関し、必要な事項を定める。

1 地球温暖化対策報告書の作成主体等

(1) 報告書の作成主体等

中小規模事業所において地球温暖化の対策を推進すべき主体となる事業者は、第1 2で定められたその所有し、又は使用する範囲(以下第5において「報告範囲」という。)について、地球温暖化対策報告書制度の対象となる事業所等として、次のとおり地球温暖化対策報告書(以下「報告書」という。)を作成する主体となる。

一の事業所等を所有する事業者と賃借等により当該事業所等を使用する事業者とがある場合は、いずれの事業者も、当該事業所等を設置する者として、それぞれ報告書を作成する主体となる。

なお、事業者が、委託契約により業務を受託し、賃貸借契約によらず事業所等の一定の区画を使用して受託業務を行う場合において、外形上、受託者自らの名の下に事業活動を行うものではないときは、当該区画については、当該事業者が報告書を作成する対象となる事業所等としない。

(2) 報告書の作成対象

ア 条例第8条の23第1項の規定による作成対象(以下「義務提出事業者」という。)

(ア) 同一事業者(国の機関、地方自治体等を含む。)における作成対象

同一事業者が都内に設置している事業所等(前年度の原油換算エネルギー使用量が30kL以上1,500kL未満の事業所等に限り、指定地球温暖化対策事業所及び特定テナント等事業所を除く。以下「義務提出事業所等」という。)の前年度の原油換算エネルギー使用量の合計が3,000kL以上となった場合、当該事業者は、義務提出事業所等ごとに報告書を作成し、知事へ提出する義務を負う。

(イ) 連鎖化事業における作成対象

規則第5条の18に定める要件に該当する連鎖化事業において、本部が設置している義務提出事業所等及び加盟店のうち義務提出事業所等の前年度の原油換算エネルギー使用量の合計が3,000kL以上となった場合、本部は、加盟者と協力して義務提出事業所等ごとの報告書を作成し、知事へ提出する義務を負う。

イ 条例第8条の23第2項の規定による作成対象(以下「任意提出事業者」という。)

義務提出事業所等として報告書を提出した事業所等以外の事業所等についても、これを設置する事業者は、知事が別に定める様式による報告書を作成し、提出することができる。ただし、前年度の原油換算エネルギー使用量が1,500kL以上の事業所等を除く。

2 報告書を作成するための協力

義務提出事業者及び任意提出事業者から、温室効果ガス排出量の把握及び地球温暖化の対策の推進のための協力を求められた事業者は、当該地球温暖化対策事業者等が報告書を適正に作成できるよう、十分な協力を行うものとする。

特に、第2 2(1)アからカまでに掲げる事業者間においては、積極的に連携・協力を行わなければならない。

3 地球温暖化対策報告書制度における原油換算エネルギー使用量等の算定

(1) 地球温暖化対策報告書制度において、報告書を提出する義務の有無の判定及び報告書への記載に関して、事業所等における前年度のエネルギー等使用量、原油換算エネルギー使用量及び温室効果ガス排出量等を算定するに当たっては、第1 2に定める事業所等の範囲について、第3に定める方法によるものとする。ただし、温室効果ガス排出量については、規則第5条の17第4項に定める温室効果ガスのみを対象として算定するものとする。

なお、事業者が、事業所等を共有している場合においては、共有持分を持つ事業者のそれぞれが、当該事業所等の自己の持分割合に応じて、算定するものとする。

(2) 前年度のエネルギー使用量について把握できるものが皆無であるため、第3 2(2)ア又はイの方法を用いて原油換算エネルギー使用量等を算定することができない事業所等については、規則第5条の17第3項に規定する前年度の原油換算エネルギー使用量が不明である事業所等として、次に示す算式により前年度のエネルギー使用量を算出し、これを規則第4条に規定する方法により換算した値を前年度の原油換算エネルギー使用量とみなす。

X2=(A2×B2×C2)/1000

X2:事業所等における前年度のエネルギー使用量(GJ)

A2:事業所等の延床面積(m2)

B2:次の表で示す事業所等が属する区分におけるエネルギー原単位(MJ/m2・h)

C2:算定年度における事業所等の総稼働時間(h)

事業所等が属する区分

エネルギー原単位

1 事務所

0.9

2 飲食

2.6

3 小売(食品)

1.5

4 その他小売

1.0

5 その他

1.2

※事務所内にサーバーを設置している区画がある場合には、当該区画については事務所のエネルギー原単位に代えて、1.4の係数を使用し、当該サーバーの総稼働時間を乗じて算出する。

(3) (2)の場合において報告書に記載する二酸化炭素排出量は、エネルギー使用量の全量を他人から供給された電気の量とみなし、次の算定式により算定された値とする。

X3=(X2/A3)×B3

X3:事業所等における二酸化炭素排出量(t―CO2)

X2:(2)で算定した前年度のエネルギー使用量(GJ)

A3:規則別表第1の2の27の項の第3欄に掲げる係数(GJ/千kWh)

B3:規則別表第1の1の項ハに規定する知事が別に定める係数(t―CO2/千kWh)

4 地球温暖化の対策の目標・計画の設定、実施及び報告

(1) 事業者に関する目標・計画の設定、実施及び報告

2030年度の達成水準を踏まえ、地球温暖化の対策を推進するための目標・計画を設定した事業者等は、実績年度の計画等に対する取組状況について報告書に記載し、知事へ報告するものとする。

事業者等は、別表第1に掲げられた組織体制の整備について努めなければならない。

実績年度に実施した組織体制の整備については報告書に記載して報告するものとし、その他、独自に設定した二酸化炭素の削減目標や実施した取組などがある場合は、報告書に記載し、知事へ報告することができる。

(2) 個々の事業所等に関する目標・計画の設定、実施及び報告

2030年度の達成水準を踏まえ、地球温暖化の対策を推進するための目標・計画を事業所等ごとに設定した事業者等は、実績年度の計画等に対する取組状況について事業所等ごとに報告書に記載し、知事へ報告するものとする。

地球温暖化の対策は、別表第1に掲げられた組織体制の整備、エネルギー等の使用状況の把握及び省エネルギー対策(運用対策、設備保守対策及び設備導入対策)及び知事が別に定める先進的取組とする。事業者は、実績年度に実施したこれらの地球温暖化の対策については報告書に記載し、知事へ報告するものとする。

5 報告書に記載する主な事項

報告書に記載する主な項目は、次の(1)及び(2)のとおりとする。具体的な項目は、知事が別に定める。

(1) 事業者に関して記載する事項

ア 事業者の情報

イ エネルギー使用及び二酸化炭素排出の状況等

ウ 再エネ電気の使用状況

エ 2030年度に向けた省エネルギー対策の取組状況

オ 2030年度に向けた再生可能エネルギー利用の取組状況

カ 取組方針・組織体制等

(2) 個々の事業所等に関して記載する事項

ア 事業所等の情報

イ エネルギー使用及び二酸化炭素排出の状況等

ウ 再エネ電気の使用状況

エ 上下水道の使用状況

オ 温暖化対策の実施状況

6 報告書の提出

報告書の提出は、規則第5条の19及び次に掲げるとおり行うものとする。

(1) 複数の事業所等を設置する事業者は、本社等において各事業所等の報告書をとりまとめ、提出するものとする。

(2) 事業者は、原則、知事が提供する報告用の電磁的記録により報告書を作成し、知事へ提出するものとする。

(3) 事業者は、次に掲げる場合において、必要な資料等を報告書に添付して提出するものとする。

ア 第3 2(2)イにより、エネルギー等の種別ごとの使用量の推計を行った場合、その根拠となる計算結果及び資料等

イ その他、地球温暖化の対策に関して知事が必要と認める事項に関する資料等

7 事業者による公表

(1) 公表事項

条例第8条の24第1項及び規則第5条の20に基づき、義務提出事業者が公表しなければならない主な事項は5(1)エ及びオ、事業所等に関する項目については、5(2)イ及びオであり、具体的な公表項目については、知事が別に定めるものとする。

(2) 公表方法

条例第8条の24第1項に基づき、(1)の事項について、義務提出事業者は、報告書を作成した事業所等ごとに自ら公表しなければならない。

義務提出事業者は、規則第5条の20第3項に定める公表の方法のうち、可能な限りインターネットの利用による方法で公表を行うものとする。インターネットによる公表ができない場合には、環境報告書への記載又は義務提出事業者の都内における主な事務所における備え置き又は掲示その他の容易に閲覧できる場所、時間等を配慮した方法により公表するものとする。

8 報告書を提出すべき義務の要件に該当しなくなったことの確認

条例第8条の25に基づき、知事は、報告書を提出した事業者に対し、温室効果ガス排出量の適正な把握、別表第1に掲げる地球温暖化の対策の適切な実施及び報告書の適正な作成、公表等について、必要に応じて指導・助言を行う。

また、知事は、必要に応じて、地球温暖化の対策に関する研修会など事業者の取組を促進するための情報提供等を行う。

地球温暖化対策事業者は、義務提出事業所等の原油換算エネルギー使用量の合計が年間3,000kLを下回ったときには、当該年度実績に関する報告書を知事に提出しなければならない。その報告を受け、知事が、当該事業者が義務提出事業者に該当しないことを確認できた場合は、その旨を当該事業者へ通知する。当該事業者は、その翌年度から報告書を提出すべき義務を免れるものとする。ただし、当該事業者は、その翌年度以降、義務提出事業所等の原油換算エネルギー使用量の合計が3,000kLを上回ったときには、再び報告書を提出すべき義務を負う。

9 地球温暖化の対策の実施のための指導・助言

条例第8条の25に基づき、知事は、報告書を提出した事業者に対し、温室効果ガス排出量の適正な把握、別表第1に掲げる地球温暖化の対策の適切な実施及び報告書の適正な作成、公表等について、必要に応じて指導・助言を行う。

また、知事は、必要に応じて、地球温暖化の対策に関する研修会など事業者の取組を促進するための情報提供等を行う。

10 事業者に対する勧告

(1) 事業者が報告書を提出しなかったときの勧告

条例第9条第1項に基づき、義務提出事業者が報告書の提出をしなかったときには、知事は、当該事業者に対し、期限を定めてその期間内に提出することを勧告することができる。

(2) 事業者の地球温暖化の対策の推進が著しく不十分なときの勧告

条例第9条第2項に基づき、事業者が、知事による指導及び助言に従わず、本指針に照らして、地球温暖化の対策の取組が著しく不十分であるときは、当該事業者等に対し、必要な措置を実施するよう勧告することができる。

第6 地球温暖化対策事業者等の取組の公表等

1 知事による公表

(1) 公表項目

条例第8条の24第2項及び規則第5条の21第2項に基づき、知事が公表する事項は、5(1)アからウまで、及び、カからトまで、及びニ、並びに5(2)アからウまで、及びオ、及びテからナまで、及びネとする。

(2) 公表方法

知事による公表は、規則第5条の21第2項に定める以下の方法により行う。

なお、このほかに地球温暖化の対策に積極的に取り組む事業者を後押しするため、オープンデータ化など第三者にも分かりやすく利便性を高めて実施する。

ア 知事が別に定める日及び時間における環境局での閲覧

イ インターネットの利用による公表

2 事業者の取組に対する知事による評価・公表

(1) 目的

2030年以前に、2030年度の達成水準に取組レベルが到達した事業者を知事が評価・公表することで、事業者の早期の積極的な取組を後押しし、2030年カーボンハーフに向けた着実な取組を促す。

(2) 基本方針

ア 事業者が、2030年度実績より以前に、知事が定める2030年度の達成水準へ到達した場合に優良事業者として評価を受けることとする。この場合、省エネルギー対策及び再生可能エネルギー利用に係る事業者が選択した「事業者の取組」又は「事業所の取組」のどちらかの達成水準に到達しているものとする。

イ アの省エネルギー対策及び再生可能エネルギー利用の2点について、同年度実績で2030年度の達成水準に到達した場合は、二酸化炭素の排出削減においても優良事業者として評価を受けるものとする。

ウ さらに、過半数の事業所等において、知事が別に定める省エネルギー対策又は再生可能エネルギー利用に関する先進的取組を実施する事業者は、上位の優良事業者として評価を受けるものとする。

エ ウの省エネルギー対策及び再生可能エネルギー利用の2点について、同年度実績で上位の優良事業者として評価を受けた場合は、二酸化炭素の排出削減においても上位の優良事業者として評価を受けるものとする。

オ アからエまでの知事による評価結果については、第三者にも分かりやすく毎年度、都のホームページ上等で公表していくとともに、該当事業者が取引先等に積極的な取組がアピールできるよう、優良事業者等のロゴマークを知事が設定するなど効果的な公表に努めていく。

(3) 評価基準

ア 知事は、報告書を提出した事業者ごとの実績について評価を行う。

イ 知事は、必要に応じて、その実績について事業者に確認する。

ウ 評価の基準及び方法の詳細については、知事が別に定める。

3 事業所等に対する評価・公表

(1) 目的

知事は、事業所等においても、2030年度の達成水準に向けて着実な取組を促していくため、その取組状況を評価・公表する。

毎年度の事業所等ごとの対策及び取組状況について、省エネルギー対策、再エネ電気の使用割合等、及び二酸化炭素の排出削減の3点から、指標を設定し、達成水準レベルとの比較により、取組状況を「見える化」することで、積極的な取組を後押ししていく。

(2) 基本方針

ア ベンチマーク等

知事は、事業活動の内容等に応じた業種区分を設定し、その区分に属する事業所のエネルギー使用、再エネ電気の使用割合等及び二酸化炭素の排出削減の3点について指標(以下、「ベンチマーク等」という。)を作成する。ベンチマーク等を活用して達成水準レベルとの比較により取組状況を「見える化」する。

イ カーボンレポート

知事は、ベンチマーク等が適用できる事業所等について、省エネルギー対策、再エネ電気の使用割合等及び二酸化炭素の排出削減の3点から、その取組状況をカーボンレポートとしてまとめ、公表する。

ウ カーボンレポートの参考情報

知事は、ベンチマーク等が適用できる事業所等について、都内全体の取組状況を把握できるよう、業種区分ごとのカーボンレポートに関する参考情報を公表する。

エ 最新実績値の情報提供

知事は、ベンチマーク等が適用できる事業所等について、省エネルギー対策、再エネ電気の使用割合等及び二酸化炭素の排出削減の3点の最新実績値(エネルギー使用原単位、再エネ電気の利用割合等及び二酸化炭素の排出原単位)等に関する情報を提供する。

(3) 評価基準

ア 知事は、報告書を提出した事業所等ごとの実績について評価を行う。

イ 知事は、必要に応じて、その実績について事業所等に確認する。

ウ 評価の基準及び方法の詳細については、知事が別に定める。

4 脱炭素化モデルビル事業

(1) 目的

知事は、2030年から先の、2050年ゼロエミッションにつながる取組を後押しするため、省エネルギー対策、再エネ電気の使用割合等及び二酸化炭素の排出削減の3点において、優れた対策等を実施する中小規模事業所を脱炭素化モデルビルとして、評価・公表を行う。

また、知事はこれらの脱炭素化モデルビルの優れた対策等を公表することで、中小規模事業所全体の温暖化の対策の底上げを促進していく。

(2) 基本方針

平成25年度から実施した低炭素モデルビル事業を踏まえ、カーボンレポートに適合する事業所等を対象とする。

(3) 評価基準

ア 知事は、優れた対策等を実施する事業所等について評価を行う。

イ 知事は、必要に応じて、その取組について事業所等に確認する。

ウ 評価の基準及び方法の詳細については、知事が別に定める。

第7 自動車に係る地球温暖化の対策の推進

1 自動車を自ら使用する場合の地球温暖化の対策

中小規模事業所において事業活動を行う事業者は、当該中小規模事業所において自動車(工場のフォークリフト等事業所の区域内のみで使用される自動車を除く。)を使用している場合には、自動車の使用の抑制、低公害・低燃費車の導入、エコドライブ等、自動車に係る地球温暖化の対策の推進に努めるものとする。

2 他者の自動車を利用する場合の地球温暖化の対策

中小規模事業所において事業活動を行う事業者は、当該中小規模事業所において貨物等の搬入等のため他者の自動車を利用している場合には、貨物の売主や運送事業者等と連携し、低公害・低燃費車の利用、物流の効率化、エコドライブ等、自動車に係る地球温暖化の対策の推進に努めるものとする。

(施行期日)

1 この指針は、公布の日から施行する。

(経過措置)

2 都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例(平成20年東京都条例第93号)附則第3項の規定によりなお従前の例によるものとされた同条例による改正前の条例第7条第1項、第7条の2から第9条まで、第153条第1項及び第4項、第155条第1項並びに第156条第1項及び第4項の規定の適用に必要なこの指針による改正前の東京都地球温暖化対策指針の規定は、この指針の施行後も、なお効力を有する。

(新型コロナウイルス感染症のまん延の影響を受けた者に係る特例)

3 令和三年一月三十一日までの間、新型コロナウイルス感染症(新型インフルエンザ等対策特別措置法(平成二十四年法律第三十一号)附則第一条の二第一項に規定するものをいう。)のまん延の影響を受けた温室効果ガス排出事業者等についての次の表の左欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の右欄に掲げる字句に読み替えて適用する。

第1編第8 3(1)

10月末日

10月末日。ただし、令和2年度にあっては令和3年1月末日、当該判断が令和2年度に初めてあった場合においては令和2年12月末日

第1編第8 3(3)

9月末日

9月末日。ただし、当該廃止又は休止が令和2年3月7日から同月末日までの間に行われた場合にあっては同年9月末日、同年4月1日から同年8月末日までの間に行われた場合にあっては同年11月末日

第1編第8 3(3)

9月末日

9月末日。ただし、令和2年度に該当した場合にあっては令和2年11月末日

第1編第8 3(3)

9月末日

9月末日。ただし、令和2年度に該当した場合にあっては令和2年11月末日

第1編第8 7(1)

11月末日(

11月末日(令和2年度にあっては令和3年1月末日。

当該日

11月末日(令和2年度にあっては令和3年1月末日)

遅い日

遅い日。ただし、当該確認が令和2年1月7日から同年3月末日までの間にあった場合(平成30年度にも当該確認があった場合を除く。)においては同年9月末日

第1編第8 8(4)

11月末日(

11月末日(令和2年度にあっては令和3年1月末日。

当該日

11月末日(令和2年度にあっては令和3年1月末日)

遅い日

遅い日。ただし、当該確認が令和2年1月7日から同年3月末日までの間にあった場合(平成30年度にも当該確認があった場合を除く。)においては同年9月末日

(平成二五年告示第四五九号)

この告示は、平成二十五年四月一日から施行する。

(平成二六年告示第二九四号)

この告示は、平成二十六年四月一日から施行する。

(令和元年告示第一八三号)

1 この告示は、令和元年七月一日から施行する。

2 この告示の施行の際、この告示による改正前の東京都地球温暖化対策指針の様式(この告示により改正されるものに限る。)による用紙で、現に残存するものは、所要の修正を加え、なお使用することができる。

(令和二年告示第三六四号)

この告示は、令和二年四月一日から施行する。

(令和二年告示第一〇一一号)

この告示は、公布の日から施行する。

(令和六年告示第一〇一六号)

この告示は、令和七年四月一日から施行する。

別表第1 事業所等における地球温暖化の対策

第1 組織体制の整備

対策分類

対策内容

実施主体

対策項目

1 本社等

(1) 統括する立場にある者のリーダーシップの発揮

ア 地球温暖化の対策を推進するための方針を設定すること。

イ 地球温暖化の対策を推進する組織又は責任者を設置し、役割分担及び責任の所在を明確化すること。

(2) 推進体制の整備

ア 事業所等において地球温暖化の対策を統括する立場にある者が定めた方針の下に、具体的な取組目標及び取組内容を設定すること。

イ 事業所内に地球温暖化の対策を推進する組織や横断的な委員会を設置するなど推進体制を整備すること。

ウ イで整備した推進体制の下で、アで設定した目標及び取組状況を点検し、必要に応じて取組内容を改善すること。

エ 事業所等ごとの温室効果ガスの排出状況等を把握するため、必要に応じ、支社等を支援すること。

オ 把握した温室効果ガスの排出状況等について、整理及び分析を行い、その結果を各事業所等へ情報提供するなど事業者全体で共有する体制を構築し、温室効果ガス排出量を削減していく指標として活用すること。

(3) 外部の専門家との連携

ア 事業所内に専門的知識を有する人材が不足する場合には、都が中小規模事業所向けに実施している「省エネルギー相談窓口」、「無料の省エネ診断」等を積極的に活用するなど、都が提供する専門的な知見及び具体的な提案を収集する体制を整備すること。

イ アに定めるもののほか、専門機関、ビジネス事業者等の外部の専門家と連携する体制を整備すること。

(4) 従業員の育成・啓発

ア 従業員に、都が示す重点対策その他の地球温暖化の対策を推進する取組方法等の情報提供を実施すること。

イ 地球温暖化の対策の提案制度など、従業員の自発的な工夫を生かす体制を構築すること。

ウ 地球温暖化の対策を推進する担当者の知識及び技能を高めるため、外部研修への参加を奨励するとともに、研修で得た知識を他の従業員に広める取組を実施すること。

(5) 優良事例の共有化

ア 地球温暖化の対策の取組における事業所内外の優良事例の情報収集を実施すること。

イ 優良事例については、イントラネット、研修会、表彰その他コミュニケーションツールを活用して、全社で共有する体制を構築すること。

ウ 従業員の現場経験を生かした実践的な地球温暖化の対策を構築するために、本社・支社等における取組を発表する機会を設けることなどにより、取組事例を全社で共有すること。

2 支社等

(1) 責任者のリーダーシップの発揮

ア 本社等が定めた方針及び取組目標を踏まえ、支社等におけるより具体的な方針及び取組目標を設定すること。

イ 地球温暖化の対策を推進する組織又は責任者を設置し、役割分担及び責任の所在を明確化すること。

(2) 推進体制の整備

ア 責任者が定めた方針の下に支社等における具体的な取組目標及び取組内容を、推進担当者(部署)が設定すること。

イ 支社等内に地球温暖化の対策を推進する委員会を設置するなど推進体制を整備すること。

ウ イで整備した推進体制の下で、アで設定した取組目標及び取組状況を点検し、必要に応じて取組内容を改善すること。

エ 支社等ごとに、温室効果ガスの排出状況を把握すること。

オ 把握した温室効果ガスの排出状況等については、整理及び分析を行い、支社等内の従業員へ情報提供することなどにより支社等内で共有するとともに、本社等への情報提供も積極的に行い、事業者全体で共有すること。

(3) 外部の専門家との連携

ア 支社等内に専門的知識を有する人材が不足する場合には、都が中小規模事業所向けに実施している「省エネルギー相談窓口」、「無料の省エネ診断」等を積極的に活用し、都が提供する専門的な知見及び具体的な提案を収集する体制を整備すること。

イ アに定めるもののほか、必要に応じて専門機関、ビジネス事業者等の外部の専門家と連携する体制を整備すること。

(4) 従業員の育成・啓発

ア 従業員向けに地球温暖化の対策を推進する取組方法等の情報提供を実施すること。

イ 地球温暖化の対策の提案制度など、従業員の自発的な工夫を生かす体制を構築すること。

ウ 地球温暖化の対策を推進する担当者の知識及び技能を高めるため、外部研修への参加を奨励するとともに、研修で得た知識を他の従業員に広める取組を実施すること。

(5) 優良事例の共有化

ア 地球温暖化の対策の取組における外部の優良事例の情報収集を実施すること。

イ 優良事例について、イントラネット、研修会、表彰その他コミュニケーションツールを活用して、支社等内で共有すること。

ウ 従業員の現場経験を生かした実践的な地球温暖化の対策を構築するために、本社・支社等における取組を発表する機会を設けることなどにより、取組事例を支社等内で共有すること。

3 連鎖化事業者の本部

(1) 推進体制の整備

ア 事業所等(加盟店を含む。)ごとに、温室効果ガスの排出状況等を把握し、分析等を行った情報について、各事業所等との間で共有する体制を構築し、温室効果ガス排出量を削減していく指標として活用すること。

イ 店舗に対する巡回指導等の機会を活用し、各事業所等間の情報の共有化、対策の推進状況の確認・指導等の体制を構築すること。

ウ 店舗への地球温暖化の対策の指導レベルを上げるため、店舗に対して巡回指導等を行う者の地球温暖化の対策に関する知識及びスキルの向上を図る体制を構築すること。

(2) 加盟者との協力体制の整備

ア 連絡票、電子メール等の加盟者との連絡手段を整備し、地球温暖化の対策の取組への協力を依頼する体制を構築すること。

イ 事業所等における優良事例等については、事業所等の間で情報を共有できる体制を構築すること。

ウ 優れた取組を実施する店舗には、優良店舗としての認定を行うなど取組を評価する仕組みを構築すること。

エ 地球温暖化の対策を推進する委員会を設置するなど事業所等との間で推進体制を整備すること。

4 テナントビルの所有者等

(1) テナント等への情報提供体制の整備

ア テナント等に対し、当該テナント等が使用する事業所等のエネルギー等の使用量の情報を提供できる体制を構築すること。

イ 中央熱源方式の空調設備の場合、テナント等が当該設備を使用した割合に応じたエネルギー等の使用量を推計し、当該テナント等に情報を提供する体制を構築すること。

(2) テナント等との協力体制の整備

ア 掲示板、連絡票などのコミュニケーションツールを活用し、地球温暖化対策の取組への協力を依頼する体制を構築すること。

イ 地球温暖化の対策を推進する委員会を設置するなどテナント等との具体的な協力体制を構築すること。

ウ テナント等が実施する取組が評価できるエネルギー使用の料金体系、その還元方式等を検討し、採用する体制を構築すること。

5 テナント等

(1) 所有者等との協力体制の整備

ア テナントビルの所有者等が実施する地球温暖化の対策に協力する体制を構築すること。

イ テナントビルの所有者等が設置する地球温暖化の対策を推進する委員会などの設置・運営に協力する体制を構築すること。

ウ テナントビルの所有者等へ地球温暖化の対策を推進する提案を実施する体制を構築すること。

第2 エネルギー等の使用状況の把握

対策分類

対策内容

実施主体

対策項目

1 事業所等

(1) エネルギー等の使用量の把握

ア 自ら把握可能な情報に基づき、事業所等の全体のエネルギー等の使用量を把握し、集計し、整理すること。

イ 自ら把握可能な情報に他者から得た情報も加え、事業所等の全体のエネルギー等の使用量を把握し、集計し、整理すること。

ウ 管理用の計量器又は取引用の計量器を容易に視認でき、又は設置した場合には、必要に応じて、日又は時間などのより短い周期でエネルギー等使用量を記録し、集計し、整理すること。

エ 設備ごとに管理用の計量器を設置し、エネルギー等の使用量を詳細に記録し、集計し、整理すること。

(2) エネルギー等の使用状況の把握

ア エネルギー等の使用量について、月ごとに前年度の使用量と比較し、エネルギー等の使用傾向を把握すること。

イ エネルギー等について、過去数年の使用量の記録を種類ごとに比較し、使用の傾向を把握すること。

ウ 管理用の計量器で把握した設備のエネルギー等の使用量により、主要な設備のエネルギー等の使用状況を把握すること。

エ 事業所等ごとのエネルギー等の使用状況を把握し、地球温暖化の対策を推進する指標として活用すること。

オ IoT・AI等の技術やBEMS、FEMS等の活用により、設備稼働状況等のデータを把握及び制御することで、エネルギーの使用の合理化を図ること。

第3 運用対策

1 全事業者

対象となる設備

対策内容

ア 照明設備

(ア) 点灯及び消灯の基準を作成し、空き室、不在時等の不要時の消灯をこまめに実施すること。

(イ) 執務室の点灯範囲が分割できる場合、点灯範囲の現状を把握し、使用者が認識するようスイッチに当該点灯範囲を表示すること。

(ウ) 日本産業規格Z9110(照度基準)及びZ9125(屋内作業場の照明基準)並びにこれらに準ずる規格を目安とし、視作業の状況及び視環境を勘案の上、調光機能の使用、消灯及びランプの間引きにより、可能な限り低い照度レベルに設定すること。

(エ) 窓際など昼光により照度が確保できる場所では、積極的に昼光を利用し、消灯を実施すること。

(オ) 事務所等の営業形態を考慮し、昼休み消灯(一部又は全部)を実施すること。

イ 空調・換気設備

(ア) 冷暖房温度については、着衣の工夫を行うとともに、都が推奨する設定温度を勘案し、設定すること。

(イ) 空調の運転範囲が分かれている場合、使用者が認識するよう室内機スイッチに運転範囲を表示すること。

(ウ) 温度計等を活用して執務室内温度条件を把握し、風量及び冷暖房温度を適正な値に設定すること。

(エ) 空き室、不在時等のこまめな空調停止、終業時刻より早めの空調停止など室内機スイッチ操作の基準を作成すること。

(オ) 空調負荷の低減を図るため、予熱時又は予冷時の外気導入量の停止等を実施すること。

(カ) 空調負荷の低減を図るため、夏季及び冬季時の外気導入量の制御、中間期(春季及び秋季)の全熱交換器の運転停止等を実施すること。

(キ) 中間期(春季及び秋季)には、外気を直接室内に導入して冷房を行うなど、熱源エネルギーの削減を図ること。

(ク) 冬季に冷房を使用している場合は、同一室内などにおいて、冷房による冷風と暖房による温風とが混合して、エネルギー損失が生じないよう運転方法を見直すこと。

(ケ) 空調負荷の低減を図るため、外気湿度の状態と除湿に必要なエネルギーとを勘案して、温度設定を行うこと。また、可能な場合には除湿量の調整を実施すること。

(コ) 冷熱源機等の冷水出入口の温度を把握し、季節や空調負荷に応じた適正な温度に設定すること。

(サ) 空調負荷の低減を図るため、窓や扉を閉めるなど、給気と排気とのバランスを調整し、外気の進入を抑制すること。

ウ 事務用機器

(ア) 複写機(以下「コピー機」という。)、印刷機(以下「プリンター」という。)、複合機、個人用のパーソナルコンピューター(以下「パソコン」という。)等に省エネモードの設定がある場合は、当該設定を実施すること。

(イ) コピー機、プリンター及び複合機について、業務終了時に速やかに停止すること。

(ウ) パソコン等については、離席時等の不使用時には、待機電力の削減のため電源を切ることを徹底すること。

(エ) コピー機、プリンター及び複合機等の事務用機器については、使用状況を把握し、集約化するとともに、定期的に設置台数の見直しを実施すること。

エ 給排水・給湯設備、排水処理設備(共用設備含む)

(ア) 共用設備では、便所の便座ヒーター、給湯器等の設定温度を把握し、季節に応じた設定温度の変更を実施すること。

(イ) 自動販売機の照明については、夜間営業がない場合等には、夜間、休日等のタイマーによる消灯を実施すること。

(ウ) 自動販売機については、夜間営業等がない場合等には、夜間、休日等のタイマーによる停止を実施すること。

(エ) 屋外照明(屋外灯・駐車場灯・看板灯)は、明るさによる自動点滅器、タイマー等による季節に応じた点灯時間の設定を実施すること。

(オ) 屋内駐車場の換気時間を把握し、換気の不要時間帯における換気設備の停止を実施すること。

オ 熱源・熱搬送設備、冷却設備

(ア) ポンプ、ファン等の熱搬送設備の搬送動力の低減を図るため、当該熱搬送設備の流量又は圧力を把握すること。

カ 昇降機設備

(ア) 利用状況等に応じて、エレベータを停止するなど、適正な運転台数により運行を行うこと。

キ 電気需要最適化

(ア) IoT・AI等の技術やBEMS、FEMS等の活用により、電力使用の合理化に努めると共に、可能な範囲でデイマンドリスポンス(DR)の対応を行うこと。

2 運用対策(業務部門)

(1) 飲食系の事業者

対象となる設備

対策内容

ア 照明設備

(ア) 荷物等が照明の障害となり、照度低下が発生しないよう、定期的な確認とともに、整理整頓を徹底すること。

(イ) バックヤードについては、点灯及び消灯の基準を作成し、不要時の消灯をこまめに実施すること。

(ウ) 営業前後の準備及び片付けの時間帯の客室照明については、点灯及び消灯の基準を作成し、不要箇所の消灯をこまめに実施すること。

(エ) 客数の少ない時間帯には、可能な限り客席を集約し、点灯範囲を限定する等の点灯管理を実施すること。

(オ) 個室等については、点灯及び消灯の基準を作成し、不要時の消灯をこまめに実施すること。

イ 空調・換気設備

(ア) 空調の吹出口の直近の荷物等による通風障害が発生しないよう、定期的な確認とともに、整理整頓を徹底すること。

(イ) 厨房・バックヤードの過度な換気により、客席等他の室の空調負荷が増大することを防ぐため、換気風量の調整を行うこと。

(ウ) 営業前後の準備及び片付けの時間帯の厨房の換気が不要なときには、換気設備を停止すること。

(エ) 温度計を使用して室内温度状態を把握し、風量及び冷暖房温度を適正な値に設定すること。

(オ) 営業前後の準備及び片付けの時間帯の空調設備については、作業エリアに限定するなど基準を作成し、不要箇所の運転をこまめに停止すること。

(カ) 客数の多寡が生じる時間帯に応じた、空調温度の設定のこまめな変更を実施すること。

(キ) 空調負荷の低減を図るため、扉や窓を閉め、空調による給気と排気とのバランスを調整して必要な換気風量を確保しつつ、外気の進入を抑制すること。

(ク) 客数の多寡に応じ、換気風量の適正化を図ること。

(ケ) 空調負荷の低減を図るため、窓や扉がなく外気に開放された開口部がある場合には、つい立て等を設置し、開口部近傍(開口部から2m程度の範囲をいう。)の空調機能を停止すること。

ウ 厨房設備

(ア) 加熱用機器の使用では、適切な加熱時間を検討し、その目安となる時間を表示して無駄な加熱の抑制を図ること。

(イ) 加熱時に蓋ができる加熱用機器については、加熱時の熱損失を低減するため、加熱時は蓋をするよう表示し、指導すること。

(ウ) 水栓器具の近傍に節水を促す表示をし、使用者への意識啓発を図ること。

(エ) 調理用機器、食器用洗浄機等については、効率的な使用方法を検討し、その方法を機器の近傍に表示することにより、使用者への意識啓発を図ること。

(オ) 加熱用機器については、使用開始までの待機時間が必要以上に発生しないよう、営業開始時間等に合わせた適正な使用を図ること。

エ 冷凍冷蔵設備

(ア) 冷凍冷蔵庫については、内容物に適した冷凍温度及び冷蔵温度を把握し、適正な設定温度を行うことで過冷却の防止を図ること。

(イ) 冷凍及び冷蔵の適正温度については、庫外に表示するなど、使用者への意識啓発を図ること。

(ウ) 冷凍冷蔵庫からの材料出しについては、材料の収納位置を庫外に表示し、冷凍冷蔵庫の開閉時間の短縮を図ること。

オ アからエまで以外の業務用設備

(ア) アからエまで以外の業務用設備については、不要時の停止を実施すること。

(イ) アからエまで以外の業務用設備については、効率的な使用方法を検討し、使用方法等を表示することにより、使用者への意識啓発を図ること。

(ウ) 店舗の看板照明については、点灯及び消灯の基準を作成し、不必要な時間帯には消灯すること。

(2) 温水利用系の事業者

対象となる設備

対策内容

ア 照明設備

(ア) 利用室の点灯範囲が分割されている場合は、点灯範囲の現状を把握し、従業員等が認識するようスイッチに当該点灯範囲を表示すること。

(イ) 採光を利用できる場所において、採光のある時間帯は積極的に採光を利用し、消灯を実施すること。

(ウ) 利用室、倉庫等については、点灯及び消灯の基準を作成し、不要時の消灯をこまめに実施すること。

イ 空調・換気設備

(ア) 利用客数を時間帯別に把握し、客の多寡により空調温度の設定のこまめな変更を実施すること。

(イ) 空調の運転範囲が分かれている場合、その範囲を把握し、従業員等が認識するようスイッチに運転範囲を表示すること。

(ウ) 終業時刻より早めの空調停止が可能な場合は実施すること。

(エ) 温度計等を活用して室内温度条件を把握し、風量及び冷暖房温度を適正な値に設定すること。

(オ) 空き室、不在時等の不要時の空調停止をこまめに実施すること。

(カ) 中央熱源方式空調の場合、熱源機器等の設定を把握し、季節に応じた設定値の変更を実施すること。

(キ) 空調負荷の低減を図るため、扉や窓を閉め、空調により給気と排気とのバランスを調整して必要な換気風量を確保しつつ、外気の進入を抑制すること。

ウ 給排水・給湯設備、排水処理設備

(ア) 季節に応じた設定温度の見直しを実施すること。

(イ) 熱源設備が複数ある場合は、負荷に応じて最も効率の良い運転台数での運転を実施すること。

(ウ) 熱源系統に係る燃料消費量の低減を図るため、配管系統における保温の実施及び蒸気等の漏れの防止を実施すること。

(エ) 漏水による無駄を防止するため、営業時間外等の使用量を計量器で確認し、漏水の有無を確認すること。

エ アからウまで以外の業務用設備

(ア) アからウまで以外の業務用設備については、不要時の停止を実施すること。

(イ) アからウまで以外の業務用設備については、効率的な使用方法を検討し、使用方法等を表示することにより、使用者への意識啓発を図ること。

(3) 宿泊型系の事業者

対象となる設備

対策内容

ア 空調・換気設備

(ア) 利用客数を時間帯別に把握し、客の多寡により空調温度の設定のこまめな変更を実施すること。

(イ) 中央熱源方式空調の場合、熱源機器等の設定を把握し、季節に応じた設定値の変更を実施すること。

(ウ) 使用していない客室等については、空調を停止すること。

(エ) 客室を清掃するときには、空調を停止すること。

(オ) ポンプ、ファン等の熱搬送設備の搬送動力の低減を図るため、搬送経路の流体抵抗の低減に努めつつ当該熱搬送設備の流量及び圧力を最適化すること。

(カ) 外調機を使用している場合、季節や客室の稼働状況に応じた設定値の変更を実施すること。

イ 厨房設備

(ア) 加熱用機器の使用では、適切な加熱時間を検討し、その目安となる時間を表示して無駄な加熱を抑制すること。

(イ) 加熱時に蓋ができる加熱用機器については、加熱時の熱損失を低減するため、加熱時に蓋をするよう表示し、指導すること。

(ウ) 水栓器具の近傍に節水を促す表示をし、使用者への意識啓発を図ること。

(エ) 調理用機器、食器用洗浄機等については、効率的な使用法を検討し、その方法を機器の近傍に表示することにより、使用者への意識啓発を図ること。

(オ) 厨房の過度な換気により、客席等他の室の空調負荷が増大することを防ぐため、換気風量の調整を行うこと。

(カ) 加熱用機器については、使用開始までの待機時間が必要以上に発生しないよう、営業開始時間等に合わせた適正な使用を図ること。

ウ 給排水・給湯設備、排水処理設備

(ア) 季節に応じた設定温度の見直しを実施すること。

(イ) 熱源設備が複数ある場合は、負荷に応じて最も効率の良い運転台数での運転を実施すること。

(ウ) 熱源系統に係る燃料消費量の低減を図るため、配管系統における保温の実施及び蒸気等の漏れの防止を実施すること。

(エ) 漏水による無駄を防止するため、営業時間外等に使用量を計量器で確認し、漏水の有無を確認すること。

(オ) 利用客数と水道使用量との関係を把握し、利用客数に対する水道使用量の割合の低減を図ること。

エ アからウまで以外の業務用設備

(ア) アからウまで以外の業務用設備については、不要時の停止を実施すること。

(イ) アからウまで以外の業務用設備については、効率的な使用方法を検討し、使用方法等を表示することにより、使用者への意識啓発を図ること。

(4) (1)から(3)まで並びに(8)及び(9)以外のサービス系の事業者

対象となる設備

対策内容

ア 照明設備

(ア) 点灯及び消灯の基準を作成し、不要時の消灯をこまめに実施すること。

(イ) 採光を利用できる場所において、採光のある時間帯は積極的に採光を利用し、消灯を実施すること。

イ 空調・換気設備

(ア) 利用客数を時間帯別に把握し、客の多寡により空調温度の設定のこまめな変更を実施すること。

(イ) 空調の運転範囲が分かれている場合、その範囲を把握し、従業員等が認識するようスイッチに運転範囲を表示すること。

(ウ) 終業時刻より早めの空調停止が可能な場合は実施すること。

(エ) 温度計等を活用して室内温度条件を把握し、風量、冷暖房温度及び湿度を適正な値に設定すること。

(オ) 空き室、不在時等の不要時の空調停止をこまめに実施すること。

(カ) 中央熱源方式の空調の場合、熱源機器等の設定を把握し、季節に応じた設定値の変更を実施すること。

(キ) 空調負荷の低減を図るため、扉や窓を閉め、空調により給気と排気とのバランスを調整して必要な換気風量を確保しつつ、外気の進入を抑制すること。

ウ 給排水・給湯設備、排水処理設備

(ア) 季節に応じた設定温度の見直しを実施すること。

(イ) 熱源設備が複数ある場合は、負荷に応じて最も効率の良い運転台数での運転を実施すること。

(ウ) 熱源系統に係る燃料消費量の低減を図るため、配管系統における保温の実施及び蒸気等の漏れの防止を実施すること。

(エ) 漏水による無駄を防止するため、営業時間外等の使用量を計量器で確認し、漏水の有無を確認すること。

(オ) 利用客数と水道使用量との関係を把握し、利用客数に対する水道使用量の割合の低減を図ること。

エ (1)から(3)まで並びに(8)及び(9)以外のサービス系の業種で主に使用する設備等

(ア) (1)から(3)まで並びに(8)及び(9)以外のサービス系の業種で主に使用する設備並びにア及びイ以外の業務用設備については、不要時の停止を実施すること。

(イ) (1)から(3)まで並びに(8)及び(9)以外のサービス系の業種で主に使用する設備並びにア及びイ以外の業務用設備については、効率的な使用方法を検討し、使用方法等を表示することにより、使用者への意識啓発を図ること。

(5) 食品小売系の事業者

対象となる設備

対策内容

ア 照明設備

(ア) 点灯範囲が分割されている場合は、点灯範囲の現状を把握し、従業員等が認識するようスイッチに当該点灯範囲を表示すること。

(イ) 営業前後の準備及び片付けの時間帯の照明については、点灯及び消灯の基準を作成し、不要箇所の消灯をこまめに実施すること。

(ウ) バックヤードについては、点灯及び消灯の基準を作成し、不要時の消灯をこまめに実施すること。

(エ) 展示品用スポット照明については、過剰な設置台数とならないよう照射位置の調整を実施すること。

イ 空調・換気設備

(ア) 利用客数を時間帯別に把握し、客の多寡により空調温度の設定のこまめな変更を実施すること。

(イ) 空調の運転範囲が分かれている場合、その範囲を把握し、従業員等が認識するようスイッチに運転範囲を表示すること。

(ウ) 終業時刻より早めの空調停止が可能な場合は実施すること。

(エ) 温度計等を活用して室内温度条件を把握し、風量及び冷暖房温度を適正な値に設定すること。

(オ) 中央熱源方式の空調の場合、熱源機器等の設定を把握し、季節に応じた設定値の変更を実施すること。

(カ) 空調負荷の低減を図るため、扉や窓を閉め、給気と排気とのバランスを調整し、外気の進入を抑制すること。

(キ) バックヤードの空調の吹出口の直近の荷物等による通風障害が発生しないよう、定期的な確認とともに、整理整頓を徹底すること。

(ク) 厨房・バックヤードの過度な換気により、売場等他の室の空調負荷が増大することを防ぐため、換気風量の調整を行うこと。

(ケ) 営業前後の準備及び片付けの時間帯の厨房の換気が不要なときには、バックヤードの換気設備を停止すること。

ウ 厨房設備

(ア) 加熱用機器の使用では、適切な加熱時間を検討し、その目安となる時間を表示して無駄な加熱を抑制すること。

(イ) 加熱時に蓋ができる加熱用機器については、加熱時の熱損失を低減するため、加熱時に蓋をするよう表示し、指導すること。

(ウ) 水栓器具の近傍に節水を促す表示をし、使用者への意識啓発を図ること。

(エ) 調理用機器、食器用洗浄機等については、効率的な使用法を検討し、その方法を機器の近傍に表示することにより、使用者への意識啓発を図ること。

(オ) 加熱用機器等については、使用開始までの待機時間が必要以上に発生しないよう、営業開始時間等に合わせた適正な使用を図ること。

エ 冷凍冷蔵設備

(ア) 冷凍冷蔵庫については、内容物に適した冷凍温度及び冷蔵温度を把握し、適正な設定温度を行うことで過冷却の防止を図ること。

(イ) 冷凍及び冷蔵の適正温度については、庫外に表示するなど、使用者への意識啓発を図ること。

(ウ) 冷凍冷蔵庫からの材料出しについては、材料の収納位置を庫外に表示し、冷凍冷蔵庫の開閉時間の短縮を図ること。

(エ) 冷凍冷蔵ショーケースにナイトカバーが附属している機種については、営業終了後のナイトカバーの使用を徹底して実施すること。

(オ) 冷凍冷蔵ショーケースについては、冷気吹出口や吸引口の周辺を整理し、陳列物が気流を阻害することによる冷却効率低下の防止を徹底すること。

(カ) 冬季など湿度が低く冷凍ショーケースに霜が付きにくい季節には、除霜装置の稼動の調整を実施すること。

(キ) 冷凍倉庫用の冷凍機については、必要な温度条件等を把握することで、冷凍機出口温度等の運転条件の適正化を図ること。

オ アからエまで以外の業務用設備

(ア) アからエまで以外の業務用設備については、不要時の停止を実施すること。

(イ) アからエまで以外の業務用設備については、効率的な使用方法を検討し、使用方法等を表示することにより、使用者への意識啓発を図ること。

(6) (5)以外の小売系の事業者

対象となる設備

対策内容

ア 照明設備

(ア) 点灯範囲が分割されている場合は、点灯範囲の現状を把握し、従業員等が認識するようスイッチに当該点灯範囲を表示すること。

(イ) 営業前後の準備及び片付けの時間帯の照明については、点灯及び消灯の基準を作成し、不要箇所の消灯をこまめに実施すること。

(ウ) バックヤードについては、点灯及び消灯の基準を作成し、不要時の消灯をこまめに実施すること。

(エ) 展示品用スポット照明については、過剰な設置台数とならないよう調整を実施すること。

イ 空調・換気設備

(ア) 利用客数を時間帯別に把握し、客の多寡により空調温度の設定のこまめな変更を実施すること。

(イ) 空調の運転範囲が分かれている場合、その範囲を把握し、従業員等が認識するようスイッチに運転範囲を表示すること。

(ウ) 終業時刻より早めの空調停止が可能な場合は実施すること。

(エ) 温度計等を活用して室内温度を把握し、風量及び冷暖房温度を適正な値に設定すること。

(オ) 中央熱源方式の空調の場合、熱源機器等の設定を把握し、季節に応じた設定値の変更を実施すること。

(カ) 空調負荷の低減を図るため、扉や窓を閉め、空調により給気と排気とのバランスを調整して必要な換気風量を確保しつつ、外気の進入を抑制すること

ウ (5)以外の小売系の業種で主に使用する設備等

(ア) (5)以外の小売系の業種で主に使用する設備並びにア及びイ以外の業務用設備については、不要時の停止を実施すること。

(イ) (5)以外の小売系の業種で主に使用する設備並びにア及びイ以外の業務用設備については、効率的な使用方法を検討し、使用方法等を表示することにより、使用者への意識啓発を図ること。

(7) テナントビルの所有者等

対象となる設備

対策内容

ア 照明設備

(ア) 利用時間に応じて、フロア(共用部)ごとの点灯及び消灯を実施すること。

(イ) 階段照明については、消灯の可否を検討し、可能な場合には消灯を実施すること。

イ 空調・換気設備

(ア) 温度計等を活用して共用部の温度を把握し、その温度に応じた風量、冷暖房温度及び湿度の適正な値に設定すること。

(イ) 共用部の空調がフロアごとに停止可能な場合は、テナント等の営業時間に合わせるなどフロアごとの運転管理を実施すること。

(ウ) 中央熱源方式の空調設備の場合、熱源機器等の設定を把握し、季節に応じた設定値の変更を実施すること。

ウ ア及びイ以外の業務用設備

(ア) ア及びイ以外の業務用設備については、不要時の停止を実施すること。

(イ) ア及びイ以外の業務用設備については、効率的な使用方法を検討し、使用方法等を表示することにより、使用者への意識啓発を図ること。

(8) 情報処理を主とする事業者

対象となる設備

対策内容

ア 受変電設備、配電設備

(ア) 最大負荷時、最低負荷時などの機器の運転状況に応じた受電力率を把握し、改善すること。

(イ) 機器の起動順序、運転時間等の運転方法の変更、機器更新時など機会を捉え、契約電力の見直しを行うこと。

(ウ) IT機器の電力消費量に対する全電力消費量の割合である電力効率(PUE)等を定期的に把握すること。

イ 情報通信設備

(ア) ラック内において、IT機器からの排熱による高温空間と低温空間とを分離して、IT機器の冷却効率を高める運用を行うこと。

(イ) ラック内の冷却効率が高まるよう、ラック内の気流を考慮した機器の配置とすること。

(ウ) 冷却効率を考慮して、ラック内の配線を整理すること。

(エ) IT機器の、稼動時の電力消費量を測定し、監視すること。

(オ) 使用していないIT機器など、不要な機器を停止すること。

ウ 空調・換気設備

(ア) サーバルームの温度を把握し、空調を適切な温度に調整すること。

(イ) サーバルームにおいて、整流板、遮熱カーテン、ラックの配置等により、高温空間と低温空間とを分離し、冷却効率を高めること。

(ウ) 局所的に生じる熱だまりの発生を把握するとともに、熱だまりに対しては局所的な冷却を実施すること。

(エ) 発熱量が多い機器に優先的に冷気が流れるよう、整流板等により気流を制御すること。

(オ) サーバルーム内の冷却風量の分布の違いを考慮し、機器の発熱量に応じて、ラックを配置すること。

(カ) 解析ソフト等により、サーバルーム内の空気の流れを把握し、調整すること。

(キ) 冷気を床下から吹き出す場合には、床下のケーブルを整理し、気流の改善を図ることによりIT機器の冷却効率を高めること。

(ク) サーバルーム内で稼働している機器を把握し、運転状況に応じて空調機の運転台数を制御すること。

エ アからウまで以外の業務用設備

(ア) アからウまで以外の業務用設備については、不要時の停止を実施すること。

(イ) アからウまで以外の業務用設備については、効率的な使用方法を検討し、その方法等を設備の近傍に表示することにより、使用者への意識啓発を図ること。

(9) 教育・研究系の事業者

対象となる設備

対策内容

ア 照明設備

(ア) 点灯及び消灯の基準を作成し、空き室、不在時等の不要時の消灯をこまめに実施すること。

(イ) 教室等の点灯範囲が分割できる場合、点灯範囲の現状を把握し、使用者が認識するようスイッチに当該点灯範囲を表示すること。

(ウ) 日本産業規格Z9110(照度基準)及びZ9125(屋内作業場の照明基準)などを目安とし、視作業の状況及び視環境を勘案の上、調光機能の使用、消灯及びランプの間引きにより、可能な限り低い照度に設定すること。

(エ) 窓際など昼光により照度が確保できる場所では、積極的に昼光を利用し、消灯を実施すること。

(オ) 教室等の利用形態を考慮し、昼休み消灯(一部又は全部)を実施すること。

(カ) 調理室で荷物等が照明の障害となり、照度低下が発生しないよう、定期的な確認とともに、整理整頓を徹底すること。

(キ) 調理室のバックヤードについては、点灯及び消灯の基準を作成し、不要時の消灯をこまめに実施すること。

(ク) 営業前後の準備及び片付けの時間帯の給食室・食堂等の照明については、点灯及び消灯の基準を作成し、不要箇所の消灯をこまめに実施すること。

(ケ) 給食室・食堂等の利用者数の少ない時間帯には、可能な限り客席を集約し、点灯範囲を限定する等の点灯管理を実施すること。

イ 空調・換気設備(教育)

(ア) 冷暖房温度については、着衣の工夫を行うとともに、都が推奨する設定温度を勘案し、設定すること。

(イ) 空調の運転範囲が分かれている場合、使用者が認識するよう室内機スイッチに運転範囲を表示すること。

(ウ) 温度計等を活用して室内温度条件を把握し、風量及び冷暖房温度を適正な値に設定すること。

(エ) 空き室、不在時等のこまめな空調停止、終業時刻より早めの空調停止など室内機スイッチ操作の基準を作成すること。

(オ) 空調負荷の低減を図るため、予熱時又は予冷時の外気導入量の停止等を実施すること。

(カ) 空調負荷の低減を図るため、夏季及び冬季時の外気導入量の制御、中間期(春季及び秋季)の全熱交換器の運転停止等を実施すること。

(キ) 中間期(春季及び秋季)には、外気を直接室内に導入して冷房を行うなど、熱源エネルギーの削減を図ること。

(ク) 冬季に冷房を使用している場合は、同一室内などにおいて、冷房による冷風と暖房による温風とが混合して、エネルギー損失が生じないよう運転方法を見直すこと。

(ケ) 空調負荷の低減を図るため、扉や窓を閉め、空調により給気と排気とのバランスを調整して必要な換気風量を確保しつつ、外気の進入を抑制すること

(コ) 調理室では空調の吹出口の直近の荷物等による通風障害が発生しないよう、定期的な確認とともに、整理整頓を徹底すること。

(サ) 調理室の空調負荷の低減を図るため、換気の量を適正化することにより外気の過度な流入を抑制すること。

(シ) 営業前後の準備及び片付けの時間帯等の厨房の換気が不要なときには、調理室の換気設備を停止すること。

(ス) 営業前後の準備及び片付けの時間帯については、作業エリアに限定して使用するなどの基準を作成し、給食室・食堂等の不要箇所の運転をこまめに停止すること。

(セ) 給食室・食堂等の利用者数の多寡が生じる時間帯に応じた、空調温度の設定のこまめな変更を実施すること。

ウ 厨房設備

(ア) 加熱用機器の使用については、適切な加熱時間を検討し、その目安となる時間を表示して無駄な加熱の抑制を図ること。

(イ) 加熱時に蓋ができる加熱用機器については、加熱時の熱損失を低減するため、加熱時に蓋をするよう表示し、指導すること。

(ウ) 水栓器具の近傍に節水を促す表示をし、使用者への意識啓発を図ること。

(エ) 調理用機器、食器用洗浄機等については、効率的な使用方法を検討し、その方法を機器の近傍に表示することにより、使用者への意識啓発を図ること。

(オ) 加熱用機器については、使用開始までの待機時間が必要以上に発生しないよう、営業開始時間等に合わせた適正な使用を図ること。

エ 冷凍冷蔵設備

(ア) 冷凍冷蔵庫については、内容物に適した冷凍温度及び冷蔵温度を把握し、適正な設定温度を行うことで過冷却の防止を図ること。

(イ) 冷凍及び冷蔵の適正温度については、庫外に表示するなど、使用者への意識啓発を図ること。

(ウ) 冷凍冷蔵庫からの材料出しについては、材料の収納位置を庫外に表示し、冷凍冷蔵庫の開閉時間の短縮を図ること。

オ 研究設備

(ア) 作業効率の維持又は向上のため、5S(整理、整頓、清潔、清掃、躾)を徹底すること。

(イ) 作業効率が最適となるよう、作業動線を考慮した機器配置とすること。

(ウ) 研究設備の起動や試験手順など運転方法をルール化し、不要時の停止をこまめに実施すること。

(エ) 研究内容又は実験の内容により、同一内容の実験の集約化及び機器等の操作の見直しを図ること。

カ 空調・換気設備(研究系)

(ア) 空調負荷の低減を図るため、外気湿度の状態と除湿に必要なエネルギーとを勘案して、温度設定を行うこと。また、可能な場合には除湿量の調整を実施すること。

(イ) 工程や室用途、作業内容により必要な風量が異なるため、各室の風量のバランスの調整や局所通風により風量の適正化を図ること。

(ウ) 操業状態を把握することで、不要箇所や不要時の空調停止をこまめに実施すること。

(エ) 空気を常に循環ろ過する必要があるクリーンルーム等においては、空気清浄度を把握し、循環風量の適正化を図ること。

(オ) 工程や室用途、操業状態ごとに必要な外気量を把握し、外気導入量の適正化を図ること。

キ 受変電設備、配電設備

(ア) 最大負荷時、最低負荷時などの機器の運転状況に応じた受電力率を把握し、改善すること。

(イ) 機器の起動順序、運転時間等の運転方法の変更、機器更新時など機会を捉え、契約電力の見直しを行うこと。

ク 給排水・給湯設備、排水処理設備

(ア) 漏水による無駄を防止するため、終業・始業時等に使用量を計量器で確認し、漏水の有無を確認すること。

(イ) 機器の洗浄時間等の水利用方法に関する基準を作成し、水使用量の抑制を実施すること。

ケ アからクまで以外の業務用設備

(ア) アからクまで以外の業務用設備については、設備毎に停止の可否を判断してリスト化したうえで業務時間外等の不要時の停止を実施すること。

(イ) アからクまで以外の業務用設備については、効率的な使用方法を検討し、その方法等を設備の近傍に表示することにより、使用者への意識啓発を図ること。

3 産業部門(加熱・乾燥を行う事業者、加工・組立を行う事業者、精密加工・薬品製造等を行う事業者、食料品を加工・製造する事業者、その他の事業者)

対象となる設備

対策内容

ア 産業設備全般

(ア) 作業効率の維持又は向上のため、5S(整理、整頓、清潔、清掃、しつけ)を徹底すること。

(イ) 作業効率が最適となるよう、作業動線を考慮した機器配置とすること。

(ウ) 装置の停止時には、不要となる補機も併せて停止すること。

イ 生産設備

(ア) 機器の特性の把握、特に負荷に対する効率を把握し、機器リストを作成すること。

(イ) 運転方法をルール化し、不要時の停止をこまめに実施すること。

(ウ) 生産設備の日常的な運転時の電流、電圧等を把握すること。

(エ) 同種の機器が複数ある場合には、効率の良い機器から優先的な運転を実施すること。

(オ) 同種の機器が複数ある場合には、負荷に応じて最も効率の良い運転台数での運転を実施すること。

(カ) 生産ラインを見直すことにより、不要な工程、手順及び作業スペースを削減し、生産効率を向上させること(加工・組立を行う事業者に限る)

ウ 受変電設備、配電設備

(ア) 最大負荷時、最低負荷時などの機器の運転状況に応じた受電力率を把握し、改善すること。

(イ) 機器の起動順序、運転時間等の運転方法の変更、機器更新時など機会を捉え、契約電力の見直しを行うこと。

エ 圧縮空気供給設備

(ア) 通常の運転状態の把握のために、圧縮空気の系統図及び圧縮空気の使用設備のリストを作成し、省エネルギー対策の基本データとして整備すること。

(イ) 配管系統からの漏れによる損失の低減のため、エア漏れの確認を行うこと。

(ウ) コンプレッサ出口、エアドライヤ及びタンクの前後並びに使用端の圧力を定期的に記録し、圧力損失を把握すること。

(エ) コンプレッサ吐出圧力については、使用端の機器の最低必要圧力を確認し、配管の圧力損失等を考慮の上、必要圧力に応じた適正な吐出圧力に調整すること。

(オ)コンプレッサの排熱を適正に排出し適正な給気を行う等、コンプレッサを設置する室内温度を低減すること。

(カ) コンプレッサが複数設置されている場合には、負荷に応じて最も効率の良い運転台数での運転を実施すること。

オ 蒸気供給設備

(ア) 通常の運転状態の把握のために、燃料使用量、給水量及び運転時間の日常的な記録、蒸気の系統図の作成、蒸気の使用設備のリスト作成並びにボイラ単体効率の把握をし、省エネルギー対策の基本データとして整備すること。

(イ) 蒸気を用いて加熱等を行う設備については、加熱設備内部及び蒸気配管での放熱を防止するため、不要時には蒸気供給バルブの閉止を実施すること。

(ウ) 生産設備が稼動できるようになるまでのボイラの暖機時間を把握し、暖機運転時間の短縮をすること。また、季節に応じた暖機運転時間の設定を行うこと。

(エ) ボイラのブローについては、過剰なブロー量による熱の損失を防止するため、定期的に給水及びボイラ水の水質分析を行い、可能な限りブロー量を低減すること。

(オ) 蒸気圧力については、供給される側の機器の最低必要圧力を確認し、配管放熱ロス等を考慮の上、使用圧力に応じた適正な圧力へ調整すること。

(カ) 蒸気を減圧して使用している場合や余剰蒸気を回収する場合には、蒸気を動力源とするポンプやコンプレッサ等への利用を図ること。

(キ) 熱源が複数ある場合には、使用量に応じて最も効率の良い運転台数での運転を実施すること。

(ク) 空気比を確認し、燃料の消費が少なく、最適な熱効率が得られるよう調整を実施すること。

カ 熱源・熱搬送設備、冷却設備(加熱・乾燥を行う事業者)

(ア) 工業炉等の加熱・乾燥を行う設備においては、必要な温度、圧力、加熱・乾燥時間等を把握すること。

(イ) 加熱炉等においては、炉壁からの放熱量を計測し、記録することで放熱量の傾向を把握すること。

(ウ) 加熱・乾燥設備を使用する工程を把握し、改善に努めることで熱損失の低減を図ること。

(エ) 加熱・乾燥設備の空気比を確認し、燃料の消費が少なく、最適な加熱・乾燥条件が得られるよう調整を実施すること。

(オ) 加熱・乾燥設備の開口部について、形状及び開閉時間を工夫し、熱損失の低減を図ること。

(その他の事業者)

(ア) 操業に適した圧力又は流量を把握するため、ポンプの吐出圧力又は流量を計測し、記録すること。

(イ) 工程又は負荷の変動に応じて必要な圧力及び流量を見直すことで、圧力及び流量を適正に保ち、動力の低減を図ること。

キ 給排水・給湯設備、排水処理設備(食料品を加工・製造する事業者、その他の事業者)

(ア) 漏水による無駄を防止するため、終業時及び始業時に使用量を計量器で確認し、漏水の有無を確認すること。

(イ) 機器の洗浄時間等の水使用方法に関する基準を作成し、水使用量の抑制を実施すること。

ク 空調・換気設備(加工・組立を行う事業者、精密加工・薬品製造等を行う事業者、食料品を加工・製造する事業者、その他の事業者)

(ア) 空調負荷の低減を図るため、換気の量を適正化することにより外気の過度な流入を抑制すること(加工・組立を行う事業者、食料品を加工・製造する事業者)

(イ) 空調負荷の低減を図るため、外気湿度の状態と除湿に必要なエネルギーとを勘案して、温度設定を行うこと。また、可能な場合には除湿量の調整を実施すること(精密加工・薬品製造等を行う事業者)

(ウ) 空調負荷の低減を図るため、衛生管理基準の範囲内で空調設定温度や湿度管理範囲を緩和すること(食料品を加工・製造する事業者、その他の事業者)

(エ) 工程や室用途、作業内容により必要な風量が異なるため、各室の風量のバランスの調整や局所通風により風量の適正化を図ること。(精密加工・薬品製造等を行う事業者、食料品を加工・製造する事業者)

(オ) 操業状態を把握することで、不要箇所や不要時の空調停止をこまめに実施すること(精密加工・薬品製造等を行う事業者、食料品を加工・製造する事業者)

(カ) 空気を常に循環ろ過する必要があるクリーンルーム等においては、空気清浄度を把握し、循環風量の適正化を図ること(精密加工・薬品製造等を行う事業者、食料品を加工・製造する事業者)

(キ) 工程や室用途、操業状態ごとに必要な外気量を把握し、外気導入量の適正化を図ること(精密加工・薬品製造等を行う事業者、食料品を加工・製造する事業者)

ケ アからクまで以外の産業用設備

(ア) アからクまで以外の産業用設備については、業種特有の機器を中心に、不要時の停止を実施すること。

(イ) アからクまで以外の産業用設備については、業種特有の機器を中心に、効率的な使用方法を検討し、その方法等を機器の近傍に表示することにより、使用者への意識啓発を図ること。

第4 設備保守対策

1 業務部門

対象となる設備

対策内容

(1) 照明設備

ア 屋内照明設備

(ア) 適正な照度を維持するため、ランプ及び反射板の清掃、定期的なランプの交換など、定期的に保守及び点検を実施すること。

(2) 空調・換気設備

ア 中央熱源方式空調設備

(ア) 熱源設備、空調機器、ポンプ、ファン、配管、ダクト、冷却塔等については、個別機器の効率及び空調設備全体の総合的な効率を良好な状態に維持するため、配管の断熱補修、フィルター・熱交換器・凝縮器・コイルフィンなどの清掃等、定期的に保守及び点検を実施すること。

イ 個別方式空調設備

(ア) 圧力損失増加による搬送動力増加を防ぐため、フィルターのこまめな清掃等、定期的に保守及び点検を実施すること。

ウ 換気設備

(ア) 圧力損失による効率低下を防ぐため、フィルターのこまめな清掃など、定期的に保守及び点検を実施すること。

(3) 給排水・給湯設備、排水処理設備

ア 給排水・給湯設備、排水処理設備

(ア) 給湯設備については、熱源の熱効率維持のため、ボイラ等の定期的な保守及び点検を実施すること。

(イ) ボイラ等については、空気比を確認し、燃料の消費が少なく、最適な熱効率が得られるよう調整を実施すること。

(4) (1)から(3)まで以外の業務用設備

(ア) 設備の効率を維持するため定期的に保守及び点検を実施すること。

2 産業部門

対象となる設備

対策内容

(1) 照明設備

ア 屋内照明設備

(ア) 適正な照度を維持するため、ランプ及び反射板の清掃、定期的なランプの交換など、定期的に保守及び点検を実施すること。

(2) 空調・換気設備

ア 中央熱源方式空調設備

(ア) 熱源設備、空調機器、ポンプ、ファン、配管、ダクト、冷却塔等については、個別機器の効率及び空調設備全体の総合的な効率を良好な状態に維持するため、フィルター、熱交換器、凝縮器、コイルフィンなどの清掃等、定期的に保守及び点検を実施すること。

イ 個別方式空調設備

(ア) 圧力損失による効率低下を防ぐため、フィルターのこまめな清掃など、定期的に保守及び点検を実施すること。

ウ 換気設備

(ア) 圧力損失による効率低下を防ぐため、フィルターのこまめな清掃など、定期的に保守及び点検を実施すること。

(3) 生産設備

(ア) 生産設備については、機器の効率を維持するため、運転状況を確認し、消耗品を交換等するなど定期的な保守及び点検を実施すること。

(イ) 配管での圧力損失を防ぐため、ポンプのストレーナー及び送風機のフィルターの清掃を定期的に実施すること。

(4) 圧縮空気供給設備

(ア) 配管系統からの漏れによる損失を低減するために、定期的にエア漏れ箇所の点検及び補修を実施すること。

(イ) コンプレッサの排熱を適正に排出し適正な給気を行う等、コンプレッサを設置する室内温度を低減すること。

(ウ) コンプレッサの性能を維持するために、定期的な点検を実施すること。

(5) 蒸気供給設備

(ア) ボイラの性能を維持するため、定期的な保守及び点検を実施すること。

(イ) スチームトラップについては、動作不良等による蒸気の漏えい及び閉そくを防止するため、定期的に保守及び点検・交換を実施すること。

(ウ) 配管系統からの漏れによる損失を低減するために、定期的に蒸気漏れ箇所の点検及び補修を実施すること。

(エ) ボイラへの給水は、伝熱管へのスケールの付着及びスラッジ等の沈でんを防止し、ボイラの効率を維持するため、日本産業規格B8223(ボイラの給水及びボイラ水の水質)の規定により水質管理を実施すること。

(オ) 空気比を確認し、燃料の消費が少なく、最適な熱効率が得られるよう調整を実施すること。

(6) 給排水・給湯設備、排水処理設備

(ア) 漏水による無駄を防止するため、終業時及び始業時に使用量を計量器で確認し、漏水の有無を確認すること。

(7) (1)から(6)まで以外の産業用設備

(ア) 設備の効率を維持するため定期的に保守及び点検を実施すること。

第5 設備導入対策

1 業務部門

対策分類

対策内容

対象となる設備

対策項目

(1) 照明設備

ア 屋内ランプの高効率化

(ア) 既設のランプより高効率なランプの採用が可能な場合は、ランプ交換の機会を捉えて順次高効率のランプを導入すること。

イ 屋内照明器具の高効率化

(ア) 照明器具の更新、新設等の機会を捉え、既設照明の点灯回路、ランプ方式、照度等を勘案し、順次高効率のLED(発光ダイオード)照明器具を導入すること。

(イ) 誘導灯の更新、新設等の機会を捉え、順次高効率の誘導灯(高輝度誘導灯等)を導入すること。

ウ 屋内照明の点灯回路の細分化

(ア) 照明スイッチと点灯範囲との対応を確認し、不要な範囲の照明が点灯する場合には、必要な範囲の点灯となるよう点灯回路の細分化を行うこと。

(イ) 消し忘れしやすい場所には、稼働時間、照明方式等を踏まえ、人感センサーなどを導入すること。

エ 屋外ランプの高効率化

(ア) 既設のランプより高効率なランプの採用が可能な場合は、ランプ交換の機会を捉えて順次高効率のランプの導入を実施すること。

オ 屋外照明器具の高効率化

(ア) 照明器具の更新・新設等の機会を捉えて既設照明の点灯回路、ランプ方式、照度等を勘案し、順次高効率の照明器具(LED(発光ダイオード)照明器具、メタルハライドランプなど)を導入すること。その際、既設照明による照度を勘案し、過剰な照明にならないよう配慮すること。

カ 昼光の利用

(ア) 窓際など昼光により照度が確保できる場所には、稼動時間、照明方式等を踏まえ、照度センサー又は調光機能を保有した照明器具などを導入すること。

(2) 空調・換気設備(中央熱源方式)

ア 冷温水配管の保温

(ア) 冷温水配管、継ぎ手、バルブ等の配管系の断熱性能が不十分と認められる場合には、断熱強化を図ること。その際、日本産業規格A9501(保温保冷工事施工標準)及びこれに準じる規格に規定するところにより行うこと。

イ 搬送動力の負荷に応じた制御の導入

(ア) 搬送動力(ポンプ及びファン)については、更新、新設等の機会を捉えて、順次高効率モータを導入すること。

(イ) インバータ制御によるエネルギー低減が大きいと見込まれる場合、ポンプ及びファンには、インバータの導入により使用する流量及び圧力に応じた可変速制御を導入すること。

ウ 冷温熱源機の高効率化

(ア) 空調の冷温熱源機器については、更新、新設等の機会を捉えて、順次高効率な熱源機器の導入を実施すること。その際、更新前の機器の容量と実際の使用で発揮している能力との比較・検討をし、適正な容量を選定すること。

(イ) 空調配管の更新、新設等の機会を捉えて、冷却水を用いた冷房(フリークーリング)の導入を実施すること。その際、更新前の機器の容量と実際の使用で発揮している能力との比較・検討をし、適正な容量を選定すること。

エ 熱損失の低減

(ア) 室内への外気取入れ系統と排気系統との間には、外気による空調負荷の低減に努めるため、風量に見合った全熱交換器を設置すること。

(イ) 空気調和を行う部分の壁、屋根については、厚さの増加、断熱性の高い材料の利用、断熱の二重化等により、空気調和を行う部分の断熱性の向上を検討すること。また、窓については、断熱及び日射遮へいのために、フィルム、ブラインド、熱線反射ガラス又は複層ガラス等による対策を実施すること。

オ 外気冷房制御の採用

(ア) 中間期や冬期に冷房が必要な場合には、外気冷房制御を採用すること。その際、加湿を行う場合には、水加湿方式の採用により冷房負荷を軽減すること。

(3) 空調・換気設備(個別方式)

ア 空調機の効率化

(ア) 更新、新設等の機会を捉えて、順次高効率な機器を導入すること。

イ 熱損失の低減

(ア) 室内への外気取入れ系統と排気系統との間には、外気による空調負荷の低減に努めるため、風量に見合った全熱交換器を設置すること。

(4) 空調・換気設備(換気設備)

ア 負荷に応じた制御の導入

(ア) 事務所等の換気設備については、更新、新設等の機会を捉えて、内部のCO2等の濃度を把握し、CO2濃度に合わせて空調設備の稼働を制御する設備の導入を実施すること。

(イ) 駐車場換気設備については、更新、新設等の機会を捉えて、内部のCO等の濃度を把握し、CO濃度に合わせて換気設備の稼働を制御する設備の導入を実施すること。

(5) 冷凍冷蔵設備

ア 冷凍冷蔵ショーケースの照明の効率化

(ア) トップフード照明を設置し、ショーケース内照明の低減を図ること。

イ 冷凍冷蔵ショーケースの断熱化

(ア) ナイトカバーの附属状況を確認し、附属していない場合は、外付けのナイトカバーを設置すること。

ウ 冷凍冷蔵ショーケースの冷凍冷蔵機能の高効率化

(ア) インバータによる可変速制御が可能な場合、冷凍機に可変速制御を導入し、負荷変動に応じた設備の運転を実施すること。

(イ) 更新時及び新設時には、ショーケースの冷凍・冷蔵負荷の軽減を図るための扉付きの機器の導入を実施すること。

(ウ) 更新時及び新設時には、より高効率な機器の導入を実施すること。

エ 冷熱源機の高効率化

(ア) 冷凍・冷蔵用冷熱源機器については、更新、新設等の機会を捉えて、順次高効率な熱源機器の導入を実施すること。その際、更新前の機器の容量と実際の使用で発揮している能力との比較・検討をし、適正な容量を選定すること。

オ 冷気の損失防止

(ア) 冷凍冷蔵倉庫における、出入口扉からの冷気の流出を抑制するため、エアカーテン等を導入すること。

(6) 給排水・給湯設備、排水処理設備

ア 給湯器の高効率化

(ア) ガス式給湯器については、更新時、新設時等の機会を捉えて、潜熱回収型ガス給湯器など順次高効率な機器の導入を実施すること。

(イ) 電気式給湯器は、更新時、新設時等の機会を捉えて、ヒートポンプ式給湯器など順次高効率な機器の導入を実施すること。

(ウ) ボイラの更新時及び新設時には、順次高効率な機器を採用すること。その際、更新前の機器の容量と実際の使用で発揮している能力の比較・検討をし、適正な容量を選定すること。

イ 温水配管の保温の強化

(ア) 冷温水配管、継ぎ手、バルブ等の配管系の断熱性能が不十分と認められる場合には、断熱強化を図ること。その際、日本産業規格A9501(保温保冷工事施工標準)及びこれに準じる規格に規定するところにより行うこと。

ウ 使用給水量の低減

(ア) 水栓への節水こまの取り付けや、自動水栓の導入、トイレでの擬音装置の導入等により、使用水量の削減を図ること。

(7) 事務用機器

ア 事務用機器の高効率化

(ア) パソコン、プリンター、コピー機や複合機の更新時及び新設時には、より省エネルギー性能の高い機器の導入を実施すること。

(8) 昇降機設備

ア 昇降設備の高効率化

(ア) エレベータについては、更新、新設等の機会を捉えて、順次、インバータ制御や回生電力機能を有する設備を導入すること。

(9) 受変電設備、配電設備

ア 需要電力の監視

(ア) 需要電力監視制御装置(デマンドコントローラ)を導入し、ピーク電力を抑制して契約電力の低減を図ること。

イ 受変電設備の高効率化

(ア) 変圧器については、更新、新設等の機会を捉えて、順次高効率化するとともに、集約化を図ること。

(イ) 無停電電源装置については、更新、新設等の機会を捉えて、必要な容量を見直し、順次高効率な装置の導入を実施すること。

ウ 力率の改善

(ア) 更新、新設等の機会を捉えて、進相コンデンサの導入等により、力率の改善を図ること。

(10) 中央監視設備

ア エネルギー管理システムの導入

(ア) 中央監視設備については、更新、新設等の機会を捉えて、ビルエネルギー管理システム(BEMS)を導入し、設備稼働状況等のデータを把握及び制御することで、エネルギーの使用の合理化を図ること。

(11) 再生可能エネルギー

ア 再生可能エネルギーの導入

(ア) 建物等の設置条件及び日射を考慮し、エネルギー需要の状況に応じて太陽光発電設備の導入を検討すること。

(イ) 建物等の設置条件及び日射を考慮し、エネルギー需要の状況に応じて太陽熱利用設備の導入を検討すること。

(ウ) 建物等の設置条件及びエネルギー需要の状況に応じて地中熱利用設備の導入を検討すること。

(エ) 熱源設備の更新、新設等の機会を捉えて、エネルギー需要の状況に応じて生物資源(バイオマス)利用設備の導入を検討すること。

(12) 建物の省エネルギー

ア 建物の断熱性能の向上

(ア) 屋根、床、外壁等構造体の断熱性能の向上及びブラインド、カーテン、遮光フィルム、多層ガラス等を導入し、日光の入射を防止すること。

イ 蓄熱・蓄電設備の導入

(イ) 一日の負荷変動及び季節変動を平準化するために、蓄電池又は蓄熱設備の導入を検討すること。導入した際は、建屋のエネルギー利用状況を考慮し、蓄電・蓄熱時間及び放電・放熱時間を設定すること。

(13) (1)から(12)まで以外の設備

ア 外気に開放された開口部における外気侵入等の防止の措置

(ア) 構造上、窓や扉がなく外気に開放された開口部がある場合には、事業所の改修、新設の機会を捉えて、空調負荷を増大させる外気の進入及び室内空気の流出を防止するための措置(扉の設置等)を実施すること。

イ (1)から(12)まで以外の設備の高効率化

(ア) 更新時及び新設時には、順次高効率な機器を採用すること。その際、更新前の機器の容量と実際の使用で発揮している能力との比較・検討をし、適正な容量を選定すること。

(イ) 自動販売機は年間消費電力量が小さい省エネ型を設置すること。外部業者が設置している場合には、省エネ型に交換するよう要請する事。

2 産業部門

対策分類

対策内容

対象となる設備

対策項目

(1) 照明設備

ア 屋内ランプの高効率化

(ア) 既設のランプより高効率なランプの採用が可能な場合は、ランプ交換の機会を捉えて順次高効率のランプを導入すること。

イ 屋内照明器具の高効率化

(ア) 照明器具の更新、新設等の機会を捉え、既設照明の点灯回路、ランプ方式、照度等を勘案し、順次高効率のLED(発光ダイオード)照明器具を導入すること。

ウ 屋内照明の点灯回路の細分化

(ア) 照明スイッチと点灯範囲との対応を確認し、不要な範囲の照明が点灯する場合には、必要な範囲の点灯となるよう点灯回路の細分化を行うこと。

(イ) 消し忘れしやすい場所には、稼働時間、照明方式等を踏まえ、人感センサーなどを導入すること。

エ 屋外ランプの高効率化

(ア) 既設のランプより高効率なランプの採用が可能な場合は、ランプ交換の機会を捉えて順次高効率のランプの導入を実施すること。

オ 屋外照明器具の高効率化

(ア) 既設の照明器具が磁気回路式安定器を使用している場合には、稼働時間、照明方式等を踏まえ、LED(発光ダイオード)照明器具へ更新すること。

(イ) 照明器具の更新・新設等の機会を捉えて、既設照明の点灯回路、ランプ方式、照度等を勘案し、順次高効率の照明器具(LED(発光ダイオード)照明器具、メタルハライドなど)を導入すること。その際、既設照明による照度を勘案し、過剰な照明にならないよう配慮すること。

(2) 空調・換気設備(中央熱源方式)

ア 冷温水配管の保温

(ア) 冷温水配管、継ぎ手、バルブ等の配管系の断熱性能が不十分と認められる場合には、断熱強化を図ること。その際、日本産業規格A9501(保温保冷工事施工標準)及びこれに準じる規格に規定するところにより行うこと。

イ 搬送動力の負荷に応じた制御の導入

(ア) 搬送動力(ポンプ及びファン)については、更新、新設等の機会を捉えて、順次高効率モータの導入を実施すること。

(イ) インバータ制御によるエネルギー低減が大きいと見込まれる場合、ポンプ及びファンには、インバータの導入により使用する流量及び圧力に応じた可変速制御の導入を実施すること。

ウ 冷温熱源機の高効率化

(ア) 空調の冷温熱源機器については、更新、新設等の機会を捉えて、順次高効率な熱源機器の導入を実施すること。その際、更新前の機器の容量と実際の使用で発揮している能力との比較・検討をし、適正な容量を選定すること。

(3) 空調・換気設備(個別方式)

ア 空調機の効率化

(ア) 更新、新設等の機会を捉えて、順次高効率な機器の導入を実施すること。

(4) 空調・換気設備(その他)

ア 空調範囲の最適化

(ア) 作業場の空調設備については、作業場の使用状況に応じて、更新、新設等の機会を捉えて、局所空調の導入を実施すること。

イ 換気系統の最適化

(ア) 作業場の換気設備については、作業場の使用状況に応じて、更新、新設等の機会を捉えて、局所排気の導入を実施すること。

ウ モータの高効率化等

(ア) 更新、新設等の機会を捉えて、稼働時間、駆動方式等を踏まえ、順次高効率モータの導入を実施すること。

エ 負荷に応じた制御の導入

(ア) 負荷変動が大きい設備には、使用状況、更新時期等について検討し、インバータによる可変速制御などの導入をし、負荷変動に応じた設備の運転を実施すること。

(5) 生産設備

ア モータの高効率化等

(ア) 更新、新設等の機会を捉えて、稼働時間、駆動方式等を踏まえ、順次高効率モータの導入を実施すること。

イ 負荷に応じた制御の導入

(ア) 負荷変動が大きい設備には、使用状況、更新時期等について検討し、インバータによる可変速制御等の負荷制御方式を導入し、負荷変動に応じた設備の運転を実施すること。

(6) 圧縮空気供給設備

ア 機器の高効率化

(ア) 更新、新設等の機会を捉えて、稼働時間、駆動方式等を踏まえ、順次高効率なコンプレッサの導入を実施すること。その際、更新前の機器の容量と実際の使用で発揮している能力との比較・検討をし、適正な容量を選定すること。

イ 機器の効率的な使用

(ア) コンプレッサの排熱を適正に排出し適正な給気を行う等、コンプレッサを設置する室内温度を低減すること。

(7) 蒸気供給設備

ア 系統からの放熱防止対策

(ア) 蒸気配管・温水配管、継ぎ手、バルブ等の配管系の断熱性能が不十分と認められる場合には、断熱強化を図ること。その際、日本産業規格A9501(保温保冷工事施工標準)及びこれに準じる規格に規定するところにより行うこと。

(イ) 更新、新設等の機会を捉えて、稼働時間や駆動方式等を踏まえ、順次エコノマイザの導入を実施すること。その際、更新前の機器の容量と実際の使用で発揮している能力との比較・検討をし、適正な容量を選定すること。

(ウ) 蒸気ドレンを排出している場合には、蒸気ドレンとボイラ補給水との熱交換を行うなど、熱損失の低減対策を実施すること。

イ 機器の高効率化

(ア) 更新、新設等の機会を捉えて、順次高効率なボイラの導入を実施すること。その際、更新前の機器の容量と実際の使用で発揮している能力との比較・検討をし、適正な容量を選定すること。

(8) 工業炉

ア 設備・機器からの熱損失低減対策

(ア) 更新、新設等の機会を捉えて、炉壁や開口部等からの熱損失低減対策を実施すること。

イ 設備・機器の高効率化

(ア) 更新、新設等の機会を捉えて、順次高効率な工業炉の導入を実施すること。その際、更新前の設備・機器の容量と実際の使用で発揮している能力との比較・検討をし、適正な容量を選定すること。

(イ) 更新、新設等の機会を捉えて、順次高効率なバーナの導入を実施すること。その際、更新前の機器の容量と実際の使用で発揮している能力との比較・検討をし、適正な容量を選定すること。

(9) 熱源・熱搬送設備、冷却設備

ア 機器の高効率化

(ア) 更新、新設等の機会を捉えて、稼働時間や駆動方式等を踏まえ、順次高効率なポンプの導入を実施すること。その際、更新前の機器の容量と実際の使用で発揮している能力との比較・検討をし、適正な容量を選定すること。

イ モータの高効率化等

(ア) 更新、新設等の機会を捉えて、稼働時間、駆動方式等を踏まえ、順次高効率モータの導入を実施すること。

ウ 負荷に応じた制御の導入

(ア) 負荷変動が大きい設備には、使用状況、更新時期等について検討し、インバータによる可変速制御などの導入をし、負荷変動に応じた設備の運転を実施すること。

(10) 昇降機設備

ア 昇降設備の高効率化

(ア) エレベータについては、更新、新設等の機会を捉えて、順次、インバータ制御や回生電力機能を有する設備を導入すること。

(11) 受変電設備、配電設備

ア 需要電力の監視

(ア) 需要電力監視制御装置(デマンドコントローラ)を導入し、契約電力の低減を図ること。

イ 受変電設備の高効率化

(ア) 変圧器については、更新、新設等の機会を捉えて、順次高効率化するとともに、集約化を図ること。

(イ) 無停電電源装置については、更新、新設等の機会を捉えて、順次高効率な装置の導入を実施すること。

ウ 力率の改善

(ア) 更新、新設等の機会を捉えて、進相コンデンサの導入などにより、力率の改善を図ること。

(12) 中央監視設備

ア エネルギー管理システムの導入

(ア) 更新、新設等の機会を捉えて、工場エネルギー管理システム(FEMS)を導入し、設備稼働状況等のデータを把握及び制御することで、エネルギーの使用の合理化を図ること。

(13) 再生可能エネルギー

ア 再生可能エネルギーの導入

(ア) 建物等の設置条件及び日射を考慮し、エネルギー需要の状況に応じて太陽光発電設備の導入を検討すること。

(イ) 建物等の設置条件及び日射を考慮し、エネルギー需要の状況に応じて太陽熱利用設備の導入を検討すること。

(ウ) 建物等の設置条件及びエネルギー需要の状況に応じて地中熱利用設備の導入を検討すること。

(エ) 熱源設備の更新、新設等の機会を捉えて、エネルギー需要の状況に応じて生物資源(バイオマス)利用設備の導入を検討すること。

(14) 建物の省エネルギー

ア 建物の断熱性能の向上

(ア) 屋根、床、外壁等構造体の断熱性能の向上及びブラインド、カーテン、遮光フィルム、多層ガラス等を導入し、日光の入射を防止すること。

イ 蓄熱・蓄電設備の導入

(イ) 一日の負荷変動及び季節変動を平準化するために、蓄電池又は蓄熱設備の導入を検討すること。導入した際は、建屋のエネルギー利用状況を考慮し、蓄電・蓄熱時間及び放電・放熱時間を設定すること。

(15) (1)から(14)まで以外の設備

ア 外気に開放された開口部における外気侵入等の防止の措置

(ア) 構造上、窓や扉がなく外気に開放された開口部がある場合には、事業所の改修、新設の機会を捉えて、空調負荷を増大させる外気の進入及び室内空気の流出を防止するための措置(扉の設置等)を実施すること。

イ (1)から(14)まで以外の設備の高効率化

(ア) 更新時及び新設時には、順次高効率な機器を採用すること。その際、更新前の機器の容量と実際の使用で発揮している能力との比較・検討をし、適正な容量を選定すること。

(イ) 自動販売機は年間消費電力量が小さい省エネ型を設置すること。外部業者が設置している場合には、省エネ型に交換するよう要請すること。

別表第2 貨物等の搬入等のため指定地球温暖化対策事業者以外の者の自動車を利用している場合の地球温暖化の対策

第1 自らの貨物等の搬入のため他者の自動車を利用しているとき。

項目

事業者の取組

1 低公害・低燃費車等の利用割合の向上

(1) 貨物等を搬入する際には、低公害・低燃費車を使用して搬入することを、売主等との売買契約書等に記載すること。

(2) 運送を委託して貨物等を搬入する際には、低公害・低燃費車を使用して搬入することを、運送事業者との運送契約書に記載すること。

(3) 入構許可証の交付時、搬入計画の策定時等に合わせ、低公害・低燃費車の利用状況を確認すること。

(4) 貨物等を搬入する際には、環境負荷の大きな自動車を使用しないことを、売主等との売買契約書等に記載すること。

(5) 運送を委託して貨物等を搬入する際には、環境負荷の大きな自動車を使用しないことを、運送事業者との運送契約書に記載すること。

(6) 入構許可証の交付時、搬入計画の策定時等に合わせ、環境負荷の大きな自動車の利用状況を確認すること。

(7) 環境負荷の大きな自動車を使用しないことを求める掲示物を施設内に設置すること。

(8) その他

2 物流効率化の推進による交通量の抑制

(1) 共同輸配送を推進するため、他者の貨物等と併せて輸配送することを受け入れること。

(2) 過度なジャスト・イン・タイムサービスを廃止する等納品回数を削減すること。

(3) 朝夕のラッシュ時、積載効率の低い曜日等を避けた輸配送を運輸事業者と共同で実施すること。

(4) 効率的な物流活動が可能となる荷さばきのための駐車施設等関連施設を場内に整備すること。

(5) 建物内配送を一元化すること。

(6) 貨物等の形状の標準化(既成のパレット・コンテナの使用等)について売主等と協議し、また館内にパレット・コンテナ集積所などを設けること。

(7) 積載率向上のため、自ら過度の包装等の見直しを行うこと。

(8) 積載率向上のため、包装資材の軽量化等に取り組むよう売主等に対して働きかけること。

(9) 共同輸配送など効率的輸配送を行う運送事業者を選択するよう売主等に対して働きかけること。

(10) 適宜、運行指示書等の提示要求、包装資材等の確認等を行い、(8)及び(9)の働きかけの実現状況を確認すること。

(11) その他

3 エコドライブの推進

(1) エコドライブを実施した輸配送を行うよう売主等に対して働きかけること。

(2) エコドライブの推進を求める掲示物を施設内に掲示すること。

(3) その他

4 体制の整備

(1) 物流効率化、エコドライブの推進等に係る社員教育を実施すること。

(2) 運送事業者等の取組状況を、適宜、把握するとともに確認できるような体制を整備すること。

(3) 売主、運送事業者等との連携のために協議会を設置する等の取組を行うこと。

(4) その他

5 貨物輸送以外の自動車交通量対策

(1) 通勤者の自動車使用を抑制するための取組を行うこと。

(2) 来訪者等の自動車使用を抑制するための取組を行うこと。

(3) その他

第2 施設利用者等の貨物等の搬入等のため指定地球温暖化対策事業者以外の者の自動車を利用しているとき。

項目

事業者の取組

1 低公害・低燃費車等の利用割合の向上

(1) 施設利用者等が貨物等を搬入する際には、低公害・低燃費車を使用するよう働きかけること。

(2) 施設利用者等が運送を委託して貨物等を搬入する際には、低公害・低燃費車を使用するよう働きかけること。

(3) 入構許可証の交付時、搬入計画の策定時等に合わせ、低公害・低燃費車の利用状況を確認すること。

(4) 施設利用者等が貨物等を搬入する際には、環境負荷の大きな自動車を使用しないよう働きかけること。

(5) 施設利用者等が運送を委託して貨物等を搬入する際には、環境負荷の大きな自動車を使用しないよう働きかけること。

(6) 入構許可証の交付時、搬入計画の策定時等に合わせ、環境負荷の大きな自動車の利用状況を確認すること。

(7) 環境負荷の大きな自動車を使用しないことを求める掲示物を施設内に設置すること。

(8) その他

2 物流効率化の推進による交通量の抑制

(1) 効率的な物流活動が可能となる荷さばきのための駐車施設等関連施設を場内に整備すること。

(2) 貨物等の形状の標準化(既成のパレット・コンテナの使用等)について売主等と協議するよう、施設利用者等に対して働きかけ、また館内にパレット・コンテナ集積所などを設けること。

(3) 建物内配送を一元化すること。

(4) 積載率向上のため、過度の包装等を見直すよう、施設利用者等に対して働きかけること。

(5) 共同輸配送を推進するため、他者の貨物等と併せて輸配送することを受け入れるよう、施設利用者等に対して働きかけること。

(6) 共同輸配送など効率的輸配送を行う運送事業者を選択するよう、施設利用者等に対して働きかけること。

(7) その他

3 エコドライブの推進

(1) エコドライブの推進を求める掲示物を施設内に掲示すること。

(2) その他

4 体制の整備

(1) 施設利用者等に対して物流効率化、エコドライブの推進等を実施するよう働きかけること。

(2) 建物内配送の一元化に向けて運送事業者等の取組状況を確認すること。

(3) 施設利用者等との連携のために協議会を設置する等の取組を行うこと。

(4) その他

5 貨物輸送以外の自動車交通量対策

(1) 通勤者の自動車使用を抑制するための取組を行うこと。

(2) 来訪者等の自動車使用を抑制するための取組を行うこと。

(3) その他

別表第3 中小規模事業所の2030年度の達成水準等

第1 省エネルギー対策に係る2030年度の達成水準等

事業者は、2030年度の達成水準(省エネルギー対策)について、①又は②から、条件等を満たすものを選択し、自らの目標や達成に向けた計画を策定する。①について、基準年度に2000年度以外を選択する場合は、2030年度の達成水準となる削減率は、知事が別に定める基準年表に掲げる削減率となる。

2030年度の達成水準(省エネルギー対策)

条件等

① 事業者の取組

全事業所の合計エネルギー消費量を35%削減(2000年度比)

基準年度は原則2000年度とするが、都が示す「基準年表」から選択可能。

② 事業所の取組

ベンチマーク適用事業所の全てのエネルギー消費原単位が都のベンチマークのレンジA

全事業所数のうちベンチマーク適用事業所が7割以上の事業者のみ選択可能。

第2 再生可能エネルギーの利用に係る2030年度の達成水準等

事業者は、2030年度の達成水準(再生可能エネルギー利用)について、①又は②を選択し、自らの目標や達成に向けた計画を策定する。

なお、本制度で環境価値を充当できる証書は、グリーン電力証書、グリーン熱証書、FIT非化石証書、非FIT非化石証書(再エネ指定)とする。

2030年度の達成水準(再生可能エネルギー利用)

①事業者の取組

全事業所の利用電力の再生可能エネルギー電力割合を50%

②事業所の取組

全事業所のうち再生可能エネルギー電力100%事業所の割合が20%

※全事業所とは、事業者が都へ報告書を提出する全ての事業所のこと

東京都地球温暖化対策指針

平成21年6月26日 告示第989号

(令和7年4月1日施行)

体系情報
第9編 環境保全/第2章 害/第3節 規制基準等
沿革情報
平成21年6月26日 告示第989号
平成22年8月10日 告示第1086号
平成23年4月1日 告示第477号
平成24年3月29日 告示第531号
平成25年3月29日 告示第459号
平成25年12月18日 告示第1705号
平成26年3月12日 告示第294号
平成26年11月27日 告示第1564号
令和元年6月28日 告示第183号
令和2年3月19日 告示第364号
令和2年7月31日 告示第1011号
令和3年4月9日 告示第625号
令和5年3月31日 告示第356号
令和6年9月30日 告示第1016号